井上荒野のレビュー一覧

  • だめになった僕

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    もしも私が登場人物の女性だったらどうするかな?と思わず考えてしまう一冊。過去に遡れば遡る程、私ならどうしていたんだろうか、と。

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    2024年11月20日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    贅沢な列車に、贅沢な名前の並ぶ小説

    それぞれの物語がとてもあたたかい気持ちになる

    そこに乗車するそれぞれが
    何らかの思いを一緒に乗せて旅に出る

    誰かを大切に思って
    大切な人を誘って
    願い叶わなかった列車の旅になっても
    「その人を思い出すこと」が供養にもなる

    1話目の
    さよなら、波瑠/井上荒野
    一見、芯もあって強くて…こういう人の気持ちが
    苦しくて苦しくてね
    思わず感情移入、涙が出た

    糸井重里さんの
    「帰るところがあるから、旅人になれる」
    当たり前なんだけど
    そんなふうに考えたことなかったからね
    さすがだな、
    糸井さんの言葉だな、って思った

    静かな気持ちで読めるキレイな本でした

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    2024年11月19日
  • 百合中毒

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    設定がキャッチ―なだけで、登場人物がみな凡庸で、人と人との関係性に距離があり、親子も夫婦もみな遠慮し合っているのがもどかしい。なぜ、思っていることを口にしないの?そこはちゃんと話そうよ、相談しようよ、対話が必要じゃないの?という局面で、誰もが言葉を飲み込んでいる。夫が自分を捨てて他の女に走った段階ではともかく、その後将来を共にしようというパートナーとめぐり逢ったときになぜ夫と離婚しようとしなかったのか、謎。それを要求しなかった(もしくは問いたださなかった)パートナーの蓬田も謎。夫の病気のことをなぜ娘たちに話せない? 人と人との心理的距離があってそれが縮まらないのと、読者と作品の距離が縮まらないのが比例する感じで、没入できなかった。とくに女性たちが男の機嫌を損ねることをおそれて言葉を飲み込むような場面を作者は何の批判的視点もなく、よくあることとして何度か描写していて、悪くもないのに「ごめんなさい」と謝ることさえしている。それらの遠慮は思いやりや思慮深さとは別物である。その上で最後に「これは愛なのか、それとも...」的なことを問われても...である。
    是枝裕和監督が『真実』を撮ったときにフランスの女優が脚本を読んで「フランスの女はこのような場面で謝ることはあり得ない」と書き直しをくらったという話をどこかで読んだ。フランス人のようであれとは言わないけれど、日本の女性もそろそろ、というか、ほんとうはとっくに、こういうしぐさから脱した方がよいと切に思う。自戒を込めてだけれども。とはいえ、最後のシーンの母親歌子さんの心情はよくわかる。もしかしたらここだけが唯一の彼女の切実さが伝わってくるところかもしれない。不治の病を抱えながら孤独に死んでいこうとする夫を放っておけない、なんとかしなくては」という思い。
    百合中毒のエピソードも防犯カメラのエピソードもあまり効果的とは言えない気がするし、サクソフォーンを妻に内緒で練習していました、のところにおいては蛇足では...

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    2024年11月18日
  • だめになった僕

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    ペンションを経営しながらwebで漫画も描いている音村綾と、彼女が密かに思いを抱き続ける画家の祥川涼の、16年に及ぶ恋愛劇。とはいえ、2人の間には好意以上のものはなく、ずっとすれ違い続けているような関係である。
    面白いのは構成で、現在から少しずつ時を遡り、16年前まで辿り着いた後再び現在に戻ってくる。そして1章が2人の視点で別々に描かれている。
    ある時点で伏せられていたことが徐々に明らかになるのは興味深いが、序盤以外は特に何が起きるわけでもなくて少々退屈する。ミスリードも仕掛けられているけれど弱い。

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    2024年11月02日
  • 猛獣ども

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    この小説がしょうもないと言うより、人間ってどうしようもないなと言う所が本当によく描けていて、読んで深く納得しましたが、かと言って読んで学ぶ所は何もなかったから、読んでも読まなくてもどっちでも良かった。

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    2024年10月28日
  • 錠剤F

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    短編10編。どれをとっても不穏な空気に包まれたゾクッとするはなし。でも読んでいるわたし自身も話の核心は見えていないかもしれない。

