角田光代のレビュー一覧

  • 100万分の1回のねこ

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    絵本「100万回生きたねこ」へのトリビュート短編集。作風も、絵本の活かし方もさまざまで、それぞれに味わい深かったです。

    印象的だったのは川上弘美さんの「幕間」。RPGの主人公と、ねこを重ね合わせるとは……着想が面白く、また、皮肉に満ちて切なかった……。

    小説の中に混ざる、くどうなおこさん「インタビューあんたねこ」の詩、好きだなぁ。リズムが良い。言葉選びのセンスが良い。普段なかなか詩に親しむ機会がないのですが、ことばのひとつひとつがキラキラしてる……。

    短いながら優しい、谷川俊太郎さんの「虎白カップル譚」で締めくくられていて、後味が良くてほっとしました。

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    2019年07月23日
  • これからはあるくのだ

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    脚色なしで自分をさらけ出すのがエッセー
    「八日目の蝉」を読んだ印象とは大分違うが私には好ましく思えた。だが「あとがきにかえて」はがっかりした。取り返しの付かないことをして必死に言い訳している子供のよう。
    「解説」は何とか相手を誉めつつ己自身をもPR。うすっぺら。

    追記:「これからはあるくのだ」の後に「八日目の蝉」が上梓されている

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    2019年07月19日
  • かなたの子

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    ネタバレ

    出会うべき大事なものを探し求めて彷徨うこと、そしてそれをせずにはいられない本能のようなものを感じた。
    生きている自分と、今までに生きて死んでいった数々の命が繋がる。ひとりきりで生きて死ぬのではないのかもしれないと思えてくる。幾度となく繰り返され繋がれてきた命のサイクルの中に、私たちは永遠に生きている。‬
    最後は、あなたを誰も責めはしないと言われているようで、大きく包まれるような安堵を覚えた。‬

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    2019年07月14日
  • ドラママチ

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    「街」の話だと思ったら「待ち」の話の短編集だった(笑)

    前半は、どれもスッキリしない終わり方でイマイチだったが、後半の「ゴールマチ」からは少し希望が見える終わり方で良かった。

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    2019年07月02日
  • 笹の舟で海をわたる

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    長いので半ば淡々とつまらなく感じたところもあったけど、この世代の昭和に生きた多くの主婦は、嫉妬・羨望・敗北感が他人や自分の子供に対しても強く、自意識過剰で他人からみっともないと思われることを怖がり、かといってコレがしたいという強い意思もなく何でも人のせい。フミコみたいに強くない普通の女性はそうならざるを得ない時代だったのかもね。

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    2019年06月24日
  • 学校の青空 新装新版

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    学生時代の心の歪み、憧れ、虚無感を結末のない形でまとめた短編集。今、どこにいるのか?迷い迷って足掻く姿がよく表されていて良い短編集だった。

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    2019年06月19日
  • あしたはうんと遠くへいこう

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    なんでこうダメな男ばかりを好きになってしまうかな。
    もっと自分を大事にしてほしいし、一人でやっていくたくましさも持ってほしい。
    お父さんのことは嫌いと言ってるけど、泉の性格や行動は、お父さんを人一倍意識してる結果だと思う。
    最後、ああいったところに落ち着くのであれば、今までの人生も決して無駄ではなかったのかもと思えるけど。

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    2019年06月22日
  • もの書く人のかたわらには、いつも猫がいた NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。

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    角田光代、吉田修一、村山由佳、柚月裕子、保坂和志、養老孟司。今を代表する気鋭の作家たちの猫エッセイ。紙面の半分は可愛い猫ちゃんのフォト。作家らの優しい素顔にも触れられ、ほんわか癒される。人気作家ばかり。仕事に追われ辛くてどうしようもなく苦しい時、その辛いことに全身で向かわなければならない。それがとてつもなくしんどい。そんな時でも猫の存在は、一刹那にせよ難題の直面を忘れさせてくれる。気持ちの逃げ場が心を楽にしてくれる。そういえば自分もワンちゃんに日々救われている。あらためて思い知らされた。

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    2019年06月08日
  • 幾千の夜、昨日の月

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    「夜」の特別感。
    "怖い" と "わくわく" の狭間。

    角田さんの夜にまつわる旅エッセイ。
    奔放で逞しい旅をする人だな笑

    軽快に読めるが、旅の中で体験したシーンや感情が混ぜ込まれた文章。

    砂漠のど真ん中で目覚めたら月がものすごく大きかった。
    とか

    バリの掘立小屋ディスコで赤や紫のライトに照らし出される顔はみなはちきれんばかりに笑っていた。
    とか

    1枚の絵のようなシーンがぽろっと混ぜ込まれていてハッとする。

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    2019年06月07日
  • 源氏物語 中

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    ネタバレ

    あとがきで角田さんが書かれていたように、上巻では、光君がいかに色気のある男だったか、をひたすらに書き連ねていて、その人となりを掴みかねていたが、この中巻では、光君が悩み迷っている姿が描かれていて、少し親近感を持って読めるようになっている。
    何より角田さんの訳が素晴らしく読みやすいというのも大きいと思うが、この分厚さながら、スラスラと淀みなく読めた。
    親しい人たちが次々になくなっていく中、最後には光君も…
    下巻は光君没後のお話になるようで、どんな展開が待っているのか、今から心待ちにしている。

