宮内悠介のレビュー一覧
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多数のバグを抱えたこの世界。それを日々修正する世界医と呼ばれる人々の間で「この世に残された、最後の特Aランクのバグ」と呼ばれるのが、地図に無くウエブで検索しても見つからないイシュクト山。
本作はその山を目指す4組の旅人たちを主人公にした物語である。
まじめに概略を書くと上記のような感じになると思うんだけど、普通の小説とは一線を画すヘンテコな作品であることも確か。ハマる人はとことんハマると思うんだけど、ダメな人はとことんダメなんじゃないかなあ。
実はあっちに行ったりこっちに行ったりするメインストーリーのほうは自分も途中でついていけなくなってしまった。いや、そもそもストーリーなんてあってないよう -
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ネタバレ秋のあとに訪れる短い春「旅春」、このような事象を「時空の側がかかった病=バグ」とし、それを直すこと(デバッグ)ができる「世界医」という存在がある、という世界観。地図にも検索結果にも出てこないイシュクト山を目指す、旅とデバッグのお話。
SF小説と注釈エッセイ。私自身もPG/SE系の仕事なので用語やあるあるの理解に問題なく、エッセイも好きなのですごく楽しめた。こんな書き方もあるのか、と目から鱗。
どうしても技法というか上下注釈のスタイルに気が行ってしまうけど、小説の内容自体もしっかりと面白い。中盤あたりから「あれ?これは?」と気づき始め、終盤のタネ明かしやそれぞれの収束はカオスだったが興奮を憶 -
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ネタバレ竹内ノートを追う冒険小説かと思いきや、ハードボイルドになったり、急展開で恋愛小説になったり、宗教問題になったり、華僑の財閥が汚職したり…随分とっ散らかったまとまりのない小説なんだけど、宮内さんの文章だから読めてしまうねんなぁ。
こんなとっ散らかりまくりやのに、最後の50Pでああいう散らかし方してくれるから油断ならん。戦争を選ぶ政治が最低だが、戦争を継続する政治も最低なのだということ。
とはいえ、ウクライナのゼレンスキーは現状戦わないと、国が地獄になるのが分かっての戦争選択だろうし…難しいよなぁ…ってこれは、本作と関係ない気持ち -
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ネタバレ深刻さと軽さ、爽快さのバランスが絶妙。面白かったです。
アラルスタンという中央アジアの架空の国で、高等教育機関「後宮」で学んでた女の子たちが、大統領が暗殺されて議員たちが国外逃亡してしまったために「しょうがないから、国家をやることにしようかなと」と国政を執り行う。
アラルスタンが割と緊張感ある情勢で、周辺国からは侵攻されてるしAIMというイスラム系の反政府組織はあるし、政治系の教育受けてきたとはいえ20代くらいの女の子たちに出来るのかと思ったけど、なかなかどうして惹き込まれました。大の大人の軍部男性が割とすぐ従うのはご愛嬌で。
命がけの場面もたくさんあってヒヤヒヤしました。でも女子高ノリでひた -
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東京創元社が、社名の「創元=GENESIS」を冠して二〇一八年に刊行したSF書き下ろしアンソロジー第一集。各作品の前に編者による洒脱な紹介コメントも寄せられていて、「日本の現代SF小説界、作家も出版社も一丸となってこんなメンツで盛り立てていきますぜ」という顔見世興行的な気合いの入りようが感じられる。今のところ二〇二一年の第四集まで毎年刊行が続いているようだ。
SFに限らず同時代の作家の好きと思える小説に出会えることには、古典名作を楽しむのとはまた違う喜びがある。創元さんの四年前のお薦め、彩り豊かで「ぜんぶ好き」とはいかないが、これだけいろいろ並べて出してくれたことにありがとうという気持ち。
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盤上ゲームをテーマにした短編集
収録は6編
・盤上の夜(囲碁)
・人間の王(チェッカー)
・清められた卓(麻雀)
・象を飛ばした王子(チャトランガ)
・千年の虚空(将棋)
・原爆の局(囲碁)
四肢を失った女性
生涯ほぼ負けなしのマリオン・ティンズリー。
宗教団体教祖の女性、プロ雀士、サヴァン症候群の少年、一人の女性を追いかける医師
父親に捨てられた王子
将棋で現実世界に影響を与えようとする弟、ゲームを殺すゲームを作ろうとする兄、二人の人生に大きく関わる女性
広島に原爆が投下されるまで打たれていた一局
・盤上の夜
四肢を失う経緯がちょっと……
ただ、解説でも書かれてある通り、不幸そうでは -
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く、く、くだらねえええ・・・。と切り捨ててしまうのは惜しすぎる、バカミスおよびバカSFを16編も収めた短編集です。こういう作品ばかり描かれても困るけど、重たい作品ばかりじゃ書くほうも読むほうも精神的にきついだろうし、たまにはいいんじゃないですかね。一本目の「トランジスタ技術の圧縮」やラストを飾る「星間野球」あたりの、しょーもないところに真剣にコストをかけているあたりが結構好きです。ヴァン・ダインの二十則とかシュレディンガーの猫とか、まあ表題作のネタなんかもそうなんだけど、割とマニアックな題材を扱っているので一般人向けには少々敷居が高くなっているのが難点かな。「今日泥棒」や「かぎ括弧のようなもの
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2018年末に刊行された新しめの日本SFアンソロジー。短編8編+エッセイ2編が収録されています。
アンソロジーを読むこと自体、ちょっと良い(と見込んだ)食事処にぷらっと入って「おまかせコース」を頼むようなもので、満足したい気持ちと、意外なものを味わいたい気持ちが同居していると思います。
個人的には両ポイントともにちょうど良い感じの1冊でした。編集者の匙加減の素晴らしさもあるんでしょうが、SFというジャンルの中での振れ幅もなかなか心地良かったと感じました。
(正統派SFもありつつ、一見ファンタジーでは?日記では?となる作品や、突き抜けたシュールさの作品があって、色彩豊かでした)
1編挙げると