宮内悠介のレビュー一覧

  • ヨハネスブルグの天使たち

    購入済み

    得意分野かな

    著者の得意分野の本である。
    表題作は。
    淡々とした語り口であるが、戦場と埃とゴミの臭いがする部隊をうまく表現している。
    その舞台の中の人形との対比が見事である。
    そのほかの作品も各々個性はあるが同じ基調を持っている。

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    2019年11月26日
  • Genesis 一万年の午後

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    SF。短編集。エッセイもあり。
    これは良い企画。5年、10年と続いてほしい。

    久永実木彦「一万年の午後」
    人類絶滅後のロボットたち。綺麗な文章が印象的。

    高山羽根子「ビースト・ストランディング」
    怪獣を持ち上げるスポーツ。相変わらず奇妙な設定が持ち味。好き。

    宮内悠介「ホテル・アースポート」
    SF設定でのミステリ。ミステリとしては小粒だと思うが、上手くまとまってる。舞台設定が良い。

    秋永真琴「ブラッド・ナイト・ノワール」
    吸血鬼&マフィアもの。ラノベやマンガぽさが強い。成田良悟『バッカーノ!』風な印象。好き。

    松崎有理「イヴの末裔たちの明日」
    近未来の技術的失業。リアルなテーマを、静かな文章でコミカルに描く。作者らしい。好き。

    倉田タカシ「生首」
    かなりの異色作。自分はついて行けなかった。

    宮澤伊織「草原のサンタ・ムエルテ」
    SFアクション。『裏世界ピクニック』のイメージが強いが、こんなのも書くのか…。

    堀晃さんは、日記風ということでスルー。

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    2019年11月17日
  • 月と太陽の盤~碁盤師・吉井利仙の事件簿~

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    通して、面白かった。
    古典的なミステリーはあまり好きではないんだけど、
    全編通して一つの物語になっていて、ラストはちょっと切ない。

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    2019年10月02日
  • アメリカ最後の実験(新潮文庫)

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    「大幅な改稿」とあるのでちゃんと読んだ。

    ( ゚д゚)ハッ!
    他の作家の本でもそういうのがあったかも?
    ハードカーバーで読んでて、まだ覚えているからと本棚に直行させた文庫本たちをチェックしなきゃねー

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    2019年09月09日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    SFは現在と地続きなんだと実感させられる作品。紛争地帯、テロの現場、そして斜陽の北東京の団地が描かれます。そう遠い未来ではないですが、実感を持って迫ってくる。

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    2019年07月18日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    DX9という日本製の歌唱ロボットが落下するという共通設定を持った、主に世界の紛争地帯を舞台にした短篇集。
    解説にもあるように本書はこの主役ともいうべきロボットについての描写(容貌・落下状態など)が割愛されており、それ以外の世界描写が緻密な分だけ妙に幻想的。

    「ヨハネスブルグの天使たち」4
    「ロワーサイドの幽霊たち」3
    「ジャララバードの兵士たち」3
    「ハドラマウトの道化たち」4
    「北東京の子供たち」4

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    2019年07月08日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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    ネタバレ

    ショートショート27篇。もちろん各々オチがあるのだが、最後まで読んで小気味よく忘却の棚に片付けるでにショートコースとは言え途中の景色、結末への推測憶測妄想が小説の構成要素である。
    8つのテーマに分けられ、各々のテーマについて解説が入る。
    【ゲーム】では、人間とは異質のアプローチで〈棋力〉を獲得するに至った将棋や囲碁のA I の手が人間プロ棋士の参考になる事例から、将来の創造的分野での協働を予測する。

    人工知能は〈自己保存〉を〈本能〉として組み込まれれば、その究極の理想社会ではホモサピエンスを奴隷にして機械のボディをメインテナンスさせ、AI 同士でゲームなど嗜むだろうか。、文明を持った知性として地球で孤独な存在だった人類に伍して、将棋の形勢判断や詰み有無判定にPC活用されるように、AIが友達として文明維持発展に協力するだろうか

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    2019年07月01日
  • 彼女がエスパーだったころ

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    ネタバレ

    一人の記者を語り部に、事件の当事者のインタビューで構成されたモキュメンタリー風味の連作短編集。起こる事件はどれも超能力や不思議な水、代替医療など、ニセ科学のオンパレードで、一見すると荒唐無稽なものばかりだが、それを支える設定や仮に現実に起こった場合の驚異的な予見力、大衆の反応などは実にリアルで、現実と虚構の境目が曖昧になっているかのような感覚を覚えてしまった。

    火の使い方を覚えた猿の話である「百匹目の火神」は「猿の惑星、征服」のようで、世間の右往左往とする感じや遅々として進まない対策、政治家の失言によるバッシングなどがスラップスティックで実に面白かった。

    表題作「彼女がエスパーだったころ」は超能力少女というファンタジックな題材ながら、一般人のそれに対する猜疑心や世間の受け入れ方、科学との距離感などが絶妙で、現実に超能力少女が現れた場合の周囲の反応と消費のされ方というのはリアリズムに満ち溢れている。超能力がメタル・ベンディング=スプーン曲げという些細な何の役にも立たない能力というのが実によく、オカルトに対してなんとか暴いてやろうとする声や、超能力ビジネスと宗教団体の違いは母体となる組織の有無であり、信者のその後をケアしないという、マジックである手品側からの超能力に対する批判なども興味深い。

