井上荒野のレビュー一覧

  • 1+1

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    世代ギャップを感じながら読み進めるうち、登場人物たちが皆、繋がりを結んでいくことに魅力を感じていった。
    家族、同僚、恋人、趣味仲間…あの人がこの人と、この人はあの時の人…。その中心に立つのが広渡拓郎だ。
    どこか気障っぽく世渡り上手に見えていた彼が、嫌味のない人当たりの良さで徐々に私を取り込んでいった。
    ギスギスした関係性に潤滑油を差す然りげ無さと、胃袋を掴むことに長けた好感度高い紳士なのでした。

    数ページに渡る巻頭のイラスト集は、編集部の想いありきだろう。掌編フルコースが美味である事を、なにより表紙が物語っている。

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    2026年06月05日
  • 最後の晩餐

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    豪華執筆陣にワクワクして購入し、期待通りの素晴らしいアンソロジーだった。
    どのお話にも違った良さがあってどれが1番好きか決めきれないが、今いちばん思い出すのは金原ひとみの『ラストサパーフォーエバー』。

    彼氏と別れて死にたいくらいつらいクズハの元に女友達3人が最後の晩餐に食べたいものを持ち寄る。死にたいクズハ本人ではなくその友人たちが選んだものなので理性が働いていて面白い。特に未来のことを心配しなくて良いから痛風鍋、という選択肢はあまりにも理性。自分にはその視点と選択肢が存在してなかったのですごく良いなと思った。本能のままに手を伸ばし食べまくる描写に活力が湧いてくる。

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    2026年06月04日
  • キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ

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    >三人がもっと若ければ、もっと早く進んでいるだろう。でも、若くないからといって、進まない、ということはない。

    その日の食材からお惣菜のメニューをわちゃわちゃ考えるのが楽しそう

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    2026年06月01日
  • 1+1

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    美味しい食事は人の気持ちを少しだけ前向きにしてくれる。
    料理と飲み物のペアリングって予想以上に自由だな。
    定番の組み合わせも意外な組み合わせにも、食欲がそそられて真似したくなる。
    《鱚のフライと白ビール》は試すまでもなく美味しいよねえ。
    《出汁巻き玉子と、おりがらみの酒》も《マッコリと蛤のチヂミ》も気になるけど、まずは《メロンパンとコンソメスープ》からやってみようかな。

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    2026年05月31日
  • 最後の晩餐

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     作中で金原ひとみさんも触れていますが、「最後の晩餐」‥‥学術的には「キリストが処刑される前夜の12人の使徒と摂った夕食」を指し、その代表格があのダ・ヴィンチ作の有名な修道院壁画ですね。

     私個人としてはまさかキリストじゃあるまいし、家族に看取られながら「この中に私を裏切る者がいる」などと予言(遺言)し、パンと葡萄酒を食して逝く…。てか裏切り者のユダは誰よ? 遺族による遺産相続争いではなく、実家と墓じまいというまさかの醜悪な泥仕合…もはや笑えないギャグ! 小金持ちじゃないけど、自分が旅立った瞬間に家族がガッツポーズしてたらやだなぁ、ハハ。

     帯にもある通り、「あなたは人生の最後に何を味わい

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    2026年05月26日
  • あちらにいる鬼

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    ネタバレ

    瀬戸内寂聴さんは自分が物心ついた時には僧侶だったので、優しそうで徳を積みまくっている人というイメージだった笑
    出家するまでにこんなに好き放題生きて色々あったなんて、本を読んで驚いた。
    この話は、当事者の娘が親たちをモチーフに書いたというのもびっくり。
    人間関係が面白かった。

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    2026年05月25日
  • 1+1

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    食をテーマにした短編連作集。
    ペアリングをモチーフにしたとあるように、おしゃれなお酒と料理が出てくる。
    雑誌で連載されていたというから、毎号読んだら探して購入、または作ってみようと思ったかも。

    人たらしの拓郎から食を繋いで拡がる様々な縁。
    歳を重ねていくのも悪くないかなと思える楽しさも秘めている。

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    2026年05月22日
  • 照子と瑠衣

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    こんな風に思い切れたらと思う作品

    細かいことは気にせず、2人の生き様を楽しむ

    これからまだまだやりたいことをやればいいんだと勇気づけられました
    最後の方は流れに乗って、あっという間に読み進められました

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    2026年05月21日
  • キャベツ炒めに捧ぐ

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    おいしい描写に食べたくなる
    作りたくなる
    総菜屋で働くのもいいねって思わせる

    3人の60代女性が総菜屋で働く
    それぞれの人生を抱えながら毎日総菜屋に来て働く。しゃべる。食べる。
    総菜屋以外での関係性も相まって素敵な日常を過ごしているのね

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    2026年05月20日
  • 1+1

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    俳句結社「水軍」まわりの人々の群像劇。各話のタイトルが食べ物と飲み物のペアリングになってて眺めてて楽しい。結社のメンバーからその関係者が次々登場するので最後の方には人間関係がこんがらがってくるけど、そこは流して楽しく読みました。結社の中心人物で人たらしの広渡氏という人物が印象的。彼らの恋模様にもほのぼのしました。
    ダイジェスティブビスケットと癖のあるお茶とのペアリングは試してみたい。

