井上荒野のレビュー一覧
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かつての恩人に会いに馴染みの街へ行くことになったので、向かう方向とリンクするタイトルのこの本を鞄に入れていた。(……が、その予定は赤子の発熱で泣く泣くリスケとなってしまった。涙)
タイトルの「海」は、場所ではなく登場人物の少女の名前である。主人公の有夢と瑤子は自転車を走らせて、転校してしまった海の住む街を目指す。仲が良さそうな2人なのに、ところどころきな臭いものが見え隠れする。明言はされないが、過去に事件があり、そしてそれがまだ継続していくぞ、という示唆に、一章から何とも言えない苦しさに胸がつまった。
中高一貫女子校における、いじめを題材としたストーリー。遠く離れてしまったが、かつていち少女だ -
Posted by ブクログ
ネタバレとてもすてきなお話だったー!!
照子も瑠衣もカッコよくてすてきなおばあちゃん。
おばあちゃん然としていなくて、とても若々しい。
照子はもともと主婦で旦那の世話ばかりしていたけど本当は活動的だし、瑠衣は生きるために働くという逞しい考え方が染み付いている。
長野の別荘地のなかで、いろんな人たちと関わり合いながらストーリーが進んでいくが、個人的にお気に入りの登場人物は静子さん。
カラフルなお召し物を着こなしてるおばあさま、好きなんだよなぁ…
冬子との再会もただただ感動というよりかは、わかる人はわかってるというふんわりとオシャレな感じだったし、全体的に漂う雰囲気がとても良き小説でした。
70歳 -
Posted by ブクログ
この作品が描く「いない」には二種類ある。物理的に存在しない者と、確かに実在しているのにいなかったことにされている存在。そのどちらがより救われるべきなのか、読み進めるほどに答えは曖昧になっていく。
人を通じて形成された記憶は、その人が今そこにいるかどうかとは無関係に、生活のあちこちに染みついている。ふとした匂い、食卓、夜の静けさの中で、思い出は勝手に立ち上がる。その影を懐かしむのか、煩わしく感じるのかは、記憶そのものではなく、今の自分の心の在り方に左右されるのだと気づかされる。
思い出に付随する感情を完全に消し去ることはできない。ただ、どの瞬間にそれを掘り起こしてしまうのか、その引き金を知り -
Posted by ブクログ
本の裏のあらすじから受けたイメージよりは生々しくなく読みやすかった。
ハラスメントもDVも、受けている当事者はその時には特にそれだと気付きにくのだと思う。
後になって少し自分を客観的に見られるようになると、あれは絶対そうだったと思えるし、その時にだって周りから見たら明らかにそうだと分かるし、そう言われる。
けど、当事者はなぜか分からない。辛いし何とかならないかと思うけど、自分にも原因があるんじゃないかとか、皆んな多かれ少なかれ同じ思いをしているんじゃないかとか考えてしまう。
この本は色んな意味で行きすぎていなくて、それがより現実的な感じがして良かった。
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Posted by ブクログ
料理にまつわるアンソロジー
どのお話もひとくせ、ふたくせあって
興味深いおはなし
中でも、伊吹有喜さんの
「夏も近づく」がおいしそうでたまらなかった
塩おにぎりや、水出しかぶせ茶、ブロッコリーのオリーブオイル漬け、春キャベツのピクルス、たけのこご飯、手作りベーコン
どれも自家製で少し地味かもしれないけど
間違いなく美味しいってわかる
食をきちんと考えられる人に悪い人はいないですね
この頃はどんなに単純な料理でもいいから
自分で家で作って食べたいと思うようになった
なんでだろうな
けして美味しいものを作れるわけでもないのに
この本を読んでさらに思う
食に対して考え直すいいキッカケになりそう