宮内悠介のレビュー一覧

  • 暗号の子

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    人とテクノロジーをテーマに編まれた短編集。
    理想郷のようなVRワールド、SNSから悪意を除去するフィルター機能、ヘッドセットで体験するVRトリップ、超小型人工衛星などが登場する。表題作と「ペイル・ブルー・ドット」がとくによかった。どちらも失意からの回復、前に進もうとする意思が感じられて読み終えていい気分になる。

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    2025年11月09日
  • 暗号の子

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    表題作の「暗号の子」を含めて8作。SNSやAIなどのテクノロジー関係の話が多い。唯一「行かなかった旅の記録」だけはソフトウェアの話が出てこないがCOVID-19禍でのバーチャルな旅行として含まれているのだろう。SNSの良い点と、それ以上に荒れている点を踏まえたものも多く「ローパス・フィルター」が特に印象深かった。一方で、暗号通貨と合意形成を扱った話もいくつかあり、暗号通貨をよく知らないままに胡散臭いと敬遠していた私の考えを改めさせられる内容でもあった。(でも、暗号通貨に手を出すつもりはない。)AIに書かせた小説も入っていて、それなりに小説の形を成しているのがすごい。(後書きによるとSFマガジン

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    2025年10月02日
  • 盤上の夜

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    コンピュータがずっと身近にあった自分にとって、チェッカーの話はとても面白かった。
    麻雀はルールがわからないけど十分楽しめた。こういうの、ルールがわかっていればもっと楽しめるんだろうなといつも思う。

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    2025年08月17日
  • ラウリ・クースクを探して

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    「むずかしいことは何もない」
    放置された年月は、単純なことを複雑にする。

    作家の頭の中で作られた物語ではあるが、ルポタージュの様式を取り入れ、大国ソ連に翻弄されたバルト海の小さな国エストニアとそこに生きた子供たちの、小さな、でもとても大切な歴史を描いたドキュメンタリー。

    英雄でもなんでもない普通の人こそ世界の大半を占める。
    だから、こんなに感動する。
    だから、こんなに胸に刻まれる。

    これが小説のチカラだ。

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    2025年08月09日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    折しも、戦争と紛争と虐殺が溢れている時代で、歌う楽器として作られた玩具が落下し続ける皮肉…それ故に、最終話でのラストの一言が刺さる。やはりそれは一筋の光なのか、それとも祈りなのか。『虐殺器官』以後の日本sfの最先端と言われるのも納得の作品。

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    2025年07月13日
  • ラウリ・クースクを探して

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    これはなんていうジャンルになるのだろう。
    伝記より深く、小説よりリアルで、けれども文章が美しい。

    この世界観がすごく美しくて、ラウリの、そしてこれを書いたイヴァンの心の美しさを表していると思う。

    ラウリの物語かと思いきや、それを追う記者の視点があって、それがまさかのイヴァンという第一の驚きも束の間、実は数々の伏線が貼られていたなんてっていう第二の驚きが大きくて。

    ミステリー系好きからすると、この文章構成はずるい。。。

    題名もとってもいいし、、、。

    それにまた歴史小説でもあるっていうところが本当にすごくて、こんな薄いものなのに、文章すっっご!!ってなる。。。

    これは、すご、、、くね。

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    2025年06月02日
  • 暗号の子

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    ネタバレ


    4.5くらい。
    面白かったけど、技術知識についていけないところもあったので。
    でも面白かった。

    「暗号の子」
    表紙がこのヒロインなんだなとわかった。
    技術革新と新自由主義。
    主人公のような人間はどうやって生きていくべきか、居場所を作るか、守るか、あるいは距離を取るか、な話かなと感じた。

    「偽の過去、偽の未来」
    未来予測をするが結局は嫌になってやめる話。
    未来にだけ目を向ける娘、過去にばかり目を向ける父が、交差して、互いに調和する。


    「ローパス・フィルター」
    ツイッターではおすすめ欄があり、アルゴリズムでツイートが流れてくる。
    これも一種のローパス・フィルター。
    見たいものしか見ないの

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    2025年06月02日
  • ラウリ・クースクを探して

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    ネタバレ

    プログラミングは水晶の精霊に捧げる詩。
    のような表現がすごく良くて、歴史小説だけど、少しSF味があって、すごく面白かった…!

