井上荒野のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
これの前に小学生が主人公の本を読んでいたらから、いきなりの大人な内容だな(笑)。
島の狭い人間関係と切なさがうまく混じりあっていてなんとも言えない雰囲気がある。
現在、田舎暮らし。
そういや、田舎暮らしも島ぐらしに近いものがあるように思う。昔から住んでる人とよそ者は区別しているし、周囲で起こったことはあっという間に広まるし。
近所は皆家族ってな感じ!?
隠し事なんてできそうもないもん。
そんな狭い世界で、島外から人がやってくるとか日常と違うことがあったら心がざわざわしそう。
石和の独特の雰囲気が余計にこちらの心も揺さぶってくるし……。
よくわからないって気になるものね〜。 -
Posted by ブクログ
相変わらずクズな男を書かせたら天才的だと思う。
今回も出てくる男はみんな揃ってクズである。
短編が7話掲載されているが、前半3つが面白かったから後半少々ダレた。
『遊園地』
40を過ぎた主人公には内縁関係の男がいて、男との間に出来た小学生の息子を育てている。
芸能関係の仕事をしている男は出張がちで母子の住む家にほとんど帰ってこない。
ある日、主人公の家に電話がかかってくる。正体不明の女から聞かされた、男には妻子がいるという話の真偽を確かめるため、彼女は教えられた団地に向かう。
そこには自分の”夫”だと思っていた男の若い妻と幼い子どもがいて、彼女は真相をただすことができずに悶々と日々を過ごす。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ姉妹と妹の旦那さんと、それを取り巻く人間関係をゆるりとした時間軸で描いています。
設定は、まぁ不倫ってことになるんだろうね。
迅人は杏の旦那であり、椿は杏の姉であり。
椿は繊細に見えて、実は肝がすわっている。
杏子はがさつに見えて、実は誰よりも繊細。
迅人はまっとうな人間に見えて、不倫をしている(それが悪いことだという認識は欠落しているようだけど)
長野のペンションで、感情と自然が織りなすストーリーは切なく、それぞれの視点で書かれる話は説得力はある。
なんとなく、椿の弱さがずるく見えてしまうけど。
迅人の悪気のなさが、無邪気すぎてイラつくけど。
人間関係なんてこんなものだよね。
誰だっ -
Posted by ブクログ
ネタバレ短編集です。
どのお話も、結末が納得できないというか、理解できないまま終わっていくような印象でしたが、
解説を読むことでそれがなんでなんかがわかりました!
主人公がみんな嘘をついてるというか、「ふりをしている」ってことがわかったおかげで、結構納得できた。
こうゆう風に書いとるけど、本音はこうやったんや!みたいな、読み終わってからの発見!みたいな。
とにかくこの小説に出てくる子供がほんとに大人だなあと思った
。子供らしさを携えつつ、考えてることはいっちょまえな感じ!子供ってすごいね
そんで最終的になにが言いたいかっていうと、
ベーコン食いたい -
Posted by ブクログ
初井上荒野さん。二人の男女の間に愛の言葉など、何もない。関係を変えてしまうような事件も、これといって何もない。ただ淡々と物語は進み、ひょっとしたらこの作品を「退屈」と呼ぶ人もいるかもしれない。しかし、豊穣な情愛の芳香が作品の隅々に残る。その香りにつられてページをめくる手が止まらなかった、かつてない作品。
切羽(きりは)という単語も初めて知りました。「トンネルを掘って行く一番先」のこととか。「つながればなくなる」という意味において切羽は二人の切なく儚い関係性を暗じているようにも思えましたし、生きる、とか、死ぬ、ということにも通ずるように思いました。
人がただ繰り返してきた、生と死。