井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
東京在住35歳の人気女性作家は、夫の暴力に怯える28歳の専業主婦『凛子』に、
富山に住む21歳の三流大学に通う学生は、貿易関係の会社に勤める35歳のエリートサラリーマン『クモオ』に。
お互いの素性を偽り「綴り人の会」という文通コミュニティを通して、手紙のやり取りをする。
手紙は月に2回、綴りの会を介し、それぞれの自宅へ送られる。
こちらから出した手紙はすぐには届かないし、相手からの返事もすぐには来ない。すぐに来ないどころか、返事をくれるのかさえ分からない。
待っている間に想いが募り、相手の返事を待たずにこちらからまた出してしまう。そうやって、手紙の上での恋愛は、待ってる時間にどんどん狂おしくな -
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初・井上荒野。
75歳の静子さん。
軽やかな振る舞いで、なんでもお見通しのカッコいいおばあちゃん。
そんな静子さんにも、かつて「怒らなければならない理由」(=悪い猿みたいなもの)があった。
彼女は長年その猿と折り合いをつけ、あるいは猿なんかいない、と自分に思わせて生きてきた。
つまりは、とても見事な良妻賢母を、彼女は演じてきた。
夫の死とともに、夫の妻であることをやめ、自由を手にした静子さん。
スポーツクラブでスイミングを習い、
息子夫婦の危機を未然に防ぎ、
孫の彼氏とも友達に。
若くはない、と自覚しながら、でも
「新しい歌を知ることはできるんだわ」と呟く。
「自由であるためには、心 -
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閉鎖的な島で夫と暮らす「私」と、
島へ移住してきた男との心の揺れを
描く物語。
設定はいかにもだけど、
荒野さんの丁寧で緻密な文体と、
生命力溢れる島言葉が美しい。
そして何より、
「切羽」という場所に惹かれて読んだ。
タイトルを見て、切羽詰まる、の「せっぱ」かと思ったら違った。
「トンネルを掘っていくいちばん先」のことで「きりは」と読む。
「トンネルが繋がってしまえば、切羽はなくなってしまう」
「掘り続けている間は、いつも、いちばん先が、切羽」。
有って無いような場所。
先へ先へと求め続けるけれど、
いつかは無くなってしまう場所。
それ以上先へは進めない場所。
それとも、未来へ続く扉に -
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