宮内悠介のレビュー一覧

  • 偶然の聖地

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    バグか仕様かは、人と社会によってしか判断できない。

    旅行記かと思いきや、マトリックス的な世界に引き込まれ、終盤は安定の宮内節。

    真面目に意味を調べようと思ったフレーズは大抵「書いてみたかっただけ」との脚注あり、まんまとやられ感じも楽しめる。

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    2021年10月02日
  • 超動く家にて

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    ネタバレ

    ・・・とりあえずもぅ、書名がバカバカしいんですが( ̄▽ ̄)
    いわゆる「バカSF」を集めた短編集です。鴨は宮内悠介の長編しか読んだことがなく、あの叙情的かつクールな筆致を想起して読むと全く真逆の作品ばかりで驚きました。なぜあのクールな作風の宮内氏が、こんな作品を・・・?という謎は、「あとがき」を読むと解決しますが、実は一番面白かったのはこの「あとがき」であるという(笑)ちなみに、1ページ目の作品梗概もたいがいな出来です(笑)いやー、面白かったー。

    いろんなベクトルから「バカ」を追求したSFが納められていますが、そこかしこにハッとするアイディアや叙情性が垣間見えるのが、この作品集の面白いところ。

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    2021年09月16日
  • 宮辻薬東宮

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    宮部みゆきさんのはゾクゾクしたー。
    辻村深月さんのは既読だったな。
    薬丸岳さんのはページを繰る手が止まらなかった。

    東山彰良さんのは始め入りにくかったけど、話が動き始めてからはグイグイ。

    宮内悠介さんのは、面白かったけど、バトンな感じやホラー感はあんまなかったかな。
    最後、宮部さんのそことつながるのかーと思った。

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    2021年08月17日
  • 超動く家にて

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    宮内悠介バカSF短編集。(解説より)
    いいえて妙だ。
    あっと驚く展開だったり、バカだなーっと苦笑したり。
    いろんな要素がてんこ盛りでおもしろかった。

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    2021年07月20日
  • 超動く家にて

    購入済み

    面白い

    宮内さんの作品は、
    傑作選などでは読んでいたが、
    初めて短編集を読んだ。

    バカバカしい作品が多いが、
    皆が真面目で、可愛らしい。

    最初の「トランジスタ技術の圧縮」が、
    タイトルからして意味が分からないが、
    読むと、余計分からなくなるが、
    バカバカしくて笑える作品だった。

    #ほのぼの #笑える

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    2021年05月23日
  • 超動く家にて

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    短編集。全16編。まずタイトルに惹かれた。AIなどSF要素強めだが、雑誌の圧縮競技に始まり、革命あり、カーチェイスあり、日めくり問題あり、なんだそれ?な概念ありで、ジャンルはかなり多彩。表題作は、エラリィという探偵から連想する思い込みを気持ちよく裏切られた。動いている。たしかに超動いている。だが、私はこんな家には滞在できない。住居は少なくとも地面に建ち、出入口があり、回転しないことを条件としたい。

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    2021年05月18日
  • あとは野となれ大和撫子

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    ――

     この国の名は、アラルスタン。かつて、アラル海とよばれた場所だ。


     移住してきた多民族による新興国。油田とイスラム系反政府組織を内部に抱え、隣接する国々とその向こうの大国とが利権を争う小国。

     独立記念日に大統領が演説中に暗殺され、議会がまるごと逃げ出した爆発物みたいなその国で、大統領直下の特殊教育機関“後宮《ハレム》”に属する少女たちは、自分たちの場所を守るために国家の運営に乗り出す。


     ……なにこのあらすじ(笑

     この物語はフィクションです、って何処へ向けてるか解らない注意書きとはまるで違う、これぞフィクションだ! と胸を張っているかのような強度と速度。
     立ち向かうも

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    2020年12月30日
  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~

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    綾辻行人対談集。ミステリの話題がいっぱい。面白そうな本の話題もいっぱい。それぞれの作家さんのこだわりなども知ることができて、とにかく楽しい一冊です。
    だいたい読んでいる作家さんが多かったので、読みたい本が爆発的に増えるということは幸いにしてありませんでしたが。積んでいる本が多いのでそれらをさらに読みたい気分になったのと、読んだ本でもここで語られたことを念頭に置いて読みなおしたくなったり。読書の沼はどこまでも深いようです。幸せ。

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    2020年12月30日
  • あとは野となれ大和撫子

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    タイトルがめちゃ好き。
    単行本持ってたけど、辻村深月解説につられて文庫のほうも買ってみた。

    久しぶりに読んだけど、やっぱり面白かったぁ

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    2020年12月21日
  • 遠い他国でひょんと死ぬるや【単行本版】

