畠中恵のレビュー一覧
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今回も町名主のもとにはやっかいごとが次々と持ち込まれる。それらを丸く収め、鮮やかに解決策を見出していく麻之助の活躍にほっこりさせられる連作短篇です。
麻之助、お気楽に見えて相当に悩みながら頑張っているのに、それでも叱られてばっかりなのが少々不憫かも。でもその気安さが町の人にとっての魅力でもあるのでしょうけどね。今回はどれもこれもやっかいな困りごとではあるものの、顛末はどれも平和ですっきりします。
お気に入りは「縁談色々」。女性の生き方にほぼ選択肢などなかったであろう時代ですが、もちろんこういう考え方の女性もいたはず。女性は嫁いで当たり前、親や夫の支えがなければただ生きるだけのことに並々ならぬ努力が必要だという苦しさを感じましたが、一人でも生きていきたいという彼女の気持ちを否定しない麻之助が素敵。そしてうまく落ち着く解決も見事。 -
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ネタバレ短編集。6話入ってました。各話の最初に一太郎がどういう人物なのか背景が書いてあるので、1巻読んでなくても大丈夫なつくりになってました。
「空のビードロ」が義兄、松之助が長崎屋に来るまでのエピソード、1巻しゃばけの裏側、松之助サイドの話が書いてありました。
魔が差して井戸に毒を入れようとしてましたが、拾ったビロードを見て我に返るところが好きでした。
お店が家事になっても、働き口がなくても不貞腐れないで生きようとするところはこちらが励まされました。
仁吉の思い人は想像通りの人でした。
虹を見し事は、一太郎が妖怪が見えなくなって寂しそうでした。昔から一緒にいたものがいないのは寂しいでしょうね…。
私たちは一般人はそんな感じです。妖怪といっしょにお風呂入ったりしません。羨ましい…。 -
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ネタバレしゃばけシリーズ第21弾。近年はマンネリの中でも一ひねりを加えていた感があるが、本作は通常運転というか、敢えてマンネリに徹したのか?
「おくりもの」。薬種問屋・長崎屋の取引先が、贈り物をしたいと藤兵衛に相談してきた。悩んだ末に、贈り先の意向を確認しようというだが、話がどんどん贈り物から逸れていき…。そもそもの背景には、現代に通じる時事的なテーマを感じる。
表題作「こいごころ」。読み始めてすぐには、なぜこのタイトルなのかわからないだろう。妖狐の老々丸と笹丸の願いの裏にある事情とは。こういう切ないパターンは、何回かあった気がする。狸を巡るドタバタは必要だったのか?
「せいぞろい」。一太郎の誕生日を盛大に祝おうとしたら、招待する妖がどんどん増えてオールスターの様相に。会場に選ばれたのは…。「こいごころ」から一転、単純に楽しめる1編だろうか。ある意味、盗賊どもは災難であった。
「遠方より来たる」。長崎屋と一太郎、そして通町界隈にとって一大事。長年地域を支えた源信医師が、隠居することになった。当然、長崎屋の意向が跡目を決めることになるが…適任と言うべきか、またかよと言うべきか。
本作の一押し「妖百物語」。百物語という怪談方式には触れないが、当時江戸で流行していたそうで、一太郎たちも招待されてしまう。当然ただで済むわけがなく…。百物語の流行は、一気に下火になりましたとさ。チャンチャン。
極端に重い話も、一太郎が酷い目に遭う話もなく(十分に大騒動だが)、読みやすいけど、熱心なファンに響いたのかどうか。シリーズ第21弾にしてまだまだ通過点という感がある。一太郎のかかりつけ医が変わったことが、今後を左右するか?
京極夏彦さんのあのシリーズと、どちらが先に完結するだろう。