【感想・ネタバレ】ひとめぼれのレビュー

あらすじ

累計130万部突破、大人気「まんまこと」シリーズの第6弾。

札差の娘と揉めて上方へ追いやられた男。その思わぬ反撃とは(「わかれみち」)。盛り場で喧伝された約束が、同心一家に再び波紋を呼び起こす(「昔の約束あり」)。麻之助の亡き妻に似た女にもたらされた三つの縁談の相手とは(「言祝ぎ」)。火事現場で双子を救った麻之助は、新たな騒動に巻き込まれる(「黒煙」)。行方不明の男を探すため、麻之助は東海道へと旅立とうとする。そして新たな出会いが?(「心の底」)。沽券が盗まれた料理屋から、一葉が消えてしまったのは何故か(「ひとめぼれ」)。

いつの世も思い通りにならない、人の生死と色事。泣きたいときほど泣けない、「まんまこと」ワールド、慟哭の第六弾。

解説・紗久楽さわ〈「まんまこと」を自由に漫画で描けた幸福〉

※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。

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Posted by ブクログ

「まんまこと」シリーズ6作目。
前に登録したはずが消えてしまったので、確認のため文庫で再読。
基本的な設定については、単行本の感想で書きました。
登場人物が多くて、ちょっと、書き足りないので‥

町名主の息子の麻之助と、隣町の清十郎、同心見習の吉五郎は幼馴染。
両国界隈にたむろする若者の頭の貞も含め、いい付き合いが続いています。

「わかれみち」
麻之助たちの幼馴染で、二つ年上のお由有。
少年の日、ほのかに恋していた麻之介だったが、お由有は清十郎の父の後妻に決まってしまった。
それから数年。
お由有が年の離れた夫を亡くしたら、かって付きまとった男が江戸に舞い戻ってくる。
お由有の父である札差の大蔵屋は、怒り心頭で今度こそ決着をつけると‥
両国の大親分・大貞とその息子の貞も加わり、大人たちは息子世代に、こういう時のやり方を見せることに。

「昔の約束あり」
麻之介と清十郎は、同心見習の吉五郎の上司で怖い義父・相馬小十郎を訪ねる。
吉五郎が突然、町中で見知らぬ娘に千里眼が勧めた婚約があると言い立てられたのだ。
清十郎の新妻・お安、札差の妾・お虎、吉五郎の義父の娘・一葉が活躍。

「言祝ぎ」
吉五郎の姪で16の「おこ乃」に突然三つの縁談が来た。その理由とは。
早くに亡くなった妻「お寿ず」によく似たおこ乃に、麻之助は淡い想いもあったが、あまりに似過ぎているために抑えていた。

「黒煙」
大火事のさなか、幼い双子を救った麻之助。
主の子がなぜ取り残されていたのか? その成り行きは‥

「心の底」
花梅屋のお浜は、相馬小十郎の伯母。
お浜の孫であるお雪の許婚が、江戸に戻らず行方不明に。
麻之助が探すために駿河へ旅に出ることになったら、お雪とお浜も同行すると言い出す。
活発なお雪に、振り回されながら、少し惹かれる麻之助。

「ひとめぼれ」
吉五郎の許婚の一葉は12歳。数えなので今でいえばほんの10か11。本人は大人のつもりなのですけどね。
吉五郎は一人娘の一葉とゆくゆくはという約束で養子に入ったが、一葉が幼過ぎるため婚約は内々の話だった。
相馬家に出入りする若者に、一葉は‥
幼い初恋の行方が切ない。
吉五郎も、一葉に恋をしているほどではないにしろ、切ないよねえ‥

元気な女性たちの活躍が目立ちましたね。
頑固で強い同心の相馬小十郎さまが、なんだかんだ言って、カッコいい!(笑)

結婚は親が決める、家を継ぐのは子供のうち一人だけで他の子は結婚も難しい、など。
当時の制度のややこしさ、理不尽さ。
さらには、結婚して生計が成り立つかどうかという問題も。
それでも人の相性もあれば、惚れたはれたももちろん、ある。
どの縁が成就するのか‥

