宮内悠介のレビュー一覧

  • 超動く家にて

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     圧倒的巧さで書かれる、異常にクオリティの高い馬鹿作品、大好物です。同筆者の「盤上の夜」とのギャップが凄まじいですね。面白かった……!
     とりあえず表紙ページの「メロスは激怒した」のくだりだけで噴き出し、最後のあらすじも面白く、こういった本に出会うと作品のみならず作者本人まで好きになりますね。
     個人的なお気に入りは、ともに男たちの熱い真剣勝負が描かれる「トランジスタ技術の圧縮」と「星間野球」。こういう本格的に全力で馬鹿をやるお話、大好きです(笑) 「今日泥棒」のテンポのよい掛け合いや、「超動く家にて」のボケツッコミの応酬も最高でした。
     他の作品もそれぞれに独創性が光り、奇想天外さにぶっとん

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    2023年12月23日
  • 超動く家にて

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    11月にテレビで放映された『世にも奇妙な物語』の『トランジスタ技術の圧縮』が面白かったのでったので、原作を読んでみました。
    時は2036年。雑誌『トランジスタ技術』の広告ページを除いて圧縮する競技の最後の大会が開催された。『アイロン派』 (アイロンで背表紙の表紙を溶かして広告ページを取る派)関本のもとで修行した梶原は、『毟り派』(アイロンを使わずむしり取る派)の坂口と対戦する。
    もう、しょうもないネタなのに熱く、お約束の「こんな修行、何の役に立つ?」ネタあり、笑いっぱなしでした。

    16の短編があり、かぎ括弧で殺人事件が起こる世界など(かぎ括弧職人、山際の存在がいい)、設定が面白いものから、お

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    2023年12月22日
  • 超動く家にて

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    ドラマ化された「トランジスタ技術の圧縮」から入った。設定されたネタに対しての掘り下げやリアルさが面白い。(ドラマは「世にも奇妙な物語」にて。)
    他の作品もネタも内容も面白く、小粒ながら1つ1つ面白い短編集になっている。

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    2023年11月19日
  • Jミステリー2023~FALL~

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    ネタバレ

    2023.10.28
    このアンソロジーはいつも待ち遠しい。
    ただし、さいごの宮内悠介の作品は音楽をプレイしたり、レコーディングの意味を知っている人にはすぐに推察できるネタだとワタシは感じた。ネタバレではないと思いますが念のため。

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    2023年10月28日
  • 盤上の夜

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    ネタバレ

    碁、将棋、麻雀、チェス、ボードゲームを題材にした短編集。ゲームを巡る人間の執念や狂気がおもしろい。


    ■盤上の夜
    囲碁の話。四肢を失った女流棋士が研ぎ澄まされた感覚と純粋な勝負心から連勝を重ねるが、より感覚を研ぎ澄ますために取り組んだのが外国語という点が面白い。一つの事象や感情も言語によって表現の仕方は多様で、宇宙にも例えられる囲碁の魅力とのつながりがオカルトちっくでありSFっぽくもある。

    ■人間の王
    チェッカーの話。半世紀負け知らずの人間と機械の闘い、そして数学による完全解が証明されてしまったゲームにおいて、人間の王者は何を見たのか。
    計算上は完全解明されたゲームであっても、人間がプレイ

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    2023年09月18日
  • 超動く家にて

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    SF、ミステリー、などのショート・ショート作品。星新一とは、また違う味があって読みやすかった。個人的に、「法則」「ゲーマーズゴースト」タイトルの超動く家も好みだった。

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    2023年07月30日
  • ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー

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    伴名練「20001周目のジャンヌ」が面白かった。何度も何度もやり直す…考えただけで倦んでしまう。ジャンヌの最後の選択が良く、後味もすっきり。
    斜線堂有紀「一一六二年のlovin’ life」も良かった。この上ない相棒を得た喜び、失った悲しみ。史実をそういう風に改変するのも面白い。

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    2023年06月27日
  • あとは野となれ大和撫子

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    『Another side of 辻村深月』で辻村深月先生が解説を書くならば、その物語をきちんと読まなくては、という心持から手に取った本。

