井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
”オススメ文庫王国”からだったかな。帯を見ると、主婦が壊れていく話ってのは分かっちゃう。正直、要らん情報だと思うけど(前情報無しの方がきっと楽しめる)、それでも尚、淡々と進められる語りの妙によって、求心力の高い作品に仕上がっている。怖い内容って知らなかったら手に取らなかっただろうし、そういう意味ではある程度のネタバレは仕方ないけどね。で内容は、何となく歯車が狂ってきそうな”予感”を感じさせる序盤とか、実際にストーキング行為が始まってからの狂気を描く後半とか、それぞれに読ませられる。結局主婦が墜ちた真の理由はいまひとつピンと来ないけど、だからこそ、逆にリアリティがあったりして。
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Posted by ブクログ
自分の中で評価が分かれすぎるので読まなくなっていた荒野さんですが、積読山にあるのを見て久々に読んでみましたw
結果・・・これは、なかなかよい。
そうそう、なんで積読山にあったのかというと角田さんが解説を書いてるからなのだったわww
不倫相手のカシキと同棲中の年下のズーム―との間でふらふらと生温い生活を送りつづけるダメダメな女の話ですw
ほんっとにダメダメだし、アホだし、馬鹿だし、どうしようもないんだけど・・・気持ちはわからなくもないw
真っ直ぐな恋愛しかしてない人には、まーったく共感できないと思うんだけど、本読みとしてはそれじゃあつまらないのよねーw
恋をして充実してる、仕事をして忙し -
Posted by ブクログ
旅をテーマにした八編の短編集。
とは言え本格的な旅の話ばかりではなく、学校をさぼることに決めた女子高生が見知らぬ駅で降りて過ごす話や、夫の浮気を突きとめるために妻が夫を追う表題作など、日常の延長にある突発的な旅めいた話もあって、一見すると旅がテーマだということは気づかない。
どの物語にも何かしらの男女の関係があって、それもどこか歪であるのが、全体的に寂しい感じを纏わせている。
「夜を着る」は一編の物語のタイトルだけど、全体のタイトルとしてもとても合ってると思う。
これからどうなるのだろう?と読みながら考え始めたところで物語がぷつっと途切れたものもいくつかあって、驚くのだけど不思議としっくり来 -
Posted by ブクログ
タイトルはシンプルに「結婚」。結婚詐欺師の男、騙される女たち、その近辺にいる男女たちが順に語り手となって話が進む。
私も昔はこんな男に騙されるわけがないと思っていた。でも今は、いいや気づかぬうちに騙されてしまうことがある、と分かるようになってしまった。スマートで母性本能をくすぐるのが上手で何せ女を喜ばせるのが上手い男の、ちょっとした人間臭さや至らなさ。そうしたところが彼の計算外のタイミングでふと漏れる瞬間。その瞬間に、それまでいくらかあった半信半疑な気持ちに目を瞑ってしまうようになるんだよなぁ。あと、自分が騙されたという事実を認めること、それを他人に知られることで自尊心が傷つけられるのが怖