【感想・ネタバレ】シンプル・プランのレビュー

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最後までノンストップで読ませる

ストーリーは突然大金を手にした平凡な男が、金の魔力に魅入られ、犯罪を隠す為に共犯者や周りの罪なき人々を次々と殺して行くという割と単純なものです。
では何故最後までノンストップで読み通したかといえば、次々と岐路に立たされた時の主人公の選択をまるで自分の選んだ道のように感じ、その先に待ち受ける出来事を早く知りたいと思うからです。
ここまでの大ごとでなくても、生きていくなかで選択は日常であり、私たちも先のわからない道を選び取るという連続が当たり前ですが、あの時そうしなければという後悔は、誰しも感じた事があるでしょう。それが、殺すか、罪を露見させるかという究極の二択に突き詰めて、生き方や良心に問いかけるのが本作です。
自分の今を守る為に他人の犠牲をどこまで、容認できるか、私ならどうするか常に問われている気がしました。
その上で一番辛かったのは、兄の犬の処遇です。ある意味、共犯の犬ですが、犯罪を自白する危険ない動物にまで非情な対応をする主人公はやはり人間らしさを失っています。それが大金を手に入れたいがゆえの行動なら、お金とはとても怖いものだと再認識しました。

#ドキドキハラハラ #深い #怖い

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2022年08月12日

Posted by ブクログ

昔観た映画がとても面白かったという思い出も込みでの評価☆
ありえないでしょー!くらいの胃の辺りが重たい痛快さ。

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2022年06月24日

Posted by ブクログ

アメリカの作家スコット・B・スミス(スコット・スミス)の長篇ミステリ作品『シンプル・プラン(原題:A Simple Plan)』を読みました。
ここのところミステリ小説はアメリカの作家の作品が続いています。

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『このミステリーがすごい! 1995年版』海外編1位
『このミステリーがすごい! 2019年版』30周年記念「キング・オブ・キングス」海外編第6位

長らく手に入りにくかった扶桑社ミステリー往年の傑作、ついに復刊!

一歩間違えれば人はみな狂った道を転がり落ちるという恐怖をとことん味わわせてくれる。
犯罪小説の金字塔。一度は読むべき絶対的名作!
(池上冬樹、文芸評論家)

手を汚し、罪を重ね、堕ちて堕ちて堕ち続ける。
誰の内にもある人間の愚かしさと恐ろしさをこれほどシンプルな構成で深く生々しく残酷に掘り下げた、
一瞬も目が離せないほど強烈な小説は他にない。
(宇田川拓也、ときわ書房本店)

ある雪の日の夕方、借金を苦にして自殺した両親の墓参りに向かうため、ハンク・ミッチェルは兄とその友人とともに町はずれの道を車で走っていた。
途中ひょんなことから、彼らは小型飛行機の残骸とパイロットの死体に出くわす。
そこには、440万ドルの現金が詰まった袋が隠されていた。
何も危険がなく誰にも害が及ばないことを自らに納得させ、3人はその金を保管し、いずれ自分たちで分けるためのごくシンプルな計画をたてた。
だがその時から、ハンクの悪夢ははじまっていたのだった。
スティーブン・キングが絶賛した天性のストーリー・テラー、衝撃のデビュー作。
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1993年(平成5年)に刊行された後に廃刊、その後、2019年(平成31年)に復刊されたスコット・B・スミスのデビュー作……『東西ミステリーベスト100』では海外篇の84位にランクインしている作品です。

ある雪の日に、町外れで、墜落した小型飛行機の残骸と、パイロットの死体、それに440万ドルの現金が詰まった袋に出くわしてしまった3人がたどる、恐るべき運命とは、、、

ハンクは兄とその友人と、事故現場で偶然大金を拾う……だが、何の危険もないはずのその金は、悪夢への入口だった……。

スティーヴン・キングに「本年のベスト・サスペンス作品」と称賛され、1998年(平成10年)にサム・ライミ監督で同名タイトルで映画化された作品だけに、期待に違わない内容でしたね……デビュー作とは思えないクオリティでした、、、

ハンク・ミッチェルが兄ジェイコブとその友人ルーとともに発見した小型飛行機の残骸とパイロットの死体……そこには440万ドルの現金が詰まった袋が隠されており、その金を保管し、いずれ自分たちで分けるためのごくシンプルな計画を立てるが、その時から、ハンクの悪夢は始まる。

金の魔力はじわじわと彼らを蝕み、欲が理性を狂わせ始める……やがて小さなほつれは取り返しのつかない事態へとなっていく、、、

良かれと思う判断が、いかに心もたないか……ひとつの綻びを修復するために新たなひとつの犯罪を犯す、それが繰り返され、シンプルであったはずの人生が停止し、シンプルであったはずの犯罪計画が崩壊する という展開が印象的でしたね。

