畠中恵のレビュー一覧
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ネタバレ毎年きっちり同じ時期に、新刊と文庫が出るしゃばけシリーズ。第15作になりましたか。序盤、一太郎は「おおあたり」という言葉について考える。いいことを指すとは限らない。くじに当たるなら嬉しいけれど、食当たりは勘弁願いたい。
「おおあたり」。菓子屋で修行中の一太郎の盟友・栄吉が、あられを作ったところ評判になる。ところが、似た商品が出回るようになり…。パクリ騒動の一方、栄吉はある決断を迫られることになる。栄吉が餡子をうまく作れる日は、来るのだろうか。
「長崎屋の怪談」。噺家は仮の顔、正体は夢を食らう獏。そんな場久はもちろん妖なのだが、誰かに付けられていると訴える。噺家として技量が高いだけに、 -
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アニメを途中まで見て疑問がわいたので、途中だけど原作に手をつけてしまった。
結果、大正解。
アニメ面白くなかったな、という人にほど読んでほしい。
この作品の何がよいかというと、つくもがみたちが、人からすれば身勝手で傲慢に見えるけれど彼らなりの決まりや秩序を守って過ごしているのがわかるところ。
このところ人間に友好的な妖怪の話ばかり見ていたせいで忘れていたけれど、種族(いや種別?)が違う存在というのは、そもそもの常識が異なる。この作品でそれを思い出させてもらった。
つくもがみたちの自由で身勝手で気ままに見える振る舞い、いいなあ。それをお紅と清次がきちんと踏まえているのもいい。
ふたりの行く -
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江戸の薬問屋長崎屋の若だんなと妖たちがおりなすユニークな日々の物語、しゃばけシリーズの外伝だった。
●五百年の封じ絵
●太郎君、東へ
●たちまちづき
●親分のおかみさん
●えどさがし
印象深いのは、佐助とおぎんさんの五百年ごしの約束がつづられた「五百年の封じ絵」と、明治時代になって生まれかわった若だんなとのめぐりあいを待ち続ける仁吉を筆頭とする妖たちの物語「えどさがし」。
佐助、仁吉という二人の妖の兄やたちと長崎屋との繋がりがこの作品で明確にされていて感慨深かった。河童の禰々子と利根川の化身坂東太郎との物語「太郎君、東へ」も興味深い。5つの短編は、脇役にすぎなかった登場人物が主人