宮内悠介のレビュー一覧

  • 盤上の夜

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    四肢を失うも碁盤に感覚を接続し碁を打ち続ける少女。
    無敗の世界チャンピオンの座を投げ打ってまでプログラムとの対戦に身を投じるチェッカーの王者。
    新興宗教の教祖やサヴァンの少年たちによって繰り広げられる異形の麻雀。
    ひとりの少女を巡る共依存の果てに、将棋盤を挟み片やゲームを殺すことを、片や神の再発明を夢見る兄弟。
    囲碁、将棋、麻雀など、テーブルゲームを題材とした連作SF短編集。

    石黒達昌を思わせるジャーナリスティックな文体のルポルタージュ風SFから物語はファンタジックに飛翔し、ゲームに取り憑かれ囚われた者たちが異様な高みへ達していく様を描く、熱気あふれる怪作。
    個人的には「清められた卓」がダン

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    2026年08月31日
  • 暗号の子

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    この人の作品のすごいところ。それは、現代の社会問題をSFの設定にシームレスに溶け込ませるところだと思う。

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    2026年08月25日
  • Jミステリー2023~FALL~

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    ネタバレ

    最近読書欲が落ちているので、ミステリーを読みたくて手に取りました。
    「スプリット」という話しだけはスポーツ系の感動もの、という印象。他はミステリーだけど、色んな個性があって面白かったですね。
    「どうして今夜の彼女は魅力的に映るんだろう」はミステリーの内容はまずまず予想できましたが、タイトル回収と、キャラの個性が出てて面白かったです。読んだことはないと思うのですが、噂通りの東川篤哉作品!って感じでした。
    「笑う君影草」は途中ホラー系!?って思ってしまったけど、ちゃんと読めば予想できた事で(笑)でも、私の好きなちょっと人怖系の落ちだったので良かったです。
    「名探偵名前が適当」はタイトルからはオチが

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    2026年08月20日
  • ラウリ・クースクを探して

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    小川哲から。一級の脱法小説ということで読みましたが、ピュアな気持ちに政治が絡んで国の騒乱から現代にて再会。しかし、という王道ながらなかなかに読み進めるごとに巧みな逸らし方で最後まで楽しく読めた。

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    2026年08月06日
  • ラウリ・クースクを探して

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    エストニアの歴史のなかで翻弄されるラウリ、イヴァン、カーテャ。アーロン。

    「ラウリ・クースクを探して」
    この題名こそが幸せのかたまりだった。


    第11回高校生直木賞を受賞したとのこと。その選考会の記事を探し当て、高校生たちの熱い姿に何故だか泣けてしまった。

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    2026年08月04日
  • ラウリ・クースクを探して

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    1977年、ソ連統治下のエストニアに生まれたラウリ・クースク。
    幼い頃より数字に強い興味を持っていた彼は、次第にプログラミングの才能を発揮していく。
    周りに同レベルでプログラミングについて話せる人もおらず、孤独感を抱える中で、もう一人の才能・イヴァンとの運命的な出逢いが訪れ、まさに切磋琢磨の関係で、互いにプログラミングの能力を磨いていく。
    やがて新しい友人・カーテャを加え、3人で充実した時間を過ごす。

    が、ソ連からの独立を求める機運、その後のソ連崩壊という時代の流れに翻弄される形で、3人の運命は別々の方向へ動き出し…

    ラウリの人生を追う記者の取材(現在)と、ラウリ目線のエピソード(過去)が

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    2026年07月05日
  • ラウリ・クースクを探して

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    超IT先進国であるエストニア。その黎明期を舞台とした青春小説。

    まずエストニアの歴史をあまり知らなかったのでその点興味深かった。
    ちょうど歴史の転換点で、翻弄され、悪い方へ流されてゆく主人公ラウリの半生はなかなか読んでいて辛いものがあったけど、終盤の展開は胸が熱くなるものがありました。友情っていいなと心から思える一冊です。

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    2026年06月11日
  • 盤上の夜

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    短編集なので内容の割に読みやすい。それぞれの短編が最後繋がってくるのでもう一度読むとまた違った楽しみ方ができそう。個人的には麻雀回が好き。

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    2026年02月26日
  • 遠い他国でひょんと死ぬるや

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    評価が見合っていない。もの凄く面白かった。
    昨年に六本木の本屋で見かけて、その時は買わなかったのだが後から段々と気になってきて...本屋のSNSを辿り辿ってようやく掘り起こした1冊。

    現実の歴史やフィリピンの社会情勢を顕にしながら、その上で謎あり活劇ありのエンターテイメントが疾走していく。

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    2026年01月28日
  • かくして彼女は宴で語る 明治耽美派推理帖

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    明治末期、木下杢太郎や石井柏亭、山本鼎ら「パンの会」のメンバーが、各々が出くわした奇妙な事件について推理合戦を繰り広げる。議論が煮詰まったところで、会合場所の女中・あやのさんが鮮やかに解決。時代の雰囲気を感じられる。

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    2025年11月27日
  • 国歌を作った男

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    だんだんこの人のペースにハマってきたようだ。

    13篇の物語はボリュームも内容も豊富。
    中には2ページのものも。
    主にSF作家だと思っていた印象は、もうそんなカテゴリは意識しなくなっていた。

    この短編集は、どれも読後に感じるものがあり、とても良かった。

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    2025年11月19日
  • Jミステリー2023~FALL~

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    アンソロジー作品『Jミステリー2023 FALL』を読みました。
    全篇書下ろしの短篇を収録した贅沢なアンソロジー作品です。

