井上荒野のレビュー一覧

  • だれかの木琴

    Posted by ブクログ

    どこまでエスカレートしていくのかという恐ろしさは面白かったが、そこにいたる心情がいまいちわからず。もう少し丁寧に、変化していく内面を書いてほしかったなと思う。夫の行動などが暗にそれを示唆しているのかな。だとすれば、誰もが主人公のようになり得そう。接客業は愛想よくしなくてはいけないし、気に入られすぎてもいけないし難しいなと感じた。

    0
    2026年05月09日
  • 100万分の1回のねこ

    Posted by ブクログ

    『100万回生きたねこ』にちなんで13人の作家が綴った短篇集。角田光代と綿矢りさの作品が光って見えた。もちろん佐野洋子の絵本も読んだ。

    0
    2026年05月07日
  • キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ

    Posted by ブクログ

    前作からすぐの設定かと思いきや5年も経っていて、3人とも四捨五入で70歳…
    相変わらず3人ともアグレッシブ。良くも悪くも男の為に泣いたり笑ったりときめいたりと、本当に乙女で元気。

    美味しそうなお惣菜がこれでもかと出てくるが、彼女達のお惣菜を食べる人の描写は殆どなく、昨今流行りの傷ついた人達の心を美味しい食べ物が癒すというのと全く違うのが良い。
    おばちゃん達があーだこーだ言いながら作ってるのが本当に平和な光景。

    閉じてしまいそうになりながらも、まだまだ進んでいく様が良かった。

    0
    2026年05月06日
  • 照子と瑠衣

    Posted by ブクログ

    前から気になってた本。旦那から逃げ出し、誰かの別荘に勝手に住みはじめた照子さんと瑠衣さん。その街にはなかなか愉快な人たちがいた。最後は謎の終わり方やなと思ったが、まぁおもしろかった。

    0
    2026年04月30日
  • 注文の多い料理小説集

    Posted by ブクログ

    キャッチーなタイトルに惹かれて読んでみた。アンソロジーは読んだことのない作家さんに出会えるよい機会なので、ときどき読むようにしている。

    よかった順に、「夏も近づく」、「味のわからない男」、「好好軒の犬」、「どっしりふわふわ」、「エルゴと不倫鮨」。

    「夏も近づく」に出てくる料理はどれもシンプルで美味そう。塩むすびとか、筍ご飯とか。可哀想な生い立ちの葉月くんが、叔父さんの料理で癒されていく姿が清冽でよい。

    「どっしりふわふわ」は年の差20位のパン職人カップルのお話。ラスト2頁で種明かしされるミスリードについては、これがあるのとないのとでは、どれだけ読後感が違ってくるのか、オチを知ってしまった

    0
    2026年04月13日
  • あなたにだけわかること

    Posted by ブクログ

    私の異性の幼なじみにも一人、お互い大事過ぎて幼なじみという言葉がしっくりこず、やはり「この関係は何なんだ」と思わざるを得ない人がいる。
    恋愛関係ではないので浮気には当たらないだろうが、この特別な感情は浮気よりも本気に近く、ケンカしてもいずれ元に戻れるという信頼は結婚相手より深い気さえする。
    それは浮気よりも罪深いと思っているので人には言わない。

    内容自体は、世の中そんなに恋愛感情ばかりの大人だらけか?と違和感はあるが、年齢を重ねても中身の成熟さはさほど変わらない辺り、妙にリアルで納得している。
    千秋へ病的に執着する気持ちに共感はないが、「捨てられたくない」という感情は「好きな人から」という所

    0
    2026年04月13日
  • 私たちが轢かなかった鹿

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    同じ出来事を、関わった二人の視点から描く」連作短編集。表題作の「私たちが轢かなかった鹿」を中心に、現代社会に生きる男女の「ズレ」や「エゴ」を鋭く描き出しています。
    表題作「私たちが轢かなかった鹿」は、杏子はある日、長年の親友である真弓が、自分の息子である晴と付き合っていることを知る。母親としての嫌悪感、女としての嫉妬、そして「親友の息子」に手を出す側の心理。タイトルの「轢かなかった鹿」は、決定的な破局や惨劇を間一髪で避けているようでいて、実は内側から関係が腐敗していくような、静かな不穏さを象徴している。井上荒野作品らしい、「綺麗事では済まない人間の業」がこれでもかと詰め込まれた一冊です。

    0
    2026年04月11日
  • その話は今日はやめておきましょう【毎日文庫】

    Posted by ブクログ

    ハラハラするしその話は早めにして!とページを飛ばしたくなるようなモヤモヤと嫌な感じがする。
    人を信じたいと思う心情や環境によって変わってしまう心の変化が3人の主要人物を通してよく描かれていた。最後はすっきりと終わってよかった。

    0
    2026年04月09日
  • ベーコン

    Posted by ブクログ

    食べ物に絡めた不思議な人間関係の短編集。人間関係って一言で表せる関係よりも、表せないものの方が多いのかもしれない。

    0
    2026年04月04日
  • 注文の多い料理小説集

    Posted by ブクログ

    「夏も近づく」がかなり好きだった。自然の中でできることだけをして暮らしていく姿が素敵。葉月がのびのび過ごせますように。
    「しっとりふわふわ」はパンが食べたくなる。人を思う気持ちの大切さ。

