角田光代のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
絵本「100万回生きたねこ」へのトリビュート短編集。作風も、絵本の活かし方もさまざまで、それぞれに味わい深かったです。
印象的だったのは川上弘美さんの「幕間」。RPGの主人公と、ねこを重ね合わせるとは……着想が面白く、また、皮肉に満ちて切なかった……。
小説の中に混ざる、くどうなおこさん「インタビューあんたねこ」の詩、好きだなぁ。リズムが良い。言葉選びのセンスが良い。普段なかなか詩に親しむ機会がないのですが、ことばのひとつひとつがキラキラしてる……。
短いながら優しい、谷川俊太郎さんの「虎白カップル譚」で締めくくられていて、後味が良くてほっとしました。 -
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女のリアルな部分がぎゅっとつめこまれているので、同じく女の私は読みながらぐんぐん引き込まれました。もっと早くこの本に出会えていれば若かりし私はもっと違う考え方で生きていけたのかな、、とも思う反面、今読んだからこそ理解出来たり共感できる部分があるのかもしれないなとも思います。
角田さんの作品は読み終わった後のこの何とも言えない余韻も大好きです。 -
Posted by ブクログ
冴えない主婦の、ささやかな幸せさえも常に横取りされるのではないかと懐疑する心。そして実際に指の間から抜け落ちるように、その僅かな幸せの要素一個一個が去っていく様。それは疎開という異様な原体験のせいなのか。忘れられないいじめが発端なのか。風美子という強い女性の存在感のせいなのか。
私には、この本の根底には、疎開先だろうが戦後だろうが、時代を超えて存在する「女子」特有の心情の駆け引きが全編を通して蔦のように絡まっており、主人公がその蔦に絡まって身動きとれなくなっていくようで、読んでいて疲れ果てた。一度読み出した本を放棄したくないから読み続けたが、もうこれ以上読みたくない、あと何ページで終わってく