現代でも、結婚が上手くいくかどうかは、様々な要因あってのことでしょうが。
最初から無理!と諦めるほどの抑圧は、そんなにないでしょう。
過去の制度や習わしは、この方がいいと当時は思っていたということ。
でも状況が変わったり、無理が大きければ、次第に変わっていく。
今のあれこれも、後の世から見れば‥ どうなんでしょうね?(笑)

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2025年09月24日

Posted by ブクログ

今回は男女の縁にまつわる話が中心でした。
幼馴染3人組の活躍もさることながら、新たに結成された?歳の離れた女性3人組の想像を超えるはたらきが見ものです。

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2024年06月30日

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シリーズ7が出たので買おうと思ったら、前作の6も買っていなかったので、併せて購入。この「まんまこと」シリーズは「オール読物」で現在も続いていて、この6作目はそれを読む前のよう。最後は2016年12月号とのこと。不定期掲載なので、どうしても筋を忘れてしまう。
毎回、お気楽な町役人の跡取り息子の事件解決に導く素晴らしい推理力を楽しんでいる。
今作のタイトルでもある「ひとめぼれ」では親友の許嫁が他の男性に一目惚れをした経緯が書いている。最近のオール読物では、親友が結婚まで行ったかどうか筋を忘れてしまったのが情け無い。

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2022年02月09日

Posted by ブクログ

テレビで見たのか別の本で読んだのか記憶が定かでは無いが、恋をしている時の人間の脳はチンパンジー並みらしいという話を聞いた。チンパンジーに失礼な様な気もするが、それほど恋は盲目ということなのでしょう。まして初恋ならば。
3人の内、2人は落ち着いたので、ひとめぼれとは麻乃助のことかと思いきや、別のところに火がついてこの後、どう落ち着いていくのかなというところです。
まんまことシリーズは、登場人物達のそれぞれの視点で考えるとまた違った思いや考えが浮かぶところが面白いなと思って読んでます。町名主を題材に扱っているからこそなんでしょうね。

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2021年08月12日

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まんまことシリーズですが、神田町名主の跡取りである麻之助を主人公とした町での騒動を解決する短編6編構成ですが、今回は、昔の縁組みの難しさを扱った感じでした。
必ずしも好きな者同士が結婚できるとは限らず、家柄や続柄などが昔の婚姻には重要だったことがうかがえました。
清十郎は身を固めて落ち着きましたが、麻之助と吉五郎の今後の縁組みが今後の展開として気になるところです!

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2021年07月31日

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ネタバレ

2021/7/11
思ったようにはいかないね。
一番固いと思っていた同心見習の吉五郎にも憂いができてしまったよ。
年若い許嫁が他の人を好きになっても、立場上も性格上も止める吉五郎じゃないもんね。
麻之助にも新しい恋をして欲しいようなお寿ずちゃんをずっと思ってて欲しいような。
イケオジ小十郎様が決めた今後がフェアでやっぱイケオジやなぁと思った。

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2021年07月11日

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相変わらずおもしろい

ひとめぼれ っていう題名だったから おっ麻之助 やっと誰かに???って思ってたら違った…
麻之助はー お浜さんの孫と かな???
続編への勝手な想像 

小さな事件がちょいちょい起こって
それを嫌々ながらに解決していく様が心地いい
麻之助がんばれぇ

今回はふにの出番あんま無かったな…

続編 読み始めます!

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2021年07月01日

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ネタバレ

シリーズ第六弾。
みんな、少しずつ成長している。
『ひとめぼれ』で小十郎が親として、相馬家当主として下した決断は、彼らしくて胸がすく思いがした。

どこぞの御父上にも、是非ともこのような決断をして頂きたいものだ…。

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2021年01月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 『まんまこと』シリーズ第6作。麻之助はまだ町名主・高橋家の跡取りのままだが、盟友・清十郎は既に後を継いでおり、吉五郎は同心の養子となっていた。悪友三人組の周囲でも、時は容赦なく移ろいゆく。

 「わかれみち」。解決したはずのある事件が蒸し返された。読んだ記憶はあるようなないような…。短編にしては入り組んだ真相だが、懲りていないばかりか、この大物たちを敵に回す恐ろしさを知らなかったとは。

