井上荒野のレビュー一覧

  • 山なら言いたいことがある

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    井上荒野、角田光代、町田康、唯川恵、ほか『山なら言いたいことがある』幻冬舎文庫。

    17名の作家やエッセイスト、登山家、冒険家による山のエッセイ集。

    山が好きで、山にどっぷりハマっている人も居れば、山が肌に合わず、敬遠している人も居るようで、そんな人達の様々なエッセイが味わえる。


    井上荒野『どうして私はこんなところにいるのか』。井上荒野の小説は殆んど読んだことが無い。海派だという井上荒野が八ヶ岳の登山口そばの別荘地に暮らし始めた顛末が語られる。人里から離れた風光明媚な場所に暮らす良さは理解出来る。自分も田舎のポツンと一軒家に暮らしているが、近所付き合いや生活音などのストレスが無く、敷地内で何をしても近所の目が無いというのが何とも良い。

    角田光代『ただ歩く』。角田光代がこれほどアクティブな作家だとは思わなかった。三十台でドロミテをトレッキングした経験を持つ角田光代はその後、登山にはハマらなかったと言う。しかし、フルマラソンからトレイルランニングにハマり、山に行くことが増えたようだ。何事もハマる切っ掛けというものがある。

    穂村弘『山力がなかった』。北海道大学のワンダーフォーゲル部に入ったが、山力が無く、断念した話。山も海も向き不向きがある。自分は登山でも余り息を切らすことも無く、海で波乗りを始めても、時間は掛かったが、人波に波に乗れるようになった。カナヅチを隠して波乗りをしていた知人がボードを流されて、溺れた時には驚いた。

    松永K三蔵『義弟を撃つ』。初読み作家。芥川賞受賞作家らしいが、ふざけたペンネームが嫌いだ。最後の義弟を撃つという意味が解らない。

    平松洋子『比叡山とか、遠足とか、楢山節考とか』。山で経験した3つの恐怖を描いた欲張りなエッセイ。自分が大学時代に友人と初めて岩手山に登った時、その日は忘れもしない9月27日で、初冠雪の日で余りの寒さと霧に驚かされた。その年の岩手山の初冠雪は例年より10日ほど早かったようだ。

    角幡唯介『猟場開拓』。冒険家の角幡唯介が北海道で新たな狩猟を開拓する様子を描いたエッセイと言うよりもノンフィクションのような作品。こういう硬質な話は嫌いではない。

    石田夏穂『いざゆけ、接待登山』。初読み作家。学生時代と社会人になってからの二度の接待登山の顛末。接待登山とはなかなか面白い。自分が波乗りを趣味にしていた時代、友人と波待ち中に接待サーフィンという架空の話で盛り上がったことがある。

    スズキナオ『高取山の二つの茶屋』。初読み作家。高取山にある二つの茶屋でビールを飲みながら味わった面白おかしい話。山にまで登ってビールを飲む必要があるのかと、酒を止めた自分には理解出来ぬ話。

    東出昌大『山の魅力って何だ』。確か一流女優と結婚したのに不倫して離婚して、若いタレント再婚した山男気取りの俳優ではなかったか。そんなゲス俳優が、ジョージ・マロリーの言葉まで引き合いに出し、何をか言わんや。

    稲垣えみ子『そこに山があるかぎり』。初読み作家。山に目覚める過程を描いた話。

    小野寺史宜『箱根も山でした』。箱根をナメて痛い目を見た話。自分も一度だけ箱根に行ったことがある。その時は車で箱根路を走り、昼に焼肉を食べたという記憶がある。

    長瀬ほのか『私は山で何も見つけられない』。初読み作家。何度か山と触れ合う機会があったのに山の面白さを知ることが出来なかったという話。

    服部文祥『山の獲物の神様』。サバイバル登山家の服部文祥が犬と共に晩秋の山に入り、諦めていた鹿を撃ち、何とか食糧を手にするという話。角幡唯介のエッセイ同様、ノンフィクションのような作品。

    古賀及子『実家の裏山』。初読み作家。ふかふかの肉まん四つを持って登山に行く話。

    石川直樹『最初の山へ』。やたらと自己の登山の実績をひけらかしている感が強いエッセイ。家庭や学校から自由になるために不良仲間と山に登り、酒やタバコを楽しんだという話。