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    2026年05月23日
  • 最後の晩餐

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    作家のメンツがよかったからもちろん期待してたつもりだけど、アンソロという詰め合わせの性質上すべてのお話が自分に合うわけでもないと思っているので、百パーセント期待していたわけでもない気がする。だけど、これは個人的によかった〜!作家によってアプローチが違うのも面白かったし、なにより全員すごく読みやすかった。すんなり入ってくる感じで、一冊のアンソロとして温度感?みたいなものが揃っていてよかった(語彙力)
    わたしは江國香織だいすきマンなので江國香織のお話がいちばん読みたかったしいちばんすきだったけど、井上荒野もよかったなあ。あの短いお話のなかにオチまでつけてくるのってすごい。

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    2026年05月19日
  • 1+1

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    全部が本当に美味しそうすぎるし、出てくる登場人物いやなヤツもいるにはいるんだけど厭味がないというか、憎めないというか。読んでてすごく楽しかったしお腹空いたし、呑みたくなる。食に興味がない人はやはり嫌だな

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    2026年05月17日
  • 1+1

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    たまりません。

    装幀に加え、頁を開けば色鮮やかな料理のイラストがドーンと目に飛び込んでくる。

    24編から成る本作は料理と飲み物のペアリングが楽しめる飯テロ本。
    お酒を全く飲まない私だが、ちょっと飲んでみたいと思わせる魅力がある。

    俳句結社「水軍」に関わる人々の日常が連作形式で描かれ、どの話も身近で気づけば物語に没入していた。

    それにしても結社の中心人物、61歳の拓郎さんのモテっぷりときたら。
    料理上手で気配り上手、チャーミングな性格。
    私も句会のメンバーになりたいと思ってしまう。

    味わい深く読後にほのかな余韻が残る一冊。

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    2026年05月08日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    定年退職後の趣味のクロスバイクでサイクリングを楽しむ昌平、ゆり子夫婦。ある日昌平が事故で足首を骨折し、クロスバイクがきっかけで知り合った青年一樹に家の手伝いをしてもらうことになる。一樹が来るようになってから、家から貴金属がなくなるように。でも一樹は「いい人」だと思いたい。

    仕事は御役御免になり、身近な人の病気や訃報、子どもたちの独立、体力や性機能の低下などから自分たちの老いに直面する夫婦。対照的にエネルギーに溢れ衝動を持て余している一樹。
    タイトルの「その話は今日はやめておきましょう」
    きっと老夫婦は自分たちの老い、その行く先から目を背けていたかったんだろうなぁ。

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    2026年05月06日
  • キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ

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    前作から五年後の設定のリターンズ。
    前作はなんだか切ない印象が強かったのですが、今作はとても楽しかった!
    六十五歳前後の三人。それぞれ心に抱えているものはあるけれど、そこから目を逸らすわけでもなく、うまいこと飼い慣らすことができるようになってきた感じがします。大人だなぁ、と憧れてしまいます。そんな自分も、そんな友だちも受け止めてうまくやっていて、さすが年の功。
    自分の心の中の不安や愚痴を全て友だちにぶちまけるわけではないけれど、いざって時には受け止めてあげる懐の深さもあって、やっぱり楽しくて素敵な三人だったなぁ。
    ラストも良かった!こんな友だちに巡り会えた江子、麻津子、郁子の三人。とっても羨ま

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    2026年05月01日
  • キャベツ炒めに捧ぐ リターンズ

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    シニア世代の訳あり人生の諸々な出来事の中から、それでも"進化"して生活していこうという気になれた一冊でした。

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    2026年04月20日
  • 注文の多い料理小説集

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    それぞれ全く違う味わいの作品ですがそれそれ大変、力作ぞろいで私はかなり好きですね

    概要

    「料理」をめぐる極上の7つの物語

    うまいものは、本気で作ってあるものだよ――
    最高級の鮨&ワイン、鮪の山かけと蕗の薹の味噌汁、カリッカリに焼いたベーコンにロシア風ピクルス……
    おやつに金平糖はいかがですか?
    物語の扉をそっと開ければ、今まで味わった事のない世界が広がります。

    小説の名手たちが「料理」をテーマに紡いだ
    とびきり美味しいアンソロジー。

    【本書登場の逸品たち】

    塩むすびと冷たい緑茶
    ハルピンのイチゴ水
    全粒粉のカンパーニュに具を挟んだ
    サンドイッチ
    きときとの富山の海の幸・ゲン

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    2026年04月17日
  • 照子と瑠衣

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    照子も瑠衣も素敵で、二人の暮らしぶりも楽しく、あっという間に読み終わった。気楽に読める分、ツッコミどころも多いけど、二人の間にある信頼や友愛が爽やかで憧れる。
    照子のつくる料理が美味しそうなのもよかった。
    瑠衣って70代にしては今どきの名前だなと思ったけど、テルマ&ルイーズからきていたのだとここで知りました。

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    2026年04月14日
  • つやのよる

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    男狂いの魔性の女、艶が危篤となった。夫の松生は艶が過去に関係を持った男たちに危篤を知らせる。
    艶と関係した男たち、の、周囲の女性視点で物語が展開。
    最後まで艶がどんな人間なのか鮮明には見えてこない、だからこそ想像が掻き立てられる。

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    2026年04月12日
  • ママナラナイ

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    からだの変化と、人間ドラマ。
    思春期や更年期といった生理的変化から、認知機能の低下やCOPDなどの疾患まで、変化をめぐる戸惑いと適応が丁寧に描かれていました。

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    2026年04月04日