宮内悠介のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
1977年、現在のエストニアにあたる地に生まれたラウリ・クースクは幼い頃にコンピュータと出会い、プログラミングに熱中するようになった。
学校の授業でもその才能を認められたラウリは、村の外にある学校へと編入する。
その先で仲良くなったイヴァン、カーテャとともにプログラミングに明け暮れながら、楽しい学校生活を送っていた。
そんな中エストニア独立に向けて革命の動きが起こり、その影響はラウリたち3人の人生にも広がっていく。
記者がラウリ・クースクの伝記を書こうとしているところから始まり、彼の軌跡を辿っていく形式で物語が進んでいく作品。
ソ連やエストニアのことについて全然知らず、プログラミングについて -
-
-
Posted by ブクログ
第147回直木賞候補、第33回日本SF大賞受賞作品。
囲碁、チェッカー、麻雀、古代チェス、将棋をテーマに、そのプレイヤーたちにとってゲームとは何かを一人のジャーナリスト目線で描く連作短編6篇。
表題作の主人公灰原由宇の凄みに引き込まれ、そのラストシーンの美しさにやられた。
そして彼女は最後の短編「原爆の局」にも再登場し、成長した姿を見せる。
原爆投下の後も対局を続けたという本因坊戦のエピソーと、「棋士は、いつも内なる火と闘っている。外の火など、いかほどでもない」という相田の言葉に、昨年の名人戦で震度4の揺れをものともせず、集中を切らさなかった藤井名人の姿を思い出した。
闘う者たちの姿を側 -
-
-
Posted by ブクログ
過去にテレビでスプーンを自由自在に曲げ、エスパーとして名を馳せた千晴。結婚した夫はマンションから転落死してからは、外との交流を遮断して、愛犬のテルミンと暮らしていた。その千晴がインタビューに応じるという…。
サルの習性、超能力(スプーン曲げ)、ロボトミー手術、『水からの伝言』問題、ホメオパシー、洗脳といった、現代ネットで受けそうな話題を題材に、最大限の皮肉を交えながら描くSF短編集。
最後の作品を除いて、ほとんどが雑誌の記事のような俯瞰した視点で描かれ、テーマがテーマなだけに、現象も読者も突き放すような、ニヒルと言うよりはスノッブと言うか冷笑が似合うスタイルである。
そのせいか、誰かがど -
-
Posted by ブクログ
ボードゲームを題材とした短編集。
どの短編も面白いのだが、自分はチェッカーと麻雀を題材とした短編2本が特に面白かった。
チェッカーの絶対的王者がいたのは別作品で知っていたが、それを使ってこんな短編に仕上がるのかと。ボードゲームにコンピューターを組み込むのは現在珍しい事では無くなっているが、なるほどそう来るかと。
また、麻雀の短編では全くこのゲームを知らない人に比べると少しでも知っている方が段違いに面白かったと思う。私は面白く読めました。参考文献に亜空間でぽんを見かけた時にはフフッと。
しかし、全く知らない物でも単語くらいしか知らない囲碁の話でも面白く読めたから大丈夫かな。
どの短編でもゲームを -