巻頭のエピグラフにある、

「人はだれも悪と承知で悪の道へ入るのではない。
 ただ、幸せになろうとして、それが良いことだと思いこんで、誤ってその道を選ぶのである。」 メアリー・ウールストンクラフト

という言葉が、本作品の本質を語っていると思います……面白かったです。

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2024年03月13日

Posted by ブクログ

90年代にこの作品が発表された時にも読んだ記憶がある。その時「面白い」と思っていた。
今回復刊されたという事です読み直してみたが、面白い!
いや、めちゃくちゃ面白い。

雪に閉ざされた田舎町で会計士の仕事をしているハンクは、兄のジェイコブとその友人ルーと一緒に父の墓参りに行く途中、公園の森の中に墜落した小型飛行機を見つける。
機内には操縦士の男の死体と、100ドル札の札束が詰まった鞄。全部で440万ドルもあった。
ハンクたちはこの大金を持ち帰ることにした。そのまま夏まで黙っていて、誰かがその大金のことを探しているとわかれば罪を隠すために札束を焼いてしまう。もし誰もこの大金のことを何も言わなければ、その時はこの440万ドルを三人で山分けすることにした。

始まりはそんな簡単な計画だった。ダメで元々の計画だった。
しかし、この計画がうまくいくのか、バレたりしないか?という不安と、疑心暗鬼がこの簡単な計画を崩していく、、、

ハンクがいつしか金を守るために行動し、もう金を自分のものにできなくなるなんて、考えられなくなり始める心境の変化と焦燥感をうまく描き出している。
30年ぶりくらいに読んでも十分に面白かった。

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2022年12月12日

Posted by ブクログ

 『とにかくお薦めです』の手書きのポップに魅せられ、読んでみると、確かに面白かった。
 誠実に市民生活を送っている主人公は、墜落した飛行機の中に大金を発見し、ともに発見者となった兄と、その親友と山分けすることにする。犯罪に係わるその大金をわがものとするために計画を立てる。時が過ぎ、ほとぼりが冷めるのを待つだけというシンプルなプランを立てるが、計画はほころびを見せ、そのたびに修正を加えていく。誠実な市民だったはずの主人公とその妻は計画修正のたびに、残虐性を見せ、堕ちていく。
 特別残酷な描写があるわけではないが、読み続けるのがつらくて、目を逸らせる。主人公の行動が、目をそむけたくなる程、汚れていくからだ。人は恐ろしい。
 結末はあっさりした感はあるが、十分山場を持って事件は閉じていく。

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2019年08月05日

Posted by ブクログ

95年このミス海外編第一位。19年このミス過去30年間の海外編第六位で再刊。
評価の高い作品として知っていたが、期待していたほどではなかった。
主人公は墜落した小型飛行機から大金を盗んだことから、次々に悪い方に転がっていく話で、よくある展開ともいえる。視点は悪事に転落していく主人公という犯罪小説・悪漢小説だが、本来は平凡で犯罪などとは無縁だった主人公が、自分の行動を正当化し、悪事をエスカレートしていくところがミソ。

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2023年07月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公のハンクは兄と兄の友人と三人で森の中で墜落した飛行機をみつける。
その飛行機の中でパイロットは死亡しており、そして機内で大量の現金を見つける。 
3人は警察へ届けるという選択をするか、このまま自分達のものにするかという選択をする。
ハンクは届け出ようと主張するが、兄と兄の友人に押し切られ届け出るのを止め全額を時が来るまでハンクがあずかることにする。

そこからハンクは理性を保ちながらも、犯行がばれないようにするため次々と殺人を犯して行く事になる。

殺人鬼でも精神異常者でもなく、至って真面目な普通の人間がこれだけ人を殺していく事が出来るのかという怖さ、そしてそれを読んでるこちらも殺人を犯すのは仕方なく、ハンクを応援すらしてしまう怖さがこの本にはある。

ストーリーはひねりが在るわけでもなく題名通りいたってシンプルである。

最後までハンクの犯行は露見せずストーリーは終了する。

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2021年09月14日

Posted by ブクログ

ごく普通の人間が、ふとしたことから犯罪者に堕ちていく怖さを描きたかったのかも。が、読み物としても普通で暗くエンタメ性がないのが気になった。

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2021年01月11日

Posted by ブクログ

お金を巡った泥沼小説。展開は面白くさすがヒット作と言えるもの。もしこの小説と同じ状況下にいたとしたら、自分はどうするだろうかと考えざるを得なかった。ただ状況描写が人物のセリフより多く、状況の想像を要する回数が多かったから、自分は読んでいて少し疲れた。

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2020年05月17日

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