感情タグBEST3
食わして、寝かす。
産む力を失った星で、神のように崇められる擬制「母」と、妙にシステマティックな子どもの配給、そして無造作に行われる少年の売買。
「母性」がない社会に残った愛の形は「食わせて、寝かす」。これに尽きるんだな。イロイロ要求されるものが多い子育てに疲れたら、ここに戻るとよいかも。
Posted by ブクログ
西暦2999年
世界は静かな消滅にむかっていた。赤く汚染された海、不妊を引き起こすウイルス。人は生殖能力を失い、世界はただ一人の聖母マザと彼女の産んだ数万の息子たちでかたちづくられていると信じられていた。
そのマザを暗殺したグリンジャ。疫病神と恐れられるアシジン。
夢の子供キラ。
彼らが出会い運命が動きだす…
誰の夢で世界はつくられているのか。
子宮は思考するのか。
着眼点がすごい。でもそれが何十もの層になって結末を素敵な終わり方にしている。
これから始まる世界にみな同じ方向を向いて、それぞれの想像力で終焉を迎えられる感じ。
ほぅ。
やはり、
一緒にいたいと思う人と一緒にいれることが一番なのかな。
受け入れる強さと抗う強さ弱さも含めてグリンジャもアシジンも大好きだぁぁ!
Posted by ブクログ
不治の病を治す為に投与された女性ホルモンが死ぬ行く己の胸をふくらませる。その命のしくみの馬鹿馬鹿さに疲れてしまうメイヤード。
ナースタースは彼の「愛」だけほしかったけど、あげられないからそれ意外のものはと告げられ「全部貰う」と叫ぶ。強い愛情。
Posted by ブクログ
男だらけの不毛な世界。メイヤードの負った使命とナースタースとの関係にほろりときます…気が付けばこの二人とアシジン・ミカルに夢中でした。洋服や建物とディテールにまでこだわっているのにはもう感服いたします。
Posted by ブクログ
萩尾先生の作品で多分一番好き。
同性愛的要素が多分だけど(男ばかりの未来だから)でも、それだけじゃないのだ。
ほんとにこういう未来きそーだなと思った記憶が。
3巻にしたのは私の好きな2人が表紙なので。
Posted by ブクログ
「・・・なぜ彼に言わなかった 愛していると」「言ったわよ 足にすがりついて言ったわよ 彼はオクターブ家の継承権も財産権も カンパニーもわたしにくれた アルファ・ケンタウリもくれると言った それならわたしは全部もらうわ! 愛のほかはぜんぶくれると言った!」
Posted by ブクログ
シリーズ最終巻。
キラの身柄をとり返そうとするメイヤードは、エスパーであるセンザイ師を招き、キラたちに対する攻勢をかけてきます。一方グリンジャたちは、シティに混乱をもたらそうとするマーゴたちと行動をともにして、メイヤードを中心とするセンターに戦いをいどみます。
グリンジャとアシジン、キラの三人の関係を軸に、壮大なSF的世界観が緻密にとりまとめられており、テーマ的にかさなるところのある『スター・レッド』よりも完成度の高さを感じました。
Posted by ブクログ
どんな世界なんだろう。「もしも〇〇だったら」の仮定の先にある想像がSFだという気がする。その世界は、想像であるというのに、作者の生きている現実の世界を色濃く映し出すような、そんな作品だった。
この作品はやっぱりメイヤードでしょう。