畠中恵のレビュー一覧
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久々に読んだ、しゃばけシリーズ第10作。前作『ゆんでめて』、前々作『ころころろ』は、全編を通した仕掛けが施されていたが、通常のフォーマットに戻っただろうか。
「こいしくて」。ただでさえ病弱な一太郎なのに、長崎屋がある通町界隈には厄病神が溢れる。その原因とは…おいおい。知られざる江戸の防衛システム。神様も人間と同じということですか。後始末をどうするのか、気になる。
「やなりいなり」。長崎屋の離れに現れた奇妙な霊。一方、日限の親分はある事件を追っていた。最後にどう繋がるかや、霊の正体など、意外性があって面白い1編。あまりにも相手が悪かったねえ。そして、「彼」の運命は。
「からかみなり」。一太郎の父、藤兵衛が長崎屋に帰らない。事件に巻き込まれたのか? しかし、佐助や仁吉は一太郎を外に出してくれない。しかたなく離れで推理する…という、安楽椅子探偵的な1編。前にもこんなパターンがあったような。
「長崎屋のたまご」。空から降ってきた謎の玉子。鳴家(やなり)たちがいたずらして、玉子はどこかへ行ってしまった。深刻な事態の割には、ドタバタ劇のような乗りで、楽しい1編。それにしても、100人(?)もいるとは。どんな姿形なのだろう。
「あましょう」。外出もままならない一太郎が、久々に栄吉と話したいと懇願する。ところが、行ってみると店先では男2人が揉めている…。一太郎が首突っ込む理由はないだろうという突っ込みはさておき、男ってやつは…。最後の真相に驚く。
シリーズ第10作ともなると、かなり安定期に入った感があるかな。各編冒頭に、江戸時代のレシピが掲載されているのが、目新しいといえば目新しいが、料理をネタにした話は過去にもあったはずで、さほどレシピに意味がないような…。
固定ファンにはこのままでいいのかもしれないが、畠中恵さんは、この物語にどう区切りをつけるのだろう。一太郎はいつまで経っても病弱なままで、長崎屋を継ぐことはあるまい。熱心なファンではない僕だが、読み進めるほど一太郎の将来が気になる。 -
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今人気の、書店もの、出版社もののお江戸版!
さすが、目の付け所が違う。
江戸の出版のシステムもいろいろ分かったし、決まり事やお上の締め付けも厳しいために様々な事件が起きたり、楽しい。
江戸時代の人たちは、本文の中にも書かれていたけれど、読み書き人口が高くて、大勢の人が読書を楽しんでいた、日本が世界に誇れることだそうだ。
本を出すことが危険だった時代でも、人を楽しませ、自分も楽しい、『戯作』をやめられなかった種彦先生。
この「なにがあってもやめられない」感は、もちろん畠中さんの気持でもあり、創作する人に共通する活力の素なのだろう。
善さんが素敵でしたよ。 -
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ネタバレ『こいしくて』
一太郎の周囲に集まる病の神様と時花神。通町で巻起こる恋愛の騒動。橋に結界をはる橋姫が消えた京橋。
『やなりいなり』
一太郎が寝込む離に現れた幽霊。昼間から現れる不思議な幽霊。薬に執着するが何故幽霊になったのか?駿府から江戸にやって来た盗賊団。幽霊・猪吉が川に投げ込まれた理由。
『からかみなり』
一太郎の父親・藤兵衛が三日間も長崎屋に帰ってこない。様々な想像をするアヤカシたち。通町で起きる小雷。藤兵衛が連れて帰ってきた子供の正体。
『長崎屋のたまご』
空から降ってきた玉。家鳴が遊んでいる内に外に飛び出してしまう。玉を追う家鳴たち。長崎屋にやって来た百魅。玉と落ちた九十八魅を探しにきた三十魅。百魅と三十魅の兄弟喧嘩。まだ姿を見せない九十九魅。
『あましょう』
栄吉の働く安野屋で喧嘩をする五一と新六。勝手に房州に行った五一を責める新六。新六の妹と五一の破談。新たな妹の縁談のために見映えの悪い女と縁組みする新六。新六の嫁になるおえんに迫る人伐りに刺される五一。 -
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ネタバレ畠中さんの新シリーズ。しゃばけシリーズはまだまだ続いていきますが、江戸を舞台にした新しい世界が広がりました。主人公は、まぁ出だしの書きっぷりからよくわかる、頼りない感じの新米江戸居留守役。主人公を取り巻く登場人物のほうが頼りになる感じなので、ところどころで主人公に対してイラッとしたりしてしまいますが、話が進むにつれ新しい一面が見え、少し強くなり、最後は大役を演じきる。
最後まで飽きないストーリーでした。そして、やはりお菓子が出てきましたね。畠中さんの本読んでから和菓子が食べたくてたまらなくなりました。
次はどんな話が展開されるのか楽しみです。