宮内悠介のレビュー一覧

  • 人工知能の見る夢は AIショートショート集

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    内容からしてこのタイトルは間違っている。「人工知能の見る夢」ではなく、「人工知能へ抱く夢」つまり主語は人間であってしかるべき。おっと。誤解を招いてはいけない。これはいい意味でのつっこみ。中味は本当に夢があって喜怒哀楽多彩、ワクワク感ハンパない。

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    2018年09月17日
  • ディレイ・エフェクト

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    とてもレベルの高い文学よりの短編集。過去と重なり合う世界の中で、家族を描く表題作もいいけど、個人的には解散したバンドを追う、若干ミステリー風味の空蝉が好み。長いバンド名が連呼されて笑える。この調子なら、どこかで芥川賞を取れるかな?

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    2018年07月20日
  • ヨハネスブルグの天使たち

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    読解力の問題かもしれないが、少々読みにくさがあるものの伊藤計劃の再来かと思える内容で、近未来SFではあるがSFは舞台装置でしかなく、人間的というか生身の物語だった。

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    2016年10月30日
  • かくして彼女は宴で語る 明治耽美派推理帖

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    明治末期、木下杢太郎や石井柏亭、山本鼎ら「パンの会」のメンバーが、各々が出くわした奇妙な事件について推理合戦を繰り広げる。議論が煮詰まったところで、会合場所の女中・あやのさんが鮮やかに解決。時代の雰囲気を感じられる。

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    2025年11月27日
  • 国歌を作った男

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    だんだんこの人のペースにハマってきたようだ。

    13篇の物語はボリュームも内容も豊富。
    中には2ページのものも。
    主にSF作家だと思っていた印象は、もうそんなカテゴリは意識しなくなっていた。

    この短編集は、どれも読後に感じるものがあり、とても良かった。

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    2025年11月19日
  • Jミステリー2023~FALL~

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    アンソロジー作品『Jミステリー2023 FALL』を読みました。
    全篇書下ろしの短篇を収録した贅沢なアンソロジー作品です。

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    ミステリー界の最前線で活躍する作家陣による、全編書き下ろしの超豪華アンソロジー「Jミステリー」。
    この秋も誰もがよく知るあの作家たちが競演! 大好評だったあの作家の再登板も……これを読まずして日本ミステリーを語ることなかれ。
    『Jミステリー2023』もお見逃しなく。
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    2023年(令和5年)に刊行された作品で、以下の6篇が収録されています。

     ■どうして今夜の彼女は魅力的に映

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    2025年11月08日
  • 旅する小説

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    帯には「最旬の作家たちが旅をテーマに競作したアンソロジー」と書かれている。この最旬の作家たち6人のうち5人が有名なSF作家だった。この様なアンソロジーには必ず読んだことがある作品が紛れ込んでいるもの。しかし、しょうがない。忘れている作品もあるだろうから、復習も兼ねてサラっと読んで行こう。SF作家が「旅」と言えば、時間旅行、宇宙旅行が定番、全くつまらないと言うことはないだろう。まさか、普通の旅行小説なのか?と、ワクワクしながら読むのも一興だ。さあ、個別にコメントしよう。

    〇 国境の子/宮内悠介
    講談社の短編集「国家を作った男」で既読。何回読んでも心に染み入る作品。主人公が大人しいだけに、その範

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    2025年10月23日
  • 旅する小説

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    国境の子:宮内悠介/月の高さ:藤井太洋/ちょっとした奇跡:小川哲/水星号は移動する:深緑野分/グレーテルの帰還:森晶麿/シャカシャカ:石川宗生

    それぞれの時、それぞれの場所で
    旅が生まれ物語りになる
    不思議な感じのする物語たち
    「シャカシャカ」の切り取られる世界のイメージは見た気がする……夢かな??

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    2025年10月22日
  • これが最後の仕事になる

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    続きを書いて欲しい話や、考えさせられる話または自分にはよくわからない話など色々な作家さんの作品があり、読み応えがありました。
    この中から自分のお気に入りになる作家さんを探すのもいいかと思います。

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    2025年10月11日
  • 盤上の夜

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    第1回創元SF短編賞選考委員特別賞
    第147回直木賞候補
    第33回日本SF大賞

    の、デビュー作(恐ろしい)
    囲碁将棋等の6つのテーブルゲームを軸にした短編集

    あくまでSFの空気を纏っているだけで、とても読みやすく、思考に溢れ、身近な卓上遊戯を幹にしている分受け入れられやすい作品
    とんでもないデビュー作
    まあ、こんなに分かりやすくSFを感じると直木賞は新人紹介枠だった気もするが。案の定宮部みゆきさんが推していて大変納得

    囲碁がテーマの盤上の夜では幼少時に四肢を失い、囲碁盤を感覚器として機能するようになった女性の話
    この1編の最後の2行はとても美しく
    この情景をまるですぐ側で見ているように感

