井上荒野のレビュー一覧

  • つやのよる

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    男狂いの魔性の女、艶が危篤となった。夫の松生は艶が過去に関係を持った男たちに危篤を知らせる。
    艶と関係した男たち、の、周囲の女性視点で物語が展開。
    最後まで艶がどんな人間なのか鮮明には見えてこない、だからこそ想像が掻き立てられる。

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    2026年04月12日
  • ママナラナイ

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    からだの変化と、人間ドラマ。
    思春期や更年期といった生理的変化から、認知機能の低下やCOPDなどの疾患まで、変化をめぐる戸惑いと適応が丁寧に描かれていました。

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    2026年04月04日
  • あちらにいる鬼

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    一人の男とその愛人とその妻の話。
    モデルは自明で瀬戸内寂聴。ただしどこまで事実なのかは不明。
    これを書いたのが当の男の娘というのも衝撃。
    妻と愛人という、普通であれば憎み合ったり争ったりになる関係であるが、ひとりの男への愛情という点である種戦友のようになっているのが興味深かった。
    男に振り回される人生は決して平安ではないだろうが、それだけ好きになれる人に出会えることを羨ましくも感じた。

    また、著者の文章が非常に上手く、淡々としながらも女たちの心の動きがリアルに感じられた。

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    2026年04月04日
  • 私たちが轢かなかった鹿

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    表題作と、最後の「小説みたいなことは起こらない」が面白かった。
    どの小説もこんな風に登場人物それぞれの視点で書かれていると分かりやすいのに。
    男共が皆どうしようもない。

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    2026年03月22日
  • キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ

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    60代後半になった3人の事情も少しずつ変化していく。
    江子の元夫は亡くなり、麻津子は旬と結婚して5年目になり、愛犬(モハメド)も飼っている。
    郁子は、亡き夫や早くに亡くした息子(当時2歳)のことも忘れることはなくても、ひとりでの暮らしを楽しめるようになってきた。

    今回は、古くなったお店の立ち退き話があったり、勅使河原というジェントルマン風が、ほんとうに怪しく謎だったり…で。

    年齢もあるが、第◯の人生というか、新たな始まりを決断した3人を応援したいと感じた。

    いろいろありながらも前を向いていく姿を見て、自分もそうありたいと思った。



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    2026年03月15日
  • 不恰好な朝の馬

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    色んな人の日常を追う短編集。ひとつの編に出てきた登場人物が次の主役。
    あまりパッとしない人が多くて好み。

    若さゆえの衝動。誰にも迷惑かけてないなら奇抜なことをしてもいい気がする。バンクシーもやってるし。悪いことをしたい時あるよね。

    傍から見たら汚い恋愛も、内側にいると綺麗に見えるもんなんだなあ。

    出会い系で会った巨デブに対して新聞の報道で死んだと誤解して追い求める話が面白い。

    どんな人も視点を変えたらいい人に見える。

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    2026年03月14日
  • 私たちが轢かなかった鹿

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    短編集ですが、前半と後半で登場人物の視点が変わります。後半パートが若干ネタバレみたいな構成として楽しめます。まったく同じセリフを別人の視点から読むとと意味が変わってきます。どの章も面白かったです。歳の差カップルの話が多いのはなぜだろう...

    こういった「別視点系」の話を読むと、「主人公は自分だけじゃない」ことを改めて考えさせられます。
    誰もがそれぞれのストーリーを生きていて、コミュニケーションにおいて相手の立場に立つというのは、そういうことなのだと感じました。

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    2026年03月05日
  • 注文の多い料理小説集

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    よいーーーーー暖かな気持ち
    苦かったり甘かったりピリ辛だったりほんのり優しかったりして奥深い味わいでした

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    2026年02月26日
  • あちらにいる鬼

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    読み始めて(あれ?寂聴さんの本だったか)と思った。(解説で川上弘美さんも仰っている)
    出家前の寂聴と井上光晴、その妻の関係を娘の井上荒野が書いたというこの本のことは昔から評判だったが、こんなにも深く切なく愛憎を描けるものか
    出家直後の寂聴が白木に「だめだよ、来たら。何のために出家したんだ」と諌められ部屋を出る場面や、
    笙子の「篤郎にはそれほどに私のことが必要なのだ。私が秦さんと寝なければならないほど、篤郎のことが必要であるように」という科白、
    くも膜下出血の発作のあとで寂聴に白木が
    (治らなかったら)「俺がなんとかしてやるよ。
    俺があんたを殺してやる」と言うそれを「性愛に近い記憶」とよぶところ

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    2026年02月26日
  • キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ

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    ここ家の3人かしまし娘の元気の良さが健在でした。