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    この作者の本を今まで何冊か読んだが、海外が舞台という点は共通していても、みんな語り口が違っていてびっくりする。今回はフィリピンが舞台で、第二次世界大戦当時の日本軍の所業と、最近のイスラム過激派の闘争とが並行して語られ、戦争反対のメッセージが強く現れている。占いに左右されたりするあたり、ちょっと行き当たりばったりな物語展開のようにも見えるが、それぞれの登場人物の行動原理がはっきりしているので、読んでいて違和感は感じなかった。魅力的な人物も多く、私としては、トレジャーハンターのマリてお嬢様が主役で別の本を書いて欲しい。

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    2020年10月24日
  • 盤上の夜

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    読み終わった。いつ買ったんだろ。一年くらい前な気がする。
    かなり好きな話だった。囲碁、チェッカー、麻雀、古代チェス、将棋。盤上遊戯をベースに話が進む。一見してSF感はないのだけれど、チェッカーの終盤から察するに…。という匂わせ程度のSF感は逆に好き。
    ボードゲームという「抽象」を極める先には。。という軸だと理解した。一つ一つの話しに参考文献があり、地に足が着いた歴史ノンフィクションの要素もありつつ、その実抽象のその先まで跳んでいきそれを描こうという哲学的な跳躍は、あまり読んだことのない読書体験。
    扱う論点が多少ばらついて見えるところが少し追い付くのが大変だったかな。著者的にはベクトルは同じで太

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    2020年08月26日
  • 盤上の夜

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    これも、SFのカテゴリーなのか?とは思いつつ、非常に面白く読みました。特に興味深かったのは「人間の王」。AIが人間にゲームで実際に勝ち、さらには完全解がもしも見つかったら、人はそれでもゲームをするのだろうか?人にとってゲームとはなんだろうか?と、現実にAIが人間に勝つ現代に一層、考えさせられました。

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    2020年01月20日
  • ディレイ・エフェクト

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    表題作を含む短編3編。第二次大戦最後の1年が幻のように現れている東京が舞台の話、JR大塚駅周辺を舞台にかつて活躍したバンドの話、大塚の神社の話。話の設定と展開が巧みで爽快感(?)あり。面白い作家を知れた。

    ランカウイの家の前庭にて。2019年の大晦日の午前中の読書。

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    2019年12月31日
  • 宮辻薬東宮

    購入済み

    刀の行方

    五人の作家のリレー小説。
    それぞれの持ち味が存分に出ていて、読み応えがあります。
    こんな風な小説は時にあらぬ方向へと流れたりする事もありますが、最初と最後がきちんとつながります。

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    2019年12月13日
  • 盤上の夜

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    たかがゲーム、されどゲーム。
    現実を侵食するほどの中毒性がある。
    深く潜り、あるいは高くどこまでも登り、行き着く果ては何か?
    新たな世界か、世界の真実が暴かれるのか?
    6編の物語が語ります。

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    2019年12月08日
  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

    購入済み

    短編集というよりは

    前書きがこの作品集の価値を大変高めている。
    ショートショート集としては面白い作品ばかり ということではないが、AIの発達した世界の悲喜劇 このようなことはきっと起こりそうだな と考えさせるところにこの本の値打ちがあると思う。
    SFと科学はお互いに刺激を受けあい手をたずさえて発展してきたのだから。

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    2019年11月23日
  • ディレイ・エフェクト

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    面白かったです。
    生活、を感じました。人が生きている世界。
    「ディレイ・エフェクト」の世界は体験してみたいです。幻の雪が降る中、炎上する東京……そしてこの世界、丁度今頃なのですね。
    ディレイ・エフェクトはリバース・ディレイに変化したのですが(音楽の機材?は疎いのでこれがどういうのかはいまいちわからない…)、永遠に終戦の年を繰り返すのかな。。
    「空蝉」はバンドの一生を垣間見ました。
    「阿呆神社」は人物関係を掴むのにまごつきましたが、誰を守っているのか…が見えてくるとじーんとしました。神様も大変です。
    宮内さん、これからも読んでいきたいです。

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    2019年09月05日
  • エクソダス症候群

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    セフィロトの樹を、あるものに見立てた発想が秀逸。宮内さんはアイディアが本当におもしろい。
    「よくこんなこと思いつくなあ」っていう驚きもあるけど、「よくこんなアイディアを物語にできたなあ」って唸っちゃう。
    参考文献がすごい量だから、そうとう勉強してるんだろうね。努力する天才。眠らない兎。それが宮内悠介という作家。

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    2019年07月07日
  • 彼女がエスパーだったころ

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    疑似科学というテーマは、思ったより僕らの身近なものらしい。
    かなり好き。

    たまたま最近読んでた『謎解き カラマーゾフの兄弟』に、匿名会(AA)についての話が少し出ていて、思わぬシンクロ。

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    2019年03月25日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    初めて手に取った宮内作品。
    正直言って難しかったです。
    それでもすごく宮内悠介らしい作品で、何度も読み返す一冊。
    どうにもならない現実と愚かな人々を描きながらも、希望と慈しみに溢れている。

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    2018年09月20日