畠中恵のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「まんまこと」シリーズ6作目。
前に登録したはずが消えてしまったので、確認のため文庫で再読。
基本的な設定については、単行本の感想で書きました。
登場人物が多くて、ちょっと、書き足りないので‥
町名主の息子の麻之助と、隣町の清十郎、同心見習の吉五郎は幼馴染。
両国界隈にたむろする若者の頭の貞も含め、いい付き合いが続いています。
「わかれみち」
麻之助たちの幼馴染で、二つ年上のお由有。
少年の日、ほのかに恋していた麻之介だったが、お由有は清十郎の父の後妻に決まってしまった。
それから数年。
お由有が年の離れた夫を亡くしたら、かって付きまとった男が江戸に舞い戻ってくる。
お由有の父である札差の大蔵屋は、怒り心頭で今度こそ決着をつけると‥
両国の大親分・大貞とその息子の貞も加わり、大人たちは息子世代に、こういう時のやり方を見せることに。
「昔の約束あり」
麻之介と清十郎は、同心見習の吉五郎の上司で怖い義父・相馬小十郎を訪ねる。
吉五郎が突然、町中で見知らぬ娘に千里眼が勧めた婚約があると言い立てられたのだ。
清十郎の新妻・お安、札差の妾・お虎、吉五郎の義父の娘・一葉が活躍。
「言祝ぎ」
吉五郎の姪で16の「おこ乃」に突然三つの縁談が来た。その理由とは。
早くに亡くなった妻「お寿ず」によく似たおこ乃に、麻之助は淡い想いもあったが、あまりに似過ぎているために抑えていた。
「黒煙」
大火事のさなか、幼い双子を救った麻之助。
主の子がなぜ取り残されていたのか? その成り行きは‥
「心の底」
花梅屋のお浜は、相馬小十郎の伯母。
お浜の孫であるお雪の許婚が、江戸に戻らず行方不明に。
麻之助が探すために駿河へ旅に出ることになったら、お雪とお浜も同行すると言い出す。
活発なお雪に、振り回されながら、少し惹かれる麻之助。
「ひとめぼれ」
吉五郎の許婚の一葉は12歳。数えなので今でいえばほんの10か11。本人は大人のつもりなのですけどね。
吉五郎は一人娘の一葉とゆくゆくはという約束で養子に入ったが、一葉が幼過ぎるため婚約は内々の話だった。
相馬家に出入りする若者に、一葉は‥
幼い初恋の行方が切ない。
吉五郎も、一葉に恋をしているほどではないにしろ、切ないよねえ‥
元気な女性たちの活躍が目立ちましたね。
頑固で強い同心の相馬小十郎さまが、なんだかんだ言って、カッコいい!(笑)
結婚は親が決める、家を継ぐのは子供のうち一人だけで他の子は結婚も難しい、など。
当時の制度のややこしさ、理不尽さ。
さらには、結婚して生計が成り立つかどうかという問題も。
それでも人の相性もあれば、惚れたはれたももちろん、ある。
どの縁が成就するのか‥
現代でも、結婚が上手くいくかどうかは、様々な要因あってのことでしょうが。
最初から無理!と諦めるほどの抑圧は、そんなにないでしょう。
過去の制度や習わしは、この方がいいと当時は思っていたということ。
でも状況が変わったり、無理が大きければ、次第に変わっていく。
今のあれこれも、後の世から見れば‥ どうなんでしょうね?(笑) -
Posted by ブクログ
〔なぞとき〕あの佐助を血まみれにしたのは鳴家? まさかね。若だんなは《佐助には、見栄を張らない強さがあるから》たいしたことではないのだろうと心配はしておらず皆でその原因探りの賭けを始める。
〔かたごごろ〕おしろの三味線の弟子、小島屋のお照の縁談が破談になったのはなぜ? ふたたび謎解き合戦が始まる。
〔こいぬくる〕鍵好きの仔犬が迷い込んできた。
〔長崎屋の怪談】妖たちに気付かれず若だんなの枕元に立った女(の幽霊?)や逃げ出した蕎麦や天麩羅(のタネ)。
〔あすへゆく〕藤兵衛から、今度長崎屋を辞めることになった三人の相談相手を命じられた若だんなだが、それぞれ面倒事が持ち上がる。
〔感想〕今回のテーマは「なぞとき」? でもいつもそうやからなあ。 -
Posted by ブクログ
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江戸を舞台に、妖(あやかし)たちが活躍するファンタジー小説、『しゃばけ』シリーズ。
年一作のペースで発表されているこのシリーズを読むようになって、すいぶんな年月が経ちました。
Audibleにラインアップされていることに安心して? しばらく聴いていなかったところ、未読の作品が溜まってしまいました。
遅ればせながら、第21弾のこの作品を、読むことにしました。
繁華な商店が立ち並ぶ、江戸の中心部。
そこに店を構える大店「長崎屋」の若だんなに、相談事が持ち込まれます。
その相談とは、「商売で取引のある相手に迷惑をかけてしまった」「お詫びの印に贈り物をしたいと思うが、何が良いか」というもの。
この問題を解決しようと、長崎屋に住まう妖たちと一緒に、若だんなは事情を探りに行きます。
しかしそこで、若だんな一行は騒動に巻き込まれてしまって・・・という始まり。
本作も5つの短編小説で、構成されています。
いずれの短編も、長崎屋や若だんなの周りで騒動が起きたり、相談事が持ち込まれたりというのが発端。
それらの問題の解決に奮闘する、若だんなと妖たちの姿が描かれています。
今回もその成り行きを、楽しく読ませていただきました。
そして、このシリーズを通してのテーマとも言えるのが、「人の役に立つ」ということ。
体が弱く、すぐに寝込んでしまう若だんなですが、それでも健気に問題解決にあたる姿に、心を温めてもらいました。
ラジオドラマを聴いてるようで、このシリーズはAudibleにマッチしていますね。
新たなキャラクターも登場し、今後の展開も気になるので、次の作品も間を空けずに、Audibleで聴こうと思います。
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Posted by ブクログ
ネタバレ誰か誰か誰か、己の側に居て。どこへも行かないで。頭を撫でて。
祈るようにそう願っても、時は人をあっという間に連れて行ってしまう。
守狐がよく出てきて嬉しい。
赤子の若だんながふさふさの尻尾を掴みたがって揃ってせっせと尻尾を振って気を引いていた描写がかわいすぎた。
遂に決まった許嫁も、もともと於りんちゃんになることを知ってたのだけれど理由は知らず疑問に思っていたので読み終わったときにとても納得した。
仁吉と佐助の決断は意外にあっさり読めた。
えどさがしの『若だんなに違いない人』は鈴彦姫の鈴を持っていたということなのだろうか。
でも兄やたちが離れないでいてくれてやはり嬉しい。
そして最後の山童の「何で?」には胸が苦しくなった。
「何で自分にはないの?」という羨望や悲しみ、悔しさ、嫉妬など色んな気持ちが湧いてくるのは妖も一緒なのかと思った。
全員を助けることはできない。