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    2025年09月27日
  • 盤上の夜

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    知識量が半端ない。
    また、それを読ませる言葉選びが、圧巻だった。
    生々しい中に、美しい情景が浮かぶ。
    作者の頭の中はどうなっているんだろう…
    他の作品も読んでみたい。

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    2025年09月23日
  • 作家の黒歴史 デビュー前の日記たち

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    何だろうか。偶然の聖地の、あの沢山の注釈が入るスタイルが個人的にかなり面白かったので、それの発展形かと思いきや、そうでもなかった。
    書かれた当時の、個人的経験あり、政治的意見あり、割と今回は内容は真面目な本だった。
    世代的に当時ミクシィは流行ってて、今でいう閉じたSNSみたいにコミュニティ内でやり取りするようなサービスだった。あれを振り返るのは確かに嫌だが、あえて作家として発表してみたのだろう。
    自分も過去のブログを個人的に本にまとめた事があったが内容がしょうもなかった…。

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    2025年09月16日
  • 遠い他国でひょんと死ぬるや

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    戦時中の詩人“竹内浩三”の幻のノートを求めて、中年のバツイチ男が仕事をやめてフィリピンで“自分探しの旅”に出る、そんなイメージで読み始めた。
    ところが、案外これが不思議な冒険活劇になっていく。

    フィリピンは複雑な歴史をもつ。

    もともと複数民族がルソン島とミンダナオ島を中心に多島に散らばって文化圏を形成していた。
    そこにイスラム文化が入り続いてスペインがキリスト教とともに入る。
    その後独立を約束したアメリカに裏切られ日本に占領される。
    あいだで何度も独立宣言するも短期間で消滅し、大戦後ようやく独立を勝ち得た。

    そんな複雑な歴史とともに人々の感情も一様とは程遠く渦巻く……そんな印象もちゃんと

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    2025年09月08日
  • 超動く家にて

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    著者のユーモアに富んだ作品が集められた短編集。SF的なアイデアに富むものから、くだらない状況を真面目に取り組むものまで幅広く楽しめた。長編ではまた違う側面を見せているそうなので読んでみたい。

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    2025年08月24日
  • 偶然の聖地

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    中央アジアを舞台にしているということで、中央アジア旅行の前に空気感を知っておこうと思って読んだ本。中央アジアというより南アジアが主な舞台だったので予習にはならなかったけど、レイとジョンの旅を読んでいると、ラダック旅行をした時の空気感が蘇った。

    様々な登場人物がそれぞれの理由で目指す幻の山イシュクト。あらすじを読んだ時は冒険譚かと思ったけど、冒険譚でありつつ、エンジニア的視点が多分に織り交ぜられたSFだった。世界の不具合をデバッグする「世界医」と呼ばれる人たちの仕事やイシュクトに対する捉え方、大量のメタ注釈がとてもエンジニア的で、リアルと空想が混ざり合う不思議な小説だった。

    前半は登場人物が

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    2025年08月10日
  • 暗号の子

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    どこか突き放したような、乾いた筆致がテクノロジーの話とうまくマッチしている。
    ただAI作の話は全然面白くなかった。

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    2025年08月08日
  • これが最後の仕事になる

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    ネタバレ

    多分夕木春央さんの本を探してたどり着いた本。「これが最後の仕事になる」という一文から始まるショートショートのアンソロジー。これがシリーズ3作目のようだ。こういうのがあったとは知らなんだ。大好きな米澤穂信や真梨幸子のも入ってた。他にも今をときめく作家さんが多いけど、知らなかった初読みの人も。まぁこれだけの規模だからな。そしてショートショートは読みやすいけど、やっぱ印象に残らないんだよなー。インパクトにかけるというか。あと全然意味不明というか、面白くないのもちらほら。まぁ好みだからな。

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    2025年07月27日
  • これが最後の仕事になる

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    1遍6ページなので、隙間時間にぴったりでした。
    五十嵐律人さん、秋吉理香子さん、呉勝浩さん、桃野雑派さん、白井智之さん、夕木春央さん、一穂ミチさん、米澤穂信さんなどなど。
    読んだことがある作家さんの作品がいっぱいで、とても楽しめました。

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    2025年07月24日
  • 超動く家にて

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    いい意味でくだらないSFショートショート。読みやすく、面白いのが多くて良かった。

    良かった短編を列挙。
    「トランジスタ技術の圧縮」
    広告ページを抜いて圧縮する競技。なにそれ。白熱してるところが面白い。

    「夜間飛行」
    おしゃれ。セリフ回しと少しのトリックが読み心地よい。

    「アニマとエーファ」
    ロボットと鏡写しの女の子。SFらしくもあり、詩的な情景が美しい。

    SFの短編にじっくりハマりつつあるなあ。

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    2025年07月22日
  • 作家の黒歴史 デビュー前の日記たち

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    商業的に読ませることを前提にしてない日記の文章は、頭の中が直に表されているようで面白かった。過去の自分を突き放しつつも、つい愛おしく思ってしまっている解説も面白い。

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    2025年07月20日