井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読み始めて(あれ?寂聴さんの本だったか)と思った。(解説で川上弘美さんも仰っている)
出家前の寂聴と井上光晴、その妻の関係を娘の井上荒野が書いたというこの本のことは昔から評判だったが、こんなにも深く切なく愛憎を描けるものか
出家直後の寂聴が白木に「だめだよ、来たら。何のために出家したんだ」と諌められ部屋を出る場面や、
笙子の「篤郎にはそれほどに私のことが必要なのだ。私が秦さんと寝なければならないほど、篤郎のことが必要であるように」という科白、
くも膜下出血の発作のあとで寂聴に白木が
(治らなかったら)「俺がなんとかしてやるよ。
俺があんたを殺してやる」と言うそれを「性愛に近い記憶」とよぶところ -
Posted by ブクログ
フォロワーさんの本棚から美味しそうな匂いにつられ手に取った作品。
タイトルからガッツリした料理と美味しいご飯のグルメ小説かと思いきや人間の毒や業のスパイスがピリッと効いた人間味溢れる話だった。
特に面白かったのは柚木麻子の『エルゴと不倫鮨』、高級料理で女性をつまみ食いしようとした男達が、ある女性の注文によって食いっぱぐれてしまうのがなんとも滑稽でスッキリした後味が爽快!
伊吹有喜の『夏も近づく』も良かった。
拓実の優しさと美味しいご飯のセットが、葉月の心に刺さった棘の傷を癒してくれる。
まさに「心の栄養」を与えてくれる一編。
『味の分からない男』が不穏な話で後味が悪かったぶん、『どっしり -
Posted by ブクログ
60代後半の三人の女性たち、惣菜屋「ここ屋」を営む女性たちの話の続編である。
私の場合、このまま行ったらあと数十年して、定年退職後の年齢であるが、
定年退職がない仕事の場合、どうだろう。
女性としての人生、生き方として、前向き。
立ち退きの話のときに考える引き際。定年退職等と決まっていないならば、引き際は、自分で決めたいなぁと思う。
そして、井上荒野さんの作品を読むのは3冊目であるが、どれを読んでも、おいしそう。今回は、目次を読んだら、お腹すく…
前向きに、明るく、充実した生き方がとてもすてきだなぁと思う。ところどころ、滑稽にも思える失敗があったりするのも現実。そこがまたいい。 -
Posted by ブクログ
美味しいお惣菜のお店「ここ家」の三人に再び会えました。前作から月日が流れて、別れや新しい出会いがありました。一見いい人に見えるけど···という男性の出現、そして若い女性が修行にきたりと、新たな登場人物が個性的でした。
三人それぞれ悩みがあり、それを自分の胸に納めるか、皆に話すかを逡巡する様子が、この小説を身近に感じられるひとつかもしれないです。
そんななかで毎日作るお総菜が本当に美味しそうで、「ここ家」の料理本を出して欲しいくらいです。
色々ありましたが、この先の「ここ家」が楽しみな終わりかたでした。読後感はスッキリでした。リターンズを読んだばかりなのに、またこの先が楽しみになりました。