井上荒野のレビュー一覧

  • ホットプレートと震度四

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    短編って当たり外れが一冊のなかにあるから苦手なんだ。でもね、この作品ははずれなし。うまいなぁと興奮するでもなく、感動するでもなく、素直に読み進んだ。日常の物語だからこその落ち着きが心地よい。

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    2024年04月11日
  • 錠剤F

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    井上荒野にハズレなし。「著者史上最もグロテスクで怖い」という帯の言葉通り、ゾクゾクしながら読む短編10。

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    2024年04月06日
  • 静子の日常

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    小さなあれこれはありつつも 淡々とすぎてゆく毎日を 家族それぞれの視点から描かれた連作短編小説。
    75歳の静子さんが とても素敵で このような75歳になりたい、と これからの人生の楽しみができた。歳を重ねるごとに 若い頃とは違う自分に淋しさを感じていた今の私にとって、希望を与えてくれる良書となった。

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    2024年03月02日
  • あちらにいる鬼

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    善き。
    やっと読めた。映画になった時からの積読…

    瀬戸内寂聴と井上荒野のチチ、井上光晴とその妻、1人の男を巡る女達の生涯の物語。
    実話?とも、小説?とも言われ、どちらで読んでも深い。娘の立場で取材し文章にし、そして解説でもあったが、そうやって初めて小説家はそのテーマとの訣別ができるのではないだろうか…と。

    なんともダメ男に思えるが、常に女が周りにいるオス。どこまでも男な父と同じ職業になり、父もそれを喜びながらも病魔に襲われて亡くなる。人間らしく生きた、昭和の時代だな、とも思わされる。

    ドロドロした内容だが、清々しさも感じる文章で、他作も読んでいきたい。

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    2024年01月28日
  • その話は今日はやめておきましょう【毎日文庫】

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    一樹の本音と言うか裏の顔と言うか、そういうのを一切知らず疑わず、むしろ物を盗られているかもと思ってもあの子はいい子だからと思い過ごそうとしていて、ヒヤヒヤしながら読みました。人って怖いなぁと思いながらも、最終的に夫婦団結して問題は解決してホッとしました。

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    2023年10月11日
  • あちらにいる鬼

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    井上光晴とその妻と、瀬戸内寂聴と、そして井上荒野によってできた世界でした。
    他の著を全て読んでいなくとも、井上荒野はこの本を書くために井上荒野として生まれ、作家になったのではないだろうか?と思えるほど。
    川上弘美の解説にあるように、井上荒野の「文章の清潔さ」がこの物語をぎりぎりのところで保っている。

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    2023年09月28日
  • そこにはいない男たちについて

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    人間寂しいとおかしな行動を取ってしまうとどこかで呼んだのを思い出した。もういない人には期待できないけど、一緒に住んでいると期待してしまうから、その分孤独に感じると思った。

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    2023年07月31日
  • あちらにいる鬼

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    ネタバレ

    瀬戸内寂聴さんの過去についてテレビでみて、驚き、本書を読んだ。
    生き様を垣間見れて良かった。(どこまで事実かはわからないが)
    やっていることに賛否両論あると思うが、人を惹きつける力のある方には変わりがない。性格やセンスの良さ。女として魅力的なのだと思う。

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    2023年07月25日
  • その話は今日はやめておきましょう【毎日文庫】

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    定年退職後の穏やかな生活を送っている夫婦。
    ある日、ロードバイクで夫が骨折をしてしまった。
    そこで偶然出会った一人の若者。
    親切に接してくる若者にすっかり心を許す二人は徐々に頼りにするようになる。
    ところが若者には暗い闇を抱えアウトローな面をひた隠ししていた。
    そして、宝石が無くなったり、時計が無くなったり、お金の工面を相談されたり・・・・

    昨今の老人詐欺事件を考えてしまうようなハラハラ感が堪らない!
    同じ立場に立たされたら、どうするか?

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    2023年07月06日
  • あちらにいる鬼

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     おもしろかった。瀬戸内寂聴さんのイメージがすでにあるからかもしれないが、主要な登場人物3人がそれぞれ互角に強い輝きを放っている感じが滲み出ていて、ずっと内容が濃かった。作者にそれぞれへの思い入れ、愛情が強いからだろうか。
     3人とも非凡で魅力的だが、2人の強くて魅力的な女性と1人の弱くて魅力的な男性とも思える。女性2人が強いのは、それぞれの葛藤や苦しみを内に抱えて生き方を作り、最後まで関係を持続するから。男性が弱いと思うのは、抱えることができず全て放出する生き方をしているように見えるから。女性達は自ら選んだわけではないが、3人は魂のレベルで繋がってしまった感じがする。
     人生をかけた、大切な

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    2023年03月03日
  • 小説家の一日

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    不倫、イジメなど胃が重くなる話題が多い短編集。平易な文章なのにその空気感や情景を醸し出す所が、好きな作家さんの由縁。「料理指南」のやるせ無いピュアな樹さんがとても良かった。

