畠中恵のレビュー一覧

  • わが殿 上

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    しゃばけで有名な作者さん
    のんびりひた江戸のあやかし達とのいやし系のお話がお得意かと思う。
    わが殿は実在の人物の事績が元になった歴史小説だった。
    越前大野藩の幕末に実際にいた殿と家臣の物語。
    おっとりとした語り口が楽しい。

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    2025年06月21日
  • ああうれしい

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    まんまことシリーズ第十弾。
    町名主の、町名主見習いの多忙さはあれど、
    更に圧し掛かるのが避けられない相談事の多さ。
    揉め事、縁談、盗難事件など、今日も麻之助は知恵を絞る。
    ふじのはな・・・高利貸しの丸三もついにお虎と祝言を
      あげることに。だが幸いに便乗する者の影が。
      そして相馬家でも困りごとを抱えていた。
    おとうと・・・舅の金吾が大怪我をし、湯治へ。17歳の義弟の
      金一がまずはひと月、町名主代理になることに。
      更に吉五郎を悩ませる猫探しもあり、麻之助は大忙し。
    ああうれしい・・・“思いがけない相談”は“ああ嬉しい”と
      思ってみたいという願いをかなえること、その難問に
      悩む麻之助は靖五郎と共に火事の始末の場へ赴くことに。
    縁談色々・・・縁談を望む者。縁談を拒む者。どちらも叶えたい
      麻之助だが、自立したい女性の願いは艱難辛苦。だが、
      偶然と時の運が縁をもたらし、縁と縁が結びついてゆく。
    むねのうち・・・台所にあった簪は誰の物?そして無くなったのは?
      戸惑う一葉。折しも武家屋敷での盗難が頻発していた。
      盗人の正体は?麻之助と吉五郎が動く。
    だいじなこと・・・流行の風邪で寝込んだ麻之助。
      大事なことを忘れている。大事なものが無くなっている?
     ある噂が広まり高橋家の玄関は騒然とするが・・・。

    皆、少しずつ年を重ねてゆく。
    若くて無茶な時は過ぎ、一人前の男になってゆく。
    清十郎も名主としてきっちりしているし、
    貞だって貫禄が付いてきた。仲良しこよしの時代は過去。
    でも、多くの縁が麻之助の支えとなっている。
    お気楽者でも、皆から頼りにされ始めているんだ。
    「ふじのはな」での、そんな父子の会話は心に沁みました。
    その父の宗右衛門が仕事をほっぽいて湯治に行きたいとか、
    濃い薬を振る舞うお茶目さがあるところとか、
    この息子にこの父にありと、笑ってしまいました。

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    2025年06月15日
  • ねこのばば(新潮文庫)

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    ネタバレ

    今回の若だんな・一太郎をとりまく妖怪やら事件譚やらにも、するすると江戸のまちなかに誘い込まれてしまった。
    兄・松之助の奇妙な縁談が発端となった『茶巾たまご』、下手人がこのシリーズで初めてかもしれないサイコパスみのあるオチでぞっとする。長崎屋の周辺にはいそうにもない、人間の闇が見つめてくる感じが差し込まれてぎょっとしたというか。そこから一転、『花かんざし』の結末は悲しかった。精神病的なもの、江戸の時代ではより偏見も強いから「狐憑き」の目線はシビアだったはず。
    『ねこのばば』で再登場した広徳寺の寛朝さん、やはりすごく良いキャラである。自信に満ち溢れた人柄であるが、今事案の背景があかされるに伴い徐々に苦い顔も覗く。なんだか、その人間らしい感じがより魅力に感じてしまった。それにしても「ねこ」繋がりで二重にも三重にも意味が転がるの、気持ちが良い。下手人の未熟さにはもやもやさせられたけれども。
    珍しく佐助の語りとなる『産土』、すっかりだまされてしまった。内面が語られたことでシリーズへの奥行きが増した感じがする。大事なエピソードだなあ。仁吉の過去回想と並べて記憶しておきたいところ(自分の記憶力が残念なんだけども……)。
    実質的な意味でもっとも若だんなが危機に瀕する『たまやたまや』、謎解きのくだりもさることながら、幼馴染のお春ちゃんの婚姻にまつわる若だんなの気持ちの自省も目をひいた。大店の一人息子、所帯を持つ……ようなエピソードまでいったりするのかなあ。この先の道を気にさせてくるの、ずるい物語だなあ。

    おりんちゃんに掴まれたり、一人行動の果てに監禁された若だんなの袖に入り込んでいたりと、今回は鳴家たちが大活躍で可愛くてよかった。次巻以降も妖たちの活躍が楽しみである。

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    2025年06月15日
  • おやごころ

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    麻之助のもとにやってくる揉め事たち
    それらの納めどころを探すうちに
    彼は成長できるのか?
    六つの揉め事はなかなか面白かったけど
    一つだけ最後はどうなるのかかよく分からないのがあって、どうしようと思った。結末の想像は付くけれど経過がねぇ、まあ適当に想像しておこうか

