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ヨハネスブルグに住む戦災孤児のスティーブとシェリルは、見捨てられた耐久試験場で何年も落下を続ける日本製のホビーロボット・DX9の一体を捕獲しようとするが──泥沼の内戦が続くアフリカの果てで、生き延びる道を模索する少年少女の行く末を描いた表題作、9・11テロの悪夢が甦る「ロワーサイドの幽霊たち」、アフガニスタンを放浪する日本人が“密室殺人”の謎を追う「ジャララバードの兵士たち」など、国境を超えて普及した日本製の玩具人形を媒介に人間の業と本質に迫り、国家・民族・宗教・戦争・言語の意味を問い直す連作5篇。才気煥発の新鋭作家による第2短篇集。 解説/大森望
...続きを読むPosted by ブクログ 2021年07月14日
廃墟から少女型ロボットが落下する連作短編集。ヨハネスブルグで何千もの天使が空から降り注ぐ。表題作がセンセーショナルで心を掴まれた。紛争、民族、宗教に深く切り込む、伊藤計劃を彷彿とさせるテーマ性。作中での外見描写はほぼ皆無だが、歌姫ロボットDX9は某ボーカロイドを連想させる。 最後の短編、北東京の片隅...続きを読む
著者の得意分野の本である。
表題作は。
淡々とした語り口であるが、戦場と埃とゴミの臭いがする部隊をうまく表現している。
その舞台の中の人形との対比が見事である。
そのほかの作品も各々個性はあるが同じ基調を持っている。
Posted by ブクログ 2019年07月08日
DX9という日本製の歌唱ロボットが落下するという共通設定を持った、主に世界の紛争地帯を舞台にした短篇集。
解説にもあるように本書はこの主役ともいうべきロボットについての描写(容貌・落下状態など)が割愛されており、それ以外の世界描写が緻密な分だけ妙に幻想的。
「ヨハネスブルグの天使たち」4
「ロワー...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年08月19日
解説が素晴らしすぎて感想を書くのが恥ずかしいというか、何を書いても、うん、解説にそう書いてあったよね!ってなる(笑)
それにしても嘘みたいな事実と、事実よりもありそうな嘘が混じり合った世界観に脳が騙されてく感じがたまらなく快感。SFの論理性って科学的に正しいかどうかじゃなくて、ありえるって思えるかど...続きを読む
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