井上荒野のレビュー一覧

  • しずかなパレード

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    カンフーマン引退宣言と共に、突然失踪した若女将。彼女は一体何処に行ったのか…深刻な会話も九州弁でやんわりさせ、リズム感もいい。あっさりなのに味わい深い作品だった。

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    2025年04月17日
  • 生皮 あるセクシャルハラスメントの光景

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    本の裏のあらすじから受けたイメージよりは生々しくなく読みやすかった。
    ハラスメントもDVも、受けている当事者はその時には特にそれだと気付きにくのだと思う。

    後になって少し自分を客観的に見られるようになると、あれは絶対そうだったと思えるし、その時にだって周りから見たら明らかにそうだと分かるし、そう言われる。
    けど、当事者はなぜか分からない。辛いし何とかならないかと思うけど、自分にも原因があるんじゃないかとか、皆んな多かれ少なかれ同じ思いをしているんじゃないかとか考えてしまう。

    この本は色んな意味で行きすぎていなくて、それがより現実的な感じがして良かった。

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    2025年04月10日
  • 注文の多い料理小説集

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    料理にまつわるアンソロジー
    どのお話もひとくせ、ふたくせあって
    興味深いおはなし
    中でも、伊吹有喜さんの
    「夏も近づく」がおいしそうでたまらなかった
    塩おにぎりや、水出しかぶせ茶、ブロッコリーのオリーブオイル漬け、春キャベツのピクルス、たけのこご飯、手作りベーコン
    どれも自家製で少し地味かもしれないけど
    間違いなく美味しいってわかる
    食をきちんと考えられる人に悪い人はいないですね

    この頃はどんなに単純な料理でもいいから
    自分で家で作って食べたいと思うようになった
    なんでだろうな
    けして美味しいものを作れるわけでもないのに
    この本を読んでさらに思う
    食に対して考え直すいいキッカケになりそう

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    2025年04月07日
  • しずかなパレード

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    ネタバレ

    面白かった。でも…


    このまま失踪きた晶がどうなったかわからないまま終わるのかな、それでもいいかなと思ってたけど、晶をどうにかしてしまった犯人たちが最後に出てきたのは嬉しいような残念なような…いままで読んでたのにこの人誰?ってなって少し置いてけぼりになったのがちょっと気持ち悪かったかな…かといってどうなったかわからないのも腑に落ちないのかな。でも、実際行方不明ってなったらきっとそうだから、わからないまま、今までの登場人物だけで終わらせて欲しかったかもしれない

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    2025年04月07日
  • 照子と瑠衣

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    帯の宣伝どおり、まさに痛快なシスターフッド小説!お互いを自分の人生になくてはならない存在だと大切に思っている照子さんと瑠衣さん、最高だったな。行く先々でこれからも周りから「あの2人は何者?」と不審な目を向けられたりもするのだろうけど、2人でいればそんなの関係なくて、思うままに2人で楽しく生きていってほしい。
    『静子の日常』を読んですごく気に入って、井上荒野さんの作品を他にも読んでみたいと思っていたのだけど、まさかの静子さんがこの作品に登場してすごく嬉しかった!いたずらでおちゃめな静子さんが健在でよかった。

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    2025年04月07日
  • しずかなパレード

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    妻であり母である女が突然いなくなった、その女を取り巻く人々の一人語りで構成されてるので色んな視点からの話に興味を惹かれあっという間に読んでしまいました
    とても面白かったです

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    2025年04月03日
  • しずかなパレード

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    ネタバレ

    「付き合っている男がいる」
    そう告げて妻の晶(あき)は家を出た。

    夫の伸伍、晶の愛人の武藤らの視点でストーリーは進む。
    晶の不在は、それぞれの家族に小さな傷を残す。

    月日が経ち、伸伍も自分の人生を歩き出していた。
    晶はどこにいるのか。
    それとも、もう存在しないのか。

    読み終えて、最初からページを追っていくと
    晶に関するヒントは書かれていたのだ。
    スルスルと読めてしまったので見落としていた。

    さすが、井上荒野さん。
    ストーリーに身を任せるだけで
    引っ掛かりもなく楽しく読むことができた。

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    2025年04月04日
  • 照子と瑠衣

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    前から気になっていたがドラマ化されると知って読んだ。