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    ミステリー界の最前線で活躍する作家陣による、全編書き下ろしの超豪華アンソロジー「Jミステリー」。
    この秋も誰もがよく知るあの作家たちが競演! 大好評だったあの作家の再登板も……これを読まずして日本ミステリーを語ることなかれ。
    『Jミステリー2023』もお見逃しなく。
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    2023年(令和5年)に刊行された作品で、以下の6篇が収録されています。

     ■どうして今夜の彼女は魅力的に映

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    2025年11月08日
  • 旅する小説

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    帯には「最旬の作家たちが旅をテーマに競作したアンソロジー」と書かれている。この最旬の作家たち6人のうち5人が有名なSF作家だった。この様なアンソロジーには必ず読んだことがある作品が紛れ込んでいるもの。しかし、しょうがない。忘れている作品もあるだろうから、復習も兼ねてサラっと読んで行こう。SF作家が「旅」と言えば、時間旅行、宇宙旅行が定番、全くつまらないと言うことはないだろう。まさか、普通の旅行小説なのか?と、ワクワクしながら読むのも一興だ。さあ、個別にコメントしよう。

    〇 国境の子/宮内悠介
    講談社の短編集「国家を作った男」で既読。何回読んでも心に染み入る作品。主人公が大人しいだけに、その範

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    2025年10月23日
  • 旅する小説

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    国境の子:宮内悠介/月の高さ:藤井太洋/ちょっとした奇跡:小川哲/水星号は移動する:深緑野分/グレーテルの帰還:森晶麿/シャカシャカ:石川宗生

    それぞれの時、それぞれの場所で
    旅が生まれ物語りになる
    不思議な感じのする物語たち
    「シャカシャカ」の切り取られる世界のイメージは見た気がする……夢かな??

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    2025年10月22日
  • 盤上の夜

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    第1回創元SF短編賞選考委員特別賞
    第147回直木賞候補
    第33回日本SF大賞

    の、デビュー作(恐ろしい)
    囲碁将棋等の6つのテーブルゲームを軸にした短編集

    あくまでSFの空気を纏っているだけで、とても読みやすく、思考に溢れ、身近な卓上遊戯を幹にしている分受け入れられやすい作品
    とんでもないデビュー作
    まあ、こんなに分かりやすくSFを感じると直木賞は新人紹介枠だった気もするが。案の定宮部みゆきさんが推していて大変納得

    囲碁がテーマの盤上の夜では幼少時に四肢を失い、囲碁盤を感覚器として機能するようになった女性の話
    この1編の最後の2行はとても美しく
    この情景をまるですぐ側で見ているように感

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    2025年09月27日
  • 盤上の夜

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    知識量が半端ない。
    また、それを読ませる言葉選びが圧巻だった。
    生々しい中に、美しい情景が浮かぶ。
    作者の頭の中はどうなっているんだろう…
    他の作品も読んでみたい。

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    2025年09月23日
  • 作家の黒歴史 デビュー前の日記たち

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    何だろうか。偶然の聖地の、あの沢山の注釈が入るスタイルが個人的にかなり面白かったので、それの発展形かと思いきや、そうでもなかった。
    書かれた当時の、個人的経験あり、政治的意見あり、割と今回は内容は真面目な本だった。
    世代的に当時ミクシィは流行ってて、今でいう閉じたSNSみたいにコミュニティ内でやり取りするようなサービスだった。あれを振り返るのは確かに嫌だが、あえて作家として発表してみたのだろう。
    自分も過去のブログを個人的に本にまとめた事があったが内容がしょうもなかった…。

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    2025年09月16日
  • 遠い他国でひょんと死ぬるや

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    戦時中の詩人“竹内浩三”の幻のノートを求めて、中年のバツイチ男が仕事をやめてフィリピンで“自分探しの旅”に出る、そんなイメージで読み始めた。
    ところが、案外これが不思議な冒険活劇になっていく。

    フィリピンは複雑な歴史をもつ。

    もともと複数民族がルソン島とミンダナオ島を中心に多島に散らばって文化圏を形成していた。
    そこにイスラム文化が入り続いてスペインがキリスト教とともに入る。
    その後独立を約束したアメリカに裏切られ日本に占領される。
    あいだで何度も独立宣言するも短期間で消滅し、大戦後ようやく独立を勝ち得た。

    そんな複雑な歴史とともに人々の感情も一様とは程遠く渦巻く……そんな印象もちゃんと

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    2025年09月08日
  • 超動く家にて

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    著者のユーモアに富んだ作品が集められた短編集。SF的なアイデアに富むものから、くだらない状況を真面目に取り組むものまで幅広く楽しめた。長編ではまた違う側面を見せているそうなので読んでみたい。

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    2025年08月24日
  • 偶然の聖地

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    中央アジアを舞台にしているということで、中央アジア旅行の前に空気感を知っておこうと思って読んだ本。中央アジアというより南アジアが主な舞台だったので予習にはならなかったけど、レイとジョンの旅を読んでいると、ラダック旅行をした時の空気感が蘇った。

    様々な登場人物がそれぞれの理由で目指す幻の山イシュクト。あらすじを読んだ時は冒険譚かと思ったけど、冒険譚でありつつ、エンジニア的視点が多分に織り交ぜられたSFだった。世界の不具合をデバッグする「世界医」と呼ばれる人たちの仕事やイシュクトに対する捉え方、大量のメタ注釈がとてもエンジニア的で、リアルと空想が混ざり合う不思議な小説だった。

    前半は登場人物が

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    2025年08月10日