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    2023年02月21日
  • 注文の多い料理小説集

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    食がテーマの本を読むと幸せになる気がする。
    自分の食事もとても大切に思えて、人生が豊かになる気がする。
    なので、最近は食事の本をよく手に取ってしまう。
    パン好きとしては、やはり「どっしりふわふわ」が好き。

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    2023年01月31日
  • あちらにいる鬼

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    瀬戸内寂聴さんが好きです。
    「子宮作家」と言われた寂聴さんだけど、私は尼さんとしての姿しか知らないし、寂聴さんの恋愛遍歴をあえて知りたいとは思っていませんでした。でも「私小説」を読んだりして、出家前のことも少し知りたいと思っていたところでした。

    小説家同士の不倫。しかもそれを一方の娘が書いたとなると、是非読みたいと思いました。

    何年も続く不倫というのは、あると思います。多少の実感を持って、そう思います。
    非難されることを覚悟して言うと、公にできない間柄であっても、大人になると離れがたくそれぞれにとって必要な絆が生まれることはあると思うのです。

    だから不倫自体は別に珍しいこととは思わず、貴

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    2023年01月25日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    自分にとっての近未来のリアルを示された気分。それだけに終わり方がありがたい。映画『パラサイト』を、縮み志向&曖昧な含みで日本的にリメイクするとこんな感じになるのかなと思った。何にせよ文章がうまい。

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    2023年01月25日
  • あたしたち、海へ(新潮文庫)

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    過去と今の自分に繰り返し向き合わされた一冊

    物語に出てくるルエカとその取り巻き、そしてターゲットにされる子達。読みながら幼い頃の記憶がまざまざと蘇った。同じシチュエーションが自分にもあったと。ルエカのようにリーダーではないが、あるときは取り巻き側、ある時はターゲットとされる側だったと。今の自分の環境が全てでどこにも希望がなく募る無力感。この物語に出てくる有夢、瑶子の一つひとつの描写は昔の自分を見ている様だった。

    ルエカのいじめの理由が暗喩される描写箇所を読んだ後では、序盤、得体の知れない不気味な存在だったのだが、打って変わり、まるで怖くて怯えながら吠え続ける犬の様に思えた。
    いじめる側の背

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    2023年01月08日
  • 静子の日常

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    おっとりしていて、さっぱりしていて、よけいなことを言わない75歳の静子さんは、「可愛らしいおばあさん」。
    夫が亡くなったあと、一人息子の愛一郎と嫁の薫子と孫娘のるかと一緒に暮らしている。

    物語の流れ方が、今まで読んだことがない斬新さがあって、とても面白いと思った。

    静子さんは、週に二回バスで通うフィットネスクラブでも一人果敢にふるまい、家族の誰かの少しの変化も見逃さず、さりげなく一肌脱ごうと動いたり、その神出鬼没さがかわいらしくて、思わずくすっと笑ってしまう。
    日々の暮らしの中でふと亡くなった夫のことを思い出すところには、彼女がこれまで生きてきた歳月の厚みを感じてしまう。

    静子さんのしな

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    2023年01月01日
  • 小説家の一日

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    読者感情を儘に操る短篇十作品は何れも秀逸。日常の些細なこと、ありがちな出来事を巧みに描写。曖昧さを残したオチもいい。登場人物の台詞ひとつにしても含みを持たせ、つい深読みしてしまった。

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    2022年12月18日
  • あちらにいる鬼

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     自分の母親と、父親の愛人。2人の視点から小説を書くというのはどんな心境だったのか⋯想像できない。全てを受け容れたから?恨みつらみ、気持ち悪さはもうない?自分とは違う人間の所業として割り切っている?しかもその語り口が冷静で、淡々としていて、感情的に乱れたりどちらかに肩入れしたり逆に非難したりすることはなく、あくまで容観的な立場を貫いている。だから読んでいて、長内みはるにも、笙子にも、同じくらい共感するというか、その言動を理解できる。不思議。
     
    白木という中毒性のある魅力的な男を深く愛した末、自分のものにはならないと思い知った彼女たち。逢引を重ねても、結婚しても、どれだけ愛してもつかみどころの

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    2022年12月12日
  • 小説家の一日

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    小説や日記からメモやSNSなどちょっとしたことまでの「書く」ということをテーマにした短篇集。どういう理由でそれを書くのか。日常のなかの何気ない時や、仕事で必要な時など様々で読んでいると感情がざわざわしてくるような、少し不安になるような感じがあった。そこには本人が思っているよりも多くの情報や自分の想いが入っていたり、受け手の感情も感じ取れるからなのかもしれない。近年読んだ短篇集のなかで一番だと思う。

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    2022年11月08日
  • 小説家の一日

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    ゾワっと迫ってくるような怖さを感じる短篇がいくつかあった。過去の自分の心情に似た作品もあり、考えさせられた。

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    2022年11月06日