宮内悠介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
表題作の「暗号の子」を含めて8作。SNSやAIなどのテクノロジー関係の話が多い。唯一「行かなかった旅の記録」だけはソフトウェアの話が出てこないがCOVID-19禍でのバーチャルな旅行として含まれているのだろう。SNSの良い点と、それ以上に荒れている点を踏まえたものも多く「ローパス・フィルター」が特に印象深かった。一方で、暗号通貨と合意形成を扱った話もいくつかあり、暗号通貨をよく知らないままに胡散臭いと敬遠していた私の考えを改めさせられる内容でもあった。(でも、暗号通貨に手を出すつもりはない。)AIに書かせた小説も入っていて、それなりに小説の形を成しているのがすごい。(後書きによるとSFマガジン
-
Posted by ブクログ
これはなんていうジャンルになるのだろう。
伝記より深く、小説よりリアルで、けれども文章が美しい。
この世界観がすごく美しくて、ラウリの、そしてこれを書いたイヴァンの心の美しさを表していると思う。
ラウリの物語かと思いきや、それを追う記者の視点があって、それがまさかのイヴァンという第一の驚きも束の間、実は数々の伏線が貼られていたなんてっていう第二の驚きが大きくて。
ミステリー系好きからすると、この文章構成はずるい。。。
題名もとってもいいし、、、。
それにまた歴史小説でもあるっていうところが本当にすごくて、こんな薄いものなのに、文章すっっご!!ってなる。。。
これは、すご、、、くね。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
4.5くらい。
面白かったけど、技術知識についていけないところもあったので。
でも面白かった。
「暗号の子」
表紙がこのヒロインなんだなとわかった。
技術革新と新自由主義。
主人公のような人間はどうやって生きていくべきか、居場所を作るか、守るか、あるいは距離を取るか、な話かなと感じた。
「偽の過去、偽の未来」
未来予測をするが結局は嫌になってやめる話。
未来にだけ目を向ける娘、過去にばかり目を向ける父が、交差して、互いに調和する。
「ローパス・フィルター」
ツイッターではおすすめ欄があり、アルゴリズムでツイートが流れてくる。
これも一種のローパス・フィルター。
見たいものしか見ないの -
-
Posted by ブクログ
ネタバレ◎暗号の子
web上のリバタリアン・コミュニティ構築の話。父娘の関係が切ない。
◎偽の過去、偽の未来
ゲームの理論の経済学者がゆき詰まったときの父の言葉「決めるべきことは与えられた時代にどう対処するかだ。byガンダルフ」「愚か者どもの言うことに、いっさい耳を貸すな。」これも父と娘
・ローパス・フィルター
〇明晰夢
LSDに代わるARが開発され一時的にSNSでの紛争や鬱病がやわらぐが。
・すべての記憶を燃やせ AIによる小説
・最後の共有地
・行かなかった旅の記録
◎ペイル・ブルー・ドット
宇宙マニアの少年と宇宙マニアだった人工衛星のSEが超小型人工衛星を作る話。「最後までクレージーでいられた人