井上荒野のレビュー一覧

  • だりや荘

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    この小説を好きか嫌いかの二者選択を迫られたら、
    好きと答える。
    姉妹で一人の男を共有しているわけで、
    公然の秘密とはいえ、
    本来なら倫理に反する物語。
    妹が知っているかもしれないと思いつつ、
    妹の夫と逢瀬を続ける姉。
    知ってしまっているのに、
    知らないふりをしている妹。
    どちらも痛々しい。
    修羅場の起きない三角関係(大きく言えば五角)が、
    ただ淡々と静かに綴られている。
    終わり方は曖昧で、
    その後の展開を想像するしかない。

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    2009年10月04日
  • しかたのない水

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    スポーツクラブに通う人々の連作短編集。
    次々と女を変える男、受付の女、古本屋の男、足の悪い母と娘、インストラクターとその妻。
    井上荒野さんならではの切り取り方が素晴らしい。

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    2009年10月07日
  • だりや荘

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    とても器用に生きる事ができる人達の話。
    恋愛がないと生きていけない人、こういう人達周りにいるよね〜っていう。


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    2009年10月04日
  • ナナイロノコイ

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    まさに濃厚な贅沢な小説。
    さっとすばやく読まずに一話ずつかみ締めながら秋の夜長に読むのに限る、そんな一冊。
    本当は★を5つにしたいところだけど、作家『ミーヨン』氏の小説の内容がさっぱり分からなかった。
    そこで、★を-1とした。
    しかしながら、角田光代氏と唯川恵氏の作品だけは読む価値が高い。

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    2009年10月04日
  • 森のなかのママ

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    今の私は照次郎みたいな人がタイプだけれど、
    二十歳くらいの頃は伏見さんみたいな人が好きだったような。

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    2009年10月04日
  • だりや荘

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    やっと文庫化されたので、読んでみました。杏と姉の椿、夫の迅人、バイトの翼君が集まって、山深いところにあるペンション「だりや荘」を営んでいる。それぞれ、皆んな秘密を持っていくことになって、町の噂になりつつあっても、嘘をつくことをやめられない。噂をけすように町には雪が降り積もっても、不適切といわれる関係をやめられない。雪が全てを隠してくれればいいのに。全てを終わりにしてくれたらいいのに。たぶん、杏と椿の関係は一生変わらなく仲がいいのだろう、例え、静かな嘘がそこにはあっても。

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    2010年04月28日
  • 森のなかのママ

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    みんながママのことが好き。綺麗なお母さんを取り巻く全員が、素直にママを想う姿を見て、その中の伏見さんのことが好きないずみもなんとなく納得していく。突拍子もない行動を取るママに翻弄されながらも大学生のいずみは成長していく。

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    2009年10月04日
  • 森のなかのママ

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    少女のような軽やかさと無邪気さでもって男の人たちを虜にしてしまうママ。自由奔放に生きているような気がするけれど、実は自分の周りに起こることに、奮闘している。それに気づき始めた娘の話。

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    2009年10月04日
  • ナナイロノコイ

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    江國さんと唯川さんに惹かれて買ったら
    他の方の作品にもどっと引き込まれた。
    タイトル通り、七色の恋が感じられる。

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    2009年10月04日
  • ナナイロノコイ

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    これ、江国さんがいるから買ってみたんですけど他の作者さんも気になりました!えへへ、はずれじゃなくてよかったな!可愛らしいお話しでうっとり。

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    2009年10月04日
  • アクリル

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    ノンストップ・アクスタ小説、というジャンルは初読です。世界初じゃないかな?
    アクスタ…推し活の象徴のアイテム。知らないうちに当たり前にそこにある存在として定着してる。
    この小説においてアクスタはメタファーで、本来推し活は「(他人にどう見られても)自分の幸せを追求すること」なはずが、登場人物達、特に語り手は一周回って、「自分が幸せであるに違いない状態を維持すること」に依存しているように読めた。皮肉な小説だなぁと思いました。
    2次元を推してたはずが気づけば3次元に沼るの、身に覚えありすぎて怖い。そして3次元を推すことの危険性も。推しは永遠じゃないから…。
    2次元推してるうちはまだ耐えれるけど、3次元推しだしたら不快という感覚は残念ながら共感してしまう。
    アクスタ、自分は手を出したらキリがないと思って自重してるけど、帯同したり写真撮ったりする活動には確かに憧れある。マメじゃないからしてないけど。

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    2026年10月26日
  • つやのよる

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    艶に関係あるのか無いのかわからない女6人と最後の男となる献身的な夫の物語である。
    艶=通夜ともとれる感じは井上荒野ワールドだと思うけど描かれる人間関係は一筋縄ではいかない男女である。無駄の無い文章は滑稽で曖昧で歪な物である。私には共感出来ないが解説で行定勲監督が「こういう小説は映画になる」言っている。
    もちろん恋愛関係が気薄な現代では艶の様な女は
    マジ居なくなって欲しいと思われている反面松尾の様な男に女達は責めないし同情すらする事になるのかもしれません。
    そうなんです。艶のせいで夫又は自分の男との関係を見つめ直すきっかけとなるんだよね。色々な女の本音が暴かれ、それを観た女は共感し男は女の本質を少しだけ理解する。しかしお互いに本当に理解出来るのだろうか???

