宮内悠介のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ・・・とりあえずもぅ、書名がバカバカしいんですが( ̄▽ ̄)
いわゆる「バカSF」を集めた短編集です。鴨は宮内悠介の長編しか読んだことがなく、あの叙情的かつクールな筆致を想起して読むと全く真逆の作品ばかりで驚きました。なぜあのクールな作風の宮内氏が、こんな作品を・・・?という謎は、「あとがき」を読むと解決しますが、実は一番面白かったのはこの「あとがき」であるという(笑)ちなみに、1ページ目の作品梗概もたいがいな出来です(笑)いやー、面白かったー。
いろんなベクトルから「バカ」を追求したSFが納められていますが、そこかしこにハッとするアイディアや叙情性が垣間見えるのが、この作品集の面白いところ。 -
Posted by ブクログ
――
この国の名は、アラルスタン。かつて、アラル海とよばれた場所だ。
移住してきた多民族による新興国。油田とイスラム系反政府組織を内部に抱え、隣接する国々とその向こうの大国とが利権を争う小国。
独立記念日に大統領が演説中に暗殺され、議会がまるごと逃げ出した爆発物みたいなその国で、大統領直下の特殊教育機関“後宮《ハレム》”に属する少女たちは、自分たちの場所を守るために国家の運営に乗り出す。
……なにこのあらすじ(笑
この物語はフィクションです、って何処へ向けてるか解らない注意書きとはまるで違う、これぞフィクションだ! と胸を張っているかのような強度と速度。
立ち向かうも -
-
Posted by ブクログ
読み終わった。いつ買ったんだろ。一年くらい前な気がする。
かなり好きな話だった。囲碁、チェッカー、麻雀、古代チェス、将棋。盤上遊戯をベースに話が進む。一見してSF感はないのだけれど、チェッカーの終盤から察するに…。という匂わせ程度のSF感は逆に好き。
ボードゲームという「抽象」を極める先には。。という軸だと理解した。一つ一つの話しに参考文献があり、地に足が着いた歴史ノンフィクションの要素もありつつ、その実抽象のその先まで跳んでいきそれを描こうという哲学的な跳躍は、あまり読んだことのない読書体験。
扱う論点が多少ばらついて見えるところが少し追い付くのが大変だったかな。著者的にはベクトルは同じで太 -
購入済み
刀の行方
五人の作家のリレー小説。
それぞれの持ち味が存分に出ていて、読み応えがあります。
こんな風な小説は時にあらぬ方向へと流れたりする事もありますが、最初と最後がきちんとつながります。 -
購入済み
短編集というよりは
前書きがこの作品集の価値を大変高めている。
ショートショート集としては面白い作品ばかり ということではないが、AIの発達した世界の悲喜劇 このようなことはきっと起こりそうだな と考えさせるところにこの本の値打ちがあると思う。
SFと科学はお互いに刺激を受けあい手をたずさえて発展してきたのだから。 -
Posted by ブクログ
面白かったです。
生活、を感じました。人が生きている世界。
「ディレイ・エフェクト」の世界は体験してみたいです。幻の雪が降る中、炎上する東京……そしてこの世界、丁度今頃なのですね。
ディレイ・エフェクトはリバース・ディレイに変化したのですが(音楽の機材?は疎いのでこれがどういうのかはいまいちわからない…)、永遠に終戦の年を繰り返すのかな。。
「空蝉」はバンドの一生を垣間見ました。
「阿呆神社」は人物関係を掴むのにまごつきましたが、誰を守っているのか…が見えてくるとじーんとしました。神様も大変です。
宮内さん、これからも読んでいきたいです。