    町田康『ワンダーフォーゲル部の辻褄』。お笑い芸人のようなギャグを突っ込んで、無理矢理、面白おかしくしているようなエッセイ。町田康って、こんな作家だったっけ。

    唯川恵『標高4910メートルの餅バター』。ロブチェで高山病に苦しむ中、コックが作ってくれた餅バターの話。、餅バターは餅にバターを絡めた料理で、餅にバターを練り込んだ、何時までも固くならない不思議なバター餅は秋田の郷土料理である。

    本体価格720円
    ★★★

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    2026年08月24日
  • アクリル

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    ネタバレ

    たしか白央篤司さんだったと思うのですが、井上荒野さんを取材した際に、「ミステリーを書きたい」とおっしゃっていたという話しをツイートされていた記憶があります。この作品のことでしょうか?それともこの続きの殺人事件が書かれるのでしょうか?読んでみたいです。

    わたしも半島の先端に無性に行きたくなるので、突端マニアですね。

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    2026年08月23日
  • 1+1

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    掌編集なので、途中でこの人誰だっけ、どこで出てきたひとだっけ。ということが度々起こったが少しだけ前に進めそうで話が終わるところが好きな作品。
    そして別の人が主人公の話で前に出てきた人が幸せになったと知るのもほっこりする。
    とりあえずフルーツポンチとリモンチェッロは試してみたいと思った。

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    2026年08月20日
  • 山なら言いたいことがある

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    ★3.5

    短文ながら、その先に別の広がりがあるのでは、と期待してしまう面白さがありました。

    山好きの方なら尚の事ではないでしょうか。

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    2026年08月18日
  • 山なら言いたいことがある

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    山の魅力も味わえたが、それ以上に筆者の面白いエピソードに触れられて、そこが楽しめた。
    松永K三蔵さんの義弟の変わり者の話、石川直樹さんの高校時代のワンゲル部の話は読んでいて、思わず笑ってしまった。

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    2026年08月10日
  • キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ

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    なんかこの前も女性3人のお話しを読んだ気がするな。まあ女3人寄ったら姦しいっていうからね。シングルも再婚も家族があってもいつまでも付き合える友達っていいですね。

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    2026年08月07日
  • 最後の晩餐

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    「最後の晩餐」をテーマにした、女性作家たちのアンソロジー。
    どの作品も面白く、すぐに読み終わった。
    自分の「最後の晩餐」は何がいいかな?
    何を食べるかより、誰と食べるか、なのか?
    いや、やっぱり一人がいいな。
    …と、いろいろ考えさせられるのも面白い。

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    2026年08月04日
  • 注文の多い料理小説集

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    「エルゴと不倫鮨」男たちの欲望を叶えるための超高級鮨屋に突如乱入したエルゴを付けた母親。展開が容赦なさすぎて笑った。「夏も近づく」冷たい水出し緑茶いいなぁ…「好好軒の犬」タイトルはメタファーかしら。誰かに考察してほしい。「色にいでけり」得体がしれない裕福な色男の依頼を、怪しいのひと言で断る賢い女の子、というシチュエーション何回でも読みたい。シリーズものかな?読みたいな。「味のわからない男」コントみたいなお話だった。「福神漬」タイムスリップ。「とっしりふわふわ」読後の多幸感!これもシリーズものかな。

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    2026年08月01日
  • 1+1

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    お料理とお酒をテーマにした短編集
    一つ一つは短いけれど 連作になってるので 長編にもちょっと感じられました。
    始めのイラスト集 綺麗な色で美味しそう
    それぞれのお話に出て来たとき もう一度見返しました。
    お酒は殆ど飲めないけど この組み合わせがいいんでしょうね 飲める人が羨ましくなりました

    やはり 食べること 嗜好が合う事は人との繋がりには大切ですね

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    2026年07月27日
  • 最後の晩餐

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    最後の晩餐という死に関するテーマでありながら、どれも読みやすく優しい気持ちになれる話が多かった印象。
    特に井上荒野さんの話は家族に会いたくなる、希望に満ちた内容だった!井上荒野さんの本読んだ事なかったけど他も読んでみようかな、、?
    金原ひとみさんのポップでミーハーな感じも好き!

