畠中恵のレビュー一覧
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江戸の大店廻船問屋兼薬種問屋長崎屋の一人息子の身体の弱い若だんなと彼のとりまきの妖たちが巻き起こすユニークな推理小説、しゃばけシリーズ第8弾。5編のストーリーでそれぞれなりたっていますが、全体としては、若だんなの失明の謎を解明する話になっていました。
12歳のときに生目神とかかわっていた若だんなは、ある日急に目が見えなくなります。その原因が最初はわからず、忠実な若だんなの「兄や」たちは若だんなの目を治す方法をみつけるのに悪戦苦闘。どうやら、生目神に原因がありそうだということで、生目神を捜す旅に出た仁吉、夢の中で生目神の謎をとくため深い眠りへついた佐助。命がけの二人の活躍が実を結び、生目神が捉 -
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音村夏貴は時々過呼吸の発作に見舞われる中学生。親友正哉の家が火事になり、彼が焼死した。両親を助けようと夏貴の目の前で燃えさかる火のなかに飛び込んでいったのだ。不審火だった。嘆き悲しむ夏貴の耳に親友の声が聞こえてきた。彼の遺した携帯から。そして画面には死んだはずの彼の顔が…。不審火の真相を調べてほしいと彼は言う。家のなかに火の気はなかったし、消火活動も終盤に近づいて、なお激しく燃え上がった不可解な火事だった。放火なのか?なぜ正哉と彼の両親は死ななければならなかったのか?携帯から語りかける友人との二人三脚で、夏貴が探り出した驚愕の真相は…?
畠中恵、初の現代小説。ファンタスティック・ミステリ。 -
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しゃばけシリーズ 第5段今回は長編です。うそうそたずねまわるさま。きょろきょろ。うろうろ。神様の中にも自分に自信が持てずに、千年ほど迷い、うそうそ己を探し続けている方もいるとか。箱根に湯治に行ったのに、お風呂にも入れずまたまた事件に巻き込まれる若だんな。それぞれの正義が話をややこしくする。みんな目の前の事しか見えてなくて、自分の信じる正義の為なら他に害が及ぼうが頓着しない。神様すら、自分の気持ちに振り回されているのに病弱な若だんなだけは大きな視点を持っている。若だんなは、何かちょっと人とも妖とも違っているようだ。すごいなーと思う部分もあるのに全然格好良くない。十八歳になる若旦那なのに、童のお比
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「しゃばけ」シリーズの畠中恵の江戸庶民ものの別シリーズ。
両方とも町民の跡取り息子が主人公だが、しゃばけの一太郎が病弱で妖(あやかし=妖怪)に囲まれて暮らしているのに対し、まんまことの麻之助は、やんちゃな遊び人でお気楽に過ごしている。でも二人とも、賑やでいなせな江戸市井で活き活きと活躍していく。
江戸は神田の町名主の跡取り息子麻之助は、嫌々ながら父親の名代として町内の揉め事の仲裁を任される。町内の者たちは、このお気楽ものが本当に仲裁を出来るのかと心配するが、意外とちゃんとした裁定を行っている。
お、なかなか鋭い推理だね。えっ、そう裁定するの、憎いねぇ。う~ん、なかなか粋な計らいじゃないか・・ -
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ネタバレ久しぶりに「しゃばけ」シリーズを読みました。
今回のは、ちょっと切なかったなぁ。
最後の話がそうだから、切なく思ったのかな。
若だんな、病弱だけどお家がお金持ちだから不自由なくて、親や手代たちに愛されて、友達もいて、好きになってくれる子もいて……なんて、「いいご身分じゃないの」と多少の嫉妬も挟みつつ読んでいたけど、やっぱり体が弱いっていうのは一番のネックで、自由に出かけられないし、自分が長く生きられるかわからないから、想ってくれる子に「うん」と言えなくて……。
そんな若だんなの思いがすごく切なくて、今回で若だんなに愛着がわきました。
う〜む、しゃばけシリーズ読むのしばらくお休みしてたけど、もっ -
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中学生・音村夏貴は火事で親友を失った。嘆き悲しむ夏貴に、死んだはずの親友が携帯から語りかけてきた。不審火の真相を調べて欲しいという彼の悩みに夏貴は立ち上がり友の魂と二人三脚で真相を探り出す。ファンタジック・ミステリー。
面白かったです。
親友や仲のよくなった女の子が途中で退場してしまうのが違和感あったけど。
あと、義父がホストクラブの経営者だとか病院の描き方などちょっとミステリーとしてのリアリティが薄いなとも感じましたが・・。
そういう欠点をさしひいても読みやすく、スピーディーに話が進み最後の方はドラマティックで、全体として面白く読めました。生命工学も興味のある分野だし・・。