    0
    2026年03月28日
  • 私たちが轢かなかった鹿

    Posted by ブクログ

    同じ出来事を二人の当事者の目線から描く5つの短編集。

    どれも登場人物は少なく、視点の二人の他にキーマンとなるもう一人の存在が。その人物が絶妙な役割を果たす。
    親友だったり、夫婦だったり、愛人だったり、互いのことをわかったつもりでいてもその胸の内はわからない。
    その隠された本心を覗き込んだ結果の気持ち悪さが満載の短編集。これぞ井上荒野作品って感じ。

    特に好きなのは表題作「私たちが轢かなかった鹿」と最後の「小説みたいなことは起こらない」。怖い。

    0
    2026年03月27日
  • だれかの木琴

    Posted by ブクログ

    井上荒野さん、初読だったけど面白かった。ストーカーの話なんだけど、このさりげない日常の描写が良い。気づいたらやってたって感じ。やらずにいられない感じ、なんか分かる。そしてそれは誰にもある。

    0
    2026年03月07日
  • 猫が見ていた

    Posted by ブクログ

    猫が主人公というより、物語の名脇役的存在としての猫という感じであった。
    猫は正義である。しかしながらアンソロジー系は私にハマらなかったのか、猫特有の癒しを感じ取ることができなかった。無念。

    #2026 #11

    0
    2026年03月04日
  • ホットプレートと震度四

    Posted by ブクログ

    「あのときの鉄鍋」 「ピザカッターは笑う」が好き。キッチンにある道具を通じて見えてくる人々の営み、隙間風、自分と相手の間合いと気持ち。
    短い話の中に【人それぞれ】が詰まっていた。

    0
    2026年03月03日
  • 注文の多い料理小説集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     タイトルで買ってしまった。
     北信の湯田中の古本屋併設のフレンチのお店「やまブイブイ」。読書好きの女将さんの、おそらく読んだ本だろう。
     折しも、宮沢賢治の『注文の多い料理店』という短編集を読んだところだったので、目について、思わず手に取ってしまった。きれいな古本。200円はお買い得♪

     さて、誰から、どの作品から読むか?
     折しも、短編集を編むなら、作品の掲載順はどうあるべきかを読み友たちと語る機会があったので、果たして順番は大切か、それとも……、という思いを確かめる意味でも、この短編集は、今、読むべきだとも思ったのだった。

     結果、最初に読んだのは柚木麻子から。「エルゴと不倫鮨」
     

    0
    2026年03月03日
  • 私たちが轢かなかった鹿

    Posted by ブクログ

    同じ出来事も視点が変わると見え方が変わってくる。

    それらの視点の差が、
    性別、年齢、

    というわかりやすい構図で描かれているので理解はしやすいが、
    性別や年齢に対するステレオタイプに感じなくもない。

    表題の「私たちが轢かなかった鹿」についての文章が、
    取り返しのつかない選択について、what if..を考えることで、より絶望的に感じられて、好きな文だった。

    0
    2026年02月23日
  • 私たちが轢かなかった鹿

    Posted by ブクログ

    最初は『ん、だから?』という感想でしたが、
    ラストの話が最後の最後で『えー!』となりました。

    同じストーリーを三者それぞれの視点で描かれているのは面白いですが、同じストーリーを3回繰り返えして読むのは飽きっぽい私にとってはちょっと苦痛でした。

    0
    2026年02月15日
  • キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ

    Posted by ブクログ

    60代で元気な三人娘。いろいろあるけど、前向きに妥協せず挑戦して進んでいける。
    羨ましいです。勅使河原さんは一体何だったのか…?

    0
    2026年02月13日
  • 生皮 あるセクシャルハラスメントの光景

    Posted by ブクログ

    自分にも無自覚な(もしかしたら限りなく自覚に近い思いを抱えた)ハラスメントの経験があるから、読んでいてどこかでそれを受け入れたくないような、変な気持ちを抱えてしまって、イライラするけど後ろめたいような感じがしていた。
    「何で今更こんな告発とかしてるの?」「自分からホテルに行ったんでしょ?」このあたりの周囲の何気ない言葉。日常的すぎてこわい。

    0
    2026年02月08日
  • あちらにいる鬼

    Posted by ブクログ

    この小説を最低の嘘つき男と図々しくて嫌な女、超然と見えながら傷つき続ける妻が色恋に溺れ、結婚を冒涜する気持ちの悪い話だと定義することは容易い。
    確かにどこを取っても自分が体験したいとは思えない。
    でも激しい情熱と愛憎が時間をかけて風化していった結果、3人が共同体のようになっていく様は何故か少し羨ましささえ感じる。
    みはるが出家したり篤郎が癌になったり、そういう大小様々な出来事が組み合わさって、針の穴を通すような確率で生まれた奇跡のような関係性がまぶしい。
    1人の男を愛しすぎるあまり憎んで、憎み疲れて疲れた先にこんな景色が見えるなら悪くないと思う。
    妻とみはるの間にある種の共犯めいた空気が流れて

    0
    2026年02月05日