こま猫さんのレビュー一覧
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もう最高に良かったです。
BL漫画という偏見(?)を覆す傑作だと思います。
是非BL嫌いの人にも読んでいただきたい作品です。
大袈裟に言えば、生きる事や人を愛する事の意味を考えさせてくれ、たまたま愛する人が男性だっただけで、相手の幸せをただ願う暁人のありように切なさややるせ無さを感じ、結果的には桂木と相思相愛になりホッとしたのも束の間、お互いの未来の為に、ひと時とは言え、離れる決断をするなど、読者も翻弄される本編のスピンオフとして、少し気楽に読める所もありました。が、やはり恋愛の切なさはきちんと描かれていて本当にその世界観を満喫できました。
できれば二人のその後を見たいと切望しました。 -
購入済み
最後までノンストップで読ませる
ストーリーは突然大金を手にした平凡な男が、金の魔力に魅入られ、犯罪を隠す為に共犯者や周りの罪なき人々を次々と殺して行くという割と単純なものです。
では何故最後までノンストップで読み通したかといえば、次々と岐路に立たされた時の主人公の選択をまるで自分の選んだ道のように感じ、その先に待ち受ける出来事を早く知りたいと思うからです。
ここまでの大ごとでなくても、生きていくなかで選択は日常であり、私たちも先のわからない道を選び取るという連続が当たり前ですが、あの時そうしなければという後悔は、誰しも感じた事があるでしょう。それが、殺すか、罪を露見させるかという究極の二択に突き詰めて、生き方や良心に問い -
購入済み
続きが気になる!
「東京ロンダリング」に続く事故物件を扱う相場不動産とそこに纏わる人々を描いた社会派ミステリーです。
仙道、町田、相場社長やまあちゃんが、今後ジャパン地所を中核とする黒幕にどう立ち向かっていくのかとても気になります。
第三弾が必ずあるはずと信じているので、作者の原田先生に早く続編をお願いしたいです。
本作の中で一番頭に残ったのは、人が居るとその中の一定数は失踪するというところです。アリの集団では必ず一定数が怠け、働きもののアリばかりを集めても、その中の一定数は必ず怠けると言うのと同様に、失踪も人間社会のバランスを保つための必要悪だと説明されます。そして大切なのはひょっこり出てこれるよ -
購入済み
空を指す手
勇敢な女たちの従軍体験記を漫画で読み易くした本と朝日新聞で見て、読んでみました。読者は絵があるので視覚的に理解でき、スラスラと読めました。しかし、作者の苦労たるや、服装にしろ、戦車や銃器などの背景にしろ、目で理解してしまうので、適当に書くことができず、きちんと考証して書いているとのコラムでしたが、本当にその通りだと思いました。
性差による決めつけは個人的に大嫌いですが、当時も現代の私たちと同じような考えを持って戦場に飛び込んだ女性たちがいたことは驚きでした。
男性と同じようにと言いながら、最後の最後で女であることを武器に窮地を乗り越えたのも、生死の瀬戸際では仕方ないのかもしれません。