井上荒野のレビュー一覧
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ネタバレ猛獣ども
著者:井上荒野
発行:2024年8月8日
春陽堂
初出:「WEB新小説」(春陽堂書店)連載
ある別荘地が舞台。リタイアして永住している人、結婚1年ちょっとで永住している人などがいる。そういう人たちと2人の管理人が中心で、通っているだけの別荘族は話には登場しない。別荘地の下には月見町という町があって、住民はそこに買い物や外食に行き、管理人の一人もそこのアパートに住む。
ある時、別荘地で男女が熊に襲われて死んだ。第一発見者はリタイア後に永住している住民。管理人は、管理事務所と兼用の建物に住み込みで働いている小松原慎一と、前任者が辞めて新しく東京から転勤になって来たばかりの小林七帆。 -
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佐野洋子さんの『100万回生きたねこ』。インパクトの強い緑色の瞳をしたオスのトラ猫が表紙の絵本です。おそらく子どもの頃にも読んだことがあったと思うんですが内容はほとんど記憶になく、大人になって改めて読んでグッときました。
1977年に発売されて以来、今なお多くの人に読まれ続けている大ロングセラーであるこの絵本への、13人の作家によるトリビュート短篇集です。
佐野洋子さんの息子さんで絵本作家の広瀬弦さんや元旦那さまの谷川俊太郎さんも執筆されています。結構著名な作家陣ばかりですが、私は読むのは初めましてな作家さんが多かったですね。
どういうこと?と理解が追いつかないお話もあれば、ちょっと不思 -
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微妙な、はっきりしているわけじゃないできごとの違和感や困った感や距離感を描くのがうまいなぁと思う。
男女のあれこれはあまり興味が持てないため、なんかめんどくさそう…としか思えないのだけど、、
でも老年期の人間を描いている作品も数あって、これからの私には助かる。
井上荒野さんは、読む時にちょっと力が要るというか、覚悟がいるというか…、「井上荒野を読むぞ!」と思わないと読めない。
うかつに手にとってやっぱりうかつだった、となることが多いので、気をつけて慎重に読む作家だ。
新しく追いかける作家を見つけられて嬉しい。これからも少しずつ読んでいきたい。
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ネタバレ心がざわざわする。結婚をしたけれど夫のことが嫌いで、「いない」ようなものとして生活するまりと、
夫を突然亡くしてしまい、文字通り夫が「いない」実日子の2人のストーリが軸で進んでいく。
女だから共感できるのか分からないけど、短い文章で的確に女性の気持ちを表現されていて、ものすごく心がざわざわした。
だいきらいだったはずの夫から離婚を切り出されて、
だいきらいだったのではなく、ずっとだいきらいでいたかったのだと気づく場面なんて、、、
なんだか心当たりがある感情で本当に参る。
あと、解説にもあったけど、本当に料理のセンスが良くて美味しそうで。
作中のレシピ公開してほしいです。笑 -
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ネタバレ公私共にずっと夫と過ごしており、夫が嫌いなまり。
突然夫が亡くなった料理家の実日子。
まりが実日子の料理教室に行くことから話ははじまる。
ひどく食欲を掻き立てられる一冊だった。
食べたい料理がたくさん。
イメージが浮かぶような料理なのに、少し手が込んでいるから誰かが作ったこの料理を食べたい気持ち。
夫が存在しているけど、自分の中ではいないものとして考えているまりと、夫はいなくなってしまったけど、自分の生活の中で夫を感じる機会の多い実日子が対象的に描かれている中、エンディングでは二人の立場がクロスするというのが面白かった。
解説にある「きれいな大人の女性の前に立った、無粋な女の子のような気 -
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ネタバレ突然同僚が貸してくれたのですが、そういえば井上荒野さんの作品は読んだことがなかったなと思って、ありがたく読んでみました。
なんだか不思議なお話でした。SFとかファンタジーという意味ではなくて。なのに、すごく地に足の着いたというか、ちゃんと人生を感じられる小説でした。
たぶん不思議な感じがしたのは、ストーリーに対する主要人物三人の年齢のせい。東京のとある町でお惣菜屋さんを営む江子と従業員の麻津子、郁子ともに60歳前後のいわゆるおばさんである。それなのに、江子は「きゃはは」と笑い、麻津子はダーリンとうまくいくことを望み、郁子は「いやーん」と色っぽい声をだしたりする。3人とも年齢が年齢だけにこれま -
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映画「朽ちない桜」つながりで、この作品に。
短編集の中で、気に入ったのはふたつ。
・泣く猫 柚月裕子
17年音信不通であった母が死んで、真紀は母の住処に訪れる。母の同僚サオリが弔問に訪れる。
母が大切にしていた猫・マキは母のために泣いたという。
P.76
(中略) あっけらかんとした人生じゃなかったと思うよい サオリは俯いたまま、自分のことのように語る。
「男に夢中になると、ほかが見えなくなっちゃう。男と別れたあと、自分がしでかしたことを後悔する。そんときは、もう男なんかいらないって思うけど、好きなやつができ ると、また突っ走る。そして別れて悔いての繰り返し、心底、自分で自分がいやに