井上荒野のレビュー一覧

  • キャベツ炒めに捧ぐ

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    何事も起こらないお話ではないのに、読んでる側の気持ちとしては終始穏やかだった。

    自分がこの年代になったら何してるんだろうと物語の中で何か起こるたびに嫌でもいちいち引き込まれて考えさせられる。

    食べ物で幸せになるお話は大好きで、現実に自分もそうなることが多い。この作品は特に文章自体が好きなのもあってより幸せな気持ちになった。

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    2023年08月28日
  • そこへ行くな

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    タイトルの意味がわかるまで数話かかった。

    どの話も、読みながらこの結末を知りたくないなって思わせるのは筆者の力なんだろうか。モヤモヤするけど、そういうことなんだろうと。

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    2023年08月28日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    帯は、
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    あなたなら、
    この旅に誰と出かけますかーー?
    豪華寝台列車「ななつ星」をテーマに
    7人の人気作家が紡ぐ「旅と人生」
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    小説5編と随想2編が収められています。

    表紙の暗闇のなかの流れ星と、
    車窓から漏れる灯りが素敵で。

    以前、文学YouTuberの寝台列車のなかでひたすら読書する動画を見たことがありますが、列車とか旅は非日常感があってドキドキワクワクしますね。

    列車をテーマにしても、オーソドックス(私の中では熟年夫婦やカップル)な物語だけでなく、友情や幽霊が出たり、感染症の流行で乗車が叶わなかった親子がいたり、糸井重里さんや、小山薫堂さんの随想だったり、とても新鮮で贅沢な一冊です。

    ボリュームも少なく、雑誌をめくるような気分で読むことができました。

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    2023年08月20日
  • ベーコン

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    どれも不穏な味わいの短編。
    食べ物がおいしそうだったり苦そうだったり。
    カツサンドとか煮こごりとか、食べるときに思い出しそう。

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    2023年08月20日
  • 100万分の1回のねこ

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    100万回生きたねこから、こんなふうにインスピレーションを受けるんだなぁと、どのお話も面白かった。一番面白かったのはゲームの中のネコの話。

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    2023年08月18日
  • キャベツ炒めに捧ぐ

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    荒野さんの筆力のせいだと思うけど、とても疲れた。
    いちいちため息が出そうになる
    3人が恐ろしく近い存在に感じて1行読むごとに共感しようとしてしまう。
    人生っていろいろあるなあと思うし、一方で私にはなにもないなあと思う。

    読む前後でタイトルの意味合いが全然違ってくるのも面白い。

    元気なかった時に赤坂のタコス屋さんでお腹いっぱいタコスを食べて元気でたのを思い出した。
    食べるって素敵。

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    2023年08月16日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    定年後の夫婦の趣味としてクロスバイクを楽しんでいた昌平とゆり子。

    昌平が交通事故で骨折してしまい、通院やリハビリ、これからの生活のことで不安に駆られるなか
    夫婦が出会ったのはかつてサイクルショップで見た一樹という青年だった。

    一樹に通院や家の手伝いのアルバイトを頼むことになり、彼の素性や知らないままだったが、関わっていく中で彼に対する信頼はゆるぎないものだった。

    大楠夫婦はいい人たちで、たとえ衝動的に破滅的な思いに駆られたとしても、決して彼らを裏切れないと思っていた一樹だったが、
    出来心からゆり子のジュエリーを盗んでしまい、悪い友達にそそのかされ金銭の要求にまで及んでしまった。

    老いていく体。残された時間。
    結婚し子供が独立し、お金にも多少の余裕があり、夫婦水入らずの静かな時間に突如あらわれた、魔が差した青年の存在。

    誰もが老いていくのは事実で、私も身を引き締められたような感じ。
    恐喝で目が覚めるゆり子、大楠夫婦の決断が、よかった。
    甘いよとかもっと早く警察に言うべきとか思うんだけど、一樹を信用していたからこその行動が、またリアルで、荒野さんすごいです。

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    2023年08月11日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    アンソロジー。
    どの作品も いいな、と思えた。ほのぼのだったりしみじみだったり。

    中でも特にいいなと思えたのは、恩田陸の作品だった。とても、素敵だと思う。

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    2023年08月07日
  • その話は今日はやめておきましょう【毎日文庫】

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    老いていくこと、老いていると思われること。
    配偶者が先に逝ってしまうこともあると気づく恐怖
    自分の身にいつでも訪れる死や孤独に対する恐怖

