井上荒野のレビュー一覧

  • ママがやった

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    ママがやった…なにを?
    誰のママ?
    あらすじも知らずに読み出した。
    小さな初老の女が営む居酒屋。
    女癖の悪い7才年下の夫を、殺ってしまったママの息子の目から、ママから、殺された夫から、過去の出来事が短編風に書かれていく。
    夫の女癖など、もう見限っていたママは、どこで切れてしまったのか?
    女心って、こんなものなのかな〜

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    2021年05月19日
  • 綴られる愛人

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    お互いの身分を偽って、手紙のやりとりをする男女。夫の殺人を依頼する女。それを本気で実行してしまう男。現在から過去へ、そして往復書簡のやりとりと共に流れる時間。
    夫との関係を見つめ返す事が出来た女の思いは、出されなかった手紙として綴られる。
    出口のない世界にいた男にも、一筋の光が見える。

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    2021年05月17日
  • ママがやった

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    79歳の母親が、浮気が絶えない72歳の父親を殺した。母親と3人の子供たちは、さてどうしようと家族会議。

    70過ぎても愛人がいる父親がすげえと思ってしまう。
    その時父親は「推理小説家ごっこ」をしていたのではないか。

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    2021年04月18日
  • 綴られる愛人

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    身分を偽りながらの文通ですが、互いの満たされない現実や 乾きの様な物から逃避しようとでもする様に徐々に言葉に熱が高まって行きます。

    今時、珍しい文通と言うツールで、それぞれの手紙にお互いが疑心暗鬼になりながらも徐々にのめり込んで行く過程にドキドキさせられました。

    ラストの展開が少しあっけない印象を持ちましたが、新鮮な恋愛サスペンスとして楽しめた1冊でした。

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    2021年04月03日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    ネタバレ

    うーん、よかった。今、自分の口角が上がっているのがわかる。あと味悪くないラストでよかったとホッとしたのだ。

    上品で健康で金持ちで呑気な老夫婦、おまけに仲がいいとくればもう、申し分のない二人だ。子供達もそれぞれに幸せで。そこにささやかに波風を立てることになる一樹、こちらも本当の悪党ではないからまずいことにはならないのだった。

    素敵だったな、ゆり子さん。

    この手のワールド、得意だよなぁ荒野さん。

    一樹が春子と一緒になって、まっとうな職を得て子供に囲まれて幸せになったんたらいいなぁ。

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    2021年02月13日
  • だれかの木琴

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    この物語の主人公、親海小夜子(およみさよこ)はマイホームへ引っ越し夫、光太郎、娘のかんなと3人で暮らしています。

    特に大きな「何か」があるわけでもないけれど日常のほんの隙間に忍び込んだ異質な世界へ進んで行く小夜子に不気味な狂気を感じました。

    不穏な空気感が絶えず流れている様なストーリーですが、もしかしたら1歩間違えば誰にでも起こりうる様な事なのかもと思えて来ます。

    理性だけでは抑えられない人間の不可思議な感情が如実に表現された作品で怖い反面、興味深く読みました。

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    2021年02月04日
  • もう二度と食べたくないあまいもの

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    *自宅で料理教室を開いている亜希子のもとに、ある日、不動産屋が訪ねてきた。近所の家にまつわる悪い噂について知りたいという。亜希子は結婚していた頃、かつてそこに建っていた古い家の男と、いちどだけ関係を持ったことを思い出していた(「幽霊」より)。男と女の関係は静かにかたちを変えていく。人を愛することの切なさとその愛情の儚さを描いた傑作小説集*

    何年かぶりの再読。
    ああ、やっとこの世界観がわかる歳になったなあ・・・としみじみ。

    恋の終焉、もしくは恋とも呼べない何かの終わり。
    捉えどころのない、諦めと安堵を織り交ぜた名のない感情。
    ひと歳重ねた大人にこそ響く物語なのかもしれません。
    とにかく、まと

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    2021年02月04日
  • あなたならどうする

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    ネタバレ

    *恋も愛も裏切りも、すべてが詰まっていた――。井上荒野が昭和の歌謡曲をモチーフに書いた短編集。
    病院で出会った男と女の行き場のない愛(「時の過ぎゆくままに」)、カルト宗教の男を愛してしまった女の悲劇(「あなたならどうする」)、冷酷非情に女を乗り換える男の理屈(「うそ」)。他に「東京砂漠」「ジョニィへの伝言」など昭和歌謡曲の詞にインスパイアされ生まれた9つの物語*

    個人的には大好物系です!
    ねっとりとした昏さと諦観さが根底に漂う、大人の男女ならではのお話たち。

    だめだとわかっているのに、自分ではどうしようもない感情。
    そして、それを冷静に眺めて、受け入れてもいるもう一人の自分…
    その描写がと

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    2021年01月14日
  • 静子の日常

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    静子おばあちゃんと家族が語る日常。
    75歳の静子おばあちゃんが颯爽としていて素敵♪
    ちょっと茶目っ気もあって、人に流されず自然体なところが良い。
    世の中のちょっとコレどうなの?という部分に独自の突っ込みを入れるところが好き。
    じんわりと楽しめる一冊でした。

    『後悔しない人生は、正しい人生というわけではないわね』

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    2021年01月09日
  • 赤へ

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    この筆者の作品ってそれこそもっと波乱万丈的な作品ばかりかと思ってた。
    最後の「雨」は母親の気持ちが手に取るようにわかって…。
    またこの筆者の本を読んでみよう。

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    2020年10月03日
  • だれかの木琴

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    ネタバレ

    *主婦・小夜子が美容師・海斗から受け取った、一本の営業メール。それを開いた瞬間から、小夜子は自分でも理解できない感情に突き動かされ、海斗への執着をエスカレートさせる。明らかに常軌を逸していく妻を、夫の光太郎は正視できない。やがて、小夜子のグロテスクな行動は、娘や海斗の恋人も巻き込んでゆく。息苦しいまでに痛切な長篇小説*

