宮内悠介のレビュー一覧

  • Genesis 一万年の午後

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    東京創元社が、社名の「創元=GENESIS」を冠して二〇一八年に刊行したSF書き下ろしアンソロジー第一集。各作品の前に編者による洒脱な紹介コメントも寄せられていて、「日本の現代SF小説界、作家も出版社も一丸となってこんなメンツで盛り立てていきますぜ」という顔見世興行的な気合いの入りようが感じられる。今のところ二〇二一年の第四集まで毎年刊行が続いているようだ。
    SFに限らず同時代の作家の好きと思える小説に出会えることには、古典名作を楽しむのとはまた違う喜びがある。創元さんの四年前のお薦め、彩り豊かで「ぜんぶ好き」とはいかないが、これだけいろいろ並べて出してくれたことにありがとうという気持ち。

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    2022年03月20日
  • 盤上の夜

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    盤上ゲームをテーマにした短編集

    収録は6編
    ・盤上の夜(囲碁)
    ・人間の王(チェッカー)
    ・清められた卓(麻雀)
    ・象を飛ばした王子(チャトランガ)
    ・千年の虚空(将棋)
    ・原爆の局(囲碁)

    四肢を失った女性
    生涯ほぼ負けなしのマリオン・ティンズリー。
    宗教団体教祖の女性、プロ雀士、サヴァン症候群の少年、一人の女性を追いかける医師
    父親に捨てられた王子
    将棋で現実世界に影響を与えようとする弟、ゲームを殺すゲームを作ろうとする兄、二人の人生に大きく関わる女性
    広島に原爆が投下されるまで打たれていた一局


    ・盤上の夜
    四肢を失う経緯がちょっと……
    ただ、解説でも書かれてある通り、不幸そうでは

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    2022年02月11日
  • Genesis 時間飼ってみた 創元日本SFアンソロジー

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    やっぱりSFは、最高と思わせてくれる。想定外の景色が頭に思い浮かぶ。そして上手く騙された事が心地よい。こんなストーリー考えつくなんて。

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    2022年01月09日
  • 超動く家にて

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    く、く、くだらねえええ・・・。と切り捨ててしまうのは惜しすぎる、バカミスおよびバカSFを16編も収めた短編集です。こういう作品ばかり描かれても困るけど、重たい作品ばかりじゃ書くほうも読むほうも精神的にきついだろうし、たまにはいいんじゃないですかね。一本目の「トランジスタ技術の圧縮」やラストを飾る「星間野球」あたりの、しょーもないところに真剣にコストをかけているあたりが結構好きです。ヴァン・ダインの二十則とかシュレディンガーの猫とか、まあ表題作のネタなんかもそうなんだけど、割とマニアックな題材を扱っているので一般人向けには少々敷居が高くなっているのが難点かな。「今日泥棒」や「かぎ括弧のようなもの

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    2021年11月21日
  • 彼女がエスパーだったころ

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    疑似科学を扱ったルポ形式の短編集で連作っぽくなっています。スプーン曲げ、火を使う猿、ロボトミー手術、ホスピス、新興宗教といったテーマ。疑似科学そのものよりそれを取り巻く人々の考えや行動が物語られています。後半、重いテーマが続きますが、最後はすっきり終わった感じですね。

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    2021年11月18日
  • エクソダス症候群

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    21世紀半ば、火星で唯一の精神病院に赴任した主人公。人手も薬も不足する中で奮闘しながら、病院に隠された自分の過去の秘密を探ります。精神医療の暗部がテーマになっており、巻末にたくさんの参考資料が列記され、作者の力の入れ方が感じられます。

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    2021年11月18日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    登場する歌唱ロボットは初音ミクを意識していると思いますが、DX9はシンセサイザーのベストセラー機DX7の廉価版。あまり売れなかったようでちょっと残念な感じがイメージにあってるのかもしれませんね。?

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    2021年11月18日
  • 彼女がエスパーだったころ

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    ネタバレ

    テーマははっきりしているのにどこかつかみどころのなさを感じました。
    「疑似科学シリーズ」と銘打ってしまえば簡単ですが、科学で解き明かすことが常に最良とは限らないのでしょうか。

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    2021年10月30日
  • アメリカ最後の実験(新潮文庫)

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    事件云々はあっさりとしているので、タイトルから想像すると話は重さがない。けれども音楽とそれに纏わる背景や精神の動きについては精緻で面白い。いい意味で論文的な何かを読んでいる気分だった。

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    2021年10月12日
  • 超動く家にて

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    最高!
    あとがき もいいね
    あのシリアスな作品を書く人が!と、まんまと思わされました

    クスっと笑えるところが満載で楽しい

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    2021年10月07日
  • 超動く家にて

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    面白いSFミステリ。頭のいい人が真剣に巫山戯る。中表示のところのあらすじではない文章からして楽しい。この定型をここに。後世の人はこれもこの時代の文化(深い意味はまったくないが)だと何かで知るのだろうか。