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    2019年05月30日
  • 人生ベストテン

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    人生ベストテン‥‥私なら?とつい考えてしまう

    そして他の短編もありそうでない、そう来るか!と思わせるものがたくさん。 これが1人の人生に起こった出来事ならベストワンはどれだろう?とまた考えてしまう

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    2019年05月22日
  • ドラママチ

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    「ワカレマチ」が共感できる部分があり、切なく、じんわりきた。

    私も母親になる自信がなく、子どもは欲しくないと昔から思っている。いつか主人公のように「母になってみようか」と思える日がきたらいいな。

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    2019年05月21日
  • ピンク・バス

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    ネタバレ

    妊婦、ピンクのバス、家族、ぬいぐるみ。
    過去の自分と未来の自分の作り方。
    妊娠中は読みたくないね。笑
    不安感が様々な方向に向くのはわからなくもない。

    ピンクのバスはどこから来て、どこへ行くのか。
    夫は結局なんなのか。
    姉は?
    自分は?

    ーーーーーーーーーー

    昨夜はたくさん夢を見た

    こっちのがすき。
    みんなガラス瓶の中にいるんだよ。
    しっくりきた。
    自分の時計は時間があっているのか。自分の目で見えてるものは周りの目にも同じように映ってるのか。


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    2019年05月20日
  • ドラママチ

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    この短編集の主人公たちはこわい。
    ホラーでもなんでもないんだけど、彼女たちのドロっと停滞した思いというか…そういうものがこわいなぁって。
    生活して行くって能動的な側面ばかりじゃなくて、みんな何かしらのマチ時間を過ごしているのかな。
    劇的なドラマなんて起きないのにキラキラした何かを期待してしまうのかな、表題作の「ドラママチ」が今の私にしっくりきた。

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    2019年05月19日
  • 母と娘はなぜこじれるのか

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    特に信田さん、水無田さんとの対談が勉強になった。

     女であることと人間であることの違いが大きすぎた
     第二次性徴の身体的感覚の違い、
     女装してる 服は脱げても体は脱げない
     良妻賢母は明治に作られた

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    2019年05月14日
  • 対岸の彼女

    女のリアルな部分がぎゅっとつめこまれているので、同じく女の私は読みながらぐんぐん引き込まれました。もっと早くこの本に出会えていれば若かりし私はもっと違う考え方で生きていけたのかな、、とも思う反面、今読んだからこそ理解出来たり共感できる部分があるのかもしれないなとも思います。
    角田さんの作品は読み終わった後のこの何とも言えない余韻も大好きです。

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    2019年05月06日
  • わたしの容れもの

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    エッセイ32編、2016刊の文庫化。「私」の年齢の重ね方と「私の容れもの」の使用年数のあいだには、ギャップがあると最近身をもってわかった。私自身の意識としては、そんなに古びていないのに、容れものは勝手に軽々と年数を受け入れていくのである。

    容れものって、所有するでも、コントロールするでもない、絶妙な表現での距離の取り方ですね。

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    2019年04月14日
  • マザコン

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    マザコンと聞いて思い浮かべるイメージとはちょっと違った内容だった。
    でも子どもはみんな良くも悪くも母親の影響を受けているんだな。

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    2019年02月28日
  • 笹の舟で海をわたる

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    冴えない主婦の、ささやかな幸せさえも常に横取りされるのではないかと懐疑する心。そして実際に指の間から抜け落ちるように、その僅かな幸せの要素一個一個が去っていく様。それは疎開という異様な原体験のせいなのか。忘れられないいじめが発端なのか。風美子という強い女性の存在感のせいなのか。

    私には、この本の根底には、疎開先だろうが戦後だろうが、時代を超えて存在する「女子」特有の心情の駆け引きが全編を通して蔦のように絡まっており、主人公がその蔦に絡まって身動きとれなくなっていくようで、読んでいて疲れ果てた。一度読み出した本を放棄したくないから読み続けたが、もうこれ以上読みたくない、あと何ページで終わってく

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    2019年02月10日
  • 菊葉荘の幽霊たち

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    友人の家探しで目をつけた木造アパートはあいにく満室。住人を一人追い出そうとするが、六人の住人は不思議な人間たちばかり。奇怪な人間模様を通じて、人々の居場所はどこにあるかを描く長編小説。
    何気なく街を歩く人々も、住まいという居住空間に戻ればその性質を剥き出しにする。だからこそ、住む場所は自分のアイデンティティーを守る重要なエリアである。根なし草のような彼らが、絶対的に死守したかった場所の物語。

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    2019年01月22日