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    2024年10月27日
  • 猛獣ども

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    ネタバレ

    読んで感想を書いたつもりだったが、上がっていなかったので備忘録として書き留めておこうと思う。
    殺された男女は実はクマに殺されたのではなかったという結末になるのではないかと最後まで読み進めたが、その事実は変わらなかった。
    別荘地の管理人や別荘地に住む人々の外面と内面が細かく表現されていて、人間観察の観点からは面白く読めた。
    物語としては感動はないが、悪い意味でなく淡々と綴られている印象だった。

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    2024年10月18日
  • 綴られる愛人

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    事実を偽ったまま、文通をする二人の男女。女性は男性に夫への殺人を教唆する。果たして男性は恋心を抱く見知らぬ女性のために、殺人を実行するのか?
    登場人物がみな、自分のことしか考えない身勝手な人たちで、感情移入できる人が誰もいなかった。
    そこがこの小説の歪さ、気持ち悪さを作り出していて、独特の余韻が残った。

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    2024年10月14日
  • ホットプレートと震度四

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    台所まわりのアイテムにまつわる話を集めた短編集。
    物語としてはややそっけないくらいの長さが、読みやすくてちょうどいい。
    台所用品はどうしても「家庭」の形を連想させる。

    最後の薪ストーブの話が特に好き。

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    2024年10月09日
  • キャベツ炒めに捧ぐ

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    生きていくこと

    寝る
    起きる
    食べる
    寝る

    恋を失っても
    人を失っても
    愛を失っても

    寝る
    起きる
    食べる
    寝る

    寝るもんか
    起きるもんか
    食べるもんか

    かち、かち、かち
    時計の針は進んでいく

    失ったことが辛くて
    辛さが和らいでしまうことが寂しくて
    ずっと立ち止まっていたくて
    悲しみの海を潜る
    深く、深く

    それでも眠気やってくる
    目は覚める
    お腹は空く

    蹲る心を嘲笑うかのように
    あるいは
    優しく手を引くように

    陸へ上がる
    また私は生きていく

    寝る
    起きる
    食べる
    寝る

    毎日、毎日

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    2024年10月09日
  • 錠剤F

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    作者については少し知っていたから手に取って読んでみたが、何というかキミの悪い短編集だったとしか言いようがない。

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    2024年10月08日
  • 猛獣ども

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    ネタバレ

    猛獣ども

    著者:井上荒野
    発行:2024年8月8日
    春陽堂
    初出:「WEB新小説」(春陽堂書店)連載

    ある別荘地が舞台。リタイアして永住している人、結婚1年ちょっとで永住している人などがいる。そういう人たちと2人の管理人が中心で、通っているだけの別荘族は話には登場しない。別荘地の下には月見町という町があって、住民はそこに買い物や外食に行き、管理人の一人もそこのアパートに住む。

    ある時、別荘地で男女が熊に襲われて死んだ。第一発見者はリタイア後に永住している住民。管理人は、管理事務所と兼用の建物に住み込みで働いている小松原慎一と、前任者が辞めて新しく東京から転勤になって来たばかりの小林七帆。小松原は別荘地の管理をしている不動産会社の社員ではなく、住み込み管理人として雇われている。東京の出版社で働いていたが、女性と別れて東京を出たくなってこちらに移住。小林は不動産会社の社員で、上司と不倫をしてここへ飛ばされてきた。

    13章立ての小説だが、小松原の視点と小林の視点で書かれた地の文が7章あり、残りの6章は住民夫婦の視点で書かれた地の文。つまり、全部で14人の視点で書かれた長編小説ということになる。ただ、主人公は小松原のように思える。

    熊に襲われた男女は、別荘地の住民ではないとすぐに噂が流れる。誰から聞いたのか?と管理人が問うても、○○さんが言っていた、と人から聞いた話だった。そうしていると、管理室に怪文書がポスティングされていた。

    熊に殺された人々=
    二十代くらいの男性と、二十代くらいの女性
    月見町在住。この二人は姦通していた。

    誰がこれを書いて投げ入れたのか?どうして姦通しているなどという事情を知っているのか?というミステリー作品のような展開に見せかけつつ、全然ミステリーにはならない。13章の話の中で、別荘地の住民夫婦のそれぞれの事情が語られていく中で、これを書いた人物や「姦通」に関しての事情が分かってくる。

    住民それぞれについても、他の人が見ているのと実は心の中身が全然違ったり、他の人が噂しているのとは違っていい状態だったり。いろんな事情が見えてくる。中には、最近、癌が見つかって家族と急に隔たりができたように感じるシニアもいたりする。