    普通の主婦の、ただのストーカー物語。ではありません。
    海斗へのストーカー行為がやけに淡々としているなあ、と思っていたら、本当に見て欲しかったのは夫だったのですね。巧い!
    若い頃とは愛情の質や熱量が変わっただけなのに、その喪失に順応しきれなかった小夜子の幼さ。だからこその、好意

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    2020年09月10日
  • 猫が見ていた

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    ・マロンの話 ★★★★★
    ほたんとマロンの関係がいいね!
    私も猫と話したい

    ・エアキャット 欲しい★★★
    火村先生のシリーズの短編だった!
    ちょっと長めの短編かと思いきや結構短く収まってた。
    内容としては、まあまあね。

    ・泣く猫 ★★★
    普通。悪くはない!

    ・「100万回生きたねこ」は絶望の書か ★★★
    後半が良かったわ。
    特に本を読む姿勢というか読んだ感想ってのが人それぞれってところが。

    ・凶暴な気分 ★★★
    始めは茉莉子に全く感情移入できず、むしろ嫌なやつだなーと思ってた。
    ただ後半この凶暴性って誰しも内に秘めてるもんじゃないかと思った。

    ・黒い白猫 ★★★★
    興味深いタイトル

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    2020年08月10日
  • あなたならどうする

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    9編すべて、タイトルは昭和歌謡。各編最初に歌詞の一片が掲載されています。よくもこんなにもぴったり合う話を作り上げたものだと感心。井上女史ならお手の物でしょう。

    全編読んで思ったのは、本作には登場しない同時代の昭和歌謡『しあわせ芝居』のよう。この曲は中島みゆきの作詞作曲で自身が歌っているバージョンもあるけれど、桜田淳子の歌うバージョンが聞こえてきそう。

    しあわせ芝居の舞台裏に気づいてしまった主人公たちは、大げさに泣き叫んだりしない。何事もなかったように進むだけ。でも決して前向きには見えず、希望のかけらもない。痛々しくて虚しい空気が漂います。

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    2020年08月02日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    Eテレのネコメンタリーという番組で、井上荒野さんが出ており、言葉選びにこだわっているという事をおっしゃっていたので読んでみたくなりました。井上さんのご著書は初めて読みます。

    上品な老夫婦のもとに、上司を殴ってクビになった青年が現れ、家事手伝いのバイトをすることになる。

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    2020年07月31日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    ネタバレ

    *定年後の誤算。一人の青年の出現で揺らぎはじめる夫婦の日常―*

    なんともはや。
    巧過ぎます。
    老夫婦の寄る辺なさ。どちら側にも簡単に揺れてしまう青年の脆さ。
    最後は「だまされていることじゃなく、だまされちゃいけないと言うことに気が付いた」老夫婦に軍配が上がってほっとしましたが、「いつでも誰かや何かが、したくないことを俺にさせる」青年は何処にたどり着くのでしょう・・・
    なんとも言えない寂しさの残る読後感ではありますが、双方の心の機微が痛いほどに伝わってくる、巧みな表現力に脱帽です。

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    2020年07月13日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    人は必ず老いる。どのように人生を経て、老い、それを受け入れて生きてゆくのか。若さはズルイ。ずるくて弱い。それでも純粋な部分を解ってくれる大人がいれば少しは変わるものだ。老夫婦と若者の出会いが彼らの心と生き方をすこしだけ動かすストーリーは、なんだか春の陽射しのようで暖かい気持ちになった。

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    2020年04月11日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    泣けた…老いが近いものとしては…
    若さとは本当に残酷なもの。そして、持てるものと持たざるものとの溝は深い。

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    2020年03月11日
  • 悪い恋人

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    結婚・同居・子育て…
    世の中の普通が本当に普通なのか。
    たしかに、全く他人の老人と一緒に住むなど異常とも言える、それが配偶者の親であろうとも。肌で感じることが結局1番リアルであり自分を感じられる唯一のことなのだろう。世では叩かれている不倫などとは全くレベルが違う。佳作。

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    2020年02月22日
  • ママがやった

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    ネタバレ

    おもしろかった。だらしない男の人書かせたらピカイチだなこの人。この小説は家族みんなおかしいけど。

    次女が娘の恋人一家と食事するシーンで、すごく洒落てる、と思いながら対抗心を燃やすあたりの心理がわかりすぎて笑えた。

    結局、百々子は教え子と再会した旦那に今までの数々の女遊びとは違う許せない何かを感じたのか、あっけらかんとした始まりとは打って変わってラストは狂気と正気に挟まれて一気に持っていかれた。

    トランクを見つめる百々子の表情、どんな女優ができるかとつい想像してしまった。大竹しのぶかな。

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    2020年01月13日
  • 綴られる愛人

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    ネタバレ

    双方自分の経歴を偽って始めた文通。女は下にサバを読み、男は上にサバを読む。本当は35歳と21歳なのに、手紙の中のふたりは28歳と35歳。

    20歳そこそこの学生にエリートサラリーマンの中身を伴った手紙など書けるはずもなく、女は最初から彼の嘘を見抜いている。しかし男は浅はかで、偽りの自分の姿に酔い、自分と彼女は相思相愛であると思い込む。会ったこともない相手なのに。

    終盤まではどちらにもイライラします。女に妄想を掻き立てられている男のことが馬鹿っぽく見えるし、そんな彼に嘘をついて都合よく利用しようとしている女が怖い。美人売れっ子作家の彼女に対する私の嫉妬も多分に含まれています。ふたりが初めて会っ

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    2019年12月22日