    3人が抱えることに加え、ここ家の立ち退き問題が起こる。いつも仲のよい3人に少し壁ができてしまったり、進も何だか侵される生活をしていたり…

    勅使河原さんは一体なんだったのだろう

    いくつになっても元気でいたい。
    気の合う人と気兼ねなくすごしたい。
    元気が欲しくてにぎやかな本を求める時に読みたくなる本でした。
    出てくるごはんがとても美味しそう

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    2026年02月18日
  • 注文の多い料理小説集

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    フォロワーさんの本棚から美味しそうな匂いにつられ手に取った作品。
    タイトルからガッツリした料理と美味しいご飯のグルメ小説かと思いきや人間の毒や業のスパイスがピリッと効いた人間味溢れる話だった。

    特に面白かったのは柚木麻子の『エルゴと不倫鮨』、高級料理で女性をつまみ食いしようとした男達が、ある女性の注文によって食いっぱぐれてしまうのがなんとも滑稽でスッキリした後味が爽快!

    伊吹有喜の『夏も近づく』も良かった。
    拓実の優しさと美味しいご飯のセットが、葉月の心に刺さった棘の傷を癒してくれる。
    まさに「心の栄養」を与えてくれる一編。

    『味の分からない男』が不穏な話で後味が悪かったぶん、『どっしり

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    2026年02月13日
  • キャベツ炒めに捧ぐ

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    あさりの串カツとか、キャベツ炒めとか、鰻巻きとか、美味しそうなお料理がたくさん出てきて、お料理が上手な女性って本当にいいなぁと思いました。そろそろ春キャベツの時期だから、ニンニクとバターとお塩でキャベツ炒め作ろうと思います。3人がずっと元気でいますように。続編を読むのが楽しみです。それにしても江子さんはすごいなぁー。わたしだったら白さんのこと絶対許さないけどな。

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    2026年02月10日
  • だめになった僕

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    いっきに読みました。
    現在からどんどん過去に遡っていく。

    惹かれ合うなにか、人との出会い、理性、理屈だけでは動けない人間の気持ち。
    噛み締めました。

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    2026年01月31日
  • 注文の多い料理小説集

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    料理が出てくる本が読みたくて借りた1冊。伊吹有喜さんの『夏も近づく』で泣いてしまった。拓実も葉月も穏やかに幸せであれ。最後の柴田よしきさんの『どっしりふわふわ』はすごーく色んなパンが食べたくなった。

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    2026年01月28日
  • あちらにいる鬼

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    不倫するのも見て見ぬふりするのも、自分からしたら信じられない。もちろんこれは小説なんだけど、でもやっぱり理解に苦しむなあ。

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    2026年01月26日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    ネタバレ

    良くも悪くも人は流されやすくて、誰と一緒にいるかで、人は変わってしまう。あんなことになったのは一樹のせいでもあるけど、2人が事に向き合ってNOを選択できたのも一樹のおかげだと思う。今後3人がどうなるのか気になるし、一樹は憎めないやつだから良い方に流れて欲しいと思うけど、やっぱり人は流されやすいから、しばらくしたら出会う前の3人に元通りなのかもしれない。

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    2026年01月17日
  • キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ

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    「ここ家」の三人健在!総菜を仕込む3人の息はピッタリ。そこに、建物の老朽化のため立ち退き話が持ち上がる。ここ家はどうなる!?
    60代半ばの女性達の生き方、これからの決め方が自然体でとても素敵だった。
    元気がもらえたので、読めて嬉しかった。

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    2026年01月09日
  • だめになった僕

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    信州のペンションを家族で経営する傍ら、漫画家としても身を立てる綾。ネットでの荒らしに苦慮しながらもサイン会を開催、そこでずっと愛していた男 涼が来店、綾を自作の絵画で殴りつける。

    そこから少しずつ昔に戻り、綾と夫、涼と妻の関係が描写される。
    だめになった僕=夫でもあり、涼でもある。
    なかなか強烈なキャラクターの登場人物たちでした。

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    2025年12月31日
  • 私たちが轢かなかった鹿

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    ネタバレ

    息子と親友が付き合っている
    彼の母親が親友

    同じ出来事を違う人物の視点で描く物語。
    短編集だけど続きが気になる癖になる文体。

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    2025年12月30日
  • キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ

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    60代後半の三人の女性たち、惣菜屋「ここ屋」を営む女性たちの話の続編である。
    私の場合、このまま行ったらあと数十年して、定年退職後の年齢であるが、
    定年退職がない仕事の場合、どうだろう。
    女性としての人生、生き方として、前向き。
    立ち退きの話のときに考える引き際。定年退職等と決まっていないならば、引き際は、自分で決めたいなぁと思う。
    そして、井上荒野さんの作品を読むのは3冊目であるが、どれを読んでも、おいしそう。今回は、目次を読んだら、お腹すく…
    前向きに、明るく、充実した生き方がとてもすてきだなぁと思う。ところどころ、滑稽にも思える失敗があったりするのも現実。そこがまたいい。

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    2025年12月29日