井上荒野のレビュー一覧

  • あたしたち、海へ(新潮文庫)

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    女子中学生の間に起こる執拗ないじめ。その構造を微細に描く。
    この世に人間の形をした悪魔のようなものは存在する。それを受け入れなければ、いじめはなくならないだろうな。

    優しい人は、話せばわかるはずだとか、そもそも性善説を信じているので、悪魔には対抗できない。悪魔は人の弱みを握ることに天才的な才能を持っているから。人がうろたえる様が栄養みたいな奴なんだ。

    そいつから離れろ。それは決して逃げではない。そして一人になってはいけない。根っこのところで繋がっている人を幼いうちにしっかりと獲得することが大事だと思う。

    悪いのは悪魔のようなあいつなんだ。あなたではない。


    と、過去の経験からいろんなこ

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    2023年05月21日
  • しかたのない水

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    江國香織さんのエッセイから知って、買ってみた。
    確かにこの本を手に持っていたら出刃包丁かなにかと見間違えられるかもしれない。

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    2023年05月21日
  • 静子の日常

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    ジェットコースターのような大げさな展開はないけど、ちょっとざわっとしたりハラハラしたり。それが心地いいなと感じながら読めたのは、物語全体に静子さんの茶目っ気や、登場する人たちの愛らしさが溢れているからかもしれない。

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    2023年05月09日
  • あちらにいる鬼

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    妻と愛人の2人の視点で書かれた作品。

    悲劇とは遠い、凪た暗い海みたい。
    折り合いと訣別と覚悟。
    そんなものがぐるぐるしてて、私はまだまだ幼いんだなとつくづく思う。
    そして愛にまだ出会ったことがなくて、いつになったら出会えるんだろうとも思う。
    どうしようもなくひとりで常に誰かを必要としている篤郎の必死な姿が皆を惹きつけて離さない。
    "本物の嘘"の意味がなんとなくわかる気がした。

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    2023年05月07日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    豪華寝台列車の「ななつ星」を題材に5人の作家と糸井重里さん、小山薫堂さんが物語や想いを綴る。寝台列車はセンチメンタルな気持ちになる。闇夜を走り抜ける中、人は過去を思い出し、その時にしかできない話しをし、解決できなかった想いを投げかける。5つの物語はどれも労りがあり、癒しもある。旅(ななつ星は旅というより乗ること自体に価値があるのだが)は不思議だ。自然と自己に向き合わせていく。
    自分を見つめ直したくなる一冊だった。
    お気に入りは「夢の旅路」「アクティビティーは太極拳」。

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    2023年05月02日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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     豪華列車ななつぼしに関するアンソロジー。作家さん、それぞれに特徴的な物語だが、すべて、心に沁みる物語。

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    2025年12月07日
  • 静子の日常

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    心穏やかに集中できる。
    心に留めておきたい一節がある。
    ふいにクスっと笑える。

    幸せな読書体験できる一冊でした。

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    2023年04月14日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    死ぬまでにしたいことの一つ、豪華クルーズトレインの旅を、豪華執筆陣のアンソロジーで擬似体験。「ななつ星」をめぐる7編、どれもいい話だった。中でも印象に残ったのは、ラストが切ない、井上荒野さんの「さよなら、波瑠」と、母娘リモート旅が和む、川上弘美さんの「アクティビティーは太極拳」。老春、相生、家苞etc…単語をお題にした小山薫堂さんの随想「旅する日本語」も刺さった。

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    2023年04月13日
  • 荒野の胃袋

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    小さい頃からお母さんの手のこんだ料理を食べてたら、やっぱり食に関して一家言あるようになるよね。
    お母さまというのはあの井上光晴で”あちらにいる鬼”を読んでるから、その浮気し氏放題(あちがきにもそういう表現があった)の夫を料理で繋ぎ止めておきたかったのではないかとつい勘ぐってしまう。
    それ以前に料理好きでないとここまではできないと思うけどね。
    なんせうどんやパスタは小麦粉から作るんだから。
    仲良しの角田光代との対談も楽しめた。

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    2023年04月07日
  • 小説家の一日

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    書くことがテーマだったり、書くことに携わる人が語り手だったりする短編集。
    長い物語のほんの一部を切り取ったような印象の作品が多く、そのせいかどの作品も強引にハサミで切り取ったかのような座りの悪い終わり方をしていて独特な読み心地。文章が抜群にうまい。