    照子と瑠衣がお互いに抱えたものから解放されるための行動力が凄いし、この2人の暮らしはなんとも楽しそう。こんな友達同志なら無敵だな。70歳でもまだまだ何でもやれて自由なんだという、読んで元気をもらえる物語だった。

    痛快で面白く、あっという間に読み終えた。

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    2025年03月31日
  • しずかなパレード

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    「あの人を好いとると。」そう言い残し、女は姿を消した。
    残された夫と娘。
    女と関わりのあった者達のその後の人生は、タイトルの通りに静かに進んでいく。
    女はなぜ消えたのか。
    美しい文章で綴られる、不穏な空気感が素晴らしかった。

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    2025年03月28日
  • 猛獣ども

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    これを読むと異性のことなんて永遠にわかりあえないような気がする。長野県のとある別荘地。永住を決めた夫婦たちと管理人が住む。彼らはうまくいっているようでしっくりきていない。ある日別荘地に熊が出没した事件をきっかけにそんな微妙な心の機微が浮き彫りになる。皆一皮剥けば猛獣ども。というより曲者どもで共感は難しい。いっそ全員離婚してしまえ、と叫びたくなるがこの清々しくなさが作者っぽい。ただ軸となる管理人の男女の話は結構好き。若い二人の繊細な距離感が好ましく思えた。ラストもほんの少しの明るさが後味を良くしている。

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    2025年03月26日
  • そこにはいない男たちについて

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    究極の選択というと倫理に悖るかもしれませんが、愛していた夫を亡くした女性と、関係が冷え切った夫を持つ女性との対比が描かれている。
    どちらも「不在」を感じていて、前者は字義通り亡くした夫の不在を、後者は夫の心や愛の不在を感じている。
    どちらがマシかと比べることは倫理的かどうかという以前に、不可能だと思った。
    彼女たちは料理教室の先生と生徒という関係だが、お互いの身の上を知った上で、相手の方が幸福なのではないかという考えから、始終抜け出せないでいる。
    はたしてそこに歩み寄れる余地があるとすれば、どのようなことかと考えながら読んでいたが、本作や個人的な空想からは出てこなかった。

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    2025年03月24日
  • 猛獣ども

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    姦通していた男女が熊に殺される事件が起きた閑静な別荘地を舞台に、その管理人の20代男女とそこに住む6組の夫婦を取り上げ、夫婦・カップルの愛の行方、すれ違いを描く小説。
    登場人物たちの仄暗い心の声がだだ漏れになっているような内容で、夫婦・カップルの一筋縄ではいかなさを感じた。
    管理人の男女の視点のエピソードが多く、6組の夫婦視点の話はちょっと薄かった印象なので、もっとそれぞれの夫婦を掘り下げて見てみたいとも思った。

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    2025年03月21日
  • ナナイロノコイ

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    なんとなくバレンタインシーズンで久々に恋愛小説が読みたくなって。
    ドラジェと、そしてふたたび、私たちのことが好きだったかな。
    やっぱり好きな作家なんだなぁ、江國香織と角田光代。

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    2025年03月20日
  • しずかなパレード

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    ネタバレ

    読み終えて、うわ、結局戻ってこないしやっぱり死んでいたんかい!と独りごちてしまった。
    だって、これだけ色んな人の心をざわめかせて時も経ってで…何となく彼女の「その後」の人生が書かれるんじゃないかって思ってしまっていたから。
    でも現実はあっけなく、彼女は事故に遭って帰らぬ人になっていた。
    彼女は実はどこか遠くの地で暮らしていて、もう別の生活を持っているんじゃないかと思っていたが、そういう話だったらよくあるし、かえって陳腐か。

    捨てられた娘が一番の被害者である。成長するにつれ、母親不在の理由を直接は告げられなくともどこかから聞いてしまったんだろう。
    彼女が自ら保護した犬の元飼い主の家へ乗り込み、

