宮内悠介のレビュー一覧

  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~

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    ホスト役・綾辻行人さんの人望の厚さが窺い知れる、まさに十人十色の対談集。過去の雑誌連載をまとめたものだが、最後のボーナストラックは最新の“語り下ろし”。その相手、熱烈綾辻ファンを公言する辻村深月さんとのやり取りがとても和んだ。

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    2021年01月16日
  • あとは野となれ大和撫子

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    中央アジア、干上がったアラル海に位置する小国、アラルスタンで繰り広げられた壮大な宝塚歌劇、みたいな・・・。

    歴史と現状を踏まえた丁寧な舞台の設定と過酷な環境を経て各地より集まってきた少女達が葛藤しながら自らの信じるもののために向かっていく成長のドラマを、悪役が登場せず、かつ誰も死なない、安心安全なエンターテイメントに仕上げています。

    ダムの決闘や劇中劇の学芸会には流石にちょっと萎えたけど、狙撃に動ぜずカリルを庇ってすっくと立つアイシャに思わずカッコいい!と萌えたのも事実です。

    かなり好き。面白かった。

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    2021年01月08日
  • あとは野となれ大和撫子

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    ありそうでなさそうな、なさそうででもこういう事も起こりそうなお話。とはいえ10代、20代の女の子に大の男(しかも軍人)がホイホイ従ってくれるかなぁ?という辺りでは大分ファンタジーですが…

    現職大統領が暗殺され、権力者が逃げ出した後でその場に残った女性陣が踏ん張る、というとても現実になったらいいなぁというお話です。まぁ女性じゃなくても本気でその国の未来を憂いている人なら男性でも良いんですけどね。

    面白かったんですが、個人的に主人公の一人に日本人を入れなくても良かったんじゃ…と思ったり。5歳にして両親を亡くしても取り乱さないとか、ちょっと変だし。その割に学生になったら普通の子みたいになっていて違和感を覚えました。どういう設定なんだろうか?
    とはいえ日本人が居ないとファンタジー世界みたいになっちゃうかのかなぁ。大分ファンタジーではあるのだけれども。面白おかしいエンタメ作品のような、キナ臭い今の世界に起こっても不思議ではないような、その辺りの調整が上手だなぁと思いながら読み終えました。

    ママチャリ君は最後までモブで終わったのでちょっとほっとしました。彼が政権の中枢なんかに入ってきたらそっと本を閉じるところでした。
    それにしてもバイクの彼が運命の人だったのは設定盛り過ぎてる気もしないでもないですが…

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    2020年12月24日
  • あとは野となれ大和撫子

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    宮内悠介作品の中ではお気に入りの一冊なのです。
    単行本も持ってますが、文庫もあらためて購入して再読しましたー。

    中央アジアに位置する、架空の砂漠国家アラルスタン。

    他国との紛争で居場所を失った少女ナツキが拾われたのは「後宮」。そこは、単なる大統領の側室コミュニティではなく、まさに大学級の教育機関として機能していた。

    個人的にはね、アラブを舞台としながら「後宮」を特務機関にしちゃう、この発想が好きなんです……。

    ナツキが、アイシャが、ジャミラが、流行ファッションや美味しいご飯を取り巻いてキャッキャと語らう一方で、国を守るための戦略を練り、AIM(アラルスタン・イスラム運動)という反政府組織とも対バン張っちゃうという。
    アラルスタンの大統領暗殺という大きな事件の中で、国の力を弱めず存続の道をどうにか体現していこうというテーマ。

    そこに絡んでくる「雨」のキーワードも印象的なのですよねー。
    砂漠地帯にとっては恵みの象徴、でもチェルノブイリを経験した人々からすると災厄の象徴。
    アラブ地域は今なお、力のある国家によって翻弄され続けている。こうしたキーワードから、考えの違いを浮き彫りにすることで相容れなさをうまく表しているようにも思うのでした。

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    2020年12月13日
  • 遠い他国でひょんと死ぬるや【単行本版】

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    77軽妙でありつつ硬派なストーリーでしたが、長編にもかかわらず途中での破綻もなく、一気に読みました。異教徒の親友と愛する人が共に幸せでありますよう祈りたくなりました。自作に大いに期待です。

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    2020年09月17日
  • 遠い他国でひょんと死ぬるや【単行本版】

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    冒険小説と呼ぶにはあまりにも淡白ではあるが、フィリピンの過去と現在がドキュメンタリーのように描かれている。
    過去とは太平洋戦争時代、敗残の日本兵が彷徨い死んでいった様が描かれ、現在ではISとの戦いや財閥の支配が描かれていた。
    エンターテイメントではあるが、8月に読むには相応しい内容だったと思う。

