あらすじ
母が住み込みで管理人兼料理人を務める藤田一家の別荘を訪れた昌。一家と昌母娘の団らんはいつもの光景だったがこの夏は少し違っていた。十九年前にこの別荘で起こった事故の真相を昌が知ってしまったからだ。昌は一家に知られないようふるまうが…(「時計」より)。ふいに浮かび上がる「死」の気配。そのとき炙り出される人間の姿とは。直木賞作家が描く、傑作短編集。柴田錬三郎賞受賞作。
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Posted by ブクログ
短編集
様々の人の人生のほんの何日かを切り取ったお話たち。長い人生の部分部分にドラマがあって彩りも陰りもその人を作るピースなのだなと思わされる。
井上荒野さんの切り取り方の秀逸さが際立つ作品集だと思った。
Posted by ブクログ
この筆者の作品ってそれこそもっと波乱万丈的な作品ばかりかと思ってた。
最後の「雨」は母親の気持ちが手に取るようにわかって…。
またこの筆者の本を読んでみよう。
Posted by ブクログ
毎日スポーツジムに通って来る80代の老婆二人組とジムで働く今時の若者を描いた「虫の息」
ブックマークしている中でもお気に入りの「庭ブログ」の内容を挟みながら実生活や自身の庭を描き、人間の疑心暗鬼や悲しみを描いた「どこかの庭で」
中学二年の娘の友達が自殺、娘のスマホのLINEでのやり取りを見てしまった母親を描いた「雨」
どれも現実的にないとは言えない内容で、各主人公たちの心の揺れ、不安が繊細に描かれていました。
読後感は良くはないけれど、引き込まれる作品集でした。