    お父さんになった麻之助さん、おめでとうございます~♡

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    2025年06月05日
  • わが殿 下

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    ネタバレ

    大人の超青春物語だー。
    今の会社の業務なんて目じゃないレベルで、当時の殿と家臣の、共に担う感は半端ないよなぁ、と、最後、じんわりきました。
    命掛かってる。
    それは、自分も家族も殿も。そして、領民も大変脆弱で、一つまかり間違えば、影響甚大。

    藩の経営を、軍事ではなく、政治でもなく、出納・金融・経済の面から切り取った歴史小説。面白かったです。
    しかもどうやら、わりと史実らしい!という驚き付き。

    そろばん武士道、という、別の作家さんの本で、同じ人物が取り上げられているらしいので、是非読んでみたくなりました。

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    2025年05月27日
  • ああうれしい

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    ネタバレ

    まんまことシリーズ。

    安定のなまぬるさ。
    なんだかちょっと物足りなさを感じてしまう。
    さらってしているというか。

    「おとうと」が一番面白かったかな。
    麻之助の妻お和歌の父も町名主だが、
    地震で大けがをして箱根に療養に行くことになる。
    町名主の仕事は、麻之助よりずっと評判の良い息子、
    義理の「おとうと」がやることになるが、これが曲者。
    身の程知らずの自信家で、
    優先順位を間違えているのに自分の成果には過大評価、
    よく考えずに口から悪口を出してしまい、反省なし。
    なんだか江戸時代のみならず、
    いかにも現代にもいそうで笑えた。

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    2025年05月22日
  • わたしの名店

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    大好きな作者さんの想い出の名店たち。
    私の世界にいなかった新たな作者さんとの出会いもあり!
    まだ知らない名店が知れたのと作者さんたちの人となりが分かるエピソード満載。Wでお得感満載(笑)。

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    2025年05月09日
  • ああうれしい

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    今回も町名主のもとにはやっかいごとが次々と持ち込まれる。それらを丸く収め、鮮やかに解決策を見出していく麻之助の活躍にほっこりさせられる連作短篇です。
    麻之助、お気楽に見えて相当に悩みながら頑張っているのに、それでも叱られてばっかりなのが少々不憫かも。でもその気安さが町の人にとっての魅力でもあるのでしょうけどね。今回はどれもこれもやっかいな困りごとではあるものの、顛末はどれも平和ですっきりします。
    お気に入りは「縁談色々」。女性の生き方にほぼ選択肢などなかったであろう時代ですが、もちろんこういう考え方の女性もいたはず。女性は嫁いで当たり前、親や夫の支えがなければただ生きるだけのことに並々ならぬ努力が必要だという苦しさを感じましたが、一人でも生きていきたいという彼女の気持ちを否定しない麻之助が素敵。そしてうまく落ち着く解決も見事。

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    2025年05月07日
  • いちねんかん(新潮文庫)

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    ネタバレ

    若だんなさんの、親離れか、それとも親の子離れか?「いちねんかん」のお話し。周りの妖も活躍していちねんかんを支える?乗り切るさまがとても楽しく読ませていただきました。

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    2025年05月04日
  • とっても不幸な幸運 〈新装版〉

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    新宿にあるなんともいい加減な雰囲気の店、その名も「酒場」は完全に常連客だけで成り立っているディープな飲み屋でに常連客が持ち込む謎の缶「とっても不幸な幸運」。
    その缶を開けると毎回不思議な事件が起こるのですが、マスターが導く解決策と、適当にふざけているようで愛情たっぷりの常連客とのやり取りが酸いも甘いも混雑していて絶妙です。
    畠中さんらしくないと思いきや、しゃばけにしてもまんまことも決して一般的なハッピーエンドを求めていないところを考えると根は同じなのかな?

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    2025年04月30日
  • ねこのばば(新潮文庫)

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    ネタバレ

    1作目でお札を購入したお寺のお坊さんが出て来る「ねこのばば」、佐助の過去の話「産砂」、ある人の縁談話「たまやたまや」など、少し回りに変化のある1冊でした。
    佐助の過去の話はちょっと不気味でした。
    そりゃ、一太郎に過保護になっちゃうよねと思いました。

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    2025年04月28日
  • ゆめつげ

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    江戸後期のミステリーもの

    白昼夢をみることができる能力の持ち主が主人公

    最初はしゃばけシリーズのようなお悩み解決系かと思ったが、スリリングで展開も早く面白かった

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    2025年04月09日
  • まんまこと

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    ネタバレ

    お江戸の町人、ハートフルミステリー?。
    遊び人・お気楽人設定の、でも粋な感じの町名主の息子が主人公。
    人情ひっくるめて、「いいところ」で手打ちにする感。
    面白かったと思います。

    途中散りばめられていた伏線的な話は、行き過ぎた想像をちょっとさせるけど、実際は、主人公イメージと変わらず、そこまでのことはありません(笑)。

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    2025年03月25日
  • ぬしさまへ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    しゃばけシリーズ第2弾。以下の6話からなる短編集。
    「ぬしさまへ」「栄吉の菓子」「空のビードロ」「四布の布団」「仁吉の思い人」「虹を見し事」。
    どの話もそれぞれに面白かった。
    若だんな・一太郎の腹違いの兄・松之助さん、桶屋東屋の奉公から長崎屋に奉公することができて良かった。
    仁吉は千年もある一人の妖を思い続けてるのですが、その思い人の吉野どの(お吉)が一太郎の祖母のおぎんだったとは。祖父母の恋路がロマンチックです。
    そして、栄吉さん、菓子作り頑張って!