    タイトルから、純和風な舞台を想像していましたが完全に裏切られました。
    架空の中東の国が舞台ですが、独特の固有名詞や後宮の仕組みなど設定が練られているので薄っぺらいということはないです。
    まるで獣の奏者を読んだときのような気持ち。異世界に触れるような。

    舞台は架空の国かもしれないけれど、そこで描かれる政治的かつ外交問題なんかは現代の世界でもどこか通ずるものがあると思うので他人事とは思えない。
    悲しいかな、議会の男が逃げそうなのは今の日本では想像つくけれど

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    2023年06月27日
  • 超動く家にて

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    バカSFと呼ばれているのか。徹底したくだらなさにニヤニヤした。一話目の「トランジスタ技術の圧縮」でやられた。
    他で印象に残ったのは、「文学部のこと」「超動く家にて」「犬か猫か」「かぎ括弧のようなもの」

    ■トランジスタ技術の圧縮:トラ技といえば、私にとっては読んだことないけどよく見かける雑誌の筆頭。一見薄そうだけど、そんなに広告があるのか。トラ技の広告ページだけを削って薄く保存しようとする勇者たちの物語。アイロン派と毟り派の二大派閥の伝説と栄枯盛衰と対戦バトルが描かれている。こういう訳の分からないバッドノウハウを極めたくなる理系オタクっぽさにニヤニヤしてしまった。

    ■文学部のこと:内容云々よ

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    2023年06月24日
  • 超動く家にて

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    宮内悠介は、「盤上の夜」という短編集で初めて知ったのだけれども、大変シリアスなSF短編集でまじめな人なのかと思っていたらこの短編集。
    最初から最後まで笑いが止まらなかった。
    トランジスタ技術という実在の雑誌をいかに圧縮できるかを競う様を描いた「トランジスタ技術の圧縮」、もうなんて表現したらいいかわからない「超動く家にて」、ウィリアムギブスンの代表作「クローム襲撃」をメタ小説的に村上春樹的にアレンジしてもう何言ってるかわからないけど明らかに村上春樹な「クローム再襲撃」。ほか、本当にくだらない短編ばかり16編を集めている。
    この人がすごいのは、発想がくだらないだけではなく、くだらない発想をきちんと

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    2023年04月18日
  • カブールの園

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    デビュー作から、順番に読んできて、作者は一作ごとにいろいろ実験しているのでは、と勝手に解釈している。ああ、今回はこう来たのか、と言うのが第一印象。私小説では無いにしろ、自分の経験、心の奥の何かを主題に書いたのかな(文学って全部そうだろ!)。結果、いい作品じゃん。微妙な優しさ?が漂っている気がします。これからも、天才の秀作?には最後まで(先に寿命が尽きるっつうの!)お付き合いしたいと思います。宮内さん、頑張って書いて下さい。よろしくお願いします!

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    2023年04月17日
  • シークレット~綾辻行人ミステリ対談集in京都~

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    デビューのきっかけやデビュー直後に縁のある作家との対談なので、綾辻行人が謂わば道標となる存在であることが強調される。
    綾辻行人自身が対談を楽しんで相手の作品を褒めるので読みたくなります。ミステリは継がれていくものだと実感する。

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    2023年02月12日
  • 盤上の夜

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    囲碁、将棋、チェス、麻雀などのボードゲームを題材にしたSF短編集なのですが、史実に基づいた描写も多く、いわゆる「SF要素」が薄めな作品も多いです。

    ただこの「史実」と「フィクション」の織り交ぜ方や、独自の解釈が非常に読ませる作者さんで、ゲームのルーツや歴史についても飽きずに読めます。

    人間プレイヤーVSコンピューターの視点はやはり、現代の観点からボードゲームを見るに当たっては、避けられない話題なのでしょうか。

    麻雀を題材にした「清められた卓」なんかは麻雀のルールを知らずとも引き込まれてしまったし、「三角関係」という表現では生ぬるい、倒錯した性関係・愛情関係がもつれる「千年の虚空」も良かっ

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    2023年01月15日
  • 盤上の夜

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    これまで数々の将棋小説に手を出しておきながら、灯台下暗し、なぜこの一冊を見逃していたのだろう……。

