畠中恵のレビュー一覧
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文明開化の年表のような「序」から良かった
長瀬やミナたちが幾つか明言されてない(若者たち)けど、明治二十三年でざっくり23歳とかだとすると、夏目漱石や正岡子規なんかと同い年同世代なんだよなぁなんて考えながら読みました。時代背景想像できるのがおもろい
西洋菓子をはじめとした銀座の街のキラキラした部分、文明開化が花開き成金が金儲けに勤しんでいる、
居留置のこと、
貧民窟という江戸から東京に変わったことによる負の部分
そして戦争の影が忍び寄る時代背景
“サーベルよりもアイスクリンが強い”
権力よりも最新情報
「ゼリケーキ儚し」あたりからぐっと惹き込まれてきて、長瀬、真次郎、沙羅のスリーマンセル感もよく伝わってきた
最初に「序」を読んだときには物騒な(?)謎めいた手紙に今後の展開をわくわくさせられたが、表題作「アイスクリン強し」を経て、最後の「ワッフルス熱し」でその手紙に触れる頃には、ここまで読んできた読者には自然と理解(ははーん、さては、もしかして、、ニヤリといった具合)が進み、元とは全く異なる意味合いで今後の展開をわくわくさせてくれる!! -
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こわい:仲間の妖からも忌み嫌われる狐者異(こわい)に声をかけずにいられなかった若だんな。でも、狐者異は「なんだい、優しいような口を聞くと思ったのに、お前も嫌な奴なのか!」「なんで皆、おいらに優しくしてくれないんだ!我慢なんて嫌なこった。酷いよ。離れにいる妖達なんて、嫌いだよっ」といって遠ざかっていった。
畳紙:紅白粉問屋の孫娘お雛は厚化粧で素顔を隠す。屏風のぞきには左官の漆喰仕事みたいと言われるほどだが、止めることができない。許嫁の正三郎が薄化粧の美しい女性と話していたのをみてなんだかモヤモヤ。
動く影:一太郎が5つの時の話。菓子屋の跡取り栄吉との絆が深まった出来事であり、一太郎初めての謎解きか!
ありんすこく:病弱で世の健康な男子のように遊ぶことができない一太郎が突然、吉原の禿を足抜けする、と言い出した。一太郎の知恵で吉原大門を出る算段はつくのだが、そううまく事は運ばない。大ピンチをどう切り抜ける?
おまけのこ:しゃばけシリーズ4巻のタイトルにもなっている第5話。長崎屋の離れに住む鳴家の一人がお宝を守りながら大冒険。
この話が一番好き、小さな体の鳴家が堀川で溺れそうになったり、鴉に食べられそうになったりして、不安と闘うところがいじらしい。
一太郎がよその鳴家のいるなかから「うちの子」と言って鳴き声で見つけてあげるシーン最高! -
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60年に一度のおかげ参りの年。
西の大きな米問屋へ養女の話が出た姪を連れて、伊勢へ旅する九郎の物語。
まだ6歳の姪の結、仔犬のまろ丸、荷物持ちの平八と共に伊勢へと向かいます。
遠縁の結をわざわざ養女に迎える意図は?
三男坊で身の振り方の定まらない九郎の将来は?
奉公人として先の見えない平八の今後は?
伊勢への道中の様々な事柄を経て、それぞれの人生を見つめ直し、身の振り方を考えていきます。
旅の終わりには、旅の終わりの寂しさと、それぞれが明日へ向かって一歩踏み出す勇気を感じてぐっときました。
お伊勢参りと言うと漠然とその時代の一大イベント、憧れのレジャーのように考えていましたが、本当に大変な旅だったんだなーと感じました。
川ひとつ渡る事がこんなに大変だったなんて…
それでこそお伊勢参りの感動も一入だったのかな。
また、一筋縄では行かない旅路が人を成長させてくれるのかも。
現代では味わえない大変な旅が少し羨ましくなりました。
道中にちらほら出てくる旅の食べ物やお土産。
美味しそうで食べてみたくなりました。
全く同じ旅は無理だけど、いつか同じように少しずつ街道を進む旅をしてみたいな。
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まろ丸はお伊勢参りのおかげ犬。
仔犬で家族とはぐれたところを結に拾われる。
結は六つながら、疫病で跡取りを失った大阪の大店花沢屋の家付き娘に指名され、伊勢経由で大阪に向かうことに。
各章ともまろ丸の独白で始まるが、本書の主人公は結に付き添う叔父の九郎。
前半は摺りとか川渡りとか箱根の山越えとかいろいろな出来ごとに遭遇しながらの道中記。
小田原の透頂香やお菓子のういろうが出てくるあたりは東海道中膝栗毛のオマージュか。
後半同行するお以登とのやり取りが増えるにつれ、結の養女話の裏に潜む事情が透け始め、不穏な空気が漂う。
とともに、九郎と結はお以登から何かにつけて試されるようになる。
あれこれの後にようやく着いた伊勢で起きた結とまろ丸の失踪事件を経て、厄介な親戚は追放されて一族結束し、お紺と正次郎は夫婦になれ、雨降って地り、商家三男の九郎の落ち着き所も定まり、めでたしめでたし。