井上荒野のレビュー一覧
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定年退職後の趣味のクロスバイクでサイクリングを楽しむ昌平、ゆり子夫婦。ある日昌平が事故で足首を骨折し、クロスバイクがきっかけで知り合った青年一樹に家の手伝いをしてもらうことになる。一樹が来るようになってから、家から貴金属がなくなるように。でも一樹は「いい人」だと思いたい。
仕事は御役御免になり、身近な人の病気や訃報、子どもたちの独立、体力や性機能の低下などから自分たちの老いに直面する夫婦。対照的にエネルギーに溢れ衝動を持て余している一樹。
タイトルの「その話は今日はやめておきましょう」
きっと老夫婦は自分たちの老い、その行く先から目を背けていたかったんだろうなぁ。 -
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前作から五年後の設定のリターンズ。
前作はなんだか切ない印象が強かったのですが、今作はとても楽しかった!
六十五歳前後の三人。それぞれ心に抱えているものはあるけれど、そこから目を逸らすわけでもなく、うまいこと飼い慣らすことができるようになってきた感じがします。大人だなぁ、と憧れてしまいます。そんな自分も、そんな友だちも受け止めてうまくやっていて、さすが年の功。
自分の心の中の不安や愚痴を全て友だちにぶちまけるわけではないけれど、いざって時には受け止めてあげる懐の深さもあって、やっぱり楽しくて素敵な三人だったなぁ。
ラストも良かった!こんな友だちに巡り会えた江子、麻津子、郁子の三人。とっても羨ま -
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それぞれ全く違う味わいの作品ですがそれそれ大変、力作ぞろいで私はかなり好きですね
概要
「料理」をめぐる極上の7つの物語
うまいものは、本気で作ってあるものだよ――
最高級の鮨&ワイン、鮪の山かけと蕗の薹の味噌汁、カリッカリに焼いたベーコンにロシア風ピクルス……
おやつに金平糖はいかがですか?
物語の扉をそっと開ければ、今まで味わった事のない世界が広がります。
小説の名手たちが「料理」をテーマに紡いだ
とびきり美味しいアンソロジー。
【本書登場の逸品たち】
塩むすびと冷たい緑茶
ハルピンのイチゴ水
全粒粉のカンパーニュに具を挟んだ
サンドイッチ
きときとの富山の海の幸・ゲン -
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読み始めて(あれ?寂聴さんの本だったか)と思った。(解説で川上弘美さんも仰っている)
出家前の寂聴と井上光晴、その妻の関係を娘の井上荒野が書いたというこの本のことは昔から評判だったが、こんなにも深く切なく愛憎を描けるものか
出家直後の寂聴が白木に「だめだよ、来たら。何のために出家したんだ」と諌められ部屋を出る場面や、
笙子の「篤郎にはそれほどに私のことが必要なのだ。私が秦さんと寝なければならないほど、篤郎のことが必要であるように」という科白、
くも膜下出血の発作のあとで寂聴に白木が
(治らなかったら)「俺がなんとかしてやるよ。
俺があんたを殺してやる」と言うそれを「性愛に近い記憶」とよぶところ -
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フォロワーさんの本棚から美味しそうな匂いにつられ手に取った作品。
タイトルからガッツリした料理と美味しいご飯のグルメ小説かと思いきや人間の毒や業のスパイスがピリッと効いた人間味溢れる話だった。
特に面白かったのは柚木麻子の『エルゴと不倫鮨』、高級料理で女性をつまみ食いしようとした男達が、ある女性の注文によって食いっぱぐれてしまうのがなんとも滑稽でスッキリした後味が爽快!
伊吹有喜の『夏も近づく』も良かった。
拓実の優しさと美味しいご飯のセットが、葉月の心に刺さった棘の傷を癒してくれる。
まさに「心の栄養」を与えてくれる一編。
『味の分からない男』が不穏な話で後味が悪かったぶん、『どっしり