井上荒野のレビュー一覧
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ネタバレ*主婦・小夜子が美容師・海斗から受け取った、一本の営業メール。それを開いた瞬間から、小夜子は自分でも理解できない感情に突き動かされ、海斗への執着をエスカレートさせる。明らかに常軌を逸していく妻を、夫の光太郎は正視できない。やがて、小夜子のグロテスクな行動は、娘や海斗の恋人も巻き込んでゆく。息苦しいまでに痛切な長篇小説*
普通の主婦の、ただのストーカー物語。ではありません。
海斗へのストーカー行為がやけに淡々としているなあ、と思っていたら、本当に見て欲しかったのは夫だったのですね。巧い!
若い頃とは愛情の質や熱量が変わっただけなのに、その喪失に順応しきれなかった小夜子の幼さ。だからこその、好意 -
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・マロンの話 ★★★★★
ほたんとマロンの関係がいいね!
私も猫と話したい
・エアキャット 欲しい★★★
火村先生のシリーズの短編だった!
ちょっと長めの短編かと思いきや結構短く収まってた。
内容としては、まあまあね。
・泣く猫 ★★★
普通。悪くはない!
・「100万回生きたねこ」は絶望の書か ★★★
後半が良かったわ。
特に本を読む姿勢というか読んだ感想ってのが人それぞれってところが。
・凶暴な気分 ★★★
始めは茉莉子に全く感情移入できず、むしろ嫌なやつだなーと思ってた。
ただ後半この凶暴性って誰しも内に秘めてるもんじゃないかと思った。
・黒い白猫 ★★★★
興味深いタイトル
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9編すべて、タイトルは昭和歌謡。各編最初に歌詞の一片が掲載されています。よくもこんなにもぴったり合う話を作り上げたものだと感心。井上女史ならお手の物でしょう。
全編読んで思ったのは、本作には登場しない同時代の昭和歌謡『しあわせ芝居』のよう。この曲は中島みゆきの作詞作曲で自身が歌っているバージョンもあるけれど、桜田淳子の歌うバージョンが聞こえてきそう。
しあわせ芝居の舞台裏に気づいてしまった主人公たちは、大げさに泣き叫んだりしない。何事もなかったように進むだけ。でも決して前向きには見えず、希望のかけらもない。痛々しくて虚しい空気が漂います。 -
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ネタバレ双方自分の経歴を偽って始めた文通。女は下にサバを読み、男は上にサバを読む。本当は35歳と21歳なのに、手紙の中のふたりは28歳と35歳。
20歳そこそこの学生にエリートサラリーマンの中身を伴った手紙など書けるはずもなく、女は最初から彼の嘘を見抜いている。しかし男は浅はかで、偽りの自分の姿に酔い、自分と彼女は相思相愛であると思い込む。会ったこともない相手なのに。
終盤まではどちらにもイライラします。女に妄想を掻き立てられている男のことが馬鹿っぽく見えるし、そんな彼に嘘をついて都合よく利用しようとしている女が怖い。美人売れっ子作家の彼女に対する私の嫉妬も多分に含まれています。ふたりが初めて会っ -
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すごい本だった。
小夜子は、自分がおかしくなっているということを、家族に気付いて欲しかったんだと思う。光太郎は生涯でたった一人の相手だし、かんなはたった一人の娘。特に趣味があるわけでも何かに特別秀でているわけでもない自分にとって、家族はたった一つの心の拠り所で、自分にはそれ以外には何もないと思っていたのかもしれない。海斗への執着は、海斗でなくてもよかったんだと思う。たまたまそこにいたのが海斗だったというだけ。海斗に執着し、奇行を繰り返すことで、日々感じている孤独感、寂しさ、焦りのようなものを家族に気付いてもらいたかった。わたしはこんなに狂っている。こんなに狂ってしまうほど寂しかったんだ、と -
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まず最初に謝らなくてはいけない。実は全然期待してなかったのです、ごめんなさい。これは傑作です。ほんの200ページ弱の中に描かれている全てに唖然とした。サブタイトル「MAMA KILLED HIM」がなぜ「PAPA」でないのか。読むにあたってこれ、重要だと思う。
結婚・家族・友達・恋人など、全てにおいてこの本に出てくる事象を孕んでいて、多分それは、誰しもが抱えているものだと。「結婚は相手を許すもの」という言葉があるが、これに拓人は溺れていたのだろう。しかしながら“父親の言葉にはある種の作用がある”これも事実。だから読み切った時に何も言えなかった。擁護も否定もできないし、誰一人として救われない。た