    まさに超能力者がもし現実に現れたら?のシミュレーションとしては完璧であり、このへんのリアリティには文句のつけようがない。作者の目指した偽科学を肯定も否定もせず、また希望を寄せたり絶望と遊ぶわけでもなく、冷徹に見据えて境界を不明瞭にした筆致は見事ではあったが、その反面、SFとしては十分でもミステリとしては存外に弱い部分もあり、また圧倒的な現実性と地に足の着いた印象のせいか、ロマンのようなものは感じなかった。人間の業とでもいうべき弱さは伝わってきたのだが、事件は違うとはいえ全編通して同じトーンの作風だったので、食傷気味というのが正直なところである。ただこの語り口は素晴らしく、夢中になって読んだ短編集でもあった。

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    2019年05月30日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    難しいし重いし暗いが、発想の面白さと奇抜さが良い意味でとっぽくて抜き出ている。
    解説を読むと、自分の見たものや趣味を反映させているようだが、それもまた非常にディック的でヤバくて良い。

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    2020年12月04日
  • ディレイ・エフェクト

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    短い文章で、ここまで読ませるのは素晴らしい。
    世にも奇妙な物語みたいと言ってしまえばそれまでだが、プロット以上に語るものがある。
    ちょっと泣かせるというか、哀愁漂う一冊。

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    2019年05月15日
  • アメリカ最後の実験(新潮文庫)

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    うーむ。面白い。
    ジャズとかそれに付随する物語や音楽のちょっとしたルールごとを知っている人ならかなりハマる。
    けど、そういった事を知らずとも理解はできる内容ではないか。
    活劇、青春ものとも呼べそうな、闊達な展開が読ませる。

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    2019年05月10日
  • エクソダス症候群

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    初宮内。たぶんカバラの“生命の樹”で手に取ったんだと思うが、当たりの作家でした^^ 精神医療史をテーマに、父親で精神科医・イツキの病院内で起きた(起こした?)過去から主人公・カズキの出生の秘密へ——そこから病院最古の患者兼○○のチャーリー、度々カズキの前に現れる失語症のハルカ…などのキャラクタも相まって、SFでありミステリィチックも感じつつ、とても良かった!参考文献も多く、一つのジャンルに囚われない作家という印象。他作品も読みたくなりました^^ 星四つ半。

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    2019年04月02日
  • Genesis 一万年の午後

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    新しいSFのアンソロジーシリーズ
    堀晃が読める!ってのを期待しちゃった分だけ、日記の様な小品にガッカリ…

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    2019年02月16日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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    人工知能学会誌に連載されたショート&ショート集。様々なSF作家の作品がテーマ毎にまとめられ各解説も付与されており楽しいだけでなく勉強になった。最後にはAIが作った作品で締められ小説の未来を少し垣間見れた気がした。満足、

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    2018年09月23日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    個人的にすごく好きだった。
    多分実際に海外で育っているから、
    取材旅行だけで適当な雰囲気の作とは違う
    リアリティが好き。
    文章の涼やかなとこも好き。

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    2018年09月19日
  • ディレイ・エフェクト

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    同じ景色なのに2つの時代の風景がシンクロして見える。現代から過去へのメッセージ?それとも過去から現代への何かの警鐘?

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    2018年09月16日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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    神経科学のカテゴリだけ読んだ。ショートショートなので1時間もあれば読み切れる。
    脳をバックアップするのは現実的に研究も進んでいるらしい。使い道は色々ありそう

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    2018年08月22日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    解説が素晴らしすぎて感想を書くのが恥ずかしいというか、何を書いても、うん、解説にそう書いてあったよね!ってなる(笑)
    それにしても嘘みたいな事実と、事実よりもありそうな嘘が混じり合った世界観に脳が騙されてく感じがたまらなく快感。SFの論理性って科学的に正しいかどうかじゃなくて、ありえるって思えるかどうかなのかもと力づくで納得させてくる感じ、好きです。

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    2018年08月19日
  • 彼女がエスパーだったころ

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    非常に魅力的なタイトルの本作ですが、連載時は「疑似科学シリーズ」と銘打たれていたそうです。はて「疑似科学」とは何ぞや?と思ってWikipediaを見ると、日本語の意味としては「科学性をうたっているが実際には非科学的であるもの」を、本来の意味としては「うわべだけの科学や、誤った科学のこと」を指しているようです。
    本作では放火猿、共時性、スプーン曲げ等の非科学的な題材が扱われますが、それらに対する科学的真贋についてはほとんど触れられていません。一方で、非科学的な事象をもとに起こる様々な事件については論理的な解が導かれるようになっており、言い換えるとミステリを読む際に構えるであろう「論理性」およびそれと対をなすであろう「非科学」がともに齟齬をきたさないよう、うまくバランスをとった描かれ方がされています。SFミステリ作品ではよく使われる手法ですが、それを「疑似科学」という観点でアプローチしているところがユニークであり特徴的であるように感じました。
    色々と読みどころはあると思いますが、個人的にはライターを生業としている主人公が、傍観者の立場から徐々に疑似科学の世界の側へ堕ちていってしまう様が読んでいて面白かったです。一方で、作品全体を通した印象はクールというか低体温というか、ここは気合をいれて盛り上げるところだろうという箇所が意外にさらっと書き流されていたりして、やや物語への感情移入が難しい面があったようにも思えました。
    とはいえ、日本を舞台にしていることもあるのでしょうが、過去作と比べるとかなり読みやすく、文庫の帯にあるように著者の入門書としては最適な一冊ではないかと思います。

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    2018年06月17日
  • ディレイ・エフェクト

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    ある日突然太平洋戦争時代の風景が現代に重なるなんてSF的な設定が、自分の家だったらといった想像力を刺激する。物語はその過去の風景がメインではなくエッセンスとして主人公の夫婦生活や日常の出来事に添えてある。少しミステリ的な部分もあり楽しめる。
    他2作品があるが、どちらも過去を振り返る事で今を解決している。

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    2018年06月12日