畠中恵のレビュー一覧

  • とるとだす(新潮文庫)

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    《誰もが学びの時を迎えておるようだ。》p.42

    [1]長崎屋主人藤兵衛が倒れた。この巻ではずっと不調のまま。
    [2]藤兵衛を回復させるために色々考える一行。それに起因していつも通りいろいろ事件が起こり解決する。
    [3]人は必ず死ぬ、妖だっていつの間にか消えてしまっていることがある。それでもまあ、若だんなはじめ人も妖も懸命に楽しく生きようとしています。

    ■この巻の簡単なメモ

    【とるとだす】広徳寺の寛朝が集めた薬種屋の寄り合いで長崎屋主人の藤兵衛が何らかの薬を飲んで倒れたが何を飲まされたかわからずこのままでは命が危ない。若だんなと妖怪たちが捜査に乗り出す。
    【しんのいみ】江戸の海上に蜃気楼が現れどうやら若だんなはそこに入り込んでしまったようでいろいろ忘れ始めている。枕返しの再登場はあるか?
    【ばけねこつき】神田の染物屋小東屋と娘はお糸と番頭は浩助(こうすけ)が家伝の毒消し薬明朗散を持参金代わりにお糸を若だんなの嫁にしてくれと申し込んできた。どうやら化け猫憑きとの噂が立ち縁談が失敗続きのようだ。
    【長崎屋の主が死んだ】剣呑な狂骨がやってきて皆は大慌て。それになぜか女犯の罪を犯した僧の話がからんできたのは?
    【ふろうふし】藤兵衛の具合が悪くなり大黒天にそそのかされて常世の国に行くことになった若だんな。お伴は屏風のぞき、金次、おしろ、数匹の鳴家だが…。《止められて止まるなら、恋しいという言葉には足りない。》p.325

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    2024年05月15日
  • ねこのばば(新潮文庫)

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    一太郎が昼ごはんをお代わりしただけで福の神が来たか!と大騒ぎになる長崎屋の面々が愉快。楽しい話だけでなく、世の中には取り返せないものがあること、佐助の過去、小春の嫁入りなど切なさが残るお話もあり、緩急があって良かった。

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    2024年05月13日
  • てんげんつう(新潮文庫)

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    若旦那シリーズ。 鉄板です。 ほのぼの。まあ、色々出てくる出てくる妖たち。 まあさらっと読めるので、いいんだけどあんまり後に残らないがちょっと残念。

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    2024年05月11日
  • おおあたり(新潮文庫)

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    [1]その人にとっての「おおあたり」とはなんだろうか? なんかとってもすごいことにちがいない。でも「おおあたり」はまた「おおはずれ」にもなりうるんやなあ、なんでも二面性はあるもんなんやけど。
    [2]栄吉の作った菓子が大ヒット(餡は入っていない)したんやけど。/長崎屋にやってきた当時の仁吉と佐助だがいきなり坊っちゃんが行方不明。
    [3]解説代わりに日本橋の老舗榮太樓總本鋪(東京には馴染みがないので知らなかったけどお菓子屋さんのようです)の大だんな細田安兵衛相談役と著者の興味深い対談がありました。

    ■この巻の簡単なメモ

    【おおあたり】栄吉が餡ははいってない「辛あられ」ではあるが美味しい菓子を作ることに成功、ヒットするのだがなぜかややこしい事態が勃発する。「大あたり」について書かれたよみうりが。
    【長崎屋の怪談】場久が「大あたり」を枕に、男が後をつけられる怪談噺を語った後自分も誰かにつけられている感覚、それを捜査した日限の親分もまた誰かにつけられている感覚。あと鳴家に心臓があることが発覚。とりあえず動物なんや?
    【はてはて】貧乏神の金次がたまたま手に入れた富くじが大あたりだったが偽物の疑いが出て金次も若だんなも早々に辞退したが事はそう簡単には終わらなかった。《使いに行くのは、変える場所があるからだな。》p.196
    【あいしょう】仁吉と佐助が神の庭にいた頃から始まる。互いに不信感を抱いていたが。小僧の姿で長崎屋に入ったその日に坊っちゃんが行方不明に。どうやら同じくらいの年齢の子どもを助けようとしたらしい。
    【暁を覚えず】猫又の薄墨が持ってきた妙薬は一日寝込めば一日元気に動けるというもの。働きたい若だんなはそれを飲み眠り始める。その間に若だんなについていく者を決めるための賭けに栄吉の饅頭を使い阿鼻叫喚の? 地獄絵図が…

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    2024年05月07日
  • なりたい(新潮文庫)

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    [1]歓待の礼に願いを聞いてやると神様たちになりたい職業を聞かれた若だんなの返事は?
    [2]何かに「なりたい」者たちの五つのお話。それぞれひねりはあまりないけどその分ゆるーくたのしめます。
    [3]番外編の明治期の話にリンクする?

