井上荒野のレビュー一覧

  • ママナラナイ

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    久々に読んだ井上荒野さんの本。
    身体の不調や変化にまつわる10の話。

    短編集ならではでサクサク飽きずに読めた。
    好きなのは「顔」と「静かな場所」

    また荒野さんの本読みたい。

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    2023年11月23日
  • 静子の日常

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    初読みの作家さん。
    好きな作家さんがこの作家さんの新刊をお勧めされる際に、こちらも話題に挙げられていたので、こちらから手に取ってみた。

    静子さんは、とても上品で気品のあり、機転も聞く方。家族やご近所、フィットネスクラブでのトラブルも目立たぬようにこそっと解決していく姿は読んでいて爽快であり、痛快でした。
    自分も年齢を重ねていくうちにこんな風になれたらと思う一方で、静子さんの夫婦生活ではなくなったご主人に、苦痛を虐げられており、夫亡き後の「自由を生きる」覚悟が、静子さんを凛とさせている要因の一つなんだろうなと思った。

    連作短編集で読みやすかった。

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    2023年11月15日
  • ベーコン

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    はっきりとした感情が書かれず、ゆらゆらしているのにしっかり胸に突き刺さる、寂しく苦しい恋愛の短編集。
    救いがあるような無いような、なんとも言えない切なさが残った。
    井上荒野さんの作品は何冊か読んでいるけれど、この読後感がたまらない。
    静かに燃えている感じ。

    料理のタイトルが並ぶ短編集。
    普通ではない歪な恋愛を描いているのに、知らない世界なのにどこか共感してしまう不思議。
    江國香織に似ている気がする。
    どれも面白かった。

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    2023年11月09日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    誰かと旅に出ると、非日常の中で会話が弾んだり思っても見ない事が言えたりもするのかなぁと思いながら読み進めた。
    九州に住んでいると、あの列車に乗って眺める風景は、遠い昔に通学や通勤で乗っていた列車から眺めるそれとは違うものなのか確かめたい気もする。

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    2023年11月04日
  • あちらにいる鬼

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    ネタバレ

    ひとりの男を取り巻く女ふたりの話。

    主眼は妻の方かな
    前評判では瀬戸内寂聴さんの話って聞いてたけれど、話題が落ち着いてから読んだからそんなにあの人を思い出すことなく、小説として読めた。ここ大事だったかも。だって、娘が書いてるのを心に浮かべながら読むなんて、ねぇ。

    男に対して本当に思うところはたくさんあるけれど、それがあっても惹き付ける人っていると思うし、それに惹かれて愛着を持ってしまったふたりの思いや決断が興味深く読めた。その辺りが私は好き。
    最後まで読んでから改めてタイトルをみると、なんとも毒っけがありつつ、突き放してもいないいい感じ。

    出家という、自分にも世間にも相手の男にも家族にも有無を言わせない頑とした方法をとった女と一生側で支え続けた女。
    同じ女としてどちらの気持ちも感情もわかる。
    そして、私個人としてこの妻の行動は『妻』という立場に期待しているものだと思った。自分がこうなりたいと思うかとは別で『妻』ならこうしてほしいという勝手な思い。
    まぁ、女たちの行動の基盤には男への愛があって、それ故にこうなっていると思うんだけれど、やっぱりこの男はずるい。
    本心はどうなのか、考えても分からないことだけれどふたりとも大事で、なおかつ、ひとりじゃだめだったんだろう。そして女にちょっかいを出すのが好きだったんだろうと思うけれどこればっかりはなんともね。そういう性質なんでしょう。

    愛に生きたいと思う私にとって、この小説にあることはそれぞれが愛を体現してるように思えた。綺麗事かもしれない、こんなの本当の愛じゃないっていう意見もあるかもしれない。ただ、各々が傷を負いつつ、自分の信念に沿って生きた姿が見えた。

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    2023年10月29日
  • 静子の日常

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    ネタバレ

    あっさり、さっぱりしている静子さん。
    そんな静子さんと静子さんの一人息子と
    その嫁とその娘、4人の視点で物語が進む。

    静子さんは自分でスイミングスクールに
    通うといって契約しちゃうし
    孫の部屋からお酒を取ってみたり
    愛人に会いに行ってみたり
    そんな破天荒なようで自分を持っている静子さん。

