井上荒野のレビュー一覧
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自分とそんなに変わらない年齢の夫、その妻とその家族を中心に物語が展開する。いずれ自分にもこんなことが、と思う場面があって少しイライラする。素性のよくわからない若者が入ってきてさらに心が乱される。なんなんだ、こいつは。という気持ちは主要人物の夫と同じだ。なんでそんなやつに妻は信頼感を持つのだ、それで事件が起きる、夫婦の微妙なやり取りはうちでもそうかな。息子とかはどう思うんだ。そうした気持ちの重なり方がこの小説の読み手へのメッセージなのか。最後にこの話の主人公は夫婦でなく若者なのか、と思わされる。
タイトルのセリフはいつ出てきたのか、わからなかったほど心乱されていたのか。絶対好きとは言いたくないが -
Posted by ブクログ
ネタバレ我々はいつから「老人」になるのだろう。定年後を妻と楽しくサイクリングなどして過ごすはずだった夫が足首を骨折し、手伝いの若い男を家に入れるようになった。
若い一樹には老夫婦の姿はどう映ったのか。悪友が語る「あいつら何のために生きてるんだろうね」という言葉を否定できない。
きっとこんな風に年寄りのことを憎んでいる若者は多いに違いない。だからオレオレ詐欺にも簡単に加担してしまうのだろうな。
文庫だったので、解説も読んだ。村松友視(みが出ない)さん、男のあなたはもっと昌平について書くべきだね。荒野さんの書き方がうまいとか、音楽みたいだとか、そんなこと言ってる場合じゃないんだよ。これから、 -
Posted by ブクログ
商店街の一角にある、ここ家で働く3人の中年女性のお話し。
若い主人公にはなかなかない、事情や過去を抱えながらも、干渉しすぎず、時には励ます、3人の関係性が読んでて心地いい。
誰しも、料理に、一つや二つ、決して語られるほどのものではないけど、物語がある。そんな人間味溢れる、物語を美味しそうな旬の料理とともに楽しめる小説。
苦い思い出も、季節が何周か巡り、ふとしたきっかけで愛おしい思い出に変化していく。どんなことも、自分の人生だって認められた人間の心には、人知れず、心地いい風が吹く。
人それぞれ、これまでの生き様や背景って必ずあるよなって再認識させられるお話。
なんかわからんけど、また、春