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    2020年08月19日
  • 宮辻薬東宮

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    人気のある作家ばかり集めたゾクっとくるホラーミステリーアンソロジー。ホラー苦手な私でも楽しめる内容で良かった。特に好きなのは「ママ・はは」と「わたし・わたし」。

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    2020年08月08日
  • 遠い他国でひょんと死ぬるや【単行本版】

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    冒険小説をあまり読み慣れていないが、次々と展開するストーリーに引き込まれた。
    それとは別に、竹内浩三という詩人とその詩を教えてもらえたのが大きな収穫だった。
    その詩とこの小説によって、フィリピン戦線、それによって亡くなられたフィリピンの人々、日本兵について思いを馳せられた。忘れないように知り続けなければならないとの思いを強くした。

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    2020年06月09日
  • カブールの園

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    表題作はアメリカのソフトウェア会社で働く日系三世の女性・レイを主人公に据えた物語です。会社から強制休暇を命じられたレイは、かつて祖父母が収容されていた日系人収容所を訪れ、アメリカ人になりきろうとした母と、日本人であることを捨てなかった祖母との間をかつて取り持ってくれたミヤケ氏の名前を見つけます。ミヤケ氏の息子に会いに行ったレイは、祖母と没交渉状態だった母が、レイの学費のために祖母に頭を下げにいったことを知り・・・
    レイの会社が製作した「トラック・クラウド」が象徴的ですが、様々な壁、例えば世代であったり人種であったり言葉であったり親子関係であったりを、いかにして乗り越えるかいうところが本作のテーマであると解釈しました。大変読みごたえのある良作ですが、過去のいじめのトラウマをずっと引きずっているっていう設定が安易に思えたのと、主人公にあまり切実さが感じられなかったところは弱いかなとも思えたので、星は4つとさせてください。

    同時収録されている「半地下」もアメリカを舞台にした日本人姉弟の物語です。父親が失踪し、食べていくためにプロレスラーとなった姉は、移民孤児の凶悪なキャラクターという、いわば「自分を偽った」形で生き残ろうとしますが・・・
    設定自体もそうですが、自らのアイデンティティのありか、言葉の壁といったテーマについても表題作と相通じるところがあり、こちらも面白く読めました。ラストがやや中途半端に感じられたのは純文学フォーマットだからなのかなあ。

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    2020年04月12日
  • 宮辻薬東宮

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    「みやつじやくとうぐう」と読むんだそうです。
    好みの作家さんが名を連ねていて、その豪華な面々に、思わず即買い。
    ミステリーというよりはホラー寄り。勝手にリレー形式のミステリーだと思っていたので、連作短編集のようなものをイメージしていましたが、それぞれが独立したアンソロジーですね。
    リレーだと思うと、前の作品を強引に入れ込んだでしょ感が出ちゃってる。でも、宮内さんの作品のラストは秀逸でした。リレー形式ならではの〆だと思います。

    アンソロジーって、好きな作家さんの作品を、濃密に、いいとこどりしたような感覚で楽しめるのはもちろん、知らなかった作家さんや、興味はあったけれどまだ読めていなかった作家さんの作品も楽しめるのが好きです。さらに、その作家さんの作風だとか強みを出してくれるので、その作家さんの背景を知れたり。例えば東山彰良さんの作品は、「なんで中国!?」と思いもしたけれど、東山さんご自身が台湾出身だってことを知ったり。宮内悠介さんの、ド文系には何を言っているのか分からなかったプログラミング用語も、宮内さんご自身がプログラマーだったということを知ったり。今回のアンソロジーで、今のお二人の作品がすごーく刺さってきたかと言われるとお答えしにくいのですが、こんな風にお二人の背景や生い立ちを知っていると、次に本屋さんでお二人の作品を目にした時、わたしはきっと、立ち止まってあらすじと舞台を確認してしまうだろう。
    他の三名の作家さんも、それぞれ作風と強みがすっっごく現れていて好きです。宮部さんは、わたしはどちらかというとミステリーが好きですが、最後たたみかけてくるところはミステリーとは別の意味でゾクゾクさせられたし、さらにそこでタイトルの「人・で・なし」の意味が激変する。この短いアンソロジーの最初に、ものすごいインパクトと個性を残して去っていく。他の作品が気にならないわけがない。辻村さんは、「母子」という根深いテーマを、このアンソロジーという短い作品の中にぎゅっと詰め込んで、スミちゃんの言葉でいちいち読者を刺してきながらも、「ちょっぴり怖い」を落としどころとしているところはお見事だし、薬丸さんはやはり少年事件を扱っていて、こんな風に、初めてその作家さんに触れる読者への自己PRのようなものも意識してるんだろうな。