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    2025年05月28日
  • 暗号の子

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    近未来SF。理系すぎてよく分からない用語も多かったんだけれど、その雰囲気も心地よい。お気に入りはZTCという仮想通貨的なものを流通させた男の話「最後の共有地」。スターシステムのキャラ、針生がめっちゃ好き。

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    2025年05月04日
  • 暗号の子

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    いつの間にか大ファンの宮内悠介氏の新刊が出ていた。
    といっても、ここ数年の短編をまとめたものだが、非常に内容が多岐に渡りつつ、一冊の本として非常にまとまっていた。
    プログラミング、中央アジアの旅、そして今回はAIや昨今の世界情勢や宇宙開発、SNSの状況、はたまたボスザエムシーのライミングの抜粋など多岐に渡り、相変わらず学びと共感が多かった。
    前作の文豪ミステリーものは野心的ではありつつまずまずだったが、今作は短編集でありながら充分楽しめた。

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    2025年05月02日
  • Jミステリー2023~FALL~

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    今年も面白かった〜。お気に入りは、似鳥鶏「名探偵名前が適当」と宮内悠介「最後のひと仕事」。どちらも読み応え抜群!
    「どうして今夜の彼女は魅力的に映るんだろう」は東川篤哉楽して良き。

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    2025年04月30日
  • これが最後の仕事になる

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    最初の一文目が同じアンソロシリーズ。お気に入りは、桃野雑派「「アイドル卒業」一穂ミチ「魔法少女ミラクルミルキー」岸田奈美「声」、そしてさすがすぎる米澤穂信「時効」。求めてる面白さ!の人もいればこんなのも書くの、な人もいるのが良き。

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    2025年04月29日
  • 暗号の子

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    ネタバレ

    ◎暗号の子
    web上のリバタリアン・コミュニティ構築の話。父娘の関係が切ない。
    ◎偽の過去、偽の未来
    ゲームの理論の経済学者がゆき詰まったときの父の言葉「決めるべきことは与えられた時代にどう対処するかだ。byガンダルフ」「愚か者どもの言うことに、いっさい耳を貸すな。」これも父と娘
    ・ローパス・フィルター
    〇明晰夢
    LSDに代わるARが開発され一時的にSNSでの紛争や鬱病がやわらぐが。
    ・すべての記憶を燃やせ AIによる小説
    ・最後の共有地
    ・行かなかった旅の記録
    ◎ペイル・ブルー・ドット
    宇宙マニアの少年と宇宙マニアだった人工衛星のSEが超小型人工衛星を作る話。「最後までクレージーでいられた人

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    2025年04月14日
  • 盤上の夜

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    勝負の世界に生きる人々。その裏にある葛藤、苦しみ、快感、ストーリー。どの話の登場人物にも共感できるところがあって、読み応えがある。
    物語のつながりが垣間見れるところ、好きだ

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    2025年04月02日
  • Jミステリー2023~FALL~

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    推しの太田愛が書いていたので買った本。300ページほどなのに1200円+税。高え!
    6人の作家の書き下ろしミステリー、半分は読んだことがない。楽しみだ。
    まずは太田愛から。うーんいつもと違う。お嬢さまだのなんだのセレブなお屋敷舞台のミステリー。好みではない。
    東川、逸木、宮内の作は面白かった。
    アンソロジーは次に読む本の入り口になる。

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    2025年04月01日
  • 暗号の子

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    『ペイル・ブルー・ドット』まで読み終えて、仕事のやる気が異様にでてきた。まだ居ない後進育成頑張りたい。

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    2025年02月24日
  • 暗号の子

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    ITって、お金に結びつくイメージが最近は強いけど、ロケットの話は、心があったまる。
    こういう技術の使い方がいいな

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    2025年01月24日
  • ラウリ・クースクを探して

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    エストニアという国の苦難が垣間見える。しかし、人々の志は高い!!ラウリ・クースクの半生を辿る事で、エストニアの事も見えてくる。同じ時代を生きてきて、日本とこれほどに環境が違うのかと驚いてしまい、エストニアの人々の強さに敬服する。

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    2025年01月22日
  • ラウリ・クースクを探して

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    コンピュータプロミングに才能を持つエストニアの少年とロシアの少年の話。そこにエストニアの歴史が深く絡んでくる。コンピュータプロミングのことは全くわからないけれど。純粋な少年達が政治に翻弄されていくのが切ない。本当にあった話では無いにしろ 現実に起こりうる、起こった話ではないか。
    エストニアの過酷な歴史、独立した今もまだ続いている現状。ロシアと接する国々の緊迫感は島国日本からは考えられないものだろう。
    それでも二人が、、、最後の再会の場面に救われる。

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    2025年01月09日
  • ラウリ・クースクを探して

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    偉人ではないラウリたちの人生を描いていて、理不尽な世界のなかにある友情の純粋さや美しい情景の描写が本当に良かった。
    泣けるし、非常に穏やかで前向きな気持ちになれる小説です。

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    2024年09月21日