宮内悠介のレビュー一覧

  • 彼女がエスパーだったころ

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    【疑似科学シリーズ】と銘打たれた超常現象が題材の連作短編集で、フリーライターである主人公の視点を通して事件の顛末がルポタージュ調に語られる展開が何とも新鮮。序盤はライターという立場から事件を俯瞰していた主人公だが、中盤から徐々にその渦中に巻き込まれていく。前半二作品にはブラックユーモアの要素も感じたが、全編通してSFというよりも超常現象を題材にしたミステリーという印象。お気に入りは「ムイシュキンの脳髄」と「水神計画」の二編。エピローグ的扱いの「沸点」は特にそうだが、全体的に哲学的要素の強い作品でもあった。

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    2018年06月20日
  • 彼女がエスパーだったころ

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    平和への切なる願いを抱いた人類は、その自由意志によって
    おのれのエゴイズムを去勢することさえできる
    ところが、エゴを捨てたあとには自由意志すら残らない
    人間らしさを失って、社会に適応できなくなってしまうということだ
    このジレンマ
    これを打開するべく設定されたまやかしの希望こそ
    すなわち宗教であり、物語であろう
    まやかしの希望でも、あらたな人のつながりを生んでくれるなら
    なんの問題もないように思えた
    ところがそれは
    価値観の異なる人間どうしに、あらたな軋轢をも生み出したのだった
    軋轢は、またあらたなエゴと争いを生み
    さらに人々の罪悪感と現実逃避で過激になっていくだろう
    あくまで争いを嫌う人々は、

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    2018年06月14日
  • ディレイ・エフェクト

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    わざとそうしているようですが、話がわかり辛い。結末まで行っても、もやっとする感じです。他にも2つ話がありましたが、バンドの話が好きなのでしょうか。

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    2018年04月15日
  • ディレイ・エフェクト

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    盤上の夜のネタが面白かったので、今回も期待したが、驚愕ネタはディレイエフェクトのみ。。ディレイ・エフェクトは昭和の町が見えるのであれば、戦時よりも復興期を書いてほしかったかな。空蝉は、バンドやってなかったし、それほど共感できず。阿呆神社は結構よかった。人間は自己中心的なようで利己的にすらなれない人が多いのだろう。ちょっと嬉しかった。

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    2018年04月14日
  • エクソダス症候群

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    精神医療が発達し、ほぼ全ての精神疾患がコントロール可能になったかと思われた近未来、突如発生した症状「突発性希死念慮」。恋人の発症と自死を防げず、追われるように地球から火星へとやってきた精神科医カズキ・クロネンバーグは、火星で唯一の精神病院・ゾネンシュタイン病院で働き始める。カバラの「生命の樹」を模した構造を持つこの病院でカズキが直面したのは、スタッフも物資も不足する中でギリギリの医療活動を続けねばならない壮絶な環境、権謀術数に明け暮れる政治手腕に長けた幹部医師たちとの抗争、そして「特殊病棟」に長年入院/拘束され、同時に君臨し続けている謎の男。かつてこの病院で勤務していたカズキの父もまた、カズキ

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    2018年02月07日
  • エクソダス症候群

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    火星の精神病院に赴任された青年医師カズキ・クロネンバーグ。
    はじまりから続く、この不穏感。

    火星という地球を飛び出したSF要素に、精神病院という、人ののぞき見趣味を刺激するような設定で、ワイドショーをみるぐらいの軽い感覚で読み始めた。

    しかし読んでみると、近い将来を予言しているかのようなリアルに感じる世界が構築されており、サスペンス部分もありながら、人間ドラマもしっかり描かれている、きちんとした骨格を持つ作品だった。