    自分や他人をすっと遠くから見ている、
    そんな冷静さがある。

    くすっと笑えたり、なるほどなあと思わされたり
    おばあちゃん凄い・・・となったり。

    ちょっとだけ毒のある感じがまたいい。

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    2023年10月25日
  • キャベツ炒めに捧ぐ

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    ネタバレ

    ・夫(のせい?)で息子を失ったと思っている
    ・ずっと好きだった人に振られても思い続けている
    ・結婚して同じ職場の人に主人を取られる

    もう少し本の中では詳細に語られるけど
    3人の抱える大人な事情はこんな感じ。
    これが本を読むにつれて徐々に明らかになる。

    どれも苦しいけど、のらりくらりと
    それを受け入れながら日々を過ごしていく。
    嫌な思いをさせられたと相手が思っている
    その気持ちにかこつけて、前の旦那さんに
    気まぐれに電話をしてしまう江子には
    同情もしちゃうし、奥さんにも気を遣って
    あげたらいいのにと両方思ってしまう自分がいた。
    自分は悪くない上に、まだ好きだもんね…

    たかが風邪でくらいで病院に
    行かなくてもいいよと言った矢先に
    肺炎で息子をなくしてしまう郁子。
    前に進めそうなときに限って
    その話を引き合いに旦那さんに当たってしまう。
    とてもいたたまれないと思って読んでいた。

    この二つはもしかしたら一番近い未来で
    ありえるかもしれないという意味で
    感情移入が一番できてしまった二人。

    3人ともしっかりキャラクターがあってよかった。
    3人ともパワフルなので60代というのが
    まったく想像できずに読み終わってしまった笑

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    2023年10月25日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    豪華寝台列車にまつわる短編集。
    寝台列車の紹介も少し含みつつ、その実、内容的には旅とそれぞれの人生が描かれている。
    なので風光明媚な描写とかではなく、結構な確率で同行人が予定の人と違ってたり伴侶がお亡くなりになってたりしている(ご時世もあってかある事情で乗車すらしてないのもある)。
    三浦しをんさん目当てだったけど、色々な方の寄稿が読めてよかった。

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    2023年10月21日
  • それを愛とまちがえるから

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    ネタバレ

    「あなた、恋人がいるでしょう?」と言った妻にも恋人がいてびっくり!!そして、それをお互い隠すわけでもなく、
    なんなら食事をしたりキャンプに誘い出したり…そんなことある?って思ったけど、キャンプの続きが気になって読み進めていく。でも結局あのキャンプが解決の糸口になって…だいぶ遠回りした二人がお互いが大切だと気付けてよかったなと。
    それぞれの目線でかかれているけど、伽耶や朱音の思いにあーそれわかるなって共感できる部分もあり、楽しく読めた。

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    2023年09月21日
  • それを愛とまちがえるから

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    登場人物4人の思いが交互に描かれ、こんなに色々勝ち負けや、他人がどう見るかを気にしてたら、疲れるだろうなと思った。とは言いながら、多かれ少なかれこんな風にに生きてるのかなあ、私も。

    キャンプでは、計画段階から1人の思惑で突っ走った感があるけど、こういう場合、従属的に振る舞った方が、勝ちなんだろうか、思った通りに走り切った方が勝ちなんだろうか。まあ、負けはないんだけど、私なら従属しておいて、後から歯噛みしそうだな。

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    2023年09月15日
  • あたしたち、海へ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ああはなりたくないと言う不安からしている。
    波多野さんかっこいいと思った。
    子供への関わり方は同じではなくてそれぞれ違うのだと感じた。

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    2023年09月12日
  • キャベツ炒めに捧ぐ

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    何事も起こらないお話ではないのに、読んでる側の気持ちとしては終始穏やかだった。