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    2021年08月19日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    廃墟から少女型ロボットが落下する連作短編集。ヨハネスブルグで何千もの天使が空から降り注ぐ。表題作がセンセーショナルで心を掴まれた。紛争、民族、宗教に深く切り込む、伊藤計劃を彷彿とさせるテーマ性。作中での外見描写はほぼ皆無だが、歌姫ロボットDX9は某ボーカロイドを連想させる。 最後の短編、北東京の片隅で歌い続けるDX9に、海に沈む夕陽のような美しいものを感じた。

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    2021年07月14日
  • あとは野となれ大和撫子

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    星雲賞だっけか?で読んだと記憶している。
    舞台設定は確かにSFだけど、登場人物たちがみんなまっすぐで、さわやかな青春モノのよう。実際は結構えげつない状況なのにどことなく希望が見えてしまう。
    読みやすいけど軽すぎず面白かったです。

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    2021年07月12日
  • 超動く家にて

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    超楽しかった!手元に置いて、頭が疲れたときに読み返したい。
    やっぱりゲームものの「トラ技」と「星間野球」が好き。
    「トラ技」なんて、最初は愉快に感じた設定が、熱い展開を読み進めていくうちにリアルに感じてくる。真剣にふざけてて、いや、ずっと真剣勝負なのかもしれないけど、面白い。
    著者あとがきと解説もよかった。物語と著者の背景が知れてうれしい。

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    2021年05月24日
  • Genesis 一万年の午後

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    2018年末に刊行された新しめの日本SFアンソロジー。短編8編+エッセイ2編が収録されています。

    アンソロジーを読むこと自体、ちょっと良い(と見込んだ)食事処にぷらっと入って「おまかせコース」を頼むようなもので、満足したい気持ちと、意外なものを味わいたい気持ちが同居していると思います。
    個人的には両ポイントともにちょうど良い感じの1冊でした。編集者の匙加減の素晴らしさもあるんでしょうが、SFというジャンルの中での振れ幅もなかなか心地良かったと感じました。
    (正統派SFもありつつ、一見ファンタジーでは?日記では?となる作品や、突き抜けたシュールさの作品があって、色彩豊かでした)

    1編挙げると

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    2021年05月08日
  • 超動く家にて

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    シリアスからユーモラスを通り越して(良い意味で)バカみたいな短編まで、宮内さんの引き出しの多さ、アイディアの多彩さに驚き、そして時に呆れる短編集です。

    シリアス路線では「アニマとエーファ」がよかった。少数言語を操って小説を書くロボットを描いた短編。革命や紛争、消えゆく文化への郷愁、数奇な人間たちの運命、小説、そして物語の意味……、ロボットの繊細な語り口と、どこか虚無的な作品の空気感とテーマが何とも言えない余情を残す。『盤上の夜』『ヨハネスブルグの天使たち』など、初期の宮内さんの空気感の強い作品でした。

    宮内さんというと、どちらかというと上記したような文学的な雰囲気と、人間の拡張やロボット・

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    2021年04月29日
  • アメリカ最後の実験(新潮文庫)

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    失踪した音楽家の父を探すため、アメリカの難関音楽大学を受験した主人公の脩。
    型破りな試験が行われる中、会場でアメリカ最初の実験と謎のメッセージが残された殺人事件が発生。
    やがて、第二、第三と連鎖し...

    音楽に身を捧げる若者たちの青春冒険譚と思いきや、どういうジャンルに分けて良いのか分からない。アメリカそのものに対するアンチテーゼなのか。音楽とは何か。主たる軸はそこなのだろうが。
    ピタゴラスによって音律が作り出されたのが、紀元前六世紀。そこから音を重ねあわせる和声や調性が発見されるまでには、およそ1500年の歳月が費やされた。元は呪術や田畑の豊穣を祈るものであったものが、やがて芸術へと昇

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    2021年02月19日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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    色んなジャンルのAIを想像できる AIの領域によってショートストーリーが分類されていて、さらにそれぞれ異なる作者の作品なので読んでいて飽きなかった。
    技術者ではない視点からのストーリーで、実現可能かどうかは別として作成されているので、技術がわからなくても楽しめると思う。
    さらに、そこに技術者からの解説が付くので、技術がわかる人にも面白い。
    やはり、AIで想像される姿は、かなり人間チックで完璧なものなんだなと思った。

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    2025年12月06日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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    人工知能の研究者たちが、SF作家にショートショートを依頼する、という形でできた作品。
    現在 どのような研究が行われているのか、どこが注目すべき点なのか、などが 章末の解説で解り、その解説に沿って作品を眺めると、非常に「なるほど」となる。

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    2021年01月18日
  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~

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    ホスト役・綾辻行人さんの人望の厚さが窺い知れる、まさに十人十色の対談集。過去の雑誌連載をまとめたものだが、最後のボーナストラックは最新の“語り下ろし”。その相手、熱烈綾辻ファンを公言する辻村深月さんとのやり取りがとても和んだ。

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    2021年01月16日