【感想・ネタバレ】マージナル 3のレビュー

あらすじ

受胎したキラの強大な共感能力は、キラが感応した者のみる夢を実らせる…。キラはアシジンらプロジェクトの反乱者たちと行動をともにしていた。新しいマザのお披露目のひグリンジャに導かれた世界の死を夢みる者たちにシンクロしたキラは大洪水を引き起こす。沈みゆく世界の中で、海へ流されたキラは地球の生への律動と同調した。そこでキラが見たものは!?

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Posted by ブクログ

ネタバレ

萩尾望都作品を読むのは2作目。

面白かった。
2999年世紀末の地球の話。複雑そうに見えて、わりと分かりやすいストーリー。
最初に「マザ」とかいうなかなかグロいシステムを見せてくるので、最後はどう片を付けてくるのかと興味津々で読んだ。最後は超能力の力技という感じもあるが、納得(無理やり感はあるがOK)。センザイ・マスターが生きていて良かった。
ディストピアものは個人的に好きで、でも結末に希望はあってほしいので、満足した。地球の人間の命と運命がたった一人の権力者の「気分」で変わるという、希望のなかの皮肉が好き。全体を通しての、冷淡と無垢のバランスも良かった。
個人的に好きだったキャラ、グリンジャ、ジューシー。
この作品を構想から練って世界を作り上げて、絵にも表現できてすごい。(尊敬)

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2025年09月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いよいよマージナル最終巻。
作り込まれた世界観に壮大なストーリー、どう畳んでゆく?グリンジャとキラは再会する?地球はどうなる?イワンはいったい何を研究していた?仕掛けだらけ、伏線だらけの本作、すべて納得のゆくところへ収束してゆきます。

最終巻では少しずつ、アチラコチラに散らばっていた登場人物やエピソードが、シティのセンターに集結してくる。そこで、新しいマザ、センターが人工的に作り暗示をかけたマザが、再び民衆の目の前で死ぬ。大混乱の中、テロを企てたアシジンの一派の手により、都市の水を司る7つの塔が爆破され、大洪水が起きる。

シティは滅びるのか?キラはどこにいるのか?
子宮が思考するとは…?

ラスト、この物語の悪役を一手に引き受けていたセンターの長官、マルグレーヴことメイヤードの、切ない背景が明らかになる…そういう設定だったのかお主…

汚染されている地球とプロジェクトを終わりにするつもりのカンパニー。なにも決着はついておらず解決もしていないけれど、イワンが生み出したキラに、汚染された地球でも子供を産める新人類の要素が見つかりわずかな希望が残る…

そして、グリンジャとアシジンとキラ(正確には違う)が砂漠で再会し、再び3人の生活が始まろうとする力強く救いのあるエンディング…最高のSF大叙事詩でした…。

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2024年11月02日

ネタバレ 購入済み

食わして、寝かす。

産む力を失った星で、神のように崇められる擬制「母」と、妙にシステマティックな子どもの配給、そして無造作に行われる少年の売買。
「母性」がない社会に残った愛の形は「食わせて、寝かす」。これに尽きるんだな。イロイロ要求されるものが多い子育てに疲れたら、ここに戻るとよいかも。


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2023年04月03日

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