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    2026年10月21日
  • キャベツ炒めに捧ぐ

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    ネタバレ

    東京私鉄沿線の駅近くで惣菜屋を営む三人の単身60代女性の物語。食材をテーマにした11の短編からなる。皆それぞれ一癖そして物語がある。
    面白いことは面白いがどことなく没入できない。それほど好きになれない。どことなく捻くれているからか。もう少し若い女性だったらどうなのだろう。違う物語になったかもしれないが。

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    2026年10月19日
  • 山なら言いたいことがある

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    山の短編集かと思ったら山のエッセイ集だった。
    私はマラソンと登山は理解できないので、登山の話はふーんって感じだったけど、狩り(単位含むw)の話は面白かった。

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    2026年10月19日
  • 1+1

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    俳句結社「水軍」の人々を軸に緩やかに
    繋がっていく、料理と飲み物をテーマにした
    24編の掌編小説

    まず、冒頭のイラストの色がとても綺麗で
    美味しそう。それぞれの料理が話に出てきた
    時には、もう一度見返す楽しみも。

    美味しい食事や飲み物を通じて、それぞれの
    登場人物たちの心の奥底にある、小さなモヤモヤ
    や悩みが、穏やかな気持ちを取り戻したり、
    少しずつ前向きになったりする様子が読んでいて
    気持ちいい。
    〈プロセッコと花ズッキーニのフリット〉
    〈ふきのとうのフリットとレッドアイ〉
    の話が印象に残った。

    登場する料理とそれに合わせるお酒やお茶の
    描写がとても魅力的で、読んでいると何か
    美味しいものが無性に食べたくなってくる。

    ただ気になるところがあるとしたら
    本の紙の質感や手触りが悪い
    そして書体(フォント)が圧?が強い‥
    (私だけかな?気になるのは)

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    2026年10月19日
  • 最後の晩餐

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    江國さんの世界観に共感。
    コインランドリーが宇宙的に思えるのも、清潔感満載な外国の一角に思えるのも、わかるんです。

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    2026年10月12日
  • あなたにだけわかること

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    2人とも、それぞれの恋愛観にかなり親同士の不倫が影響してて、その影響の中にはお互いの姿がセットであって…という駿と夏。
    恋愛関係になるのはどうしても考えられないだろうけど、言い表せない関係で細く長く続いていくんだろうな。どちらかがこの世から去らない限り。
    …先に退場しそうなのは駿かな。
    関係者が全員いなくなって初めて落ち着きそうだなぁ。特に千秋。

    駿の妻の妙子さんにとって、夏と鏡子のどちらが脅威かと思ったけどやっぱり夏かな。
    恋愛関係じゃないのに細く長く続いてる謎の女とか…謎すぎる。
    たぶん、妙子さんは夫が不倫してるの気付いてただろうけど、不倫相手とは別に夏がいることはお見舞いの件で初めて知ったかも。
    「母親の恋人の娘」って、モヤモヤしてもそれ以上突っ込めない。大変すぎる…

    読んでいて、嫌悪感や断罪する気持ちが湧いてこないのは井上荒野さんのすごいところ。
    哀しみやどうしようもなさの方を強く覚えてしまって、これもひとつの人生か…としみじみします。
    グチャグチャドロドロはしていても、淡々としていて、綺麗で冷静な文章なのが好き。

    駿の父の「人間は死ぬからいい」というの、あれだけ振り回されたものから解放される安堵と、「死なないと消えないのか」という諦念と、あのエネルギーみたいなのは死んだらチャラになるのか?どこへ行くのか?という疑問と…全部ありました。憂いと祝いと、確かにわからない。

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    2026年10月11日
  • 猫が見ていた

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    最初の湊かなえと最後の加納朋子の作品以外は猫に癒されるほっこり短編集ではなくて、ミステリーだったりバリキャリが猫に八つ当たりする話だったり、哲学的な話だったりする。少々頭を使ったり心が荒れたりするが、全体としては普通。

    巻末に澤田瞳子によるオールタイム猫小説傑作選があり12作品の紹介がある。こっちも面白そう。

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    2026年10月11日
  • 最後の晩餐

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    最後の晩餐をテーマにしたアンソロジー。初めて読む作家さんもいて、どれもよかったけど特に以下が好き。

    『ラストサパーフォーエバー』金原ひとみ
    友達とわいわいくだらない話をして、夜から誰かの家に集まって時間も気にせずダラダラと翌日も一緒にご飯を食べる。そんな光景がとても懐かしく、疎遠にしてしまっている友達に会いたくなった。

    『最後の鰻』角田光代
    こんな風にお別れできたらいいな。近所のお弁当屋さんで買ってきた鰻丼でも、お爺ちゃんを囲んで親族で食べた鰻丼とこの光景をきっと一生忘れない。一人で食べるごはんより、私も誰かとの人生で忘れられない食事を増やしたいと思った。

    『小曽根幸子の送別会』寺司はるな
    「専務は私のこと、かわいそうな女だと思っていたんでしょう」
    自分の大事なものを知っている小曽根さんはとてもかっこよい人。

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    2026年10月12日
  • 山なら言いたいことがある

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    先ず私の様な素人はトレッキング≒ハイキングで実は全く別物と言う区別が付かない人が大半だ。現に妻の知人が職場同僚から「トレッキング」に誘われ「ハイキング」のつもりで参加したら「本格登山」で全く付いて行けなかったと言う逸話もある。
    本作の大半は登山素人の作者達の登山感と言った誰にもあるあるな内容だが専門家の服部、石川両氏作はやはり傾聴に値した。いくら経験者で過去に踏破出来たからと言って過信は禁物。昨今の高齢者の遭難のニュース続出の現実が如実に専門家の警鐘通りだからだ。

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    2026年10月03日