あらすじ
「またロンダリングをやってくれないか」。事故物件をロンダリングする人達、それに関わる者が次々と相場不動産を去っていく背景に、妨害工作の動きを察知した調査役の仙道は、ある事実を突き止める。市井の不動産屋のために巨大勢力と戦おうと立ち上がった仙道だが――。前作『東京ロンダリング』で注目を浴びた作者が、5年の時を経て新たに大都市・東京の鬼門を突く! 「事故物件を単なる恐ろしいものとしてではなく、現実的な事情も含めて丁寧に描いている」(大島てる・事故物件公示サイト運営)【目次】うちの部屋で人が死んだら/君に栄光を捧げよう/幽霊なんているわけない/女が生活保護を受ける時/地方出身単身女子の人生/失踪、どっと混む/昔の仕事/大東京ロンダリング/あとがき
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続きが気になる!
「東京ロンダリング」に続く事故物件を扱う相場不動産とそこに纏わる人々を描いた社会派ミステリーです。
仙道、町田、相場社長やまあちゃんが、今後ジャパン地所を中核とする黒幕にどう立ち向かっていくのかとても気になります。
第三弾が必ずあるはずと信じているので、作者の原田先生に早く続編をお願いしたいです。
本作の中で一番頭に残ったのは、人が居るとその中の一定数は失踪するというところです。アリの集団では必ず一定数が怠け、働きもののアリばかりを集めても、その中の一定数は必ず怠けると言うのと同様に、失踪も人間社会のバランスを保つための必要悪だと説明されます。そして大切なのはひょっこり出てこれるように、大騒ぎし過ぎない事だそうです。なるほどなあと思いました。マスコミで報道されないので知らないだけですが、意外に失踪は多いのかもしれません。
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総務課へ呼び出された『田中』は、同期の『皆川』と連絡が付かなくなっていると聞かされる。失踪者の調査をする男と共に部屋を見に行くことにななった田中だったが、実は皆川からある事実を告げられていた。
不動産ロンダリングを軸とした連続短編集。
タイトルにもある通り失踪をあつかった話が多いですが、主軸は不動産ロンダリングの方でしょう。何らかの理由で住んでいた人が死んだ部屋を事故物件と言い、次の入居者には告知しなければならない。ですが、その次の入居者にはこちらから告げる必要はないというのを逆手に取り、専門の人間に日当を払い一ヵ月ほど住んでもらう。事故物件は家賃が安くなる場合があるので、気にしない人はお得という話は聞いたことがありますが、ロンダリングもなんだかありそう。法には触れるのでしょうか?
ロンダリングを斡旋している不動産屋、影と呼ばれる請負人達に失踪者をさがす人などがからんで、いくつかの短編が、最後は集約されていきます。好みということもありますが、繋がり具合が絶妙で面白く読めました。
テーマとしては暗くなりがちですが、登場人物がそれぞれ前向きになっていくラストが多いので、じんわりと温かくなる感じでした。
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「東京ロンダリング」の続編、というより、初めて書いたという作者の「あとがき」によれば、前作はゼロ地点、こちらが始まりの1、ということになるらしい。
初めの方の短編は、あれ?という終わり方で、後に繋がってくるのかと思いきや、そうでもなく、次第に懐かしいりさ子さんや亮さん、まあちゃん、相場社長たちの、その後が描かれていて、まあちゃんがとても愛おしくなりました。
この辺りの絡みは面白く読めました。
ここでのもう一つの要素、失踪については、失踪者を探す会社を立ち上げた仙道と、その仲間のことが絡んでくるのですが、そのあたりも面白かった。これも東京という大都会に潜む現象なのですね。
確かに、続編がまだ読みたくなります。
Posted by ブクログ
何も知らずに手に取ってしまったのですが、この本は『事故物件、いかがですか?東京ロンダリング』という文庫本と内容は同一だそうです。
文庫版になるにあたって、タイトルだけ変わったようです。
文庫版はすでに読み終えており、感想は文庫版のほうに書いてありますので、こちらでは省略させていただきます。
今夜は東京ロンダリングの続編を読むぞー!と意気込んでいたので、少し残念です(´・ω・`)
ですが、また続編が読める日を楽しみにお待ちしております(๑˃̵ᴗ˂̵)و
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まさか、読み切り?短編集?とは思わなくて、どうまとめるのかなーと思ったら、最後ぞくりとして怖かった
これの前の話があるらしい
前の話を見てこれを見たらまた感想が変わるのかなー
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東京ロンダリングのその後が描かれている。少し社会派になっている。失踪する人の周囲にいる都会の片隅でひっそりと一生懸命生きている人が描かれていて読んでいて応援してしまう。
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単純に『東京ロンダリング』の続編かと思いきや、ちょっと趣きが違っていた。
8話からなる連作短編集。しかし、読み進めるにつれて、登場人物がリンクしていてすべての物語がつながっていることが分かる。タイトルにもあるが、事故物件のロンダリングに、今回は失踪が絡められた内容。その背後には、大手の影が…
この話は東京オリンピック前の段階。その後が気になる結末だった。
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東京ロンダリングと違い、事故物件を巡るいくつもの短い物語が収められている。…かと思いきや、読み進める内に東京ロンダリングと少しずつリンクしていき、またそれぞれの物語が繋がっていくのが面白かった。今回はハラハラさせる場面も多く、また夢中になって一気読み!
