畠中恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
『しゃばけ』シリーズの畠中恵。
シリーズとは違う長編小説が、文庫化されて平積みされていたので、読んでみることにしました。
主人公は、新米の江戸留守居役。
部屋住みとして平々凡々な生活を送っていた彼が、優秀な兄の後を継いで、藩の大事な役職、江戸留守居役に任命されます。
右も左もわからない中、他藩の先輩留守居役たちの厳しい指導を受けながら、お役目を務めていく主人公。
その日常における騒動が、この作家さんらしい温かいタッチで、描かれていきます。
そして彼が役目を受けるきっかけとなった、兄に関する事件の謎解き。
新米で頼りなかった彼が、藩のため、仲間の留守居役たちのために、いつのまにか中心的な役割を担うようになって・・・という展開。
現代で言うところの「外交官」のような立場だった江戸留守居役たちが、どのような役目を負っていたのか、その役目をどのように務めていたのか。
時には仲間、時にはライバルとなる他藩の江戸留守居役との関係、そして武士に金を貸す”札差”や江戸城の”表坊主”との関係。
さらには、幕府からさまざまな役目を言い渡され疲弊する、地方藩の苦しい台所事情などなど。
「平凡男子の成長物語」「謎解き」といった要素とともに、この時代の空気を味わえる小説だなあと、感じました。
ストーリー展開のテンポも良く、500ページ以上の分量ですが一気に読み進めてしまいました。
この作家さんにはまだまだ、引き出しがありそうですね、次作も期待したいと思います。 -
Posted by ブクログ
畠中さんは、しゃばけシリーズが最初の出会いで、以降見つければ買う感じ。
易しく柔らかい文体で、とっても場景深く分かりやすいのに、しっかり残るのが好き。癖になる。
続編ですが、過去話なので、単体で読んでも、こちらを先に読んでも問題ないと思います。
江戸が終わり、明治の世になり20年。世が世なら「若殿様」と呼ばれたであろう坊っちゃんたちが、警官になるべく切磋琢磨し、挙げ句事件を解決する騒動記です。
リーダー格の長瀬率いる若様組、薩摩から来た若者たち、士族、平民出の者たち、若様たちの知人と、登場人物はすこぶる多いのですが、ワクワクしながらページ進めていけるので、意外と頭に残ります。
キャラクターも魅力的。
根っからのリーダーである主人公長瀬くんや、冷静沈着な参謀タイプの福田さん、今回は何かと暗躍してくれたミナこと皆川くん、そして個人的に大好きな、恐ろしく美形で武道の達人なのに、すぐキレる園山さん!
映画やアニメになっても、見栄えしそうだなーと思います。
いつも終わりかたに余韻があって、とっても好きです。 -
Posted by ブクログ
しゃばけシリーズ10作目。
●こいしくて
長崎屋のある通町界隈で、なぜか恋の病が大流行、
おまけに若だんなのもとへ、次々と疫病神が訪ねて来るというお話です。
●やなりいなり
狐の神様特製の「やなり稲荷」を食べている長崎屋の離れに
こっそりと横からいなりに手をつける幽霊が現れました・・・
●からかみなり
長崎屋の主人藤兵衛が街に出たまま三日帰らないため、
お店の面々はそれぞれの推理を話しあいます。
●長崎屋のたまご
空からおちてきた青い玉を拾った若だんな。
眼を放したすきに玉がどこかへ行ってしまい、
それを捜し魔物がきたから、さあ大変。
●あましょう
親友に会うために安野屋に出向いた若だんな。
その店では若い二人の客が大量の菓子を購入していました。
以上、5つの短編からなる作品です。
この本の特徴は何と言っても、
それぞれのお話の中に
江戸時代の美味しそうな食べ物のレシピが書かれていることでしょう。
お話もあいかわらずの「しゃばけ」風で、
ユーモアたっぷりの味付けは、心地よくいただけます。
そこへお料理レシピもついているなら、
このお料理、作って食べてみたくなります。
一番食べたくなったのは、「やなりいなり」でした。
かわいい鳴家の似顔絵の書いた「やなりいなり」は
一度は、食べてみたいものです。(*^_^*)