    囲碁、チェッカー、麻雀、チャトランガ、将棋。
    ボードゲームと哀しき天才の掛け合わせが、ドラマを生む。

    個人的に「象を飛ばした王子」が良かった。
    釈迦の息子、ラーフラ〈蝕〉の物語なのだけど、釈迦のようにはなれない自分、という劣等感の中にいても、自分の民に対する最適解を考え続ける、誠実さがグッとくる。
    そして、人の好戦的な感情を、ゲームの中に押し込めようとした、その着眼点も良いと思う。

    人間を超える機械と、人間のイマジナリーの力がぶつかりながら、ゲームが解かれていく様子は、なんだか恐ろしい。

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    2023年01月04日
  • 盤上の夜

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    囲碁、麻雀、将棋などのボードーゲームを題材にした短編集。

    特殊な過去や設定を持つ登場人物達のストーリーにワクワクしたし、共通のテーマである「なぜそのゲームをプレイするのか」という部分もそれぞれ違っていて面白かった。

    架空の話に現実の事件や歴史を混ぜてあるのも上手い。

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    2022年12月28日
  • Genesis 一万年の午後

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    日本人作家によるSF短編アンソロジー。様々な味わいのある作品を楽しめる。読者ごとに好みがあるので、すべての作品を面白いと思う人はそう多くないと思うが、これから好きになる作家出会う良い機会になるだろう。私の好みは、「イヴの末裔たちの明日」(松崎有理)と「生首」(倉田タカシ)の2作品。前者はAIが仕事を奪った結果、治験のアルバイトにたどり着く、どこかユーモラスな作品。後者は生首が現れる現象がホラーチックであるが、なぜか笑いたくなる作品。なんだ、私は笑える作品が好きなのだろうか。今気づいた。

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    2022年12月21日
  • 宮辻薬東宮

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    「人・で・なし」
    宮部みゆき上手いよねえ。
    極めて普通の(もしかしたら宮部自身が遭遇したかもしれない)居酒屋の、よくある話から、「人でなし」のワードを引き出して、ひとつの現代の「怪談噺」が始まる。まあ、やり過ぎ(ありきたり)のオチだったけど。リレー・アンソロジーどうなるんだろ?

    「ママ・はは」
    宮部からバトンを受け取ったのは、辻村深月。話の導入方法と「表題」「写真」というキーワードを引き継いだようです。果たして何処を引き継いで何処を引き継がないのか。ちょっと推理したくなりました。

    「わたし・わたし」
    辻村からバトンを受け取ったのは、薬丸岳。初めて読む作家。確か実際にあった犯罪に取材した小説

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    2022年12月14日
  • ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー

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    斜線堂有紀の上智卒なるほど!と思わせる英語力も見せつけられました。斜線堂ファンなら、この短編だけのために読むべき一冊です。
    ・石川宗生「うたう蜘蛛」
    死ぬまで踊り続ける奇病が蔓延したイタリア。総督の前に、「この流行り病を収束させてみせましょう」とホーエンハイムなる錬金術師が現れる。
    性描写あり、中学生には微妙ライン。
    好み的には合わず。
    ・宮内悠介「パニック――一九六五年のSNS」
    一九六五年の日本。そこには「ピーガー」というSNSが存在した。
    一番心が乗らなかった作品。発想は面白い。
    ・斜線堂有紀「一一六二年のlovin' life」
    和歌を詠むと同時に“詠訳”する平安時代。“詠語

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    2022年12月04日
  • ifの世界線  改変歴史SFアンソロジー

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    歴史に生きる人々の心情を特に焦点が当たっていた話や、SF設定におもむきを置いている話、とアンソロジーの強みを活かした独自の世界観が面白かった。

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    2022年11月27日
  • 超動く家にて

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    「超動く家にて」(宮内悠介)を読んだ。
    面白い。実に面白い。
    穂田川洋山とか澤西祐典とかを彷彿させるものから「アメリカン・ブッダ」の柴田勝家を連想させるものまでありとあらゆる感性が詰まっている短篇集。
    中でも異色なのが『クローム再襲撃』である。よくぞこれを書いてくださいました。

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    2022年09月03日