    で、結局やっぱり、宮部さん辻村さんがダントツ、続いて薬丸さん、という感じかなあ。

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    2020年03月07日
  • 宮辻薬東宮

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    宮部みゆきの書き下ろし短編を読んだ上で、辻村深月が短編を書き下ろし、以後、薬丸岳、東山彰良、宮内悠介と計5人の人気作家がバトンを繋いて仕上げた豪華なリレーミステリーアンソロジー。
    前の作品から何が繋がってるのかは読んでのお楽しみだが、テーマはちょっと恐いホラーかな。
    しかし何れも短編の名手。思わず唸る作品。楽しめました。

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    2020年03月01日
  • 宮辻薬東宮

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    再読。ホラー・ミステリーのアンソロジー。前の作者の作品を読んで、そのテーマをつないでいく。
    かなり怖いです。

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    2020年02月01日
  • カブールの園

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    マイノリティの辛さが伝わってきました
    日本というほぼ単一民族国家に住んでいては中々考えることがないテーマかと思います
    読みやすいし、テーマもはっきりしていてよいです

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    2020年01月18日
  • 遠い他国でひょんと死ぬるや【単行本版】

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    ネタバレ

    塚本監督の野火のイメージもありつつだったんで、
    東南アジアの暗いイメージが漂うストーリーなのかなと思っていたら、
    チェイスあり、不思議コンビあり、恋愛あり、荒唐無稽アクションありと、意外にハリウッド的なエンタメ小説になっていた。
    ただ、ラストはちゃんとテーマの伏線を回収していた。
    荒唐無稽で訳わからんと言う人もいるかもだけど、
    個人的には重いテーマをシリアスに扱わなかったのは良いと思った。本当にこういう詩人がいたんだなと。引用の詩は泣ける。

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    2020年01月04日
  • 宮辻薬東宮

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    宮部→辻村→薬丸→東山→宮内

    リレーミステリーアンソロジー。それぞれの味があって恐ろしく面白く読みました。

    記念写真は撮られたのでしょうか?

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    2019年12月31日
  • 宮辻薬東宮

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    不思議なアンソロジー。
    微妙な繋がりで前作を受けて話が展開する。
    個別に読んでも面白い。
    普段はめっに読まないホラー系でした。

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    2019年12月26日
  • ヨハネスブルグの天使たち

    購入済み

    得意分野かな

    著者の得意分野の本である。
    表題作は。
    淡々とした語り口であるが、戦場と埃とゴミの臭いがする部隊をうまく表現している。
    その舞台の中の人形との対比が見事である。
    そのほかの作品も各々個性はあるが同じ基調を持っている。

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    2019年11月26日
  • Genesis 一万年の午後

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    SF。短編集。エッセイもあり。
    これは良い企画。5年、10年と続いてほしい。

    久永実木彦「一万年の午後」
    人類絶滅後のロボットたち。綺麗な文章が印象的。

    高山羽根子「ビースト・ストランディング」
    怪獣を持ち上げるスポーツ。相変わらず奇妙な設定が持ち味。好き。

    宮内悠介「ホテル・アースポート」
    SF設定でのミステリ。ミステリとしては小粒だと思うが、上手くまとまってる。舞台設定が良い。

    秋永真琴「ブラッド・ナイト・ノワール」
    吸血鬼&マフィアもの。ラノベやマンガぽさが強い。成田良悟『バッカーノ!』風な印象。好き。

    松崎有理「イヴの末裔たちの明日」
    近未来の技術的失業。リアルなテーマを、静かな文章でコミカルに描く。作者らしい。好き。

    倉田タカシ「生首」
    かなりの異色作。自分はついて行けなかった。

    宮澤伊織「草原のサンタ・ムエルテ」
    SFアクション。『裏世界ピクニック』のイメージが強いが、こんなのも書くのか…。

    堀晃さんは、日記風ということでスルー。

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    2019年11月17日
  • 月と太陽の盤~碁盤師・吉井利仙の事件簿~

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    通して、面白かった。
    古典的なミステリーはあまり好きではないんだけど、
    全編通して一つの物語になっていて、ラストはちょっと切ない。

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    2019年10月02日
  • アメリカ最後の実験(新潮文庫)

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    「大幅な改稿」とあるのでちゃんと読んだ。

    ( ゚д゚)ハッ!
    他の作家の本でもそういうのがあったかも?
    ハードカーバーで読んでて、まだ覚えているからと本棚に直行させた文庫本たちをチェックしなきゃねー

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    2019年09月09日