井上荒野のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレこれは何とも…好きとも嫌いとも言えない短編集だった。荒野さんの小説には必ず「冷たい男」が出てくると勝手に思っているが、この短編には「怖い人間」が沢山出てきた。
息子がいないから自分たちのところに養子に来ないかと誘い、どんどん勝手に話を進めていく夫婦や、コンビニであなたの子種が欲しいと言ってくる女など、どこか不気味で周囲にいてほしくないタイプの人間たちだ。
最も楽しめたのは「みみず」という短編。「みみず千匹」を持つ女性が、自分の中にみみずがいなければ良いのに、いや、みみずこそ自分だと葛藤するシーンが強烈。自分のアイデンティティがみみず千匹なのに、本当に愛されているんだったらみみずなんていなく -
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Posted by ブクログ
70代前半の夫と60代後半の妻が老夫婦といえるのか微妙なところだが、若者から常に憐れまれ、蔑まれてると半ば自意識過剰になってるのが寂しい。
「その話は今日はやめておきましょう」と怖いこと不安なことから目を背け、後回しにして、気にしないと決めて問題に蓋をしてしまうと、小さな綻びがそのうち取り返しのつかない問題に発展してしまうという内容。
若者に引け目を感じている夫の昌平が、何かを吹っ切ったかのように3人の若者に話しかけに行き、結果的に何も恐れることはなかったのだと、3人と楽しく話ができたシーンと、
自分たち夫婦を騙した一樹に、妻のゆり子が最後の電話をかけるシーン。
これをきっかけにこの夫婦は -
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