井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
第35回織田作之助賞受賞作品。
タイトルが気になって手に取った本。話に引き込まれて一気読みした。
クロスバイクを楽しむ定年後の夫婦。夫の骨折をきっかけに知り合った一樹に家政夫を頼み、夫婦は和やかな日々が続くように感じたが······。という内容。
高齢者が若者に引け目を感じる気持ちは、自分がその立場にたって初めてわかることだと思う。自分が若いときに感じた高齢者への思いを向けられたとき、引け目を感じてしまうものなのかもしれない。自分だけは高齢者とみられたくないと思う気持ちもあるのだという気づきを得た。
そして信頼を感じ、これくらいならと思ってしまったことがズルズルと······。こういう小説を読むと、人を信じるのが怖くなる。でも生い立ちや環境でそうなってしまったのかもしれない。彼が失くしたものの大きさに気づいたときに、変わることを願った。
それにしても定年後の夫婦って、難しそう。もう一度お互いを認め合えるようになれるかどうかでうまくいくのかが決まるのかもしれないと思った。
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Posted by ブクログ
ネタバレ最後の晩餐がテーマの7編からなるアンソロージ。
好きな作家さんばかりが、異なる切り口で書いた物語、一つ一つがとても面白かった。
人生の最後に何を食べるのか?なかなか悩ましい、重いような軽いような命題。
最後の食事は、何を食べるか、どういうシチュエーションで食べるか、誰と食べるか、一人なのか、一人の人生が表されているようで、様々な想像が生まれる。
意識をしていても本当に食べれるかどうかも分からないけれど、考えるだけで、酒盛りのネタに十分になりそうで、でも実は色々考えさせられる。
個性あふれる作家さんの物語は、色々な観点で描かれていて、其々の文体があり、あっという間に読んでしまった。
個人的には、角田光代さんの『最後の鰻』が笑えて、ほろっときて、沢山の家族に看取られて、あるあるって感じもして、大往生で好きだった。
藤野千代さんの『もうひとりのねえちゃん』は、家族が身近にいなくても、誰かがいてくれるってのも幸せの一つだと思えた。TVで『団地のふたり」が放送されているので、ノエチとなっちゃんの関係が思い浮かんだ。
寺地はるなさんの『小曽根幸子の送別会』は、小曽根さんがかっこいい。主役がいない送別会のシーンはスカッとするものがあった。
江國香織さんの「コインランドリーの夜」は、コインランドリーという場が秀逸。機械が回る音、無機質な感じが上手く描写されていて、流石って感じだった。
原田ひ香さんの『最後に何を食べたの?』は、ちょとミステリーがあって、最後にあーちゃんが恭一によって、救われるのがホッとさせられた。
しかし、このメンバーの食べ物の描写は流石上手いなぁと改めて思った。 -
Posted by ブクログ
「最後の晩餐」と言えばダ・ヴィンチの有名な絵を思い出します。7人の女性作家による短編集は、どれも読みやすく楽しめました。
江國香織【コインランドリーの夜】
自分を取り戻した主人公に共感。自分らしい最後の晩餐に気づけたことに爽快感を味わえました。
金原ひとみ【ラストサパーフォーエバー】
初読みの金原さん。勢いのある文章。この最後の晩餐は、最後にクスッと笑えました。
角田光代【最後の鰻】
この作品は個人的な思い出と重なって、すごくよかったです。いつまでも忘れることはない時間の物語。読者の私にとっても。
寺地はるな【小曾根幸子の送別会】
この作品も、色々な気持ちが詰め込まれた物語。読者の私のお気に入り。
原田ひ香【最後に、何を食べたの?】
もやもやした気持ちが、最後には前向きになれた感じがしました。その人らしい最後の晩餐を、どのように表現していくのか気になりました。
藤野千夜【もうひとりのねえちゃん】
こんなもうひとりのねえちゃんがいたらと思える作品。最後の晩餐はシンプルでいいのかもしれないです。
井上荒野【本当の話】
娘っていいなあ。嘘から出たまことみたいなことがあると嬉しくなりますね。
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Posted by ブクログ
ベルモンドハイツ401
成人してからの男女グループなんでこんなもんだよね。小さな歪みで壊れてく様子がリアルで良い。
35歳なのに5P、元気すぎる、いいな。
野球場
謎の積極的ヤリマン地味子。ペーパーマウンテン幸せを恵む、謎が多く残る暑い夏の話。
病院
最後の短編、なんかすごく好きな話。スクールカーストの高い男の子が余命わずかの母親の元へ通うため、虐められて骨折して入院しているクラスメイトの女の子と仲良くなっていく話。
虐められていて心を閉ざしている女の子と打ち解けていく様子が暖かい感じ、母の死というイレギュラーを同じく虐められているというイレギュラーな子にだけ打ち明けられる、そういう関係。
こう書くとすごくハートフルだけど、そうでもない。と思って読んでたらめちゃくちゃ暖かいエンディングだった。
この短編集は暗くてジメジメして陰気な話が多かったから、最後にすごく綺麗な青春があって寒暖差にやられた。