宮内悠介のレビュー一覧

  • ヨハネスブルグの天使たち

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    DX9という日本製の歌唱ロボットが落下するという共通設定を持った、主に世界の紛争地帯を舞台にした短篇集。
    解説にもあるように本書はこの主役ともいうべきロボットについての描写(容貌・落下状態など)が割愛されており、それ以外の世界描写が緻密な分だけ妙に幻想的。

    「ヨハネスブルグの天使たち」4
    「ロワーサイドの幽霊たち」3
    「ジャララバードの兵士たち」3
    「ハドラマウトの道化たち」4
    「北東京の子供たち」4

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    2019年07月08日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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    ネタバレ

    ショートショート27篇。もちろん各々オチがあるのだが、最後まで読んで小気味よく忘却の棚に片付けるでにショートコースとは言え途中の景色、結末への推測憶測妄想が小説の構成要素である。
    8つのテーマに分けられ、各々のテーマについて解説が入る。
    【ゲーム】では、人間とは異質のアプローチで〈棋力〉を獲得するに至った将棋や囲碁のA I の手が人間プロ棋士の参考になる事例から、将来の創造的分野での協働を予測する。

    人工知能は〈自己保存〉を〈本能〉として組み込まれれば、その究極の理想社会ではホモサピエンスを奴隷にして機械のボディをメインテナンスさせ、AI 同士でゲームなど嗜むだろうか。、文明を持った知性とし

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    2019年07月01日
  • 彼女がエスパーだったころ

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    ネタバレ

    一人の記者を語り部に、事件の当事者のインタビューで構成されたモキュメンタリー風味の連作短編集。起こる事件はどれも超能力や不思議な水、代替医療など、ニセ科学のオンパレードで、一見すると荒唐無稽なものばかりだが、それを支える設定や仮に現実に起こった場合の驚異的な予見力、大衆の反応などは実にリアルで、現実と虚構の境目が曖昧になっているかのような感覚を覚えてしまった。

    火の使い方を覚えた猿の話である「百匹目の火神」は「猿の惑星、征服」のようで、世間の右往左往とする感じや遅々として進まない対策、政治家の失言によるバッシングなどがスラップスティックで実に面白かった。

    表題作「彼女がエスパーだったころ」

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    2019年05月30日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    難しいし重いし暗いが、発想の面白さと奇抜さが良い意味でとっぽくて抜き出ている。
    解説を読むと、自分の見たものや趣味を反映させているようだが、それもまた非常にディック的でヤバくて良い。

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    2020年12月04日
  • ディレイ・エフェクト

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    短い文章で、ここまで読ませるのは素晴らしい。
    世にも奇妙な物語みたいと言ってしまえばそれまでだが、プロット以上に語るものがある。
    ちょっと泣かせるというか、哀愁漂う一冊。

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    2019年05月15日
  • アメリカ最後の実験(新潮文庫)

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    うーむ。面白い。
    ジャズとかそれに付随する物語や音楽のちょっとしたルールごとを知っている人ならかなりハマる。
    けど、そういった事を知らずとも理解はできる内容ではないか。
    活劇、青春ものとも呼べそうな、闊達な展開が読ませる。

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    2019年05月10日
  • エクソダス症候群

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    初宮内。たぶんカバラの“生命の樹”で手に取ったんだと思うが、当たりの作家でした^^ 精神医療史をテーマに、父親で精神科医・イツキの病院内で起きた(起こした?)過去から主人公・カズキの出生の秘密へ——そこから病院最古の患者兼○○のチャーリー、度々カズキの前に現れる失語症のハルカ…などのキャラクタも相まって、SFでありミステリィチックも感じつつ、とても良かった!参考文献も多く、一つのジャンルに囚われない作家という印象。他作品も読みたくなりました^^ 星四つ半。

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    2019年04月02日
  • Genesis 一万年の午後

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    新しいSFのアンソロジーシリーズ
    堀晃が読める!ってのを期待しちゃった分だけ、日記の様な小品にガッカリ…

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    2019年02月16日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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    人工知能学会誌に連載されたショート&ショート集。様々なSF作家の作品がテーマ毎にまとめられ各解説も付与されており楽しいだけでなく勉強になった。最後にはAIが作った作品で締められ小説の未来を少し垣間見れた気がした。満足、

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    2018年09月23日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    個人的にすごく好きだった。
    多分実際に海外で育っているから、
    取材旅行だけで適当な雰囲気の作とは違う
    リアリティが好き。
    文章の涼やかなとこも好き。

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    2018年09月19日
  • ディレイ・エフェクト

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    同じ景色なのに2つの時代の風景がシンクロして見える。現代から過去へのメッセージ?それとも過去から現代への何かの警鐘?

