畠中恵のレビュー一覧
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しゃばけシリーズの第4巻。
今回もとても面白く、一話一話じっくり味わいながら読み進めました。
妖からも忌み嫌われる存在として描かれる「コワイ」の孤独には、思わず胸が締め付けられますし、厚塗りの化粧で心を守っていた娘のエピソードには、人が抱える弱さや切なさがにじんでいて印象に残りました。また、体が弱く碌に遊べもしなかった子供時代の若だんなが、「知恵」を使うことで自分にもできることがあると気づく場面は、このシリーズらしい温かさを感じさせてくれます。
表題作『おまけのこ』では、小さな妖が繰り広げる大冒険が描かれていて、どこか微笑ましく、そしてじんわりと心に沁みる物語でした。読み終えたあと、なぜだ -
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しゃばけシリーズの第3作目です。
今回も、とても読みやすく、面白かったです。
時代ものではありますが、ファンタジー小説でもあり、そして、人死にも出てしまう捕物帳でもあるのが、とても興味深い。
短編が5つ収められたこの本ですが、タイトルの『ねこのばば』よりも、『産土』の方が、心に残りました。
妖である犬神、佐助のお話。
これは、絵柄が無く、声も聞こえない、小説ならではの手法だなぁと、見事に騙され?ました。
読んでいる途中、ちょっとした違和感はあったのです。
あの人がこんな態度を取るかな?とか、なんで、もう一人の相棒とも言うべき妖、仁吉は出てこないのかな?とか。
最後まで読み進めて、そして、全てが -
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人から聞いた話で判断すること、自分とは関係ないことに執着すること、正義をかざして誤魔化すこと、どれも今の時代を表してるなーと思いながら読みました。
長崎屋の話も長くなってきたけれど、はなれが妖にとって快適だという噂が津々浦々にまで広まっているとは。
妖たちは働いたり長崎屋や若だんなのためになってるということだけど、最初の方はもっとゆったりいるだけでいいという感じだったのにな、とは思いました。
生産性向上が求められるようになった時代の流れ?笑
(実際はのんぜんだらりとしてるだけではお話にならないからだろうとは思うけど)
それに家鳴も最初の頃は小さいけどそれは恐ろしい見た目だった覚えがある。
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Posted by ブクログ
今回初めて文庫でなく単行本で読みました。まだ文庫になってないからね。いよいよ次で既刊は最後。さみしくなるなぁ。
さて、たいてい一番最後のお話が一番よかったと思ってる気がします。
連載→単行本化だからたまたま?あるいはここらで本になるなと見越して書いておられるのかな?
舞台は江戸時代だけど、現代劇のようなものだから当たり前かもしれないけど、今に通ずることが多い。
「里を捨てると自分を覚えていてくれる人がいなくなる」というセリフにはドキッとしました。
今は人と色んな繋がり方があるし、昔と比べたら毒親なんかと縁を切るのも容易になったように思うけど、それでもさみしい人、多いよね。
結局人心なんても -
Posted by ブクログ
ネタバレしゃばけシリーズに長編は少ない。第1作『しゃばけ』、第5作『うそうそ』、そして第22作である本作『いつまで』が、長編としては3作目である。今回は、一太郎が5年後の江戸にタイムスリップするというのだが…。
薬種問屋長崎屋で、人間に溶け込んで暮らす妖たち。そんな一太郎の仲間のうちの2人、噺家で獏の場久と、医師の火幻が姿を消した。彼らは悪夢の中にいるという。西国から来た「以津真天(いつまで)」という妖に原因があるらしい。
2人はシリーズのレギュラーの中では新参者であり、特に火幻の加入(?)はつい最近だが、そんなことで分け隔てする一太郎ではない。仲間思いの一太郎は、迷わず悪夢の中に飛び込む。