    ■この巻の簡単なメモ

    若旦那、薬販売に乗り出す。《他の人と同じやり方じゃ、私は生きてゆける程、稼ぐ事は出来ないって分かった》p.28。その材料を提供してくれるであろう甚兵衛さんは引き換えに、空を飛びたい、ひいては妖になりたいとか言う。

    「江戸甘々会」という菓子の集いで男が殺されたが死体がなくなった。

    猫又のいる手拭いの染屋と猫又のボスの座争い。

    長崎屋の女中、おようはとんでもなく厄介な子どもがいる男と世帯を持ちたがった。

    一太郎同様病弱だった茶問屋の大店古川屋の息子万之助が死んだ。葬儀のバタバタの最中、万之助の妹お千幸(おちさ)が行方不明に。相思相愛の糸物問屋塩浜屋の弥曽吉さんのとこにいるのでは? 《一つの事が、ありがたかったり、困り事だったり。物事は不思議です》p.340

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    2024年05月05日
  • まんまこと

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    ネタバレ

    畠中さんの作品は初めてでしたが、面白い!マジで。
    どれくらい面白いかというと、早速続編を購入したほどです。

    ・・・
    舞台は江戸。お上に訴え出るほどでもなく、長屋の住民同士で解決できる範疇を超えている、そうした「中くらい」のいざこざ・もめごとは、町の名主が裁定していたという。家の玄関前で裁定していたので、そうした名主を「げんか」というとのこと。

    主人公は神田界隈の名主の跡取り息子、麻之助。
    これがまた、16歳の時まではしっかりした子だったが、突然「真面目さ」をどこかで失くしてきてしまったかのようにチャランポランになってしまった。

    この麻之助と、女性に事欠かないイケメン色男清十郎、そして堅物の同心見習の吉五郎。彼ら三人が織りなす、エンタメアクション系+推理系人情系時代小説?

    ・・・
    さて、本作のどこがよいか、というとやはり主人公なのです。

    決断が遅いとか、責任を持ちたくないとか(結婚とかいや)、実家住まいながら、我儘言い放題のちょっと面倒な若者笑 ただ、心の奥底ではとても素直で真面目、そして茶化しながらも筋の通った裁定を時に親の代わりに下したり。

    何というか、ギャップ萌え的というのでしょうか。

    そして、全編通じてじわじわと描かれる、敗れた恋への後悔。そう、きっと麻之助をチャラチャラへらへらに変えたのはその失恋!

    そして、その対象がめっちゃ近くにいたりするのです。このあたりも見ものです。

    ・・・
    ちなみに内容は、連篇となっており、少しずつ前後に関係があります。

    各話で事件が起こります。「この子はあなたの子よ」とか、堅物の半ボケ老人が昔の恋(架空)を語るうちに本当にその恋人の娘を騙る女性が出てくる、とある植木が誰のものか、親友清十郎の弟が誘拐される、とか。

    こうしたトピックが、「まんまこと」「柿の実を半分」「万年、青いやつ」「吾が子か、他の子か、誰の子か」「こけ未練」「静心なく」の六篇構成に散らされ、ある意味テレビドラマのごときの印象でありました。

    ・・・
    ということで、私にとって初の畠中作品でした。

    ハマる雰囲気たっぷりです。麻之助とお寿ずの偽装結婚が、本当の恋になるのではと期待しつつ、次の作品は少し時間をおいてから読もうかと思います。

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    2024年04月30日
  • もういちど(新潮文庫)

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    しゃばけ20周年の年に刊行された記念すべき20作目の短編集、と解説に書いてありましたが、なるほど、それで「もういちど」かぁ〜と思い、私が「しゃばけ」に出会ってからはそんなに立たないけど、もう20周年なんだーと、感慨深いものがありました。
    今回は、若旦那も生まれたての赤ちゃんに戻って、もういちど生き直す間に起こるお話を描いています。
    なんと、今作では若旦那が普通に元気な子になって、今までできなかったお友達と走ったり、剣術を習ったり、楽しい日々を過ごします。
    普通にこの歳まで元気な私には想像でしかないけど、ずっと病弱な若旦那が元気になる、それは何物にも代え難い貴重な嬉しい体験だったと思います。
    結局元に戻ってしまうけど、10ヶ月の体験は若旦那にとっても、妖たちにとっても、とても良い思い出になったと思うし、
    最後にいろんな想いが交錯して涙が止まらなくなるけど、そこからまた自分の人生を若旦那ならちゃんと生きていけるだろうと思います。
    この先もまだまだ寝込みつつ(笑)いろんな体験を重ねていってくださいね。
    また次作を楽しみにしています(^^)

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    2024年04月27日
  • 若様とロマン

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    ネタバレ

    若様達がお見合いをすることに。
    沙羅さんとの関係はどうなるの?と思って読み始めたけど…結局なんの進展もなく、それぞれの道に歩み始めたところでおしまい。その後がいろいろ気になる終わり方。続くの?
    今まであまり個性がわからなかった小山、小沼がメインのお話がなかなかよかった。

