畠中恵のレビュー一覧
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安定の面白さ。
わたしの読書ノートをみたら、毎年一月あたりにこのシリーズが読みたくなるのか?わからないけど、去年のこの時期も若旦那シリーズ読んでた。
なんだろ、正月気分にぴったりなのかなぁ。
新人賞からこのしゃばけシリーズが始まって、今の今までずっと描かれるこの世界ら、すごい。最初からこういう構想だったのかなぁ。
すごいなぁ。壮大な世界。
わたしはやっぱり小鬼が好き。仁吉も好きだなぁ。
貧乏神の金次もこんな出会いで若旦那とつながってたなんて!!!!!!
と、驚きの短編でした。
毎度、毎度、若旦那と妖たちのふれあいの中、いろんな人たちの人生相談なりを解決していく流れに呑まれて、ついつい先が気になってあっという間に読み終わる本です。
心が荒んだときなんかに、オススメです。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ明治20年、東京浅草の東春寺は相場師も兼ねるユニークな僧侶・冬伯と弟子の玄泉が切り盛りしている。そんな中、檀家から舞い込むよろず相談に応えていてた。
お気に入りは「維新と息子」。
老舗の北新屋の跡取りの昌太郎は、産まれた時に同じ時に男の子を産んだ小間物屋・井十屋の奥さんが出産で亡くなり、昌太郎の母が母乳をあげていた。それを姑に見られて我が子だと主張しているのと逆の子を跡取りだと言われて、姑と大揉めになり関係が悪化。悪がった井十屋は産まれた子供を引き取りにきたが、その事が後々事件に発展し…
結局、どちらが本当の昌太郎なのかは解らないけれど、井十屋の息子の文吉が借金を抱えている事実が発覚。それでも嫁と子供を守るためにその借金を肩代わりしてでも実家と縁を切った昌太郎が格好いい。冬伯げそのお金を貸してくれて、尚且つ書面でしっかり残すアドバイスをくれたのも良かったです。
ひょうひょうとしててもきっちり物事を見極める冬伯の裁きは見事でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ毎年きっちり同じ時期、7月に新刊が、12月に文庫版が刊行されていたしゃばけシリーズだが、本作は7月に文庫版が刊行されていた。なお、12月には文庫オリジナルの短編集『またあおう』が刊行されている。
「てんぐさらい」。天狗の姫様が、長崎屋の手代の仁吉と添いたいという。一太郎の祖母に当たるおぎんが絡んでいるらしいが…。勝負の結末は、潔いというか何というか。それより、中屋の災難の方が大変じゃないか、おい!
「たたりづき」。詳細は省くが、一太郎に祟りの始末をしてくれという。嗚呼、引き受ける義理もないのに。話が進むほど、手を引きゃいいのにという気がしてくるが、いつものことか。昔も今も、人間とは噂好きなことよ。
「恋の闇」とは何やら剣呑なタイトルだが、現代風に言うならのマッチングサービスの話とだけ書いておこう。本人は登場しないのに、三春屋の栄吉のこの扱われ方は気の毒ではないか。中屋さんによい縁談があるといいですねえ。
「てんげんつう」。未来や人の心まで見通せる「天眼通」を名乗る男が、この能力をなくしたい、いややっぱり失いたくない、どっちやねん。一太郎に厄介事ばかり持ち込まれるのは、お約束だけどさ。逆に妖になりたいという話もあったっけ。
「くりかえし」。病弱な上に数々の災難に遭ってきた一太郎だが、これほどの災難があっただろうか…。鰯の頭も信心からっていいますけども。またしても長崎屋には関係ないとばっちり。競争するならフェアにやってもらいたい。
全5編に共通しているのは、妖よりも人間のやることの方が怖いということだろうか。一太郎の許嫁の於りんがいる中屋の大問題を始め、人間の欲や怨念には限りがない。いつもながらの安心感もあるが、一味違う今作であった。
文庫版解説は、ウェブ書評で昔から有名なタニグチリウイチ氏だが、なるほど納得する点もある。一太郎本人が病弱で動けなくても、妖という実働部隊がいるから、手段があるから、色々首を突っ込んでしまうのだろうねえ。