最後は続編を期待させるような終わり方だったが…あるのかな?
Posted by ブクログ
前作とは地続きだけれど違うお話
長編と短編連作という違い
前作の方が好み
前作はロンダリングする人の、部屋に住む人の話で
今回はその外側の人の話
話がポンポン飛ぶから面白いんだけれど、という気持ち
最後には全部続いているのは分かるけれど分かるまでに離れる人も出ちゃうかも
Posted by ブクログ
事故物件のロンダリングに関わる人たちの連作群像劇。
フォロワーさん4名の本棚で原田ひ香さんを知り、初めて読みました。
204ページの失踪者探しを生業とする仙道のセリフ、
「失踪はふらっと出て行って、ふらっと帰ってくる。だから騒ぎすぎないこと。帰る場所を残しておくこと」
が印象に残りました。年間8万件近くの捜索願いと、その8割近くが一年以内に見つかるという日本の現状が、このセリフになったのでしょう。
いろいろ勉強になるし、考えさせられる。
この作品を手に取ったのは、表紙・裏表紙の晴れ間の路地の景色に見とれてしまったから。
物語は淡々としていて、その奥に仄かに人情が流れている、そんな感じでした。
Posted by ブクログ
続編としらずに読んでしまいました。面白かったので、良かったのですが。
ちゃんと最初から読んでいれば、もっと楽しめたのかも、ってちょっとだけ損した気分。そうして一から読み直すほどの気にはなれない、そんな本でした。
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東京ロンダリングシリーズ2弾。ロンダリングする側から描いた前作とは違い依頼する側からのストーリーだ。「失踪」する人たちにも共感…。不動産事故物件のロンダリングを不要にするために動く勢力に立ち向かう主人公たちの動きに読み応えあり!ちょっと無理がある気もするが。
Posted by ブクログ
東京ロンダリングの続編。短編だけど登場人物が次の作品にでてきて繋がっています。家賃0円、日給5千円をもらって事故物件に短期間住み、ロンダリングしていくお話し。題材がおもしろく、失踪というなじみのないテーマが興味深かった。東京ロンダリング同様に、結末が急いで畳んだ感じで残念。
Posted by ブクログ
失踪という自分からは思いもつかない世界と事故物件という世界を少し垣間見える作品でした。
人が何かを決める時には、人と人とのつながりや温かさがあるのだと感じることができる話たちです。
怒っている事件は普段とは違うのだけれど、それを取り囲む人たちは自分たちと同じ人間なのだと気がつかせてもらえました。
Posted by ブクログ
東京ロンダリングの続編
最初は前回の話が続きで読めると思い読んでいたが、少しズレる感じで、短編となっていた。
ちょこちょこ前回の人が出てくるが、違うものなのかと思い、読み進めた。
しかしだ!