    言葉を知らず、己の感情すら説明できず、思っていることと違うことを吐き、関係性が築けない若者

    それらが混じり合うとどうなるのか。

    決して、理解しあって、励ましあうなんて、夢物語にはならない。

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    2023年08月05日
  • 小説家の一日

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    ネタバレ

    10作全てがハッピーエンドという訳ではなく、だからと言ってバッドエンドという訳でもなく。

    ただ、何となく感じられる不気味さや不快感。

    人間の醜い部分を匂わせるような作品だった。

    個人的には
    「窓」が一番好き。

    最後の女子生徒2人が見つめ合う描写。

    本来「同士」を見つけ、希望を感じさせる終わり方になるはずが、何故か、もっと悲しく悲壮感漂う終わり方だった。

    そこになんとも言えない怖さを感じた。

    ただ、表現方法が単調であって読みやすくはあったが星3である。

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    2023年07月09日
  • 小説家の一日

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    ネタバレ

    久しぶりの荒野さん
    やっぱりうまいなぁと思う
    無駄がないし、不穏な感じもどこか上品な感じも手厳しい感じも健在、という感じ。

    好好軒の犬、と小説家の一日はつながっていたのね、そしてそれは荒野さんの子供の頃と現在に極々近いということが、あちらにいる鬼を読んだ人ならすぐにわかることだし、実際その二つが面白かった

    小説なのだからフィクションなはずだけど、あーそんなふうに荒野さんは暮らしてるんだな、と思ってしまった。

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    2023年07月02日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    電車のお話は馴染みが深くて
    卒論で観光列車について書いた私には
    まず題材がたまらなく感じた

    本のデザインも素敵だなぁと思ったら
    吉田篤弘さんが関わっていて
    あったかい気持ちになった

    特に好きだったのは
    小山薫堂さんの旅する日本語
    とても綺麗だった

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    2023年06月30日
  • それを愛とまちがえるから

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    ネタバレ

    普通にW不倫しながら夫婦であり続けるだけではなく、4人でキャンプに行っちゃうなんて意味不明。まるでSFかよ、とは思ったものの、でももしかしたら長い夫婦関係の中である程度刺激的なスパイスは必要だったりするんかな、とも思って納得してしまった。

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    2023年06月07日
  • 100万分の1回のねこ

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    著名な作家によるトリビュート。やはり一流、表現の仕方や情景描写が素晴らしい。

    個人的には角田光代が1番好きでした。

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    2023年06月03日
  • 結婚

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    結婚詐欺と、結婚詐欺に引っかかった人、結婚詐欺にひっかかった人とちょっと関わった人、が出てくる。なんでそんな簡単に騙されちゃうかなと思いつつ、心に隙間があると「運命」に夢を見ちゃう気持ちも理解できる。

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    2023年06月02日
  • あたしたち、海へ(新潮文庫)

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    女子中学生の間に起こる執拗ないじめ。その構造を微細に描く。
    この世に人間の形をした悪魔のようなものは存在する。それを受け入れなければ、いじめはなくならないだろうな。

    優しい人は、話せばわかるはずだとか、そもそも性善説を信じているので、悪魔には対抗できない。悪魔は人の弱みを握ることに天才的な才能を持っているから。人がうろたえる様が栄養みたいな奴なんだ。

    そいつから離れろ。それは決して逃げではない。そして一人になってはいけない。根っこのところで繋がっている人を幼いうちにしっかりと獲得することが大事だと思う。

    悪いのは悪魔のようなあいつなんだ。あなたではない。


    と、過去の経験からいろんなことを考えさせられました。

    悪魔って、どうやって造られるんだろうね。それを解明することが大人の役割だよな。

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    2023年05月21日
  • しかたのない水

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    江國香織さんのエッセイから知って、買ってみた。
    確かにこの本を手に持っていたら出刃包丁かなにかと見間違えられるかもしれない。

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    2023年05月21日
  • 静子の日常

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    ジェットコースターのような大げさな展開はないけど、ちょっとざわっとしたりハラハラしたり。それが心地いいなと感じながら読めたのは、物語全体に静子さんの茶目っ気や、登場する人たちの愛らしさが溢れているからかもしれない。

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    2023年05月09日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    豪華寝台列車の「ななつ星」を題材に5人の作家と糸井重里さん、小山薫堂さんが物語や想いを綴る。寝台列車はセンチメンタルな気持ちになる。闇夜を走り抜ける中、人は過去を思い出し、その時にしかできない話しをし、解決できなかった想いを投げかける。5つの物語はどれも労りがあり、癒しもある。旅(ななつ星は旅というより乗ること自体に価値があるのだが)は不思議だ。自然と自己に向き合わせていく。
    自分を見つめ直したくなる一冊だった。
    お気に入りは「夢の旅路」「アクティビティーは太極拳」。

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    2023年05月02日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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     豪華列車ななつぼしに関するアンソロジー。作家さん、それぞれに特徴的な物語だが、すべて、心に沁みる物語。

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    2025年12月07日