畠中恵のレビュー一覧
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今人気の、書店もの、出版社もののお江戸版!
さすが、目の付け所が違う。
江戸の出版のシステムもいろいろ分かったし、決まり事やお上の締め付けも厳しいために様々な事件が起きたり、楽しい。
江戸時代の人たちは、本文の中にも書かれていたけれど、読み書き人口が高くて、大勢の人が読書を楽しんでいた、日本が世界に誇れることだそうだ。
本を出すことが危険だった時代でも、人を楽しませ、自分も楽しい、『戯作』をやめられなかった種彦先生。
この「なにがあってもやめられない」感は、もちろん畠中さんの気持でもあり、創作する人に共通する活力の素なのだろう。
善さんが素敵でしたよ。 -
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ネタバレ『こいしくて』
一太郎の周囲に集まる病の神様と時花神。通町で巻起こる恋愛の騒動。橋に結界をはる橋姫が消えた京橋。
『やなりいなり』
一太郎が寝込む離に現れた幽霊。昼間から現れる不思議な幽霊。薬に執着するが何故幽霊になったのか?駿府から江戸にやって来た盗賊団。幽霊・猪吉が川に投げ込まれた理由。
『からかみなり』
一太郎の父親・藤兵衛が三日間も長崎屋に帰ってこない。様々な想像をするアヤカシたち。通町で起きる小雷。藤兵衛が連れて帰ってきた子供の正体。
『長崎屋のたまご』
空から降ってきた玉。家鳴が遊んでいる内に外に飛び出してしまう。玉を追う家鳴たち。長崎屋にやって来た百魅。玉と落ちた九十八魅を探しにきた三十魅。百魅と三十魅の兄弟喧嘩。まだ姿を見せない九十九魅。
『あましょう』
栄吉の働く安野屋で喧嘩をする五一と新六。勝手に房州に行った五一を責める新六。新六の妹と五一の破談。新たな妹の縁談のために見映えの悪い女と縁組みする新六。新六の嫁になるおえんに迫る人伐りに刺される五一。 -
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ネタバレ畠中さんの新シリーズ。しゃばけシリーズはまだまだ続いていきますが、江戸を舞台にした新しい世界が広がりました。主人公は、まぁ出だしの書きっぷりからよくわかる、頼りない感じの新米江戸居留守役。主人公を取り巻く登場人物のほうが頼りになる感じなので、ところどころで主人公に対してイラッとしたりしてしまいますが、話が進むにつれ新しい一面が見え、少し強くなり、最後は大役を演じきる。
最後まで飽きないストーリーでした。そして、やはりお菓子が出てきましたね。畠中さんの本読んでから和菓子が食べたくてたまらなくなりました。
次はどんな話が展開されるのか楽しみです。 -
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江戸を舞台に妖(あやかし)たちが活躍する『しゃばけ』シリーズで、新たな時代小説の形を提供してくれた、畠中恵。
同じ江戸を舞台に、妖怪たちを登場”させない”物語が、『まんまこと』シリーズです。
本作品はその第三弾。
今回も、舞台は江戸、そして主人公は、町名主の跡取り息子、麻之助。
現代で言うところの刑事事件を扱う奉行所に対して、民事事件を扱うのが、町名主。
今回も、持ち込まれるさまざまな厄介ごとを、麻之助とその仲間たちが解決していく姿が、6つの連作短編の形で、描かれています。
物語の楽しみの中心は、「謎とき」。
それに加えて、今回の作品では、麻之助の妻、お寿ずの懐妊が、連作短編を通じての大きな柱になっています。
そしてそれぞれの短編の中でも、江戸時代の結婚や宝くじ(富くじ)のしくみ、カレンダーの取り扱いなど、当時の生活の一端が垣間見れられる「なるほどな」という要素が、散りばめられています。
「今後、どうなっていくんだろう」という形での終わりだったので、続編を楽しみに待ちたいと思います。 -
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ぅむ。
別に、スリルがどうとか、手に汗握るとか、そういうのじゃないんです。だから、涙腺が緩むとかでもないし、感動した!!とかっていうのでもない。
こういう類の本で4をつけることは、私にはなかなか珍しいんだけれども。
なんていうか、新鮮だったんですよね。そしてなんというか、秀逸だった。
なんのことのない青春群像という感じなのだけれども、部隊が江戸→明治に変わって少し経った頃。そして、そのころのお話って切った張ったになりやすいと思うのだけれどもそうではなくて、そのころの「一庶民」のおはなし。皆生活していて。歴史とか、お上に文句とか、そういうことじゃなくて、(ちょっと戦争の下りは唯一そういう意味で意図的に組み込まれたのか、面白かったけど)当時の人たちだから出たのかもしれない視点で(そういう意味で場面設定が面白かった)若者たちの心を映し出していた。
そして、1話1話の小タイトルが「シュウクリーム危うし」、とか、「ワッフルス熱し」お菓子の名前になっていて、そのお菓子が活躍するとともに、その名前に思わず唸るようなストーリーがお菓子とは関係なく与えられているのですよ。
そういう、ひねった感が好きでした。
そして、最後のなんとさわやかなことか!!
風が吹き抜け、思わず微笑んでしまいました。
こういう読後の本は久しぶりだな~。 -
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時代小説にファンタジーを取り込んだ作品で、読者に新しい世界を提供してくれている、畠中恵。
その『しゃばけ』シリーズの第10作が、文庫本となって書店に並んでいたので、迷いなく?読んでみることにしました。
今回も、大店「長崎屋」の若だんな、一太郎が主人公。
病気がちで”離れ”で伏せている時間が長い彼の元に、やっかいな客や揉め事が、飛び込んできます。
そしてその揉め事に、一太郎と、彼の昔からの馴染みの妖(あやかし)たちが立ち向かう、というストーリー。
今作は5つの短編で構成されていて、それぞれの話は独立しています。
ただし、共通のテーマとして「食べ物」が取り上げられていて、各話の冒頭に、その物語に登場する食べ物の、作り方が添えられています。
全体で大きなストーリーを構成するというわけではないので、シリアスさを感じず、このシリーズらしい、暖かで優しい雰囲気を楽しむことができました。
いつものメンバーが活躍しつつ、新しい人物が登場したり、登場人物たちが少しずつ、変化していくというのも、シリーズものの楽しみの一つですね。
1年後の次作も、期待したいと思います。