終わりが凄かった。
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続編だけど自分は前作より面白いと思いました。
前作は設定が難しく物語が動き出したのは後半からでした。
後半は面白かったですけどね。
今回は前回の設定が生きていて良かった思います。
ラストもほぼハッピーエンドでした。
完全なハッピーエンドに成らなかったのは続編を意識したのかな。
Posted by ブクログ
東京ロンダリング続編
いや、続編とは言わないのかな。
繋がってるようで、別の物語。
洗脳。ってことが頭に浮かんだ。
自分で決めたことだから…ホントにそうかな。
本を読んで
ある人の言葉に、思想に影響されて
そう決めるように、その道に行くようにと
実は導かれていたとしたら…
ゾッとした
そんなことって意外とどこにでも
転がっているかもしれない
Posted by ブクログ
やはりこの本を読む前に『東京ロンダリング』を読むべきだと思った。いまいち周りの状況がつかめず分かりずらかった。前作、読んでみたら又、感想が違うかも。
Posted by ブクログ
前作の東京ロンダリングの純粋な続編とは違ってはいたけれど、これはこれで楽しめた。
相場社長と仙道さんが魅力的。
まあちゃんの迷いや将来への不安の気持ちはわかるような気がするけど、それでもやっぱり戻ってきてほしいな。
この続編がまたあるような。
相場不動産やりさ子さんの今後が知りたい。
りさ子さんは亮さんをどう思っているの?
煮えきらず、よーわからん。
あれじゃあ亮さんが可哀想すぎるよ…。
Posted by ブクログ
群像劇
半分くらいまでは引き込まれて読みすすめられたが
これ残りページ数でどう絡んでくるんだ?と先行きが不安に
案の定、あまり絡まず
キャラを無駄に深堀しすぎなような
メインの仙道と相場をもっとフォーカスして欲しい
Posted by ブクログ
東京ロンダリングの続きもの?という感覚で読み始めたが、また違った内容だった。面白かった。
が、りさ子もでていて、りさ子のその後がわかってよかった。
短編なのかなーと思ったが、最後は、この本を通しての謎も解決?してスッキリした!
Posted by ブクログ
『東京ロンダリング』のスピンオフ的な短編集。オムニバス形式で8話が収録されています。
事故物件を浄化する“ロンダリング”に関わる人達を巡り、各話が少しずつリンクしている構成です。
様々な事情を抱えたロンダリング関係者達に、巧妙に近づいてくる、一見爽やか若しくは明るいけどどこか胡散臭い男女や、暗示的にちょいちょい出てくる自己啓発本・・・。
後半の数話では、一連の話の背後に見え隠れするものを、失踪者探しを生業とする「失踪.com」の仙道さんが追求していくというミステリちっくな要素も加わり、その不穏な雰囲気に引き込まるものがありました。
そして前作の登場人物の、りさ子さん、「相場不動産」の社長さん、まあちゃんといった面々が出てきた時は、何だか再会したような嬉しさがありましたね。
ただ、結局大手企業による“ロンダリング妨害疑惑”の真相はうやむやな感じで終わるのが若干モヤっとします。
基本無気力なりさ子さんが、意外と戦う気満々な感じだっただけに、そこははっきり決着つけて欲しかったですね。
あ、もしかして続くのかな・・・(希望)。
Posted by ブクログ
自殺や事故死などがあた賃貸アパートなどの部屋を事故物件という。そんな事故物件は、次に借りる人が嫌がる。そこで、あえてお金を払って誰かに住んでもらい、賃貸の実績を作ってから新たに貸し出す。そんあ事故物件に住む人をロンダリングと呼ぶ。そういう設定でこの小説は始まる。
最初は、事故物件に関わるオムニバスと思わせるのだが、すべての話は伏線となっていて最後にうまくピースがはまる。
自殺者や行方不明者などに関する仕事をしている男が最後に真相を突き止めるのだが、突然大学時代の友人で今は都庁の重要人物というのが登場し、これからが丸く収まるのは、ちょっとずるいかな?
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失踪者を探す仕事や事故物件に住むアルバイト ロンダリング。はじめて聞いた職業に興味が湧いたけど、ちょっと盛り上がりにかけたかなぁ。私的には。
Posted by ブクログ
事故物件に住み、次にその物件を借りる人に事故物件である事を説明する義務を無くす。つまり事故物件のロンダリングをする相場不動産。訳あって安い物件を探していて、これはと思う人にその仕事を紹介している。
紹介される人達の背景や、その後の変化などを描いている。相場社長や、社長の下で働くまぁちゃんなど、魅力ある人達の存在もいい。
Posted by ブクログ
原田さんにはまったきっかけが東京ロンダリング。
の、2作目。
前作の方が好きかな。
でも、とても爽やかと言えないような話なのに
終わり方が爽やかなところが好感もてる。