    そして、管理人2人は、それぞれ相手と別れた身同士。どうなっていくのか。あまり平凡な恋愛小説にはならない。しかし、劇的な展開もない。大人の、男女経験もそれなりに豊富な、機微に溢れつつも、幼い男女の心持ち。男女の駆け引きを見せつける小説でないところが、大人の小説でなかなかよい。さすがは井上荒野。

    タイトルの「猛獣ども」は、この別荘地に来て、熊事件をからかうような歌を池のほとりで歌い、動画を作成してYouTubeで公開した2人組による、その動画タイトルでもある。もちろん、別荘地の男女それぞれにも当てはめている。

    *******

    小松原慎一:別荘地の住み込み管理人、180センチ
    小林七帆:東京の不動産会社から転勤してきた管理人、上司と不倫し飛ばされた
    伽椰子:慎一が別れた女(相手から別れ話が出た)
    美雪:慎一が若い頃に結婚した妻で、伽椰子のことで別れた
    日向友郎:七帆と不倫していた、7歳年上の上司だった
    勇:七帆の高校時代の同級生、初体験相手、庭師、移住を検討中、結局やめる

    扇田充琉:新参ものでクレーマー、妊娠が判明
    扇田圭:夫、別荘地隣町の造り酒屋で広報、結婚1年3ヶ月

    東雲萌子:小説家
    井口文平:夫、売れていない作家

    小副川孝太郎:元製薬会社の営業、リタイア後に定住、クマ事件の直前ぐらいに膵臓癌が見つかる(余命1年)、クマに殺された2人の関係を暴く怪文書を作成
    小早川小百合:妻、夫と散歩中にクマ被害者の逢い引き(立ったままセックス)を見かけて覗くのが趣味に
    *2人は蜜月期間が長かった、娘や息子は60歳近い、孫の最年長は30歳

    神戸(ごうど)みどり:クマに襲われた被害者を発見、元高校教師、染色
    神戸武生:夫、元高校教師(同僚)、油絵、妻の誕生日に肖像画を描いて贈る
    透:教え子
    果林:教え子
    翔太:教え子、真央の夫
    真央:教え子、翔太の妻

    金沢道尚:クマで死んだ男の方、月見町に在住

    柊レイコ:70前後、夫の提案により別荘地で鍼灸院経営、夫が鍼灸院も家庭のことも何もしないので限界を感じていた、わざと万引きした
    柊恭一:夫、夫婦仲は悪い、娘夫婦と孫がパリにいる
    木下:患者の一人

    野々山純一:ペンションオーナー「むささび荘」→「愛と山」、犬レノンの飼い主、医療施設用家具の営業マンだった
    野々山愛:妻、夫の定年で移住、別荘族としては古株
    風太:息子、東京の大学生

    五味:月見町でトルコ料理店kokkaiを経営、妻が不倫してクマに襲われ死亡
    美絽:出会い系で五味と知り合う、kokkaiでバイトすることに、すぐに辞める

    暁子:七帆の東京時代の同僚、LINE仲間
    美来:同上、LINE仲間

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    2024年10月06日
  • Seven Stories 星が流れた夜の車窓から

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    川上弘美さん、三浦しをんさん、糸井重里さんと好きな作家さんのラインナップに惹かれて手にとった。本のデザイン素敵だなーと思ったら、クラフト・エヴィング商會だった。
    九州の豪華寝台列車「ななつ星」にまつわるお話。寝台列車の旅って憧れがあるけど、なかなかなお値段。それでも抽選になるぐらいだから、きっと素敵なんだろうな。
    途中のイラストも小山薫堂さんの「旅する日本語」も素敵で、眺めているだけでほわっとした気分になった。

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    2024年09月30日
  • 結婚

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    ネタバレ

    題名だけで読み始めたら、まさかの真逆な話。
    短編集なのかと最初の方は思っていて、でも途中から、まとまった話に収束される事を悟り、なんかもうちょっと前半をよく読み込まないと後半分からないなぁと思った。
    何せ、電子書籍で読んでるので、ページを行ったり来たりのコツがよく分かって無くて。
    それにしても、読んで幸せな気持ちにならないし、後味もずっと悪いのに、何か救いはないものなのかと、思わずページをめくってしまった。結局、空虚だけ残り、救われるものは何も無かった。