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    2025年03月20日
  • 生皮 あるセクシャルハラスメントの光景

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    ネタバレ

    テレビやsnsで著名人のセクハラに関する報道があとをたたないがきっと月島のような感覚なんだろうなと思った。

    被害を受けた側と被害を与えた側が存在するわけだが、後者はその行動に変な意味はなく相手を思うからこその行為だったと心の底から考えている。

    でも前者は間違いなくそんなものだとは思えない。
    だからこそハラスメントなのだろう。

    この本を読んでいて暗い気持ちになったし、私は今後かのような事件がなくなることはないようにも感じてしまった。

    それは月島のような人物だけではなく、被害者をSNSやリアルな場で言葉の暴力を浴びせる人が一定数必ずいて、それが月島を肯定するから。

    なんだかこの構造はどん

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    2025年03月17日
  • 注文の多い料理小説集

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    料理にまつわる短編のアンソロジー。
    小洒落た創作寿司屋、土鍋ご飯、金平糖、蕗の薹(ふきのとう)、パン…。
    どれも美味しそうで、お腹がすいてくる本だ
    ★5が2本
    ★4が2本
    ★3が3本
    やはり大好き作家さんのは面白かった!

    男たちの下心が渦巻く隠れ家的な高級寿司屋。
    男たちが落としたい女性にお寿司のウンチクをスマートに披露している場面に、唐突にのしのしと現れたのは…。
    乳児を抱っこ紐で抱え、母乳で汚れたカットソーにスウェットを履いた体格良い中年女性。
    ドスンとマザーズバッグを置き、ツウなお料理を野太い声で次々と注文し始める。
    お母ちゃんに支配されていく店内の様子が痛快!
    このストーリーは柚木麻

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    2025年03月02日
  • 生皮 あるセクシャルハラスメントの光景

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    セクハラ行為の捉え方が当事者の環境や時間の経過によって、様々に変化する状況を多くの事例で解き明かした物語だが、女性の立場を主体に述べているのでおじさんの読者としてはあまり知ることができない若い人やおばさんたちの思いが垣間見れて面白かった.小説講座のカリスマ講師である月島光一と受講者 九重咲歩、小荒間洋子が主要な登場人物だが、それ以外にも多くの人が登場するので把握するのが大変だった.題名の「生皮」の正体がなかなか登場しないが、最後の場面で洋子の告白により判明するのが物語の展開として楽しめた.

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    2025年03月01日
  • 生皮 あるセクシャルハラスメントの光景

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    ある小説家教室の講師によるセクシャルハラスメントに遭った女性を中心としたそれに関わる人々の話。

    被害女性だけでなくて、加害者、その講師に心酔する人、被害者の家族、加害者の家族、以前被害に遭った人…など色んな視点があるので興味深かった。読み飽きない。
    この小説で加害者とされる男性の心情は理解できないが、ナチュラルにこの思考でセクハラをしているのだとしたら恐ろしいし、妙に納得してしまった。
    人間の思い込みと勘違い怖い…

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    2025年02月23日
  • だめになった僕

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    あー評価に迷う作品だなぁ。
    でも嫌いではなかったな。これくらいの長さなら読めるくらいのダーク加減でした。

    病んだ人が病む人を生むループからの脱却と、愛と執着の境目はどこにあるのか、それは結局相手が向いてくれるかどうかの違いなだけなのか?
    なんて答えのないことを考えさせられる作品。

    一つ一つの事象はセーフかアウトかは明確だけど、矢印が一つ違えば許されるか許されないかはまた違うんだろうな。

    全体通してうっすらと、夫はモラハラストーカー気質、不倫相手はメンタルやられてるけど愛のある人、が漂っているから、最後の結末は私には光に見えました。

    2025.2.18
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    2025年02月18日
  • ホットプレートと震度四

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    この作者は「照子と瑠衣」という大好きな作品を書いた方だ。照子と瑠衣を薦めた人が、これも面白かったと教えてくれたので読んでみた。
    軽快な文章が読みやすい。でも、心の機微もちゃんと描かれている。

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    2025年02月16日