畠中恵のレビュー一覧
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「鳴家稲荷(やなりいなり)」
若だんなのお母さんのおたえさんの守り狐たちの
お得意料理で鳴家の絵を書いたいなり寿司らしい。
第10作はそれぞれの短編の最初に
ちなんだ料理レシピが書いてあり、その但し書きがユーモアがあって、どれもクスッと笑ってしまった。
でも、最後の「あましょう」という短編は
男同士の友情を書いた
私が一番好きな作品で
これはウルッときてしまいました。
病弱でほとんど外には出られない
若だんなではあるけれど
三春屋の栄吉との友情はとても固いもので
それはこれからもずっと変わらないのだろうな。
これからもこの2人の成長が楽しみです。
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ネタバレ弓手(ゆんで=左)馬手(めて=右)
という題名。若だんなが4年前右に行ったばかりにいろんなことが起こる第9作。
最初、お話の展開がわからず、2度繰り返して読みました。
結局、何事も起こらなかったことになったらしく
火事でいなくなった屏風のぞきも次回作ではちゃんといます(笑)
ちょっと理解しにくいストーリー展開だったし
せっかくの素敵なキャラ(今で言うなら宝塚の男役のような)の
禰々子さんとも会ったことを忘れてしまうのですが
一つ一つのお話は面白かったです。
やはり、9作目ともなるといろんなことが起こりますね〜
これからも楽しみです。 -
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今回の短編5編は、生と死とそれに伴う時間がテーマの作品という感じでした。
一太郎の父であり、長崎屋の主・藤兵衛が、病に倒れてしまったことを発端に一太郎が毎度おなじみの妖たちと父の病を治すべく奮闘するのが物語のベースになりつつ、それぞれの登場する妖たちや人々を通して、生と死とそれに伴う時間について、ひどく重苦しくはならないけど、考えさせられる内容でした。
特に「しんのいみ」「長崎屋の主が死んだ」には物語全体や結末に切なさが混じっており、「めでたし、めでたし」だけでは終わらないところが、しんみりしつつも面白かったです。「長崎屋~」の方は、久々にぞっとする妖の登場で、ちょうど真夏に読んでいたせいもあ -
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どっぷりハマって第8弾。
今回は若だんなの淡い初恋からはじまり、
ほのぼのとしたお話かと思いきや
次のお話では
突然若だんなの目が見えなくなり、
世の中で若だんなだけが無事でいれば良いと思っている
手代2人と長崎屋に巣食っている妖たちが
若だんなのために奔走することになる。
イケメンクールな仁吉が妖に頼られて
困りつつも助けてあげるお話や
若だんな命で女の人に見向きもしないような
佐助が夢の中で恋女房を助けてあげるお話が
うまくつながって
若だんなの目に光を取り戻すことができる。
第8弾まで読んだけど
どれもうまくお話ができていて
ほんとに飽きない。
やっぱり作家さんってすごいなぁ、と思い -
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「しゃばけ」シリーズ第5弾は初の長編。
まめに死にかけている若だんながなんと!湯治に出かける。
出かける前から不穏な空気が漂っているけど
出かけた途端、頼みの綱の手代2人がいなくなり……
いろんな人や妖が登場し、いろんなことが起こる。
そのいろんなことが徐々に繋がっていき、無事に
解決されて、所々でまたまた寝込んだりしている若だんなもようやく湯治ができそうなところで終わります。
新しく登場したお侍の勝之進と孫右衛門、雲助の新龍、山神の娘のお比女ちゃんたちもそれぞれに訳ありで、
個性豊かで魅力的でした。
今月、第19巻が発売されたようで
まだまだ先は長いです。
………私もどれだけ不味いのかとい -
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ネタバレ『まんまこと』シリーズ第6作。麻之助はまだ町名主・高橋家の跡取りのままだが、盟友・清十郎は既に後を継いでおり、吉五郎は同心の養子となっていた。悪友三人組の周囲でも、時は容赦なく移ろいゆく。
「わかれみち」。解決したはずのある事件が蒸し返された。読んだ記憶はあるようなないような…。短編にしては入り組んだ真相だが、懲りていないばかりか、この大物たちを敵に回す恐ろしさを知らなかったとは。
「昔の約束あり」。毎度毎度、麻之助にはやっかいな話が持ち込まれる。ということは吉五郎も巻き込まれ…。男三人はともかく、女三人も無茶をする。結果的に助かったのだから、あまり強く責めることもできないか。