井上荒野のレビュー一覧
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これが、姉妹でなかったとしたら平凡な話なのだろう。いや、姉妹であっても平凡なのかもしれない。「姉と、妹夫婦。残酷なかたちしかしれない幸福がある」と、帯には書いてある。残酷なのに幸福なわけは、たぶん姉妹の隣、すぐ隣にある死。だとしたら、幸福は生そのものなのだろう。
姉の椿の狂おしいほどの愛情はなんだろう。迅人への愛ではない。妹・杏への愛情だ。椿は、杏の半身であることをやめない。杏の半身としてしか生きられない。椿が愛してやまないのは杏その人であって、杏もきっとそうなのだろうと思う。迅人はあくまで、姉妹の愛情をつなぐだけの役割にしか過ぎない。男の身勝手さを描いているようで、彼は彼である必要は -
Posted by ブクログ
「ズームーデイズ」は主人公が8歳年下のテレビマン、ズームーと同棲していた30歳からの7年間の様子を振り返る形で描いたものである。
恋愛渦中にいる間もどことなく冷めているのだが、さらに冷めた視線で当時の出来事を描いている。
過去に新人賞受賞しデビューしたものの、最近では小説を書けないでいる女性作家が主人公である。
妻子ある男性カシキとの恋愛を続けながらも、テレビの司会に起用された時に知り合ったアシスタントディレクターのアルバイト、ズームーと同棲する。
主人公はズームーを「愛そうとしてみる」のだが・・・。
やがて彼女は父親(全身小説家・井上光晴氏)と同じくがんの宣告を受ける。
父親は宣告を受けて