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    2023年03月27日
  • ナナイロノコイ

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    恋愛小説も、アンソロジーも好きなので、こういう本は良い。
    映画化するっていう井上荒野さんの短編が一番好きだったかなあ。

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    2023年03月26日
  • 100万分の1回のねこ

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    有名作者による13話の猫?愛?の話が次々に繰り広げられる。

    いろいろな人がこの絵本を読んで自分なりの100万回生きた猫を書いていてとても面白い作品でした。

    この人の作品を読んでみようかなぁと思えていい出会いになりました

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    2023年02月28日
  • キャベツ炒めに捧ぐ

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    面白かった。

    ただ何回読んでも主人公たちがもう少し若いイメージになってしまって。たぶん60過ぎの人と交流がないからだと思うんだけど。

    あと10年20年たってから読んだらまた印象が変わりそうな本だなぁ



    あー、白山さんだけ嫌い。

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    2023年02月26日
  • あちらにいる鬼

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    なんだろう、ドロドロした話だと思うんだけど読んでる時も読後もなんなら清々しさすら感じる。読みやすい。文章のせいかな。主要人物みんな嫌いになれない。いや、一緒に暮らすのは無理だけれども笑

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    2023年02月21日
  • その話は今日はやめておきましょう

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    いつもどんよりとした曇天を連想する井上作品
    今回もそこかしこに不穏な空気が漂っていました。

    72歳の昌平、69歳のゆり子、二人が住む一軒家で通いの家政夫として働く事になった若者、石川一樹、この3人を軸として物語は展開します。

    どこにでもいそうな人の良い初老の夫婦が、一樹と関わる事で気持ちが揺れ動きます。
    根は「いい子」隣人とのトラブルを小気味よく解決したり頼まれた仕事は快くこなす、その反面、厭世的で暴力的、自暴自棄な面もある一樹

    一樹の危うさと、「老人」と呼ばれる事に抵抗を持ち、老いに逆らおうとする夫婦の感情がリンクしてそこにリアリティーを感じます。

    実際に存在しているかの様な登場人物

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    2023年02月11日
  • その話は今日はやめておきましょう【毎日文庫】

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    自分とそんなに変わらない年齢の夫、その妻とその家族を中心に物語が展開する。いずれ自分にもこんなことが、と思う場面があって少しイライラする。素性のよくわからない若者が入ってきてさらに心が乱される。なんなんだ、こいつは。という気持ちは主要人物の夫と同じだ。なんでそんなやつに妻は信頼感を持つのだ、それで事件が起きる、夫婦の微妙なやり取りはうちでもそうかな。息子とかはどう思うんだ。そうした気持ちの重なり方がこの小説の読み手へのメッセージなのか。最後にこの話の主人公は夫婦でなく若者なのか、と思わされる。
    タイトルのセリフはいつ出てきたのか、わからなかったほど心乱されていたのか。絶対好きとは言いたくないが

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    2023年02月05日
  • 注文の多い料理小説集

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    どれも面白かった。
    井上荒野さんの作品は本人の短編集「小説家の一日」に入っているので既読でした。
    柚木さんと伊吹さんは短編を読むのは初めてだったのだけれど、印象が違ってそれも面白かったです。

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    2023年01月31日
  • あたしたち、海へ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    いじめの描写がとてもリアルです。
    カースト上位の子がそれとなくみんなから孤立させようとするところとか
    結局、何も問題は解決していないし、誰も助けてはくれないという結末…

    逃げることも一つの正解だし、波多野さんのように無視を決め込む、というのも一つの正解だと思う
    ただ、確かなことは誰かに助けてもらうことや、周りを変えることを期待してはいけないということだった。

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    2023年01月19日
  • 小説家の一日

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    ネタバレ

    他の方の感想を読んで初めて「好好軒の犬」にでてきた娘さんが
    タイトルにもなってる作品に出てきたことを知りました。
    確かにお父さん、小説家でしたね。
    書くことをテーマとしてるそうですが、だいたい不倫のお話…
    一番印象に残ったのは「名前」。
    娘がかつての自分と同じ立場になり、しかも自分はできなかったことをやりとおしてるのを見た母親。
    母親と娘の女性性みたいなのがぶつかる話。
    生々しいけど、終わり方がカラリとしてます。

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    2023年01月18日
  • そこにはいない男たちについて

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    「あちらにいる鬼」と同じく女2人それぞれの視点から語られていて、お互いが相容れない関係ながら必要な存在でもあったのかな、と感じた。
    料理がどれも美味しそうで、こういう料理教室なら通ってみたいな。

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    2023年01月09日