井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
美味しいお惣菜のお店「ここ家」の三人に再び会えました。前作から月日が流れて、別れや新しい出会いがありました。一見いい人に見えるけど···という男性の出現、そして若い女性が修行にきたりと、新たな登場人物が個性的でした。
三人それぞれ悩みがあり、それを自分の胸に納めるか、皆に話すかを逡巡する様子が、この小説を身近に感じられるひとつかもしれないです。
そんななかで毎日作るお総菜が本当に美味しそうで、「ここ家」の料理本を出して欲しいくらいです。
色々ありましたが、この先の「ここ家」が楽しみな終わりかたでした。読後感はスッキリでした。リターンズを読んだばかりなのに、またこの先が楽しみになりました。 -
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ドキドキしたーしかも嫌なドキドキ。祈るような気持ちで最悪なことが起きないでくれと読んでいた。
夫婦間の、あれ言わなきゃ、相談しなきゃ、でも今じゃなくていいか、今じゃないか、で後回しにしてしまうこと、まさにタイトルのような場面はあったりする。特に、相手を不快にさせるかもしれない、自分の知らない相手のネガティブな面を暴いてしまうかもしれないようなセンシティブなものもあったりする。むしろ、それによって自分がどういう人間と思われてしまう、そう思われることが嫌だなぁと感じることもある。で、黙る。言わない。でも態度には出てしまう。相手は黙っていることを察する。で、違う想像をする。ボタンのかけ違いが、ヒリヒ -
Posted by ブクログ
ネタバレ「潮時(しおどき)」という言葉を、やめ時、そろそろ引き上げる時、みたいな意味に思っている人が多いようだけど、それはどちらかというとマイナスの方の意味で。
良い潮の流れが来た時、船出のチャンス、という前向きな意味もあるのだ。
・江子(こうこ)66歳。元夫の白山(しろやま)が急逝して二年
・麻津子(まつこ)65歳。夫・旬(しゅん)と五年前に結婚
・郁子(いくこ)67歳。「ここ家」で働くようになって五年
三人で営むお惣菜屋の「ここ家」が入っている建物「スーパー文殊」の老朽化による立ち退き問題が持ち上がる。
古い建物ゆえの破格の賃貸料だった。この場所が無くなれば、「ここ家」は存続の危機である。
反 -
Posted by ブクログ
5人の小説家の短編と、2人のクリエイティブディレクターのアンソロジー
テーマは九州の特別列車「ななつ星」に乗り込む乗客の物語だ
列車はたくさんの人を一度に運ぶけど、乗客の一人一人はそれぞれ特別な想いを持って列車に乗り込む
5人の作家さんが寄せたとても短い物語には人生という長い長い想いが乗っていることに気が付く
恩田陸さんの「お姉さん」が仕組んだ、複雑で切ない物語も時間の長さと、生きようとする想いの深さが音楽に乗ってやってくる
個人的には小山薫堂氏の言葉が圧巻だった
人から人へ繋ぐ想いが言葉となって、香り高く温かみを持って伝わってくる
「共感」という到達点はその気持ちを理解しようとする意識の -
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音無照子(おとなし てるこ)と森田瑠衣(もりた るい)、二人とも70歳。
どちらも住んでいたところを捨ててきた。いや、こちらから捨ててやった。不安もいっぱいだが、わーいわーい!である。
コミックスみたいな表紙。ぶっ飛ばしてる感がカッコイイ!
長野の別荘地を訪れ、持ち主が留守にしている別荘に勝手に住み着く。
(元)夫の口座から退職金を分けてもらう。無断で。
大したクライム・ババアたち(笑)
瑠衣の方が勝手に生きてきた感じだが、今まで抑圧されてきた照子の「勝手」パワーが大胆に爆発したというところか。
さすがにテレビドラマでは少々設定の変更があった。
照子はリサーチ能力に長けていて、長野に来たの