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    2024年09月24日
  • 猛獣ども

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    終始、不穏な空気に満ちている。

    閑静な別荘地で、ふたりの男女が密会中に熊に襲われ殺された。
    衝撃的な始まりだが、登場人物達は皆、他人事の様に淡々としている。

    管理人の男女と六組の夫婦をランダムに描きながら、愛とは何かを問い掛けられる。

    表面上、上手く取り繕いながらも、心の中では底知れぬ狂気を抱えている人達。
    人でありながら、猛獣の如き猛々しい其々の思いに打ちのめされる。

    なにか特別な事が起きるわけではない、だがこの黒々とした薄気味悪さは井上作品ならでは。

    混沌とした世の中で刹那的に生きる彼等を通して愛の本質を問われる。

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    2024年09月24日
  • 100万分の1回のねこ

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    佐野洋子さんの『100万回生きたねこ』。インパクトの強い緑色の瞳をしたオスのトラ猫が表紙の絵本です。おそらく子どもの頃にも読んだことがあったと思うんですが内容はほとんど記憶になく、大人になって改めて読んでグッときました。

    1977年に発売されて以来、今なお多くの人に読まれ続けている大ロングセラーであるこの絵本への、13人の作家によるトリビュート短篇集です。

    佐野洋子さんの息子さんで絵本作家の広瀬弦さんや元旦那さまの谷川俊太郎さんも執筆されています。結構著名な作家陣ばかりですが、私は読むのは初めましてな作家さんが多かったですね。

    どういうこと?と理解が追いつかないお話もあれば、ちょっと不思議なお話もあり、せつなかったりしんどかったりおもしろかったりこわかったり、猫がまったく出てこなかったり、13人それぞれ個性豊かなお話でした。ただ、私が期待していたものとはどれも「なんか違った」なぁ、という感じ。

    でも江國香織さん、角田光代さん、山田詠美さんのお話がおもしろかったかな。

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    2024年09月16日
  • そこにはいない男たちについて

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    いるけどいない夫(不仲)、いないけどいる夫(未亡人)を持つ二人の女性が主人公。前者の取り返しが付かない家庭内別居状態の描写がリアルだった…どちらが決定的に悪いでもなく。嫌っていたいから別れないでいた=いるけどいないのではなくずっといたじゃないかと思う。なのに、拗れると歩み寄ることは本当に難しい。当て馬にされた浮気相手の男性は可哀想だった。後者は、いないけどいることを受容しながら、いるしいる相手と幸せに生きていけるのだろう。解説の通り「きれいな女の人の前に立った無粋な女の子のような気持ちにさせられる」小説。

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    2024年09月12日
  • ホットプレートと震度四

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    月刊誌の連載から加筆されたもの。味をつくる道具と人というテーマ。そのままタイトルよりポットプレートと震度四の方がいい。
    9つ短編、最後の焚いているんだよ、薪ストーブがよかった。ただ登場人物が少し嫌な感じで…。読むのが億劫になった。文章が軽く文字も少ない本なので読み出せばすぐ読めてしまうけど、行間を味わえない。
    嫌と感じるのは自分の嫌なところを表現されてる裏返し、明日はきっと良い食卓の帯は、まだ登場人物たちはきっとにかけるところということ。
    「きっと」はこの国の今の寂寥感なのかもな。いやなんだ、それは

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    2024年08月30日
  • ホットプレートと震度四

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    微妙な、はっきりしているわけじゃないできごとの違和感や困った感や距離感を描くのがうまいなぁと思う。
    男女のあれこれはあまり興味が持てないため、なんかめんどくさそう…としか思えないのだけど、、
    でも老年期の人間を描いている作品も数あって、これからの私には助かる。

    井上荒野さんは、読む時にちょっと力が要るというか、覚悟がいるというか…、「井上荒野を読むぞ!」と思わないと読めない。
    うかつに手にとってやっぱりうかつだった、となることが多いので、気をつけて慎重に読む作家だ。

    新しく追いかける作家を見つけられて嬉しい。これからも少しずつ読んでいきたい。

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    2024年08月22日
  • そこにはいない男たちについて

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    ネタバレ

    心がざわざわする。結婚をしたけれど夫のことが嫌いで、「いない」ようなものとして生活するまりと、
    夫を突然亡くしてしまい、文字通り夫が「いない」実日子の2人のストーリが軸で進んでいく。

    女だから共感できるのか分からないけど、短い文章で的確に女性の気持ちを表現されていて、ものすごく心がざわざわした。

    だいきらいだったはずの夫から離婚を切り出されて、
    だいきらいだったのではなく、ずっとだいきらいでいたかったのだと気づく場面なんて、、、
    なんだか心当たりがある感情で本当に参る。

    あと、解説にもあったけど、本当に料理のセンスが良くて美味しそうで。
    作中のレシピ公開してほしいです。笑

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    2024年08月11日