宮内悠介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
感想
今を生きる人の伝記ってすごい。しかもなんでエストニア?と思いきやフィクションだったのね。途中までノンフィクションかと思っちゃった。
リアリティ溢れる温かい話。
あらすじ
デジタル国家と言われるエストニアに1977年に生まれたラウリ・クースクの一生について綴る。
ラウリは小学三年生の頃に、プログラミングで鉄屑集めのコンピュータゲームを作る。
中学に入り、コンピュータゲームのコンペで1位を取ったイヴァンと出会い、お互い切磋琢磨する。バルト三国の独立の機運が高まり、ロシア人のイヴァンはレーニングラードに帰る。
学生時代にロシア側に加担し、親友のカーティが独立運動で怪我をしたことでプ -
-
-
-
Posted by ブクログ
2回「え?気づかなかった!」といううれしい驚きを挟んで、結末はすっきりしていて良かった。
暗い歴史が背景なので「ラウリ・クースクを探して」も会えないのではないかと思っていた。
ラウリ・クースク、イヴァン、カーチャそれぞれに国の歴史、現状によって(と言ったら言い過ぎか)不自由さを抱えている。大人になった今、それはそれとしてできる範囲で自分の能力を活かし、社会で活躍している。大人になるというのはそういうことなんだと感じた。かけがえのない子供時代がそれを支えているとしたら、この3人はそういう意味では恵まれていた。
とはいえ、国の運命で自分の人生が変わってしまうのは嫌だ。大きな圧力にさらされないで生き -
Posted by ブクログ
ネタバレ2024/03/05予約 78
読むまで、エストニアがIT先進国だと知らなかった。エストニアのマイナンバーカードは、ほぼなんでもできる、故にそのデータベースを使って個人的な興味本位の調べ物はできない。という認識のもと仕事に就いている人が多いのか?
日本でここまでのデータを正しく運用できるのか心配に思う。
エストニアで生まれたラウリ・クースク。プログラミングを通して親友になったロシア人イヴァン。エストニアの独立を夢見るカーテャ。
3人は出会い、尊敬しあえる友人になる。
数字だけが友だちだったラウリ。
そうでなくなって、本当によかった。
本の最初から最後まで、爽やかな風を感じられた。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新聞の書評で面白そうだったので読んでみる
自分より少し若い世代が主人公 第一部ではMSXやBASICの話題が盛り沢山で、プログラミングの話を懐かしい気持ちで読む
第二部 バルト三国の独立についてはニュースでなんとなく聞き流していたけど、こんな歴史のことだったのか 自分の不勉強を自覚
歴史的には大きな事件でも、その渦中にある個人には目の前のことしか分からないし、その先のことは分からない
その時に突きつけられた選択、選んでしまった選択肢は自分とは遠い世界のことのはずなのに、誰にでも突きつけられる、他人事としては読ませない流れがとても不思議
第三部 少しドキドキする展開
導入がバッドエンドを