畠中恵のレビュー一覧

  • おまけのこ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    読み心地がよかった。
    「畳紙」と「動く影」が好き。

    解説で谷原章介がしゃばけシリーズの話について、「まるで神様が今まで気になっていたこの場所にズームインしてみよう」と言っていたのがその通りだなあと思った。
    著者はしゃばけの世界を俯瞰して丁寧にみていて、「次はここのお話しを書いてみよう」という印象を受ける。
    漫画作品だと、主人公以外にフォーカスする話を読んだことがあるけど、小説では初めてかもしれない。
    今でこそ長く続くシリーズとわかっているけど、読者を急かさない話しの進み方から、著者がこのシリーズに丁寧に向き合っていることが伝わってくる。
    だからこその長く続くシリーズなのだなあと感じさせる短編

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    2024年12月25日
  • ときぐすり

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    女房を亡くして憔悴していた麻之助が親友の清十郎と吉五郎や周りの人達の絶妙な助けで少しずつ回復してゆく姿に安心する。悲しいことがあっても、時が痛みを和らげてくれることもある。表題の「ときぐすり」のお話が特に良かった

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    2024年12月23日
  • こいわすれ

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    とうとう人の親になることになった麻之助が親友とともに様々な謎と揉め事に立ち向かう。富突きに絡むお話が人間のどうにもならない欲を描いていて良かった。暦のお話も好き。最後に悲しい展開になるが、友が変わらず傍にいて背中を支える姿が心強い


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    2024年12月21日
  • ねこのばば(新潮文庫)

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    ネタバレ

    読みやすい〜読みやすいのと若だんなの肝の座った性格のせいか、殺人とかその動機とか、よくよく思い返してみれば暗いテーマも扱っているのに、あまり印象に残らない…

    佐助の過去を描いた「産土」はまんまと騙された!なかなかホラーちっくな怖い話だった。
    あとは「たまやたまや」が印象的だったかなあ…
    前作は同じ短編集でももっとほろ苦い感じの話が多くて、そっちの方が好みだった。

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    2024年12月19日
  • こいごころ(新潮文庫)

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    ずっと好きなシリーズ。表題作は特に悲しかったけれど良かった。妖も永遠ではなくその最後を見届ける長崎屋の若旦那と妖たち。源信医師も隠居し長崎屋もこの先色々変わっていくのかなと寂しいような楽しみなような。兄や達の活躍が少なめなのは少し残念。

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    2024年12月15日
  • ぬしさまへ(新潮文庫)

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    相変わらず一太郎の虚弱さが気になり、前半はやっぱり一太郎が安楽椅子探偵のスタイルを通すのか?と思ったら、途中から仁吉の失恋話や一太郎が夢に紛れ込んだような話になったのでよかった。

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    2024年12月15日
  • ぬしさまへ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    しゃばけシリーズは短編も面白いんだなあと思った。
    この2作目で、一太郎と妖たちの事件解決譚、ドタバタ劇で売っていくではなく、一太郎をはじめとする人や妖の関係性や思いや情に焦点を当てていくんだと、そこを大切にする話なんだとわかったことが嬉しかった。
    それを一番感じたのは、松之助にフィーチャーした「空のビードロ」と一太郎の胸の内がわかる「虹を見し事」。前者は、江戸時代、家族と呼べるような人もいなく、当然福祉制度などもなく、自分で身を立てていかなければならない中で生きていくことは、どれだけつらく寂しいことなんだろう…感じた。
    大河ドラマなどでは思い至ることがない、市井の人々に思いを馳せることができて

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    2024年12月14日
  • こいしり

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    いつも通りの麻之助、清十郎、吉五郎の関係と、ちょっと微妙な?麻之助とお寿ず、お由有の関係が少しずつでも変化していく姿に安心する。立場が変わっても変わらない幼じみ3人の姿が良いなあと思う。

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    2024年12月12日
  • なぞとき

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    若旦那、寝込む時間が少なくなってきたかな?
    強盗犯を見つけたり、奉公人が辞める時の困りごとを解決するよう親から頼まれたり、色々と動けることが嬉しくて仕方ないのだろう
    妖怪と人間がわちゃわちゃしているのは相変わらずで安心

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    2024年12月07日
  • まんまこと

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    久しぶりに再読。町名主の跡取り麻之助と悪友達が方々から持ち込まれる難題に挑むお話。しゃばけシリーズと同様にメインのキャラクター達皆に芯があって心優しく、心が和らぐ。麻之助の淡い恋物語も、家同士の結婚、という背景が強い時代だったしなあ…と切なく、儚い気持ちになる。


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    2024年12月04日
  • わたしの名店

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    著名人達が自分のお気に入りのお店を、エピソードともに描く。それぞれ個性が出ていて面白いし、一話がちょうど良い短さで終わるので、とても読みやすい。

