畠中恵のレビュー一覧
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江戸を舞台に、妖(あやかし)たちが活躍するファンタジー小説、『しゃばけ』シリーズ。
年一作のペースで発表されているこのシリーズを読むようになって、すいぶんな年月が経ちました。
Audibleにラインアップされていることに安心して? しばらく聴いていなかったところ、未読の作品が溜まってしまいました。
遅ればせながら、第21弾のこの作品を、読むことにしました。
繁華な商店が立ち並ぶ、江戸の中心部。
そこに店を構える大店「長崎屋」の若だんなに、相談事が持ち込まれます。
その相談とは、「商売で取引のある相手に迷惑をかけてしまった」「お詫びの印に贈り物をしたいと思うが、何が良いか」というもの -
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ネタバレ誰か誰か誰か、己の側に居て。どこへも行かないで。頭を撫でて。
祈るようにそう願っても、時は人をあっという間に連れて行ってしまう。
守狐がよく出てきて嬉しい。
赤子の若だんながふさふさの尻尾を掴みたがって揃ってせっせと尻尾を振って気を引いていた描写がかわいすぎた。
遂に決まった許嫁も、もともと於りんちゃんになることを知ってたのだけれど理由は知らず疑問に思っていたので読み終わったときにとても納得した。
仁吉と佐助の決断は意外にあっさり読めた。
えどさがしの『若だんなに違いない人』は鈴彦姫の鈴を持っていたということなのだろうか。
でも兄やたちが離れないでいてくれてやはり嬉しい。
そして最後の山童の -
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ネタバレ「神は人に、時に、置き去りにされる」
若だんながふとしたきっかけで目の光を失う巻。
仁吉が困る姿は珍しいような気がするのと、もしかしたら馴染みの妖たちもおぎんみたいに誰かと添い遂げる可能性があるのかもと少しだけ思った。
妖たちが若だんなやおたえを守って大事にしている図が大好きなので、守狐に文句を言われる手代二人の図もかわいいし、生目神を壺で生け捕りにする発想は兄やたちの堪忍袋の緒が切れただけのことはあるなと面白かった。
シリーズ全体の根底に妖と人間は同じときを永遠に生きてはいけないという無常があるから、河童が小ざさの人形を持って行ったのも切ない。
ころころろと転がる銭を追いかける小ざさのよう -
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越前大野藩は明治になった折に、借財がとても少なかったという。たった4万石、実高2万8千石にしては異例。その要因を取材して構成された作品になる。
身をもっての戦いなどの場面はないものの、借金を返すための事業やら、そのせいでの軋轢、成功させるための大きな博打!など。
生きる上で現在でも行われる経済的な戦い。
武士は金に頓着せぬ物といい、金勘定に長けた人を下に見る風潮があった。そんな中、藩の歳入の10倍にもなる借財を返して事業をおこしてお金を稼いでいく。刀での戦いよりよほどしんどい努力が必要だと思った。
無理難題のような新企画を打ち出す殿だが、種痘や洋式軍備の必要性など、未来への嗅覚はとても鋭い。そ -
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まんまことシリーズ第十弾。
町名主の、町名主見習いの多忙さはあれど、
更に圧し掛かるのが避けられない相談事の多さ。
揉め事、縁談、盗難事件など、今日も麻之助は知恵を絞る。
ふじのはな・・・高利貸しの丸三もついにお虎と祝言を
あげることに。だが幸いに便乗する者の影が。
そして相馬家でも困りごとを抱えていた。
おとうと・・・舅の金吾が大怪我をし、湯治へ。17歳の義弟の
金一がまずはひと月、町名主代理になることに。
更に吉五郎を悩ませる猫探しもあり、麻之助は大忙し。
ああうれしい・・・“思いがけない相談”は“ああ嬉しい”と
思ってみたいという願いをかなえること、その難問に
悩 -
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ネタバレ今回の若だんな・一太郎をとりまく妖怪やら事件譚やらにも、するすると江戸のまちなかに誘い込まれてしまった。
兄・松之助の奇妙な縁談が発端となった『茶巾たまご』、下手人がこのシリーズで初めてかもしれないサイコパスみのあるオチでぞっとする。長崎屋の周辺にはいそうにもない、人間の闇が見つめてくる感じが差し込まれてぎょっとしたというか。そこから一転、『花かんざし』の結末は悲しかった。精神病的なもの、江戸の時代ではより偏見も強いから「狐憑き」の目線はシビアだったはず。
『ねこのばば』で再登場した広徳寺の寛朝さん、やはりすごく良いキャラである。自信に満ち溢れた人柄であるが、今事案の背景があかされるに伴い徐々