井上荒野のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ突然同僚が貸してくれたのですが、そういえば井上荒野さんの作品は読んだことがなかったなと思って、ありがたく読んでみました。
なんだか不思議なお話でした。SFとかファンタジーという意味ではなくて。なのに、すごく地に足の着いたというか、ちゃんと人生を感じられる小説でした。
たぶん不思議な感じがしたのは、ストーリーに対する主要人物三人の年齢のせい。東京のとある町でお惣菜屋さんを営む江子と従業員の麻津子、郁子ともに60歳前後のいわゆるおばさんである。それなのに、江子は「きゃはは」と笑い、麻津子はダーリンとうまくいくことを望み、郁子は「いやーん」と色っぽい声をだしたりする。3人とも年齢が年齢だけにこれま -
Posted by ブクログ
映画「朽ちない桜」つながりで、この作品に。
短編集の中で、気に入ったのはふたつ。
・泣く猫 柚月裕子
17年音信不通であった母が死んで、真紀は母の住処に訪れる。母の同僚サオリが弔問に訪れる。
母が大切にしていた猫・マキは母のために泣いたという。
P.76
(中略) あっけらかんとした人生じゃなかったと思うよい サオリは俯いたまま、自分のことのように語る。
「男に夢中になると、ほかが見えなくなっちゃう。男と別れたあと、自分がしでかしたことを後悔する。そんときは、もう男なんかいらないって思うけど、好きなやつができ ると、また突っ走る。そして別れて悔いての繰り返し、心底、自分で自分がいやに -
Posted by ブクログ
読み終わってもなんだか毎晩ふと思い出しては考えてしまうので久々に感想を少し。
25年前にイタリア人女性と不倫して出て行ってしまった夫が帰ってきたことから始まるお話。
結婚する前だったり、新婚の頃だったりしたらきっと奥さんである歌子さんの気持ちや行動は理解できなかったと思う。
陳腐な表現だけど、情で繋がっている夫婦の絆のようなものを感じた。これは同じ家族でも娘には絶対理解ができないことじゃないかと思う。夫婦だからこその不思議な繋がり。
私もきっと最後の歌子さんと同じ行動をすると思う。その自分を突き動かす理由がなんなのか分からなくても。
それぞれの今後がどうなったかは描かれていないけど、