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    2026年07月26日
  • あちらにいる鬼

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    自分の人生を賭けて1人の男を愛す、1人の男に狂わせられる、愛しか知らないみたいななんと薄っぺらい人生とか思っていたけれど、読み終えてみて、それぞれがそれぞれに強烈な人生だった、という感じ。共感はできないけど否定はできない。

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    2026年07月26日
  • 赤へ

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    ネタバレ

    全くの他人だったのに結婚することにより、近い親族になる義父母
    元々うまくいっていなかったが、妻の自死により互いが責任を感じていた
    義母が高齢者マンションに入居することになり、改めて人生には良い悪いこと含め色々と起こることをしった
    相手の家族は選べないし、相手と縁を切らない限り付いてくる
    うまく立ち回れるかは、本人次第だが遠慮や配慮などでなかなかうまくいかないのかも
    そして、これは一方だけではなく互いに思っていること
    2023/10/28

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    2026年07月27日
  • 最後の晩餐

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    文字通りの晩餐について書くだけじゃないのはさすが一流作家たち。むしろ食べられなかった一品を描写するパターンが印象に残った。1番好きだったのは病室での鰻弁当。

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    2026年07月19日
  • 最後の晩餐

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    「最後の晩餐」という
    イメージがばちこん固まっているテーマでも
    捉え方、筆致、筆者によってここまで変わるかあ、という。

    寺司さんが好み。
    原田さんはもう少し長めの物語として
    この話を読みたかった。
    そして安定の金原節。

    アンソロジーはテーマの広がりに感服するし
    自分の好みも浮き彫りになるなー。

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    2026年07月19日
  • 最後の晩餐

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    ネタバレ

    【あらすじ】

    あなたは人生の最後に何を味わいますか?
    当代の人気作家7名が究極のテーマに挑んだ、自由でぜいたくで幸福な「食」小説アンソロジー

    弥生子は「最後の晩餐」について語り合う若い夫婦の会話を盗み聞きして……江國香織「コインランドリーの夜」

    失恋したクズハの家に、女友だち三人は最期に食べたいものを持ち寄って……金原ひとみ「ラストサパーフォーエバー」

    最後のごはんは、鰻がいいっておとうさん、言っていたのに、このままだと……角田光代「最後の鰻」

    経理の小曾根さんが退職することになり、送別会を開いたが……寺地はるな「小曾根幸子の送別会」

    ライターの明日香は、今は亡き遠縁の作家の「最後の晩餐」について執筆することに……原田ひ香「最後に、何を食べたの?」

    還暦のゆかり、9つ上のチロルねえちゃんと62歳の笹子の最近の話題は……藤野千夜「もうひとりのねえちゃん」

    〝最後の晩餐〟という店が長野にあるという。夫を亡くしたばかりの桜子は娘たちとそのお店を探すが……井上荒野「本当の話」

    【個人的な感想】
    ・江國香織「コインランドリーの夜」
    ・角田光代「最後の鰻」
    ・寺地はるな「小曾根幸子の送別会」
    の3作が個人的に好きだった。

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    2026年07月19日
  • 注文の多い料理小説集

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    ネタバレ

    読まなかった話もあるが、概ねおもしろかった。特に一話目。女性と男性の視点の違いが面白い。次に最後の話。人生やりたいことがあったのに、気づけば全然違うところに来てしまうというのは、こういう感じだよねと共感できる。希望のある終わりも良かった。願わくば自分の人生もこうてありたい。

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    2026年07月18日
  • 100万分の1回のねこ

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    書店で懐かしい猫ちゃんの表紙の本に
    出会い手に取った一冊

    『100万回生きたねこ』のトリビュート作品集で好きな作家さんも描いていて、1篇1篇が短くて寝る前に読むのに良かったです

    猫は見当たらなかったけど、町田康さんの『百万円もらった男』が一番印象に残っています
    女もお金も失い仕事も無く、自分の才能を100万円と引き換えてしまった男の末路…セツナイ…

    綿矢りささんの『黒ねこ』も怖いお話だけど終わりが可愛いかった


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    2026年07月14日
  • 最後の晩餐

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    「最後の晩餐」をテーマにしたアンソロジー
    とにかく豪華な顔触れ
    しかも好きな作家さんばっかり
    角田さん寺地さん井上さん 良かったです

    なんだか重いテーマだけど 内容はそんな事は無くちょっと ぼのぼのした感じになれました

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    2026年07月12日
  • 注文の多い料理小説集

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    面白かった。料理に纏わるアンソロジー。

    まず一話目の柚木さんの文章に勢いがあってグイグイ読ませてくる上に、どの話も興味深くて一気読み。

    柚木さんの「エルゴと不倫鮨」、江戸時代を舞台にした坂井希久子さんの「色にいでにけり」が好きだった。

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    2026年07月01日
  • 私たちが轢かなかった鹿

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    親友の息子と付き合っている女や、不倫らしき現場に居合わせてしまったハウスキーパーの女など、ドロドロな男女歓迎を視点の違う2者からそれぞれ描いた短編集。後半が解答編のようになっている構成が面白くイッキ読み。

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    2026年06月28日