畠中恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ読み心地がよかった。
「畳紙」と「動く影」が好き。
解説で谷原章介がしゃばけシリーズの話について、「まるで神様が今まで気になっていたこの場所にズームインしてみよう」と言っていたのがその通りだなあと思った。
著者はしゃばけの世界を俯瞰して丁寧にみていて、「次はここのお話しを書いてみよう」という印象を受ける。
漫画作品だと、主人公以外にフォーカスする話を読んだことがあるけど、小説では初めてかもしれない。
今でこそ長く続くシリーズとわかっているけど、読者を急かさない話しの進み方から、著者がこのシリーズに丁寧に向き合っていることが伝わってくる。
だからこその長く続くシリーズなのだなあと感じさせる短編 -
Posted by ブクログ
ネタバレしゃばけシリーズは短編も面白いんだなあと思った。
この2作目で、一太郎と妖たちの事件解決譚、ドタバタ劇で売っていくではなく、一太郎をはじめとする人や妖の関係性や思いや情に焦点を当てていくんだと、そこを大切にする話なんだとわかったことが嬉しかった。
それを一番感じたのは、松之助にフィーチャーした「空のビードロ」と一太郎の胸の内がわかる「虹を見し事」。前者は、江戸時代、家族と呼べるような人もいなく、当然福祉制度などもなく、自分で身を立てていかなければならない中で生きていくことは、どれだけつらく寂しいことなんだろう…感じた。
大河ドラマなどでは思い至ることがない、市井の人々に思いを馳せることができて -
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Posted by ブクログ
ネタバレ『なぞとき』
表題作の挿絵、顔傷だらけで微笑み浮かべてる佐助、ちょっとシュールですよね。
鳴家の手がやわらかいのは可愛い。
事件自体は拍子抜けする程あっさり解決(?)してしまいましたし、伏線回収の爽快感も少なかったですが、佐助の人柄が出ていて良かったですかね。手代は結婚できないって言うのは厳しいですね。江戸時代、江戸は人口密度高かったって言うし、それでちょうど良かったのかも。仕事に生きるか、家庭を持つか。
私はてっきり犯人捏々子河童の姐さんだと思ってたので、ちょっと残念。
『かたごころ』
鮪丸一匹。サイズにも寄りますけど、凄すぎますね。
当時、魚の中では安い方なんだ。
鮪はそんなに好き -