井上荒野のレビュー一覧
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何でパワフルなおばあちゃんズ
これ読んだら、いつからでも再スタートできるんだ!ってすごく人生が明るく朗らかでかつ爽やかに感じられる!
照子の一世一代の計画は大胆で、ハラハラさせられるし、けれども、ちょっとずる賢い瑠衣のおかげと、やっぱり長年の知恵や、周りの方との信頼関係だったりが、積み重なって、成功していくのにすごくホッとした。ダメだけど。
照子の考えた計画めっちゃいいーー!!
最初、ただ旦那が嫌で家を飛び出したのかと思ってたら、なんと三年越しの計画だったとは。
瑠衣に代わって涙。
最後のは、その場の未来っていうより、いまだに旅を続けてる照子と瑠衣ってことだよね(?)
いいなぁ。こう -
Posted by ブクログ
昔、後妻に入るなら、「死別」より「離別」の方がいいという一説があった。
「離別」は、お互いに納得してあるいは愛想を尽かして縁を切ったのだけれど、「死別」は想いを残しての別れであり、思い出はどんどん美化されていくから生身の後妻は比べられては不利だということだ。
では、「失踪」された場合は?
失踪から七年経てば「失踪宣告」し、法律上は死亡と見做されるから、再婚は可能になる。
しかし、はっきり別れたわけでも、亡くなったわけでもない。どこかで生ている可能性だってあるし、どこかに埋まっている可能性もある。
残された人たちや、その人と関わる人たちは、それを考え続ける事になる。
「いなくなった人」の「存在 -
Posted by ブクログ
かつての恩人に会いに馴染みの街へ行くことになったので、向かう方向とリンクするタイトルのこの本を鞄に入れていた。(……が、その予定は赤子の発熱で泣く泣くリスケとなってしまった。涙)
タイトルの「海」は、場所ではなく登場人物の少女の名前である。主人公の有夢と瑤子は自転車を走らせて、転校してしまった海の住む街を目指す。仲が良さそうな2人なのに、ところどころきな臭いものが見え隠れする。明言はされないが、過去に事件があり、そしてそれがまだ継続していくぞ、という示唆に、一章から何とも言えない苦しさに胸がつまった。
中高一貫女子校における、いじめを題材としたストーリー。遠く離れてしまったが、かつていち少女だ -
Posted by ブクログ
ネタバレとてもすてきなお話だったー!!
照子も瑠衣もカッコよくてすてきなおばあちゃん。
おばあちゃん然としていなくて、とても若々しい。
照子はもともと主婦で旦那の世話ばかりしていたけど本当は活動的だし、瑠衣は生きるために働くという逞しい考え方が染み付いている。
長野の別荘地のなかで、いろんな人たちと関わり合いながらストーリーが進んでいくが、個人的にお気に入りの登場人物は静子さん。
カラフルなお召し物を着こなしてるおばあさま、好きなんだよなぁ…
冬子との再会もただただ感動というよりかは、わかる人はわかってるというふんわりとオシャレな感じだったし、全体的に漂う雰囲気がとても良き小説でした。
70歳 -
Posted by ブクログ
現実的に「いない」者と、「いない」ものとしている実在。果たしてどちらが可哀想で、救われるべきなのか。
タイトル通りの、そこにはいない男たちについて。
人を通じての思い出というのは、その人の存在の有無関係なしに脳内にこびりついていて、その影は日常に散漫している。
それを良きものとするか、鬱陶しく思うかは、個人の感情の露出であり、思い出とはまたかけ離れた感覚である。
その感情を掘り起こすトリガーを制御するのもまた、生活を積み重ねることで鍛錬していくしかない。
少し凝った料理が恋しくなる、足がもつれるくらいにお酒に肩を貸したくなる、目に映るもの全てにあなたを思い出す恋をしたくなる、そんな作品。