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    2025年03月22日
  • まことの華姫

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    優しい空気感で、話も面白かったです!

    人情ストーリーだから、ミステリーさそのものには注目が集まりにくいし、まことのお華が千里眼的直観で話す設定だから、辻褄さえ合っていれば細かいロジックは気にならないという。
    うまいな(笑)。

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    2025年03月18日
  • とっても不幸な幸運 〈新装版〉

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    しゃばけシリーズを読んでいるので気になって手を取った

    これは現代物の作品
    読みやすくて面白くて一気に読み進めてしまった

    特に健也の話に少し感動した

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    2025年02月27日
  • ぬしさまへ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    短編集。6話入ってました。各話の最初に一太郎がどういう人物なのか背景が書いてあるので、1巻読んでなくても大丈夫なつくりになってました。
    「空のビードロ」が義兄、松之助が長崎屋に来るまでのエピソード、1巻しゃばけの裏側、松之助サイドの話が書いてありました。
    魔が差して井戸に毒を入れようとしてましたが、拾ったビロードを見て我に返るところが好きでした。
    お店が家事になっても、働き口がなくても不貞腐れないで生きようとするところはこちらが励まされました。
    仁吉の思い人は想像通りの人でした。
    虹を見し事は、一太郎が妖怪が見えなくなって寂しそうでした。昔から一緒にいたものがいないのは寂しいでしょうね…。
    私たちは一般人はそんな感じです。妖怪といっしょにお風呂入ったりしません。羨ましい…。

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    2025年02月13日
  • こいごころ(新潮文庫)

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    ネタバレ

     しゃばけシリーズ第21弾。近年はマンネリの中でも一ひねりを加えていた感があるが、本作は通常運転というか、敢えてマンネリに徹したのか?

     「おくりもの」。薬種問屋・長崎屋の取引先が、贈り物をしたいと藤兵衛に相談してきた。悩んだ末に、贈り先の意向を確認しようというだが、話がどんどん贈り物から逸れていき…。そもそもの背景には、現代に通じる時事的なテーマを感じる。

     表題作「こいごころ」。読み始めてすぐには、なぜこのタイトルなのかわからないだろう。妖狐の老々丸と笹丸の願いの裏にある事情とは。こういう切ないパターンは、何回かあった気がする。狸を巡るドタバタは必要だったのか?

     「せいぞろい」。一太郎の誕生日を盛大に祝おうとしたら、招待する妖がどんどん増えてオールスターの様相に。会場に選ばれたのは…。「こいごころ」から一転、単純に楽しめる1編だろうか。ある意味、盗賊どもは災難であった。

     「遠方より来たる」。長崎屋と一太郎、そして通町界隈にとって一大事。長年地域を支えた源信医師が、隠居することになった。当然、長崎屋の意向が跡目を決めることになるが…適任と言うべきか、またかよと言うべきか。

     本作の一押し「妖百物語」。百物語という怪談方式には触れないが、当時江戸で流行していたそうで、一太郎たちも招待されてしまう。当然ただで済むわけがなく…。百物語の流行は、一気に下火になりましたとさ。チャンチャン。

     極端に重い話も、一太郎が酷い目に遭う話もなく(十分に大騒動だが)、読みやすいけど、熱心なファンに響いたのかどうか。シリーズ第21弾にしてまだまだ通過点という感がある。一太郎のかかりつけ医が変わったことが、今後を左右するか?

     京極夏彦さんのあのシリーズと、どちらが先に完結するだろう。

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    2025年02月09日
  • おまけのこ(新潮文庫)

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    回を重ねるごとに可愛さの頭角を見せ付けてきた鳴家が、この作品では主役級になってるタイトルでもある「おまけのこ」。可愛さが極まってる。

    ストーリーそっちのけで描かれた可愛いかよの為だけにあるラストのシーンはまさに食後のスイーツ。

    今回は特に後に続きそうなキャラクターにフォーカスされた様に感じたな。
    1番再度登場させて欲しいのは「ありんすこく」のかえでだけどあれだけは物語上難しいそうだよなぁ…

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    2025年02月07日
  • こいごころ(新潮文庫)

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    【おくりもの】
    悩むよね
    【こいごころ】
    泣いちゃった
    【せいぞろい】
    どこまで増えるの?
    【遠方より来たる】
    どこから来たの?
    【妖百物語】
    ヒャーー 怖いよう

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    2025年02月06日