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    2024年12月03日
  • わたしの名店

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    おいしい一皿と題されてはいるが、決してグルメ店巡りの内容ではない。
    28名の著名な方々にとって、思い入れのあるお店を紹介しながらその由来をエッセイとして綴られている。
    三浦しをんさんを筆頭に、西加奈子さん、瀬尾まいこさん、藤岡陽子さんたちが自分だけの大切なお店を語っておられるのだ。
    単なる食事処ではあるのだが、やはり食と人生の繋がりは人それぞれにあるものだと、読書後に思い至った。

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    2024年11月16日
  • 御坊日々

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    明治になって時が経ち。儲からない寺を維持するため住職が相場師として金を作っている、という設定が面白い。大きな事件が起きるわけではないけれど、人の温かさを感じる話が多く読後感は良かった。変化していく時代に置いていかれないよう支え合いながら生きていた庶民のリアルが描かれている。

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    2024年11月09日
  • うずら大名

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    随分前にしゃばけシリーズを読んでから久しぶりの畠中恵作品。
    昔は時代物はあまり好きじゃなかったけどしゃばけは面白くて好きだった。
    この本も読みやすく面白かった。
    しゃばけでは家鳴りが可愛くてほっこりしていたけど、うずら大名ではうずらの佐久夜が可愛い。
    こういう愛玩キャラ(?)がいると物語の所々でほっこりできてすごく好き。
    ストーリー自体は少しうーんというところもあったけど、畠中恵作品は登場キャラが良いので楽しめたかな。
    時代物が好きになった今、他の畠中作品も読みたいな。

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    2024年11月05日
  • こいごころ(新潮文庫)

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    老々丸と笹丸のお話が印象的。人間よりも長く世にいるとはいっても、妖も永遠ではないのだな、と。
    それを見届けた兄やと長崎屋の妖たちの様子がまた切ない。ずっと若旦那を見てきた源信医師も隠居し、時の流れを感じた。これからの長崎屋も色々変化していくのかな、と楽しみなような寂しいような、不思議な気持ちになる

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    2024年11月05日
  • なぞとき

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    ネタバレ

    『なぞとき』
    表題作の挿絵、顔傷だらけで微笑み浮かべてる佐助、ちょっとシュールですよね。

    鳴家の手がやわらかいのは可愛い。
    事件自体は拍子抜けする程あっさり解決(?)してしまいましたし、伏線回収の爽快感も少なかったですが、佐助の人柄が出ていて良かったですかね。手代は結婚できないって言うのは厳しいですね。江戸時代、江戸は人口密度高かったって言うし、それでちょうど良かったのかも。仕事に生きるか、家庭を持つか。

    私はてっきり犯人捏々子河童の姐さんだと思ってたので、ちょっと残念。


    『かたごころ』
    鮪丸一匹。サイズにも寄りますけど、凄すぎますね。
    当時、魚の中では安い方なんだ。
    鮪はそんなに好き

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    2024年10月28日
  • またあおう(新潮文庫)

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    なんて変な世界!
    妖達はとにかく若だんな大好き
    病弱で寝込んでばかりの…
    どんな事件がおきようと
    「若だんなならきっとこうする」
    と若だんな抜きでやいのやいのと言いながら解決してしまうのだ
    かわいすぎる
    さあ、うまくいったから
    若だんなが甘いもののごほうびをくださるぞ
    「きゅべ」
    「きゅんい」

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    2024年10月27日
  • なぞとき

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    佐助が怪我をした。爪による傷は誰にやられたのか妖達が賭けをする「なぞとき」、料理屋の娘お照の縁談が破談になった原因を探る「かたごころ」、長崎屋の離れにやってきた鍵を好む黒の仔犬の飼い主を探す「こいぬくる」、夜分に若旦那の前に現れた見知らぬ女の怪異の正体を探る「長崎屋の怪談」、父藤兵衛から若旦那が長崎屋を辞める三人の話を聞いてほしいと頼まれる「あすへいく」。
    時が流れているような流れていないような長崎屋。奇抜な展開もない代わりに安定して読めるのが魅力だなと思う。

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    2024年10月27日
  • わたしの名店

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    そのお店が好きなんだなぁと伝わる内容だったと思うけど、時間がたって、覚えているのは朝井リョウだけ…。

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    2024年10月27日
  • なぞとき

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    人間の短絡的で愚かなありようが哀しい。けれども、人も妖も、若旦那と関わりができると良いように収まるようだ。自分の身を案じてもらえると、ひとまず気が済むからかもしれない。しかも、そうこうするうちに仲間が増えたので、若旦那が手に余る問題でも、助け船が出るようになった。それもまた若旦那の人徳かな。

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    2024年10月19日