宮内悠介のレビュー一覧
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リレー小説って、テーマ型のアンソロジーにも、一人の作者による連作短編集にもない、独特の味わいがあるんだと知った。
宮部みゆきのパワーが半端ないのだけど、辻村深月も負けてはいなくて、どうなるかと思いきや、クローザー宮内悠介の絶妙なバランス感(笑)
あ、ちゃんと、一冊になったな、と。
個人的に好きなのは、冒頭二作だけど。
宮部みゆき「人・で・なし」。
社会小説かと思わせる出だしの、お前らが俺に合わせろ系社員栗田くんエピソードが、ある種、自分的には身近で怖い。『名もなき毒』みたいな。
ただ、そこから俺に合わせろ系「家」のホラーに変わっていく所や、居酒屋での絶妙な相槌に、スコーンと読まされました。 -
Posted by ブクログ
デビュー作『盤上の夜』に続いて囲碁を題材にした連作集です。四肢を無くした棋士の闘いが描かれた「盤上の夜」はかなりハードなSFでしたが、本作は探偵役・ワトソン役・ヒロイン役・ヒール役といった分かりやすい登場人物で固められていることからもわかるように、比較的ライトな感じで読みやすかったです。
表題作はバリバリの本格ミステリ、「焔の盤」は贋作師とのコンゲーム、「サンチャゴの浜辺」は異国での出会いと別れというように、読後に受ける印象がかなり違うであろう作品が並んでいます。自分の場合はまるで複数の作家が共通のテーマをリレー方式で描いた作品集を読んだような印象を受けました。ネガティブな言い方をするとまとま -
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Posted by ブクログ
10棟からなるその病院は、火星の丘の斜面に、カバラの『生命の樹』を模した配置で建てられていた。
亡くなった父親がかつて勤務した、火星で唯一の精神病院。
地球の大学病院を追われ、生まれ故郷へ帰ってきた青年医師カズキは、この過酷な開拓地の、薬もベッドもスタッフも不足した病院へ着任する。
そして彼の帰郷と同時に、隠されていた不穏な歯車が動き出した。
(あらすじより)
SFで精神病をメインに取り扱うのって珍しい。
地球では機械とAIと豊富な薬によって、的確な診断と薬物投与が行えたが、火星では設備も薬も人も足りずに、対話を中心とした全時代的な治療が行われている。
現在の治療でも(たぶん)行われている -
Posted by ブクログ
最近ハマりつつある作家さん。
こんな話も書くんだなあ、とちょっと意外。
(一緒に須賀しのぶの文庫新刊も買ったので、てっきり須賀さんのピアノものだと思って読んでいた節もあり、あれ⁈ってなりました。)
アメリカの難関(かつクレイジーな)音楽学校を受験する脩。
そこでライバル兼良き仲間と出会い、父の後を追うのだが、というストーリー自体は裏側でありながらも、王道な展開。
アメリカという国の行き着く先を「仮想実験」するという部分も、面白い。
ただ、脩にあんまり感情移入が出来なかったからか、(なんだよ、アンリミテッドブレイドワークスの使い手め)と、分かる人には分かるだろうツッコミを入れて終わってしまった -
Posted by ブクログ
「わたし」が似非科学と対峙する連作短編だ。
と言っても、「わたし」は決してその似非科学を暴いてやっつけるようなヒーローではない。
ただそれを「見る」だけだ。
SFともミステリーとも言い難い本作。
スプーン曲げや代替医療など扱う題材は面白い。
しかしながら、どうにもうまく表現できないが、私にとっては読みにくく、そこまで厚いとは言えない文庫本を読むことにいささか難儀した。
著者と私との波長が合わない、それが最もぴたりとはまる表現なのだろう。
シンクロニシティと崇拝、言霊と水質浄化、プラセボと終末医療......。
どれもこれも弱った心にするりと入り込んで狂信的とも言える信仰を集める。
それゆえ