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    2018年09月16日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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    神経科学のカテゴリだけ読んだ。ショートショートなので1時間もあれば読み切れる。
    脳をバックアップするのは現実的に研究も進んでいるらしい。使い道は色々ありそう

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    2018年08月22日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    解説が素晴らしすぎて感想を書くのが恥ずかしいというか、何を書いても、うん、解説にそう書いてあったよね!ってなる(笑)
    それにしても嘘みたいな事実と、事実よりもありそうな嘘が混じり合った世界観に脳が騙されてく感じがたまらなく快感。SFの論理性って科学的に正しいかどうかじゃなくて、ありえるって思えるかどうかなのかもと力づくで納得させてくる感じ、好きです。

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    2018年08月19日
  • 彼女がエスパーだったころ

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    非常に魅力的なタイトルの本作ですが、連載時は「疑似科学シリーズ」と銘打たれていたそうです。はて「疑似科学」とは何ぞや?と思ってWikipediaを見ると、日本語の意味としては「科学性をうたっているが実際には非科学的であるもの」を、本来の意味としては「うわべだけの科学や、誤った科学のこと」を指しているようです。
    本作では放火猿、共時性、スプーン曲げ等の非科学的な題材が扱われますが、それらに対する科学的真贋についてはほとんど触れられていません。一方で、非科学的な事象をもとに起こる様々な事件については論理的な解が導かれるようになっており、言い換えるとミステリを読む際に構えるであろう「論理性」およびそ

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    2018年06月17日
  • ディレイ・エフェクト

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    ある日突然太平洋戦争時代の風景が現代に重なるなんてSF的な設定が、自分の家だったらといった想像力を刺激する。物語はその過去の風景がメインではなくエッセンスとして主人公の夫婦生活や日常の出来事に添えてある。少しミステリ的な部分もあり楽しめる。
    他2作品があるが、どちらも過去を振り返る事で今を解決している。

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    2018年06月12日
  • 彼女がエスパーだったころ

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    世界観がすごい。疑似科学なんだけど、淡々とした、突き放したような、感情を排除した語り口に、まるで真実が語られているような気にさせられてしまう。認知が歪む、不思議な感覚がある。
    だからと言って面白いかっていうとまた別問題なんだけど、私は好きです。

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    2018年04月27日
  • ディレイ・エフェクト

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    ミステリではなく、文学でもない。これがSFかぁ、と感心した。面白かったね。芥川賞の候補にもなったそうな。三篇が収められていた。どの話も良かった。表題作はディレイというSF的な現象を扱っているんだけど、読後感はむしろ家族とか夫婦間の心の交流が残ったと思う。俺としては。真ん中の『空蝉』が一番ひきこまれたかな。しばらく小説の熱心な読者ではなく、新しい作家さんって手に取っていなかった。伊坂幸太郎や恩田陸といった、学生時代から読んでいる作家さんは今でも好きだけど、こういう今まで読んでいなかった作家さんにも、もっと触れるべきだと思った。この人の本はまた読みたいね。

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    2018年04月14日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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    いまちょうど盛り上がっている人工知能に関するショートショート。これが、人工知能学会誌に掲載されていたとはちょっと驚きです。
    収録されているショートショートもさることながら、解説が興味深いです。勉強になります。

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    2018年04月07日
  • ディレイ・エフェクト

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    表題作は「午後の恐竜」を思わせながら、SFに音楽と技術と寂寥と哀悼で味付けをする作者らしさ。
    「空蝉」栗本薫を思わせる破滅的青春群像。
    「阿呆神社」大塚を舞台にしたノベルゲー「街」のような。

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    2018年03月18日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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     人工知能学会の学会誌「人工知能」に掲載された、人工知能をテーマにしたショートショートを1冊にまとめたもの。
     もちろん学会誌はまじめなものだが、そこにフィクションを載せていたというアイディアが面白い。また、人工知能の使われ方や技術で分類し、その専門家が解説しているのも面白い。
     そして当たり前だけれど、載せられている作家陣も豪華なら、作品も面白い。普段ショートショートを見ない作家さんがこんな作品を書くのかってにやにやする。面白い。

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    2018年03月13日