井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
料理をテーマにした7人の作家さんによるアンソロジーです。
こちらのお目当ては柚木麻子さんと伊吹有喜さん。あと未読の井上荒野さんが気になってました。装丁のデザインとタイトルがなかなか洒落てますよね。
『エルゴと不倫鮨』柚木麻子
最初は不倫の話かぁ…ちょっと嫌だな、と思いきや、さすがの柚木さん。吹き出しそうになるくらい痛快でおもしろかったです。
『夏も近づく』伊吹有喜
自然の中で食べるちゃんと手をかけた料理が本当においしそうでした。
『好好軒の犬』井上荒野
初めましての井上荒野さん。最初から最後まで独特で不穏な雰囲気のあるお話でしたね。
『色にいでにけり』坂井希久子
こちらも初めましての坂井希久子さん。時代物で和菓子が本当においしそうでした。食がテーマというよりも、色がテーマなのかな?なかなかおもしろい着眼点で続きがありそう…と思っていたら、シリーズで文庫本が4冊も出てるんですね。そちらも読んでみたいです。
『味のわからない男』中村航
グルメレポーターが地方ロケに行くお話で、う〜ん、実際にもこんなことあるんだろうな、と思わせるお話でした。
『福神漬』深緑野分
苦学生の食のお話かと思いきや、不思議な展開に…。
『どっしりふわふわ』柴田よしき
初めましての柴田よしきさんはパンのお話。どっしりもふわふわもどちらも大好きです。ちょっとだけ最後やられたーとなりました。『高原カフェ日誌』というシリーズのスピンオフらしいので、そちらも気になります。 -
Posted by ブクログ
佐世保の和菓子店に嫁ぎ、娘を育てながら若女将として生活が続いていくはずが、誕生日を祝った夜に夫からエルメスのバングルを贈って貰いながら…
晶はお礼ではなく罵声を浴びせて家を飛び出す。
そこから以降、晶の不在が続くなか夫は怒りながら愛人の武藤を疑い、嫌悪しながらも日々の生活は続いていく。
娘も不穏さを感じつつ、母に捨てられたと思いながら父親が再婚する頃には母を意識することもないくらいに成長していく。
一人の人間が姿を消すのがこんなにも突然で呆気ないものかと思うと恐さを感じる。
ずっと晶が不在のまま時は流れていくのは自然というより必然であるのが恐いのかもしれない。
ずっと色のない世界のようでいて、ただカンフーマンだけが変に明るいのが不穏だった。