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    2024年04月20日
  • 若様組まいる

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    タイトル通り若様達がメインのお話。『アイスクリン強し』より少し前、若様達が巡査になる為に入った教習所でのアレコレ。予想通りトラブルしかない。『アイスクリン』でもっと活躍して欲しかった若様達の人となりや関係性がわかって、とても面白かった。薩摩組や平民組の面々も個性的で、この後のシリーズにも出てきて欲しい。登場した時にはアクが強すぎて圧倒的に嫌なキャラだった幹事が、ラストではとても好きになっていた。

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    2024年04月16日
  • いわいごと

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    町名主、町役人という江戸時代の行政機構を知ることもでき、面白い。
    麻之助の気持ちの良さもかわらずだが、町名主であるが故の問題とがあったり。強引ながらも、話をまとめていく、ところなんかは、参考にもなる。反対だけの意見はだめですよ。か。

    まあ、縁は異なもの。
    まさかの展開でお相手が見つかるのも楽しい。

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    2024年04月14日
  • つくもがみ笑います

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    <目次>
    略

    <内容>
    つくもがみシリーズ最終巻。物語は一気に展開していきます。最終的には江戸幕府を巻き込むお話へ…。ストーリーとして尻すぼみ感もあり、つくもがみを含めてキャラクターをうまく使えたとも思えない(十夜や春夜の謎も解けていない)が、それなりの方向でまとまったのではないか?

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    2024年04月11日
  • おおあたり(新潮文庫)

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    相変わらずおもしろい、しゃばけシリーズ。
    何かに「おおあたり」は良いことも悪いこともあり、しかも大抵は悪いことの方が多いのかもしれない。欲張らず、悪事を働かず、程々に幸せな日々、平穏な日常が何より尊いよね、という気持ちになった。

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    2024年04月04日
  • いわいごと

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    ネタバレ

    ものすごく完読までに時間がかかりました(・・;)
    単純に他の本に浮気していたり、忙しかったからなんですが……。

    解説の大矢さんではありませんが、まさに人生は予定外の連続。

    今回で落ち着くところに落ち着いたという感じですが、次巻では赤子も生まれることですし、また予定外の物語が続くのでしょうね。

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    2024年04月03日
  • もういちど(新潮文庫)

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    病弱な若旦那がもし元気だったら。
    そんな設定で子どもの頃からの若旦那の夢が叶ってるストーリー。読んでいて微笑ましい風景が目に浮かぶ。
    最後は元にもどるのだが、その経験はけっして後悔や夢のままではない。若旦那の成長を実感する作品。
    できれば関わった個々の事件の結末も知りたかった。

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    2024年03月28日
  • いわいごと

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    このシリーズも8冊目。購入は文庫本にしているので、文庫本化までは長い。オール讀物の連載も不定期なので、前の方を忘れてしまうのが難点。
    このシリーズはお気楽な町名主の息子の麻之介が推理して事件を解決して行く。今回も頼りなさそうに見えて最後は何とか解決する。その過程で友人達や有力者達の力を貸して貰う。
    友人の吉五郎の縁談では、事件の真相を暴いたものの遅きに失した。自分の再婚は思わぬ方向に。
    意外な結末もこのシリーズの楽しみ。

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    2024年03月20日
  • もういちど(新潮文庫)

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    もういちど/おににころも/ひめわこ/帰家/これからも

    赤ん坊になってしまった?! 若だんなが?!
    子供時代をもう一度? それは嬉しいこと??

    見守りますよ 私も。若だんなの気持ちがどう変わるかも ね

    読み終わって、少しほっとしている気分です

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    2024年03月13日
  • 若様とロマン

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    本作でおそらくこのシリーズも一段落となるのでしょう。
    最初の頃と比べると格段に成長した若様たちや沙羅さんの様子や、また早熟ながら乗り遅れ気味だった真次郎も最後に思い切った決断をしたところなど、若者の成長がこの時代ならではのエピソードを上手く交えて描かれており、読んでいて本当に楽しい作品でした。
    他にも明治が舞台の作品を探してみよう。

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    2024年03月09日
  • たぶんねこ(新潮文庫)

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    いつもより、少し頼り甲斐のある若旦那。
    病弱だけど、度胸があって、懐が深い若旦那の活躍が見れてほっこりした。

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    2024年03月09日
  • ひなこまち(新潮文庫)

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    安定のしゃばけシリーズ。
    通勤電車で読んでいたけど、ほっこりした気持ちになれて癒された。
    連ドラを見ているような、映像がありありと浮かぶのは本当にすごい!ネッフリで連ドラして欲しい。

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    2024年03月06日
  • いちねんかん(新潮文庫)

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    ネタバレ

    <目次>
    略

    <内容>
    若だんなの両親が遠く別府に湯治に行ってしまった。若だんなと妖たちで長崎屋を1年間守らねばならない。なのに、上方の薬種問屋から変なお誘いがあったり、疫鬼や疫病神(貧乏神では無い!)が襲ってきたり、強盗団に店が襲われたり、店はてんやわんや…。屏風のぞきや貧乏神の金次が店を手伝いながら、この難局を乗り越えていく若だんな。だんだん大店の店主の風格も身につけ始めてきたね!

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    2024年02月26日