生まれ変わったら何になりたいか。
神から若だんなへの問いかけに対する答えを出すまでの短編集。
今回は複数の問題を一気に解決する若だんなの機転と問題解決能力の高さが発揮された。
短編だけど、下手なミステリーより面白い。
妖になりたい…前の巻で婚約者ができた若だんな。これを機に長崎屋の仕事をしようと新しい薬を考えることに。薬に必要な蜂の巣を扱う甚兵衛は珍しい物を見たいという変わった人物。今度は妖になって空を飛びたいという彼の願いをに頭を悩ませていると、前の巻で僧の弟子となった天狗の黒羽坊の友、赤羽坊が現れ、妖になれる薬があるなら黒羽坊の羽も治せと詰め寄り甚兵衛を連れ去ってしまう。どうする長崎屋!?
人になりたい…菓子の会が行われる百屋の離れで会のメンバーが倒れている…と思って人を呼びに行ったら血塗れになっている、で、岡っ引きを呼んできたら死体が消えている!謎づくめの事件の第一発見者が若だんなの友、栄吉が働く店の主人だったものだから、彼がいる店が変な噂で傾く前に事件解決に(妖達が)動く。
猫になりたい…死んで猫又に生まれ変わった春一が、弟が継いだ店の経営を立て直す策を長崎屋に相談に来た。一方、戸塚宿の猫又達の長を虎と熊市どちらにするかを、若だんなに決めてもらおうと江戸までやって来た。戸塚の猫又達に手拭いを買ってもらいたいが、長が決まらなければ勝手はできない。どちらが猫又の長になるか、春一を行司として勝負が長崎屋にて始まる。
親になりたい…子ができなくて離縁された長崎屋の女中が柿の木屋の主人と見合いをすることに。ただ、相手の連れ子の三太が妖であり、子供の周りには怪異が起こると噂になっていた。そんな中で三太の父親を名乗る人間の男も新たに現れる。
見合いの行方と、怪異の原因と、偽りの親を名乗る男の正体は?
りっぱになりたい…若くして亡くなった長崎屋の近所の古川屋の長男、万之助が霊となって若だんなの前に現れた。野辺送りまでに、夢枕で両親を安心させる言葉を残したいという。そんな万之助の通夜の前に、妹の千幸が行方不明となり、30両を要求する脅迫文が。万之助の願いや千幸の行方はどうなったか。