宮内悠介のレビュー一覧
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東京創元社が、社名の「創元=GENESIS」を冠して二〇一八年に刊行したSF書き下ろしアンソロジー第一集。各作品の前に編者による洒脱な紹介コメントも寄せられていて、「日本の現代SF小説界、作家も出版社も一丸となってこんなメンツで盛り立てていきますぜ」という顔見世興行的な気合いの入りようが感じられる。今のところ二〇二一年の第四集まで毎年刊行が続いているようだ。
SFに限らず同時代の作家の好きと思える小説に出会えることには、古典名作を楽しむのとはまた違う喜びがある。創元さんの四年前のお薦め、彩り豊かで「ぜんぶ好き」とはいかないが、これだけいろいろ並べて出してくれたことにありがとうという気持ち。
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Posted by ブクログ
盤上ゲームをテーマにした短編集
収録は6編
・盤上の夜(囲碁)
・人間の王(チェッカー)
・清められた卓(麻雀)
・象を飛ばした王子(チャトランガ)
・千年の虚空(将棋)
・原爆の局(囲碁)
四肢を失った女性
生涯ほぼ負けなしのマリオン・ティンズリー。
宗教団体教祖の女性、プロ雀士、サヴァン症候群の少年、一人の女性を追いかける医師
父親に捨てられた王子
将棋で現実世界に影響を与えようとする弟、ゲームを殺すゲームを作ろうとする兄、二人の人生に大きく関わる女性
広島に原爆が投下されるまで打たれていた一局
・盤上の夜
四肢を失う経緯がちょっと……
ただ、解説でも書かれてある通り、不幸そうでは -
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く、く、くだらねえええ・・・。と切り捨ててしまうのは惜しすぎる、バカミスおよびバカSFを16編も収めた短編集です。こういう作品ばかり描かれても困るけど、重たい作品ばかりじゃ書くほうも読むほうも精神的にきついだろうし、たまにはいいんじゃないですかね。一本目の「トランジスタ技術の圧縮」やラストを飾る「星間野球」あたりの、しょーもないところに真剣にコストをかけているあたりが結構好きです。ヴァン・ダインの二十則とかシュレディンガーの猫とか、まあ表題作のネタなんかもそうなんだけど、割とマニアックな題材を扱っているので一般人向けには少々敷居が高くなっているのが難点かな。「今日泥棒」や「かぎ括弧のようなもの
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Posted by ブクログ
2018年末に刊行された新しめの日本SFアンソロジー。短編8編+エッセイ2編が収録されています。
アンソロジーを読むこと自体、ちょっと良い(と見込んだ)食事処にぷらっと入って「おまかせコース」を頼むようなもので、満足したい気持ちと、意外なものを味わいたい気持ちが同居していると思います。
個人的には両ポイントともにちょうど良い感じの1冊でした。編集者の匙加減の素晴らしさもあるんでしょうが、SFというジャンルの中での振れ幅もなかなか心地良かったと感じました。
(正統派SFもありつつ、一見ファンタジーでは?日記では?となる作品や、突き抜けたシュールさの作品があって、色彩豊かでした)
1編挙げると -
Posted by ブクログ
シリアスからユーモラスを通り越して(良い意味で)バカみたいな短編まで、宮内さんの引き出しの多さ、アイディアの多彩さに驚き、そして時に呆れる短編集です。
シリアス路線では「アニマとエーファ」がよかった。少数言語を操って小説を書くロボットを描いた短編。革命や紛争、消えゆく文化への郷愁、数奇な人間たちの運命、小説、そして物語の意味……、ロボットの繊細な語り口と、どこか虚無的な作品の空気感とテーマが何とも言えない余情を残す。『盤上の夜』『ヨハネスブルグの天使たち』など、初期の宮内さんの空気感の強い作品でした。
宮内さんというと、どちらかというと上記したような文学的な雰囲気と、人間の拡張やロボット・ -
Posted by ブクログ
失踪した音楽家の父を探すため、アメリカの難関音楽大学を受験した主人公の脩。
型破りな試験が行われる中、会場でアメリカ最初の実験と謎のメッセージが残された殺人事件が発生。
やがて、第二、第三と連鎖し...
音楽に身を捧げる若者たちの青春冒険譚と思いきや、どういうジャンルに分けて良いのか分からない。アメリカそのものに対するアンチテーゼなのか。音楽とは何か。主たる軸はそこなのだろうが。
ピタゴラスによって音律が作り出されたのが、紀元前六世紀。そこから音を重ねあわせる和声や調性が発見されるまでには、およそ1500年の歳月が費やされた。元は呪術や田畑の豊穣を祈るものであったものが、やがて芸術へと昇 -