畠中恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
まろ丸はお伊勢参りのおかげ犬。
仔犬で家族とはぐれたところを結に拾われる。
結は六つながら、疫病で跡取りを失った大阪の大店花沢屋の家付き娘に指名され、伊勢経由で大阪に向かうことに。
各章ともまろ丸の独白で始まるが、本書の主人公は結に付き添う叔父の九郎。
前半は摺りとか川渡りとか箱根の山越えとかいろいろな出来ごとに遭遇しながらの道中記。
小田原の透頂香やお菓子のういろうが出てくるあたりは東海道中膝栗毛のオマージュか。
後半同行するお以登とのやり取りが増えるにつれ、結の養女話の裏に潜む事情が透け始め、不穏な空気が漂う。
とともに、九郎と結はお以登から何かにつけて試されるようになる。
あれこ -
Posted by ブクログ
ドラマ化したりアニメ化したりしているのに、なんとなく納得。
大江戸人情推理帖ってことだけど、表紙のイメージ通りで気負わず読みやすかったかな。
妖怪たちも親しみやすくて可愛いというか。
途中、若だんなの体が弱い故の苦悩がつらつらと描かれてばかりで、私的には犬神さんや白沢さんのこと、もう少し詳しく書いてもらいたいなぁ、と思いつつ…長崎屋にどうして妖がいるのかとか。その辺は、さらっと種明かしで終わってしまった…
続きを読めばその辺も詳しく描かれているのかしら…終わり方的に、最初からシリーズ化の予定だったんだろうなぁ。謎を残しておかないと、続き読みたくならないもんね。お兄さんのこととかね。
体の弱 -
Posted by ブクログ
今まで長屋ものを読んでいたので、いきなりこんなに羽ぶりのいい江戸ものに少し違和感。
そんなにオヤツってしょっちゅう食べれるの?とか(笑
タイトルの「まろ丸」がメインでいろいろ事件が起きるのかと思ったらそうではなかった。
だいたい章の区切りなんかはそこで場が変わるものが多いなか、これはそのまま話が続いたり、かといって章が終わる時は唐突だったりで、初めての手法だったのでちょっと慣れずにフワフワした感じで読んでた。
そんなに山はなかったなーと思ってたら最後の最後でちょっとヤバい事件が起きて、このページ数で終わるの⁉︎とハラハラ。
しかし昔とはいえ、6歳の子が親といきなり離れて暮らせるもんなのかなぁ。