井上荒野のレビュー一覧
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人生最後の日、何を食べたいか?
じっくり考えずにはいられない。
豪華作家陣によるフルコースのような1冊でした。
なかなか手に入らないクッキー缶を
一気に食べ尽くそうか。
お気に入りのチーズにしようか。
と考えているうちに、
会食の手土産で初めてエシレのクッキー缶を
いただいて感動したこと。
その会食での、今となっては笑い飛ばせるトラブル…
どんどん着想がつながって、
思考があちこち色んな方向に旅に出ていました。
今の私は、あの頃の私が作っているんだよなぁ。
「最後の晩餐」をテーマに、
豪華作家陣が描く7篇の物語。
同じテーマでも、
作家によって切り口がまったく違うのが
アンソロジ -
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寺地はるなさんの「小曽根幸子の送別会」が圧巻。
小曽根さん以外の登場人物3人の視点から、それぞれの “小曽根像”が描かれていて、中でも秋川の無礼さ、お門違いな考え方、小曽根さんを終始下に見る尊大な態度には読みながら本当に腹が立った。でも、こんな男性が全員ではないといえ一定数存在するのだと思うと実社会への暗澹とした気持ちが立ち込める。
社会と自分の価値観のズレに気づけないのもまた、自覚のあるなしに苦しいことなのだろうなと思う。
私は小曽根さんがかっこいいと思ったし、私もきっと同じことをするだろうなって感じたシーンもあった。
一番印象に残った話だった。
他の作品も切り口が斬新で、読んでいて学び -
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豪華執筆陣にワクワクして購入し、期待通りの素晴らしいアンソロジーだった。
どのお話にも違った良さがあってどれが1番好きか決めきれないが、今いちばん思い出すのは金原ひとみの『ラストサパーフォーエバー』。
彼氏と別れて死にたいくらいつらいクズハの元に女友達3人が最後の晩餐に食べたいものを持ち寄る。死にたいクズハ本人ではなくその友人たちが選んだものなので理性が働いていて面白い。特に未来のことを心配しなくて良いから痛風鍋、という選択肢はあまりにも理性。自分にはその視点と選択肢が存在してなかったのですごく良いなと思った。本能のままに手を伸ばし食べまくる描写に活力が湧いてくる。
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作中で金原ひとみさんも触れていますが、「最後の晩餐」‥‥学術的には「キリストが処刑される前夜の12人の使徒と摂った夕食」を指し、その代表格があのダ・ヴィンチ作の有名な修道院壁画ですね。
私個人としてはまさかキリストじゃあるまいし、家族に看取られながら「この中に私を裏切る者がいる」などと予言(遺言)し、パンと葡萄酒を食して逝く…。てか裏切り者のユダは誰よ? 遺族による遺産相続争いではなく、実家と墓じまいというまさかの醜悪な泥仕合…もはや笑えないギャグ! 小金持ちじゃないけど、自分が旅立った瞬間に家族がガッツポーズしてたらやだなぁ、ハハ。
帯にもある通り、「あなたは人生の最後に何を味わい -
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定年退職後の趣味のクロスバイクでサイクリングを楽しむ昌平、ゆり子夫婦。ある日昌平が事故で足首を骨折し、クロスバイクがきっかけで知り合った青年一樹に家の手伝いをしてもらうことになる。一樹が来るようになってから、家から貴金属がなくなるように。でも一樹は「いい人」だと思いたい。
仕事は御役御免になり、身近な人の病気や訃報、子どもたちの独立、体力や性機能の低下などから自分たちの老いに直面する夫婦。対照的にエネルギーに溢れ衝動を持て余している一樹。
タイトルの「その話は今日はやめておきましょう」
きっと老夫婦は自分たちの老い、その行く先から目を背けていたかったんだろうなぁ。 -
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前作から五年後の設定のリターンズ。
前作はなんだか切ない印象が強かったのですが、今作はとても楽しかった!
六十五歳前後の三人。それぞれ心に抱えているものはあるけれど、そこから目を逸らすわけでもなく、うまいこと飼い慣らすことができるようになってきた感じがします。大人だなぁ、と憧れてしまいます。そんな自分も、そんな友だちも受け止めてうまくやっていて、さすが年の功。
自分の心の中の不安や愚痴を全て友だちにぶちまけるわけではないけれど、いざって時には受け止めてあげる懐の深さもあって、やっぱり楽しくて素敵な三人だったなぁ。
ラストも良かった!こんな友だちに巡り会えた江子、麻津子、郁子の三人。とっても羨ま -
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それぞれ全く違う味わいの作品ですがそれそれ大変、力作ぞろいで私はかなり好きですね
概要
「料理」をめぐる極上の7つの物語
うまいものは、本気で作ってあるものだよ――
最高級の鮨&ワイン、鮪の山かけと蕗の薹の味噌汁、カリッカリに焼いたベーコンにロシア風ピクルス……
おやつに金平糖はいかがですか?
物語の扉をそっと開ければ、今まで味わった事のない世界が広がります。
小説の名手たちが「料理」をテーマに紡いだ
とびきり美味しいアンソロジー。
【本書登場の逸品たち】
塩むすびと冷たい緑茶
ハルピンのイチゴ水
全粒粉のカンパーニュに具を挟んだ
サンドイッチ
きときとの富山の海の幸・ゲン