    人の善なるものが終始どこかに存在していて、自分自身の病的な部分も治癒されたかのような清涼感ある読後感。

    私にとって初の宮内悠介氏の作品だったが、また別の作品を読んでみたく

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    2018年01月21日
  • 盤上の夜

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    ボードゲーム。SF。
    SFではあるのだろうが、ハッキリとしたSF要素は薄い。人間の隠された能力というか、進化の可能性のようなものは感じた。
    SF要素が強いのは既読の「人間の王」。人工知能。
    一作だけ異様な世界観の「象を飛ばした王子」。
    狂気を感じる「千年の虚空」。
    以上3作が印象的。

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    2024年04月18日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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    いろんなSF作家さんがAIをテーマにしたショート集。
    まぁ好みに合う合わないは色々あれどなかなかいい時間潰しにはなった。

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    2017年09月12日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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    どの作品も発想はとても面白い。
    でもストーリーとしては弱かったり、文体がイマイチだったり。
    ショートショートを読むたびに、星新一さんは特別なんだなと思ってしまう。

    ただ、解説がわかりやすく、ためになった。

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    2017年09月02日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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    AIについてのオムニバス。人工知能が成し得ること、それによって変わること、得ること、場合によっては失うこと。

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    2017年08月20日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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    ショートショートということもあるのだろうけど、作品ひとつひとつはイマイチ‥
    でもこれをとっかかりにお好きな方と是非議論したいと思える内容。そういう点で解説が非常にハイレベルにも関わらずわかりやすくてよいです。
    神坂一氏はSF作家か‥?と一瞬思ったけど、「ロスト・ユニバース」があるやん!!大好きだった‥

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    2017年08月14日
  • エクソダス症候群

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    面白いのだけども、やや詰め込み過ぎていて
    すんなり終わったようにも思える。
    「仮想」「医療」伊藤計劃氏の扱っていたテーマにも似た感じ

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    2017年08月10日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    日本の某メーカーが愛玩用として開発した少女型ロボット「DX9」。歌うことが主な機能の彼女らは、安価で改造しやすい低スペックの製品であったことから、世界各地で大量に購入され、本来の用途とは異なる目的のために改造・使用され、世界各地で降り続ける。ヨハネスブルグの高層ビルから、ニューヨークのツインタワーから、アフガンの戦場から・・・DX9が「降る」光景を共通項に、不穏な世界情勢の中でもがく人間像をリリカルに描き出す連作短編集。

    少女型ロボットが、空から降ってくる。それも、時によっては雨のように大量に。
    SFとジャンル分けするには、あまりに詩的で幻想的な世界。その一方で、舞台となるのは戦場であったり

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    2016年04月30日
  • 名探偵だって恋をする

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    ネタバレ

    ライトな謎説きアンソロジー。別に必ずしも恋してない。
    『空蜘蛛』の異色さと落ち着きが際立って魅力的だった。『ローウェル骨董店の事件簿』も落ち着いた文章と人間味ある雰囲気で好感度高い。本編後日談やスピンアウトが多いので新たなシリーズへの出会いもあるかも?

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    2015年11月24日
  • 名探偵だって恋をする

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    タイトルから想像していた話と、何か違った。まぁ男女間のものだけが恋愛だけが恋ではないといえばそれまでだが。
    「秘密の小箱」椹野道流、「花酔いロジック」森晶麿、「浮遊惑星ホームバウンド」伊与原新、「空蜘蛛」宮内悠介、「消えたロザリオ」古野まほろ、の5話収録。
    2014/9/11

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    2014年09月13日
  • 名探偵だって恋をする

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    伊与原新めあてで買ったけれども期待外れ。全体的に自分の年齢で読むのがつらいというか居場所がない感じでした。最後の古野まほろさんの作品が面白かったので星三つにしましたが、それがなかったら星二つでした。

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    2014年02月17日
  • 名探偵だって恋をする

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    古野まほろ目当てで購入。
    一つひとつの話は面白いと思ったのだけれども、タイトルと内容自体はあまり関係ないものが多く、作家さんのシリーズのスピンオフをただ集めただけでアンソロジーの出来としては微妙。
    読んだことのない作家さんの作品に触れることが出来たのでその点は良かった。

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    2014年01月28日