    自分がこの年代になったら何してるんだろうと物語の中で何か起こるたびに嫌でもいちいち引き込まれて考えさせられる。

    食べ物で幸せになるお話は大好きで、現実に自分もそうなることが多い。この作品は特に文章自体が好きなのもあってより幸せな気持ちになった。

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    2023年08月28日
  • そこへ行くな

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    タイトルの意味がわかるまで数話かかった。

    どの話も、読みながらこの結末を知りたくないなって思わせるのは筆者の力なんだろうか。モヤモヤするけど、そういうことなんだろうと。

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    2023年08月28日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    帯は、
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    あなたなら、
    この旅に誰と出かけますかーー?
    豪華寝台列車「ななつ星」をテーマに
    7人の人気作家が紡ぐ「旅と人生」
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    小説5編と随想2編が収められています。

    表紙の暗闇のなかの流れ星と、
    車窓から漏れる灯りが素敵で。

    以前、文学YouTuberの寝台列車のなかでひたすら読書する動画を見たことがありますが、列車とか旅は非日常感があってドキドキワクワクしますね。

    列車をテーマにしても、オーソドックス(私の中では熟年夫婦やカップル)な物語だけでなく、友情や幽霊が出たり、感染症の流行で乗車が叶わなかった親子がいたり、糸井重里さんや、小山薫堂さんの随想だったり、とても新鮮で贅沢な一冊です。

    ボリュームも少なく、雑誌をめくるような気分で読むことができました。

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    2023年08月20日
  • ベーコン

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    どれも不穏な味わいの短編。
    食べ物がおいしそうだったり苦そうだったり。
    カツサンドとか煮こごりとか、食べるときに思い出しそう。

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    2023年08月20日
  • 100万分の1回のねこ

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    100万回生きたねこから、こんなふうにインスピレーションを受けるんだなぁと、どのお話も面白かった。一番面白かったのはゲームの中のネコの話。

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    2023年08月18日
  • キャベツ炒めに捧ぐ

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    荒野さんの筆力のせいだと思うけど、とても疲れた。
    いちいちため息が出そうになる
    3人が恐ろしく近い存在に感じて1行読むごとに共感しようとしてしまう。
    人生っていろいろあるなあと思うし、一方で私にはなにもないなあと思う。

    読む前後でタイトルの意味合いが全然違ってくるのも面白い。

    元気なかった時に赤坂のタコス屋さんでお腹いっぱいタコスを食べて元気でたのを思い出した。
    食べるって素敵。

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    2023年08月16日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    定年後の夫婦の趣味としてクロスバイクを楽しんでいた昌平とゆり子。

    昌平が交通事故で骨折してしまい、通院やリハビリ、これからの生活のことで不安に駆られるなか
    夫婦が出会ったのはかつてサイクルショップで見た一樹という青年だった。

    一樹に通院や家の手伝いのアルバイトを頼むことになり、彼の素性や知らないままだったが、関わっていく中で彼に対する信頼はゆるぎないものだった。

    大楠夫婦はいい人たちで、たとえ衝動的に破滅的な思いに駆られたとしても、決して彼らを裏切れないと思っていた一樹だったが、
    出来心からゆり子のジュエリーを盗んでしまい、悪い友達にそそのかされ金銭の要求にまで及んでしまった。

    老いていく体。残された時間。
    結婚し子供が独立し、お金にも多少の余裕があり、夫婦水入らずの静かな時間に突如あらわれた、魔が差した青年の存在。

    誰もが老いていくのは事実で、私も身を引き締められたような感じ。
    恐喝で目が覚めるゆり子、大楠夫婦の決断が、よかった。
    甘いよとかもっと早く警察に言うべきとか思うんだけど、一樹を信用していたからこその行動が、またリアルで、荒野さんすごいです。

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    2023年08月11日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    アンソロジー。
    どの作品も いいな、と思えた。ほのぼのだったりしみじみだったり。

    中でも特にいいなと思えたのは、恩田陸の作品だった。とても、素敵だと思う。

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    2023年08月07日
  • その話は今日はやめておきましょう【毎日文庫】

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    老いていくこと、老いていると思われること。
    配偶者が先に逝ってしまうこともあると気づく恐怖
    自分の身にいつでも訪れる死や孤独に対する恐怖

    言葉を知らず、己の感情すら説明できず、思っていることと違うことを吐き、関係性が築けない若者

    それらが混じり合うとどうなるのか。

    決して、理解しあって、励ましあうなんて、夢物語にはならない。

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    2023年08月05日