 「昔の約束あり」。毎度毎度、麻之助にはやっかいな話が持ち込まれる。ということは吉五郎も巻き込まれ…。男三人はともかく、女三人も無茶をする。結果的に助かったのだから、あまり強く責めることもできないか。

 「言祝ぎ」。うーむ、こういうのも町名主(の跡取り)の仕事なのか? 自由恋愛など困難な江戸の婚礼事情。お武家相手に無茶をするものだが、よほどの大物でなければ、お武家の権限などこんなものなのだろうか。

 「黒煙」。江戸に火事はつきものだが、避難のどさくさで盗難騒ぎが発生。噂の恐ろしさはSNS時代の比ではなかったのだろう。見つけるだけではなく、どう収拾させるかが問われる。結局、麻之助は頼られている。

 「心の底」。あのねえ、吉五郎の義父の小十郎も、麻之助を利用しすぎではないか? シリーズ初の展開になるかと思いきや、直前になって…。親切は悪いことではない。しかし、お人好しすぎてもいけないという事例か。

 「ひとめぼれ」。雪見のお誘いを受けて出向いてみれば、なぜかあの人やこの人も…。雪が降ったといえば、本格ではお馴染みのシチュエーション。この人情物シリーズにあって、推理の要素が強い珍しい一編。そして小十郎からは重大発表が。それにしても、麻之助よお疲れ様。

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2020年06月22日

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わかれみち/昔の約束あり/言祝ぎ/黒煙/心の底/ひとめぼれ

麻乃助、清十郎、吉五郎。いつものトリオが事に当たる。慌てたり辛かったりあきれたり、三者三葉に向き合っていく。周りのおなごも少しばかり存在感を増して、あたふたする男たちの様子も面白い。
一葉の心向きは? 麻之助のお相手は?
さて 楽しくなるかな?

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2020年06月18日

Posted by ブクログ

麻之助たちは、親世代から支配町の揉め事への対応の教育を受ける。お気楽でいたい麻之助もそのままではいられない。
また、吉五郎もこれまでと同じではいられない。
悪友三人組も少しずつ変わり、一歩一歩成長していく。

次はどう成長、変化しているのか楽しみ。

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2020年06月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

まだまだお寿ずさんのことが忘れられない麻乃助。
それでも仕事も厄介事もやってくる。
今巻は身内にかかる厄介事が多かったからなー。
忘れるのではなく、思い出になる話を早く読みたい。

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2020年06月13日

Posted by ブクログ

登場人物が多すぎてちんぷんかんぷん、え?誰だっけ?ページを戻し確認!の繰り返し。恵さんのせいじゃないのです。後期高齢者の私のオツムの問題です。あしからず

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2025年09月09日

Posted by ブクログ

1作目から時が経ち、幼なじみ3人の立場も心持ちも変化していくのを感じてみんな大人になったなあとしみじみ。思い通りにならない、人の生死と色事に正面から立ち向かい最善の裁定をしていく姿も頼もしい。一葉さんの恋心のお話が切なかった

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2025年01月08日

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結ばれる縁と結ばれない縁とひとと人との結びつきは本当に難しく御せないものだなとしみじみ思う。
大人になるのが少し切ない話があって、今後の三人の有り様が気になる。

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2021年09月22日

Posted by ブクログ

今回は相馬家の皆がどの作品にも絡んでいて、最後ひとめぼれでは小十郎様の吉五郎、一葉どちらにも親としての顔を見た気がしました。人の縁とは不思議なものですね…麻之助に次に重なる縁はどんなものでしょうか。

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2020年10月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 麻之助は相変わらず説明口調だなぁ、とか、清十郎はすっかり丸くなった(というか存在感が希薄になった)なぁ、とか、吉五郎はすっかり小十郎さんの付き人みたいな立ち位置になってるなぁ、などと、遠い目をしつつ……。むむ、話をどう持って行きたいのか、よく分からなくなってきたぞ? お雪さんが麻之助の新しい相手か?と思いきや、さほど引っ張らずだし、かと思いきや吉五郎が急転直下だし……。早く二人ともに、お安さんみたいな見ていて安心できるお相手ができると良いですねぇ(保護者目線)

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2020年07月25日

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